【連載】インカレ直前特集『三連覇』第4回 大井美波×熊谷汐華×柳澤紗希×河野朱里

ア式蹴球女子

 第4回は3年生対談PART2。チームの最前線で躍動する4名・MF大井美波(スポ3=大阪・大商学園)、MF熊谷汐華(スポ3=東京・十文字)、MF柳澤紗希(スポ3=浦和レッズレディースユース)、FW河野 朱里(スポ3=静岡・藤枝順心)に登場していただいた。1年生の頃からチームの中核を担ってきた4名が3度目のインカレにかける思いとは。同級生ならではの掛け合いの良さにも注目だ。

※この取材は12月1日に行われたものです。

「インカレにつながる敗戦だったといえるようにしたい」(柳澤)

――まずはこれまでの試合について振り返っていただきます。2つのリーグ戦の結果についてはいかがですか

河野 関カレ(関東大学女子リーグ戦)は東京国際大に負けて、その時のチーム状況も良くなくて、予期せぬ敗戦という感じになってしまったんですけど、そこからチームを見直すきっかけにはなりました。ただ、自分たちの甘さでたかなと思います。あと最後の日体大ですね。皇后杯が終わってすぐの試合でメンタル的にもフィジカル的にもかなりコンディションを整えるのが難しい状況で臨んだんですけど、やっぱり勝てなくて。自分たちの甘えというか、どっかで勝てるんじゃないかという小さい甘えが重なってあのような結果になってしまったんじゃないかなと思います。今回の関カレに関しては本当に反省点が多い大会になったと思います。関東リーグ(関東女子リーグ戦)に関しては正直あまり覚えていなくて(笑)。いま結構上位にいるということはチームを基礎から積み上げてきた結果がこれにつながってると思うので、あと一戦残っているので、大きい大会でまだタイトルを1つしかとっていないので、連覇を途切れさせてはいけないと思うし、絶対に勝ちたいと思います。

熊谷汐 関東リーグは最後の一戦、しっかり勝ち切りたいと思います。関カレは記憶に残っているのは日体大戦なんですけど、皇后杯とかたくさんの試合が重なっていて、3年間の中で一番多くの試合をした期間で、その中で勝たなきゃいけない試合だったにもかかわらず勝てなかったという試合でした。負けることをいいことというわけではないんですけど、この時期に負けたことで気付けたことがたくさんあったと思うので、この負けを無駄にせずに次につなげたいなと思います。

柳澤 関東リーグは関カレのチームとかぶっているということもあってそういった部分でも関カレは戦いづらい部分があって。逆に関東リーグもユースとかのチームなのでやりづらさもあって。両リーグともに自分たちの足りない部分が見つけられたかなと思います。自分が1番印象に残っているのはジェフ戦です。負けたら自力優勝がなくなるという状況で勝てたから今1位にいれていると思います。関カレも自分たちのせいで(優勝を)決め切れなかったと思うので、インカレにつながる敗戦だったといえるようにしっかり戦えたらいいなと思います。

大井 きょねんよりもことしの方が接戦が多かったなと。今週勝てば9連覇で、自分たちには来年もあるので、この連覇を途切れさせないということもとても大切なことだなと思います。関カレはきょねんも最後に負けてしまって。1年生の時の優勝と、2年生の準優勝どちらも経験して優勝することの難しさをわかってはいたんですけど、結局負けてしまったのでどこかで甘さがあったと思います。日体大戦をもっと自分の中でもチームとしても大事にしていかないと優勝は難しいのかなと感じました。

――この1年間通してチームのここが変わったとかはありますか

柳澤 気付いたら2ボランチになってたよね。

河野 前の厚みが足りなくなってそうしたんだよ。4-2-3-1の時は守備に偏ってしまっていて、ア女の強みであるサイドの攻撃の時にクロスに入る枚数が足りないからシャドーを2枚にして厚みを持たせようということになりました。

――個人としても、チームとしても成長したなと感じる部分はありますか

河野 個人としては、引き分けとかが続いた中で自分が点を取らないと勝てないんだということがよくわかった期間だったので、そこから試合に出たら絶対に点を取るんだという意識が1、2年生の時よりもつよくなってるなと思います。接戦に自分は弱いんですけど、そういう時に点を決めないといけないという課題は今でもあるんですけど、最近になって少し自分の中で強くなってきている部分かなと思います。

柳澤 選手層が厚くなっていて、きょねんより苦しいシーズンだったなと感じています。でもその分どこを改善していかないといけないのかとかは自分自身で考えることができたので、そこは良かったかなとは思います。あと2年より3年の方がチームのことを考える時間が増えたかなとは思いますね。

熊谷汐 1、2年のころよりは自分の中に余裕ができたというか、基本慌てちゃうタイプなんですけど、1つ落ち着いて見れたりだとか、自分だけじゃなくで周りを少しは見れるようになったかなとは思います。

大井 スピードを持ってる選手が増えて、自分スピードがないので、その人たちとは違う部分を出さないと試合には出れないなと感じた1年間でした。あと守備の意識もあがりました。

――皇后杯ベスト8という結果については

河野 本戦入ってからの相手がどれも勢いのあるチームとばかりの試合で、やったこともないチームだったので、1試合1試合臨むのは難しかったですね。でもわからない相手だからこそ試合するのが楽しいというか。スカウティングとかしていても大学生にはない強さとかがあったので、そういう相手とやれることが楽しかったです。それにみんなでがんばって結果がついてきたというのは良かったと思います。ただ、愛ナックに勝ったのでノジマステラ神奈川相模原にも勝たないといけなかったと思うんですけど、負けちゃったというのはまだ自分の中で落とし込めていなくて。みんなからは結構がんばったよとか言われるんですけど、自分としてはもう1つ上にいけたんじゃないかというか、いかないといけなかったと思います。

――他の皆さんはいかがですか

柳澤 とりあえず天候が(笑)。

――そんな中、点を決められていましたね

柳澤 とりあえずピッチ状況がいいところではやらせちゃいけないというように言っていたのと、2-1で折り返していたので次の1点が大事だと思っていた中入れることができたのは良かったと思うしうれしかったです(笑)。

――準々決勝の試合後、DF高木ひかり選手(平28スポ卒)とハグなさってましたが

河野 ひかりさん(高木)から来てくれて「ナイスシュー」って言われました(笑)。駆け引きすることが多かったので、その中でもそれが本当に楽しくて。何度もボール取られたんですけど、自分も点を入れることができましたし。試合後ひかりさんからきてくれましたし、その時は対等に戦えたんじゃないかなと思いましたね。

――プロの選手と戦ったことで感じたことは

大井 自分は2回戦しか出ていないので客観的に試合を見れました。いままでリーグやってきた中ではないようなプレーばかりで。小さいプレーなんですけど、1つ1つがすごくて、中途半端なプレーが1つもなかったです。そういうレベルのことを当たり前にやっていたので、勝てはしたんですけど、自分たちはまだまだだなと感じました。

熊谷汐 チームとしては全体として守備意識が高まったかなとは思います。前線の選手も守備もがんばってくれていたし、自分もサイドですけど守備は意識していました。いい守備をできた後はいい攻撃にもっていけたりだとかそういう場面が多かったと思います。その点はとても良かったと思います。

「4年生はストイックな人が多い」(河野)

――ここからはお互いのプレーの印象についてお聞きしたいと思います。まず皆さんから見た大井選手はどのような印象ですか

大井 足遅い以外でお願いします(笑)。

柳澤 足遅い(笑)。ヘディングが強い。何でだろうね。

熊谷汐 ね。何であんなに跳べるの?

――たくさんヘディングで点数を取ってらっしゃいますよね

大井 中学の時にめっちゃやらされたから、怖いぐらい(笑)。あと野球めっちゃ好きだった。

柳澤 あー、落下地点ってこと?

大井 うん。

河野 さつ(DF三浦紗津紀、スポ3=浦和レッズレディースユース)もそうでしょ?

大井 あ、そうなんや。

河野 絶対野球やるべきだったなあ(笑)。

一同 (笑)。

河野 みな(大井)は足遅いので。

大井 言うなって(笑)。

河野 本当に足が遅いので、一緒にプレーする時は絶対に自分は前のスペースにボール出さないです(笑)。追い付かないから(笑)。足元の技術はア女の中で上のほうだと思うので、そこを生かすために自分は足元にパスを出して、ドリブルしてもらうとかパスしてもらうとか、そういう感じだよね?

大井 うん。

河野 みなが結構前のスペースに要求するんですよ。要求しながら走るんですけど、止める。

一同 (笑)。

――続いて柳澤選手についてお願いします

大井 足遅いのばれないよね、あんまり。

柳澤 いや、ばれるでしょ。

大井 ばれるっけ?

河野 そういう(ばれない)ポジションじゃん。

大井 そっか。

柳澤 最近見てる?私のプレー。

河野 見てないかも(笑)。

柳澤 見て(笑)。

河野 やな(柳澤)はやっぱキックの精度が高いので、やなにボール預けたらだいたい周りが動き出すから、そこから攻撃がスタートするって感じですかね。そこからボールを配球してもらってスタートする。

大井 なんか自分は結構合うっていうか。合う人合わない人ってある中で、考えが一緒というか似てるから、要求してるところに来るし、出したいところにいるしって感じですかね。

――息ぴったりという感じでしょうか

大井 ぴったりはちょっと(笑)。

柳澤 ちょっとね(笑)。

大井 ぴったりは認める感じするから嫌だ(笑)。

柳澤 全然いいじゃん。

熊谷汐 何だろう。自分がボール持った時とか、いてほしいところにいつもいてくれるからすごい助かるんですね。ちょっと合わなかった時とかも、すぐ「今のこうだったよね」とか話しやすいし、自分の意見とかも聞いてくれるからすごいやりやすいなって思います。

柳澤 照れる(笑)。

――続いて熊谷汐選手についてはいかがですか

柳澤 上手い。

大井 ごり、ごりって感じ。強くない?

柳澤 何て言うの、挟まれてもかき分けてく感じ。

大井 そうそう。足速い人はいっぱいいるけど、なんかあるよね。強い。

河野 でもそれって技術だと思う。最近すごい思うんだけどね、無理なの。分かる?こう来るじゃん、相手が。で、かき分けようとしてもね、ぶれるのね。だけど(熊谷は)ぶれないじゃん。それをみっちゃん(FW中村みづき副将、スポ4=浦和レッズレディース)と話して、最近。しお(熊谷汐)って何であんなに取られないんだろうみたいな。足元にボール置いてドリブルしながらも、軸がぶれてないから取られないって技術だねってみっちゃんと話して、自分らはできなかったです(笑)。あれってさ、体預けながらいくの?

熊谷汐 ううん。1回当たる。

河野 最初に当たってから?

大井 あ、そういうことね。

柳澤 そっちね。

河野 全然そういうことってならない(笑)。だってぶれるもん。

大井 あ、でもできないよ。だからかって感じ。スピードが追い付かない。

熊谷汐 そっか、スピードがないんだ。

大井 そもそもね、問題。

柳澤 うちらはそう(笑)。けど美波ともしおとも合うわって感じ。分かりやすいっていうか。ね?

大井 うん。

河野 (笑)。

柳澤 何よー(笑)。

河野 いや、おもしろいなって思って(笑)。なんかみんな下見ながらほめ合うみたいな(笑)。気持ち悪いなって(笑)。

柳澤 でも照れるよこれ。言われてないからでしょ(笑)。照れるからこれから。

河野 朱里大丈夫だわ(笑)。

柳澤 いや、一番照れるよね(笑)。

熊谷選手の体の使い方を褒める河野選手

――では最後は河野選手についてお願いします

柳澤 いやあ、もう朱里はなんか1年よりも2年、2年よりも3年って感じで。

熊谷汐 とりあえずうまい。うまいわ。

大井 しかも足も速くなったよね。

熊谷汐 思う思う思う。

大井 え、照れないやん、どうしたん?(笑)

河野 事実だから(笑)。

柳澤 私朱里とマッチアップする時はまじで取れません、ボールが(笑)。

河野 うれしい。

柳澤 何でだろうね。

大井 でも周りを使うのもめっちゃ上手になったよね。1年、2年、3年って。

河野 1年生の時、周りを信用してなかったのかな。

柳澤 1年からそれはまずくない?(笑)

河野 3年目にしてやっと信頼がね(笑)。

柳澤 ボール持ってない時の駆け引きも、自分がボール持ってない時に朱里見るとすごい駆け引きしてるから、すごいなって思いながら。これは後ろから配球する人も出しやすいだろうなって思った。

河野 強みでーす。

一同 (笑)。

――次にピッチ外の印象について教えていただきたいと思います。こちらも大井選手の印象からお願いします

柳澤 あー、でもなんかちょっと人とずれてるところがたまにある。例えば4人ぐらいで話してる時に、1回終わった話題を次の話題の時に話したり。

河野 時差(笑)。

柳澤 そう、時差があって、「今の話?」みたいなのはある。

河野 みなは耳が遠い。普通の声じゃ聞こえないですよね。最初に「みなー!」って言っても、もう無視ですよ。5回目ぐらいの「みな」で「ん?」みたいな(笑)。

大井 無視じゃないよ。

柳澤 けどこの前それで聞こえてたんだよ。なんかうちらが「みなみー!」って言ったら、「え、何とかやろ?」って。え、聞こえてんの?みたいな。

大井 違う、聞こえてる時はあるんやけど、もっかい聞きたいねん。

柳澤 あと滑舌も悪いよね。耳悪い、滑舌悪い。

熊谷汐 声ちっちゃい。

柳澤 うん。声ちっちゃい。

大井 いいとこなしやな。

――続いて柳澤選手についてはいかがですか

河野 やなは料理。

柳澤 そうそうそうそう。

河野 料理が好きというか、趣味にしようとしてる。

柳澤 ひどい(笑)。やってるから!

河野 外向けの趣味。でも本当にア女で一番お菓子を作ってくる。なんかスッて置いといてくれればいいのに「これ私作ったの」みたいな。だから「あー、ありがとう」って言うんですけど。味は美味しい。

柳澤 間違いないから、腕は。

――何でもない日にも作っていくのですか

河野 そう。何でもない日にも暇だから作ってて(笑)。

大井 他に作りたい人とかあげたい人がいればいいんだけどね。

柳澤 いや、ア女に作りたいの。

――食べるのがお好きで

大井・河野・熊谷汐 間違いないです。

柳澤 やめてー、そういうの(笑)。

大井 何でも食べる。

熊谷汐 抹茶を食べに京都に1人で行ってくるみたいな。結局行かなかったけど。

柳澤 はまるととことんはまっちゃうんです。

――次は熊谷選手についてお願いします

柳澤 しおはしれっといろんなところ行ってる。

大井 そうなの?

柳澤 でもしおもグルメ好きですね。

熊谷汐 皇后杯の後とかは、仙台もう1泊泊まって牛タン食べたり。

――では最後は河野選手について、皆さんでお願いします

柳澤 トレ室のイメージしかないわ。

河野 トレ室ね(笑)。

熊谷汐 か、酒。

一同 (笑)。

柳澤 あ、もう言っとこう、それ(笑)。

河野 最近でもあんまり表に出してないでしょ?

熊谷汐 表には出してないけどね。

柳澤 豹変する(笑)。

――お酒が好きなのですね

河野 好きです(笑)。

柳澤 豹変しちゃう。

河野 そんなにしないですよ。

柳澤 するから。

河野 テンションが高くなるぐらい。

大井 限度超えるとって話じゃない?そこまでは全然。

河野 そう。一線を越えるともうやばいです。

大井 次の日謝りの電話する(笑)。

「3年生は個性が強い人ばかりだけど、サッカー好きってのはぶれない」(大井)

――続いて、3年生になって、ご自身のア女の中での立ち位置や役割について教えてください

河野 いきなり来た(笑)。そろそろ4年だからってことか。

柳澤 うちの学年は、言葉で何て言うか…。

大井 自由。

柳澤 自分が引っ張ってくタイプっていうよりかは、行動で示していくタイプが多い。

河野 言葉が下手くそだからたぶん行動で示す(笑)。

柳澤 そういうこと(笑)。1、2年の時は結構先輩と仲良かったりしたけど、上になるにつれて不安な部分もあって。けど3年になってから下は下でかわいいなっていう感じで、仲は良くしてるつもりです(笑)。

河野 何頑張ってるの(笑)。

柳澤 頑張ってない(笑)。付いてきちゃうからさ、下が(笑)。

河野 は?

一同 (笑)。

大井 サッカー中心だよね、うちらの学年。サッカー好きってのがぶれないから、みんなそれぞれそこに向かって自分なりの行動があって。だからみんなが一つってわけじゃないけど、あんまりぶれないですね、学年としては。

――個性はあるけどということですね

熊谷汐 個性しかない(笑)。

柳澤 個性強すぎ(笑)。

河野 自分の立ち位置ですよね。自分は今インカレに向けて、とりあえず1トップでやってきてるので、点を取る人っていう役割を担ってると思ってて、そこは継続してやっていきたいと思います。あと自分はいま4年生のみっちゃん(中村)と結構ずっと一緒にいて、自分は新しいものや知識とかが好きなので、あの人は結構そういうのを供給してくれる人で。そういう人がいなくなっちゃうと自分で見つけるしかなくなると思うけど、それを下の学年の子からも学びたいというか、いろんなものを吸収したいと思うので、自分の立ち位置というかキャラは変えずに、1人から供給してもらったものを、もっと他の人からも供給してもらって、自分も求めるし向こうも自分も求めるというような関係をつくりたいと思います。4年生になったらそうやって引っ張っていかないといけないと思うんですけど、その中でも自分はちょっと変なキャラでいたくて(笑)。4年だけど4年じゃない、けど結局行動だよね、ぐらいのゆるいところにいたいなって思います。みんなそう思ってると思うので、朱里がゆるいところにいるんだろうなってみんな理解してくれてると思います。

――3年生の雰囲気というのは

熊谷汐 まあそんな感じだよね。

柳澤 うん。みんな根は真面目だと思います。やる時はやる、ふざける時はふざけるみたいな感じだと私は思いますけど(笑)。

熊谷汐 変わんないよね、1年の時から。

――後輩の皆さんの印象はいかがですか

河野 1年生が結構活躍してるというか、のびのびやってくれてるなっていうのはプレーで感じてるところがあります。2年生はもう少し自分の主張を強くしてもいいんじゃないかなって思う子がいるので、そこをもうちょっと引っ張り出したいなって今思ってて。自分は積極的に話しかけるようにしてて、その子の考えを聞いたり、どういうモチベーションでやってるのとかそういうのも聞いて、もっとお互いが自分の立ち位置が危ぶまれるみたいな、そういう関係をつくりたいなと思ってて、もうちょっと2年生は主張を強くしてもいいんじゃないかなとは思います。

熊谷汐 2年生は結構2年生同士でいることが多いかなっていう印象があって。1年生は結構先輩好きな子が多いかなっていうイメージがあります。それがだからサッカーの話になった時も、1年生は自分たちからぐいぐいサッカーの話してきたりとかするんですけど、2年生はそういうのがあんまりないかなというふうに思うので、それは上の立場である自分らが声をかけてあげたり、気にかけてあげたりするのも大事かなって思うので、まあ2年生とかの自主性を引き出しつつ、自分からもいきつつみたいな。1年生はいい関係はつくれてると思うので、個性がやっぱり1年生も強いから、それを生かせるようにしていけたらと思います。

柳澤 かわいい。みんなかわいいですよ。

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――次に4年生について教えてください

大井 4年生って感じがない、ずっと。

柳澤 確かに。

大井 けど試合の中ではやっぱ頼りになる。

柳澤 頼れる人もいるけど(笑)。頼れないとかじゃないけど、本当に友達感覚になってる人もいるっていう。

大井 みんなストイックじゃない?

河野 うん。ストイックだと思う。

大井 ストイックな人が多い。

河野 特にみっちゃんはたぶん一番ストイックです。あの人は気持ち悪いぐらい。一緒にいるんですけど、練習したくないって言いながらちゃんと来ますし、月曜日のオフもきょう自主練したくないって言いながら朝早くからいますし。言ってることとやってることが常に逆なの(笑)。食べ物だけを今モチベーションにして頑張ってるみたいですけど(笑)。けどあの人はやっぱり一緒にいておもしろい人だなって感じます。プレーの中でもやっぱり一番信頼してますし、距離が近いので。それで連携も多いので、一番信頼してますし一番やりやすい人です。なんだかんだ一番苦しい時に点を決めてくれるので、ことしのインカレでも一番活躍するんじゃないかなって思います。

――ことしのチームの特徴やカラーはどのようなものですか

河野 守備ですね。攻撃の連携はある程度同じで、去年とメンバーがあまり変わってないので変わりはないんですけど、強い相手とやる機会が多かったっていうのもあって、監督が求める戦い方をやるとやっぱり守備からのスタートになるので、きょねん、おととしより守備の意識が強いなというのはことしのチームの印象です。

大井 きょねんは山さん(山田紅葉、平29年スポ卒=東京・十文字)とか他の4年生が、言葉とか声とかで引っ張ってくれてたんですけど、ことしはそういうのよりもプレーというか。プレーっていう言葉でまとめるのもあれなんですけど、試合の中で残りわずかの一番きつい時間帯とかも最後まで走るとか、そういうちょっとしたところでも、みんながそんなにがんばってるんだからやらなきゃだめだなって思うことがすごい多かったです。言葉よりもプレーで引っ張ってくって感じです。

「内容にもこだわりたい」(熊谷汐)

――ここからインカレの話に移りたいと思います。先日組み合わせが発表されましたが、それを受けていかがですか

河野 全体的に言うと、向こうの山に固まったなっていうのが第1印象としてあります。その分お互い勝ち上がってきた時に、向こうのほうが接戦を制して上がってくるので、そういうところでモチベーションの持ち方が、向こうのほうが有利に働くことが多いなっていう印象です。自分たちに難しいところで言うと、相手の情報が少ないっていうところがあって、自分たちの初戦としては八戸学院大と札幌大の勝ったほうで、本当に分からない状況でやらなきゃいけないというのがあって。初戦スカウティング行ってくれる人がいるんですけど、その映像で初めて自分たちは相手を知ることになるので、どういう戦い方をするかっていう部分で少し苦戦はするんじゃないかなっていうのは、組み合わせを見て自分が思った印象です。

柳澤 組み合わせを見て、先を見るというよりかは1つ1つ勝つことに集中できたらいいなと思いました。目標は3連覇なんですけど、それを達成するためにはやっぱり初戦とかすごく大事だと思うので、先を見越すというよりかは、本当に1つ1つ勝っていかなきゃなっていうのは、去年も感じてたんですけど、ことしはより一層感じてます。

――ここまでずっと一緒にやってきた4年生と戦える最後の大会になるかと思います

熊谷汐 一番長くやってたけど、まだあんまり最後っていう実感が自分の中になくて。でも負けてしまったらことしはもう終わりなので、それだけは嫌だし、本当に3連覇して終わりたいっていうのは自分の中にあるので、3年間一緒にやってきたことをインカレで出し切れたらいいのかなというふうには感じます。

柳澤 後輩として最後の大会なので、4年生のためにも勝ちたいです。

河野 薄いなあ(笑)。

柳澤 うん。でも本当、まじ実感ないからさ。どうなっちゃうんだろうと思って。

大井 でも急にくるのも嫌だね。とりあえず楽しみたいです。最後悔いの残らないように。

柳澤 ちょっとかっこいいこと言っていい?

河野 いいよ。

大井 録音しとこうか?

柳澤 (笑)。結構チームが苦しい時とかに、4年生だからチームのことを考えてくれてたと思うし、自分たち3年生はまだ4年生ほどは考えたことがないと思います。インカレどういう結果になるか分からないんですけど、もしちょっと苦しい状況とかになった時に、自分たちがその4年生を支えるというか、恩返しじゃないですけど、そういうのができればいいなと思います。最後の大会なので、集大成として4年生を笑顔で終わらせてあげたいなと。

大井 よっ!

柳澤 やばい(笑)。そうですね、そういう感じです(笑)。

――みなさんご自身のどのようなプレーを見てほしいですか

河野 自分がうまくいく時は本当に楽しんでるから、表情にも出ちゃって、たぶんニヤニヤしながらサッカーしてるんですよ(笑)。よくみんなが変なプレーをした時とか、前回の皇后杯でトミー(DF冨田実侑、スポ1=岡山・作陽)がダイビングしたのとか(笑)。ああいうのだったり、みっちゃんのめちゃめちゃ下手くそなヘディングだったり(笑)。

――確かにヘディングを空振りしてしまった時にすごく笑ってたイメージがあります(笑)

熊谷汐 そうそうそうそう(笑)。

河野 そう(笑)。それをバカにするのがおもしろくて。何だろうな。楽しくやってるところを見てほしいです、自分は。

大井 自分周りがいないと生きないので、逆に自分も周りを生かさないといけないと思いますし、そういうプレーを出していきたいと思います。

柳澤 自分は美波と同様、周りがいないと生きないし、周りの個性を生かすような配球だったり、周りを生かせるようなプレーができればいいなと思ってて。なので派手なプレーじゃないかもしれないですけど、ボールを持ってない時の駆け引きだったりを見てほしいなと思います。

熊谷汐 私はチームから求められてることと、自分ができることが一致してると思うので、それをただがむしゃらにやるだけではなくて、プレーの中で考えながら自分の強みを出して、それが結果につながればと思います。自分が点を取らなくても、自分が頑張った後にいい展開が生まれたりとか、そういうプレーができるように精一杯やるだけです。

――最後に1人ずつ意気込みをお願いします

河野 インカレ前にこういうこと言うのは不謹慎かもしれないですけど、負けてもいいから自分のために、チームのためにやるというのが、自分のことしのインカレの目標というか、モチベーションです。

熊谷汐 前提としてインカレを楽しむことが一番だと思います。4年生とできる最後の大会なので、楽しみながら結果が付いてくればそれでいいと思うし、もちろん優勝は目指すんですけど、その中で結果だけじゃなくて内容にもこだわったりして、いい試合ができれば。個人でもいいプレーができればいいなと思います。

柳澤 自分はシーズンを通していろんな思いができたので、その思いを全部インカレにぶつけられたらいいなと思います。あとはどんな状況とか立場に置かれても、チームのために何か少しでも役に立つというか、力になるようなことを積極的にやっていきたいと思います。

大井 4年生とできる最後だし、4年生にはすっごいお世話になって。だからもし試合に出た時には、点を取ることだけじゃなくて、走ることとか体を張ることとか競ることとか、インカレだけじゃないけど、インカレは特にそういうところで後悔したくないので、それだけは外さずやりたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 田中佑茉、篠原希沙)

笑顔いっぱいの対談となりました!

◆大井美波(おおいみなみ)(※写真左)

身長156センチ。大阪・大商学園高出身。社会科学部3年。チームメイトから勘違いしていたことをいじられるなど天然な一面も。インカレでも持ち前のテクニックでチームのチャンスを作り出してくれることでしょう!

◆熊谷汐華(くまがいしおか)(※写真中央右)

身長160センチ。東京・十文字高出身。スポーツ科学部3年。敵に挟まれた時にも、その間を見る見るうちにかき分けていく熊谷汐選手。チームメートからも一目置かれるその突破力で、インカレでもチャンスを演出してくれること間違いなしです!

◆柳澤紗希(やなぎさわさき)(※写真中央左)

身長156センチ。東京・桐朋学園女出身。前所属・浦和レッズレディースユース。スポーツ科学部3年。料理が趣味の柳澤選手は、ア女の皆さんによくお菓子を作っていくそうです。「ア女に作りたいの」と笑顔で語ってくださいました。チームの仲の良さが伺えますね!

◆河野 朱里(かわのじゅり)(※写真右)

身長160センチ。静岡・藤枝順心高出身。スポーツ科学部3年。1年生よりも2年生、2年生よりも3年生と、年々パワーアップしている河野選手。うまくいっている時は、楽しんでいる気持ちが表情にも出てしまうそうです。ありったけの笑顔でプレーする姿をインカレでも見たいですね!