雨の中つかんだ白星。皇后杯出場決定!

ア式蹴球女子

 勝てば全日本女子選手権(皇后杯)への出場権を手に入れる今試合は、強い雨と同時にスタートした。相手は勝ち上がってきた神奈川県代表の日体大FIELDS横浜サテライト(日体大)。スリッピーなグラウンドのせいもあり、前半は思うように得点することができない。後半からはセットプレーを中心とした攻撃で相手に畳みかけ、皇后杯への切符を手に入れることができた。

 開始直後の5分、早速試合は動いた。DF渡部那月(社4=兵庫・日ノ本学園)が深い位置まで入り込み、マイナス気味のセンタリングを上げる。ゴール前のFW山田仁衣奈(スポ3=大阪・大商学園)は一度トラップをするもボールが足元から少し離れてしまい、思いっきり振り抜くことなくシュートはGKの正面へ。渡部の縦への動きで繰り返しチャンスをつくるも、シュートにつながる最後のパスがなかなか通らない。日体大もFW大坪菜が裏を狙いスルーパスを要求するが、DF小林菜々子(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)らDF陣を中心に的確なラインコントロールでオフサイドを仕掛ける。しかしペナルティーエリア内でボールを回され、クリアをしても中盤にボールが収まらず、守備の時間が長く続いてしまう。そんな中でもシュートをさせないことを徹底し前半のシュート数を1本に抑えた。37分には再び渡部が右サイドから浮き球でスルーパスを出しチャンスをつくり出すが、パスを受けたFW河野朱里(スポ4=静岡・藤枝順心)とタイミングが合わず得点とはならず。両チーム共に決定的な場面を作り出せず、前回の前橋育英高戦と同様にもどかしい前半となってしまった。

柳澤(右)のキックに小林が合わせた1点目

 後半は出だしから両チーム共に攻めの姿勢を見せる。42分、MF村上真帆(スポ2=東京・十文字)がHTで交代したDF冨田実侑(スポ2=岡山・作陽)にスルーパスを出すが、タイミングが合わずGKにセーブされてしまう。5分に立て続けにシュートを打たれるがGK木付優衣(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)の冷静なセービ
ングでピンチは免れる。相手のペースに試合が流れそうになる中、小林がインターセプトを狙い失点の匂いがする前に大きくクリアをして、その流れを止めた。50分のCKでは小林自身もヘディングで得点に絡むプレーを見せた。そして試合がついに動いたのは51分。警告でペナルティーエリアの左側すぐ外の位置でFKのチャンスを得た。MF柳澤紗希(スポ4=浦和レッズレディースユース)がカベの右側から大きく弧を描いたボールを蹴り、ゴール前にいた小林が頭に当てて完璧なかたちで得点を決めた。続いて55分に再び柳澤がFKを得る。鋭いライナーのボールはカベの足元を通り抜け、左ポストに当たりゴールへ。GKが反応できないギリギリを狙ったシュートは観客を沸かせた。立て続けに点を決められ、焦りが見え始めた日体大も反撃を仕掛けてくる。ピッチをワイドに使ってサイドチェンジを繰り返し、遠目の位置からもゴールを狙ってくる。交代カードをうまく使いながら早大はピンチを乗り越え、気づけば2-0で試合は終わっていた。

セットプレーから2得点が生まれた

 「相手のサッカーに自分たちが合わせないように」と柳澤は早大のこれからの課題について試合後に振り返った。試合の流れを自分たちが手に入れることでプレーしやすくなり、得点を重ねることができる。連日の試合でコンディションが心配されるが、万全な状態で優勝に向かって突っ走っていてほしい。

(記事 大山遼佳、写真 下長根沙羅)

スターティングイレブン

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後半に畳み掛け、初戦を突破/第40回関東女子選手権(2018.09.16)

第40回関東女子選手権
早大 0-0
2-0
日体大FILELDS横浜サテライト
【得点】
(早大)51’小林 菜々子、55’柳澤 紗希
(日体大FILELDS横浜サテライト)なし
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 木付 優衣 スポ4 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF 渡部 那月 社4 兵庫・日ノ本学園
DF 32 小林 菜々子 スポ3 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF 23 源関 清花 スポ3 ちふれASエルフェン埼玉
DF 中田 有紀 スポ3 兵庫・日ノ本学園
MF 安部 由希子 スポ4 宮城・聖和学園
→72分 14 田中 実夏 スポ3 セレッソ大阪堺レディース
MF 柳澤 紗希 スポ4 浦和レッズレディースユース
FW 山田 仁衣奈 スポ3 大阪・大商学園
→41分 15 冨田 実侑 スポ2 岡山・作陽
MF 村上 真帆 スポ2 東京・十文字
→76分 12 山田 彩未 スポ4 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
MF ◎11 熊谷 汐華 スポ4 東京・十文字
FW 10 河野 朱里 スポ4 静岡・藤枝順心
→79分 18 八神 友梨弥 スポ4 宮城・常盤木学園
◎=キャプテン
監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘)
コメント

MF柳澤紗希(スポ4=浦和レッズレディースユース)

――勝てば皇后杯出場が決定する試合でした。どのような意気込みで臨みましたか

負けても、あした勝てば(皇后杯に)行ける状況だったんですけど、きょうの試合だけに集中して臨みました。

――前半は拮抗(きっこう)していましたがいかがでしたか

相手もフレッシュな状態で、相手のサッカーに自分たちが合わせないように心がけていました。ただ、それが難しくて相手の戦法にはまってしまったので、自分たちの課題だと思います。関カレ(関東大学女子リーグ戦)もこれから続くので修正しなければいけないと思います。

――ハーフタイムではどのようなことを話されましたか

相手のフォーメーション的にも、自分たちから結構サイドにはまりにいってしまった感じだったので、もっと中盤のスペースを使っていけばもっと簡単にプレーできると選手同士で話しました。個人的にはミドルシュートを狙えと言われました。

――1点目は柳澤さんのキックから得点が生まれました

狙ってはなかったです。結構スリッピーな状態だったので、低くて速い球をGK前にバウンドさせれば、相手に当たって事故でも入るかなと思いました。低いボールを狙いましたが、思わぬかたちで浮いちゃって(笑)。菜々子(小林)仕様のボールになったので、そこは菜々子に感謝したいです(笑)。

――2点目は狙われたのですか

はい。イメージ通りでした。

――あすは大東大との一戦になります。意気込みをお願いします

2連戦でタフな戦いになると思うんですけど、(皇后杯への)切符を手に入れたのはお互い様なので。関カレでもやった相手なので、気持ちで負けないようにしたいと思います。

DF小林菜々子(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)

――どのように試合に臨みましたか

特別な感じではなかったのですが、一試合一試合勝ち切ろうと言っていました。

――試合を振り返っていかがでしたか

前半は雨の影響もあって、裏を取られる場面もありなかなかシュートまでいくことができませんでしたが、その中で自分たちのペースをつかむことができたと思います。後半はタッチ数少なくゴールまで行くことができました。セットプレーが入ったりもして、良かったです。

――得点シーンはいかがでしたか

やなさん(柳澤紗希、スポ4=浦和レッズレディースユース)がいいボールを蹴ってくれて自分は頭に当てるだけでした。

――守備を振り返っていかがでしたか

相手が蹴ってくることは分かっていたのですが、ラインを下げる意識が強すぎて前に行けない部分もありました。そこは改善していきたいです。カバーリングを徹底していたので最後のシュートまでは打たせないようにしました。

――次に向けて意気込みをお願いします

大学生相手で絶対に負けられないので、コンディションを整えて試合に勝ちにいきます。