風が強く吹く中で、関東大学女子リーグ戦(関カレ)の第3節が行われた。今節の相手は、関東女子リーグ戦(関東リーグ)では対戦していない東京国際大だ。前半は拮抗(きっこう)した展開となり、両校無得点。後半になると、パスが前半に比べて回るようになり、FW河野朱里(スポ4=静岡・藤枝順心)が2得点。エースの活躍で、関カレ2勝目を挙げた。
「前半にどうやって攻撃するのかというアイディアが出なかった」と河野が振り返るように、前半はなかなかア式蹴球部女子(ア女)らしいサッカーを展開することができない。25分には、DF渡部那月(社4=兵庫・日ノ本学園)とMF阪本未周(スポ2=大阪・大商学園)が粘ってCKを獲得。最後は河野が頭で合わせるが、惜しくも相手GKにキャッチされてしまう。また44分には絶好の位置からFKのチャンスを得た。河野のキックは相手のカベに当たったものの、これをDF中田有紀(スポ3=兵庫・日ノ本学園)がなんとかつないでクロスを供給。MF村上真帆(スポ2=東京・十文字)が反応したものの、得点には至らなかった。前半はセットプレーのチャンスが多かったものの、いずれも得点には結びつけることはできずに終えた。
チームを救う2得点を挙げた河野
MF並木千夏(スポ1=静岡・藤枝順心)を投入して臨んだ後半。前半の重い空気を打破したのは、やはりエース・河野だった。55分、MF熊谷汐華主将(スポ4=東京・十文字)が河野にパスを出すと、河野はペナルティエリア付近からゴール右隅に蹴りこんだ。「練習の中で取り組んでいたので狙い通りだった」という得点で、1-0とした。75分には、この試合6回目のCKを獲得。こぼれ球をDF源関清花(スポ3=ちふれASエルフェン埼玉)が河野に素早くパス。これを河野が押し込んで、2-0とした。その後も積極的なサッカーを展開したものの、追加点は奪えず2-0で試合を終えた。
2点目が決まった後喜ぶ河野(左)と並木(右)
前半は重い展開となり得点を奪うことができなかったが、後半にしっかりと修正をして白星をつかみ取ったア女。「自分たちのこれからにつながる試合だった」と河野が振り返るように、課題と同時に収穫も多く見いだされたことだろう。また「楽な試合展開で関カレを進めていきたい」とも河野は話す。15日から関東女子選手権 (兼)皇后杯全日本女子選手権関東予選も始まり、連戦も控えている。ア女らしいサッカーで、終始試合を優位に進めていきたいところだ。まずは9日、大東大との関カレ第4節に臨む。
(記事、写真 下長根沙羅)
スターティングイレブン
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第32回関東大学女子リーグ戦 | ||||
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早大 | 2 | 0-0 2-0 |
0 | 東京国際大 |
【得点】 (早大)55’、77’河野朱里 (東京国際大)なし |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 木付 優衣 | スポ4 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディース |
DF | 2 | 渡部 那月 | 社4 | 兵庫・日ノ本学園 |
DF | 32 | 小林 菜々子 | スポ3 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディース |
DF | 23 | 源関 清花 | スポ3 | ちふれASエルフェン埼玉 |
DF | 3 | 中田 有紀 | スポ3 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 5 | 安部 由希子 | スポ4 | 宮城・聖和学園 |
→83分 | 20 | 中條 結衣 | スポ3 | JFAアカデミー福島 |
MF | 14 | 田中 実夏 | スポ3 | セレッソ大阪堺レディース |
→68分 | 17 | 松本 茉奈加 | スポ2 | 東京・十文字 |
MF | ◎11 | 熊谷 汐華 | スポ4 | 東京・十文字 |
MF | 7 | 村上 真帆 | スポ2 | 東京・十文字 |
→84分 | 18 | 八神 友梨弥 | スポ4 | 宮城・常盤木学園 |
MF | 25 | 阪本 未周 | スポ2 | 大阪・大商学園 |
→46分 | 37 | 並木 千夏 | スポ1 | 静岡・藤枝順心 |
FW | 10 | 河野 朱里 | スポ4 | 静岡・藤枝順心 |
◎=キャプテン 監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘) |
コメント
FW河野朱里(スポ4=静岡・藤枝順心)
――きょうの試合を振り返って
初戦を引き分けてしまって、もう引き分けも負けもできないという状況の中で、結果的に勝てたのは良かったです。ただ、前半にどうやって攻撃するのかというアイディアが出なかったのが課題ではありますけど、それを後半で改善できたのは良かったと思います。自分たちのこれからのポイントにつながるのではないかなという試合です。
――東京国際大はどのような印象ですか
メンバーが予想していたのとは違いました。全員が声を出して一丸となって戦ってくるチームだったと思います。自分たちはそれに対して個人で戦っていたら勝てなかったし、後半みたいにある程度の連携があれば自分たちのサッカーができるんですけど、前半みたいに個人でやっていたらこういうチームに勝てないと思います。自分たちのチーム力を高めなければいけないですし、そこは相手チームから学ぶところだと思います。
――前半終了時点では0-0でした。ハーフタイムではどのような指示がありましたか
自分たちで話し合ったのは、相手が前からコンパクトにディフェンスをしてくる中で、自分たちもそのエリアの中でやっていたらごちゃごちゃになってしまうことが前半の課題でした。それに対して自分たちが逆に広いフォーメーションを取って相手を揺さぶって、縦に仕掛けるということと、クロスを上げて攻撃することでした。(クロスを)上げられていたので、後半はできていたということだと思います。
――1点目を決められました。振り返っていかがですか
最近の試合でクロスの入り方が課題になっていました。勢い良く入る1枚目と2枚目、それに対して3枚目が引いて受けるというところを練習の中で取り組んでいたので、それを自分も意識できましたし、しお(熊谷)も意識していたと思うので、狙い通りだったと思います。
――2点目はいかがでしたか
折り返しが、ピンポイントでげん(源関)が出してくれました。ある程度予想はしていたんですけど、あんなに速い球が来ると思っていなかったので、ちょっとびっくりしたんですけど、しっかり合わせられたので良かったと思います。
――日曜日の大東大戦に向けて一言お願いします
関東リーグでもやっていない相手ですし、きょうみたいにチーム力が高いと思うので、きょうの反省と良かったとことをしっかり振り返って、後半の良かったところを生かして前半からやりたいと思います。楽な試合展開で関カレを進めていきたいので、前半から飛ばしていけるような試合展開にしたいと思います。