まさかの引き分けに終わった関東大学女子リーグ戦(関カレ)の開幕戦から6日。前節の無念を晴らすべく、関カレ第2節に臨んだ。足元の技術が高い武蔵丘短大に対して、序盤から積極的な攻撃を見せたア式蹴球部女子(ア女)。5分に挙げた先制点を皮切りに、得点を量産した。終わってみれば8-0の大量得点で相手を圧倒し、勝ち点3をつかみ取った。
酷暑となった前節と打って変わって、曇り空の中試合は始まった。5分、MF安部由希子(スポ4=宮城・聖和学園)が豪快なミドルシュートを放つも、バー直撃。このこぼれ球をMF並木千夏(スポ1=静岡・藤枝順心)が押し込み、先制点を上げた。この先制点で試合の主導権を握ったア女。次々と相手ゴールに襲い掛かる。17分、左から右に大きくサイドチェンジ。右サイドを完全に崩すと、最後はMF松本茉奈加(スポ2=東京・十文字)が押し込み2点目。さらに32分、久々に本職のSBで出場したDF渡部那月(社4=兵庫・日ノ本学園)が右サイドを駆け抜けると、クロスを供給。これにMF村上真帆(スポ2=東京・十文字)が合わせた。38分には、相手のパスをカットしたMF熊谷汐華主将(スポ4=東京・十文字)がペナルティエリアで倒され、PKを獲得。落ち着いて決め、4-0とした。また、このファウルで相手は一発退場となり、ア女に数的優位が生まれることとなった。前半だけで4-0と差をつけ、試合を折り返した。
積極的な攻撃参加を見せた中田
さらに点差をつけたい後半。まずは、DF中田有紀(スポ3=兵庫・日ノ本学園)の積極的な攻撃参加で得点が生まれる。50分、ドリブルで持ち込み、そのまま角度の無いところからシュート。このボールがネットを揺らし、5-0。「相手が思ったより寄せてこなかった」(中田)。相手のわずかな隙をつき、ケガからの復帰後初得点を挙げた。そして、46分に投入されたMF田中実夏(スポ3=セレッソ大阪堺レディース)の活躍が光った。途中出場ながらも、高い決定力でハットトリックを達成。特に、8点目は右サイドから狙いをすました超ロングシュートが炸裂。鮮やかな弧を描いてゴールに吸い込まれた。「前回は試合に出られなくて悔しい思いをした」(田中)。前節悔しい思いをしただけに、よりいっそう気持ちを入れて臨んだ今節。強い思いがハットトリックというかたちで実を結んだ。守備の面でも、相手に得点を許すことなく、8-0で試合を終えた。
途中出場からハットトリックを達成した田中
まさに『完勝』という言葉がふさわしい結果となった今節。中田が「勝ちにこだわりたい」と話すように、悲願の関カレ優勝を達成するためには、最終節の日体大戦まで勝ち点3を着実に積み重ねていくしかない。「引き分けや負けは良くない」(田中)。ア女は、あくまでも勝利にこだわり続ける。
(記事 下長根沙羅、写真 河合智史、下長根沙羅)
スターティングイレブン
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第24回関東女子リーグ戦 | ||||
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早大 | 8 | 4-0 4-0 |
0 | 武蔵丘短大 |
【得点】 (早大)5’並木千夏、17’松本茉奈加、32’村上真帆、39’熊谷汐華、50’中田有紀、60’、90’、94’田中実夏 (武蔵丘短大)なし |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | 木付 優衣 | スポ4 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU |
DF | 2 | 渡部 那月 | 社4 | 兵庫・日ノ本学園 |
DF | 32 | 小林 菜々子 | スポ3 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディース |
DF | 23 | 源関 清花 | スポ3 | ちふれASエルフェン埼玉 |
DF | 3 | 中田 有紀 | スポ3 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 5 | 安部 由希子 | スポ4 | 宮城・聖和学園 |
→82分 | 38 | 桝田 花蓮 | スポ1 | ちふれASエルフェン埼玉マリ |
MF | 37 | 並木 千夏 | スポ1 | 静岡・藤枝順心 |
→46分 | 14 | 田中 実夏 | スポ3 | セレッソ大阪堺レディース |
MF | 17 | 松本 茉奈加 | スポ2 | 東京・十文字 |
MF | ◎11 | 熊谷 汐華 | スポ4 | 東京・十文字 |
→64分 | 25 | 阪本 未周 | スポ2 | 大阪・大商学園 |
MF | 7 | 村上 真帆 | スポ2 | 東京・十文字 |
→80分 | 13 | 高瀬 はな | スポ3 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18 |
FW | 10 | 河野 朱里 | スポ4 | 静岡・藤枝順心 |
→64分 | 12 | 山田 彩未 | スポ4 | ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18 |
◎=キャプテン 監督:川上嘉郎(昭51商卒=神奈川・横浜緑ケ丘) |
コメント
MF田中実夏(スポ4=セレッソ大阪堺レディース)
――先週の試合では引き分けでしたが、なにか修正した点はありますか
前回は試合に出られなくてベンチで悔しい思いをしたので、きょうは試合に出たら点を取ってチームに貢献したいなと思っていました。
――武蔵丘短大の印象はいかがですか
足元が上手かったので一発ではいかないようにしていたんですけど、上手く間とかを通されてしまって、ピンチにはならなかったんですけど自分の守備としては反省かなと思います。
――大量得点で快勝でしたが、振り返ってみてどうですか
リーグ戦は(点を)取れる時に取っておいた方が後々有利になるので、もうちょっととれたかなと思います。
――途中からの出場で3得点を決めましたが、ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか
攻撃で点を決められたのは良かったんですけど、まだ判断ミスとかパスミスとかもあったし、守備もうまくいかない部分もあったんで、これからきょうのような結果を残し続けられるようにしていきたいです。
――きょうの得点を一つずつ振り返っていかがですか
こぼれ球をキーパーの正面に蹴ってそのチャンスを潰してしまったので、次は絶対決めようと思って6点目は気持ちで押し込みました。7点目は未周(MF阪本、スポ2=大阪・大商学園)からヘディングでいいボールが入ってきて当てるだけだったんですけど、それがバーにあたり自分の前に転がってきて、ラッキーだったなと思います。8点目は、その前に打ったロングシュートがバーに当たり感触は良かったので、打ったら入るかなと思って打ってみたら綺麗にコースいってくれました。
――最後に次の東京国際大戦への意気込みをお願いします
リーグ戦で最初に引き分けてしまって、引き分けとか負けは優勝するには良くないんで、時間は少ないですが絶対に勝てるように良い準備をしていきたいと思います。
DF中田有紀(スポ3=兵庫・日ノ本学園)
――前節は引き分けに終わりました。今節に向けて修正したことはありますか
勝ちにこだわりたくて、勝ち点3をしっかり取りにいきたいと思っています。前節もシュートチャンスが結構あった中で決めきれなかったのと、守備の部分でも早い時間での失点だったり、自分たちの(ボールの)失い方が良くなかったので、守備の部分でコンパクトにすることと、攻撃面ではワイドに使って攻めることを意識していました。8点決められたことは良かったと思います。
――武蔵丘短大にはどのような印象をお持ちですか
個の能力が高いイメージです。
――8-0というスコアについてはどのように捉えていらっしゃいますか
できるだけ多くの点数を決めきることは今後にもつながっていくと思っているので、決定力にはこだわりたいと思っています。
――無失点に抑えましたが、守備面を振り返っていかがですか
失点をしなければ負けることは無いと思うので、最後は泥臭く守って、失点しないというところにはこだわってやっていけたらいいと思います。
――5点目はご自身で攻めあがって決められました
あれですか(笑)。決められたことは良かったと思います(笑)。
――もうご自身で最後まで持っていくと決めていたのでしょうか
ちょっとミスしたんですけど、相手が思ったより寄せてきませんでした。いけるかなって思っていった感じですね(笑)。
――水曜日の東京国際大戦への意気込みをお願いします
まずは無失点に押さえて、相手がどういう戦い方だったとしても、自分たちがやってきたことをしっかりやって勝ち点3を取りたいと思います。