インカレの2戦目となった準々決勝は新潟医療福祉大と対戦した。ワセダは前半から多くのチャンスをつくり出すが、得点を奪うことができずに0-0で前半を折り返す。しかし後半になっても攻勢を緩めず、56分にCKからDF三浦紗津紀(スポ2=浦和レッズレディースユース)がヘッドで決め先制する。その後もDF松原有沙(スポ3=大阪・大商学園)とFW平國瑞希(スポ3=宮城・常盤木学園)が追加点を挙げ、3-0で勝利した。
三浦の鮮やかなヘッドで待望の先制点を獲得した
立ち上がりから積極的にチャンスをつくったワセダが試合の主導権を握るかたちに。ボールを失ってもすぐにプレッシャーをかけて奪い返すと、そこから何度もチャンスをつくり出した。6分には松原が惜しいミドルシュートを放つ。15分にはFW河野朱里(スポ2=静岡・藤枝順心)から受けたボールをMF大井美波(社2=大阪・大商学園)がシュートするがこれは惜しくも相手GKの正面に。その後も自陣に攻め込まれることもなく完全に試合のペースを握ったワセダであったが、なかなか得点に結びつけることができない。逆に26分には一瞬の隙を突かれピンチを招いてしまう。しかしここはDF陣が守り切り、前半を0-0のスコアで折り返した。
チャンスを決め切って得点したい後半、ワセダは前半と同様に積極的に攻めたてる。56分には、MF中村みづき(スポ3=浦和レッズレディースユース)のCKを三浦がヘッドで決め先制。「ここで決めたいなと思っていた」(三浦)と語るようにチームにとっても待望の先制点だった。その後78分には松原が体勢を崩しながらも難しいシュートを決め2-0に。そして後半アディショナルタイムの93分には平國がダメ押しの追加点を決め、3-0と完勝した。守備陣も試合を通して安定した守りを見せ、ア女らしい堅守を貫き通す試合となった。
アディショナルタイムに平國の豪快なシュートで点差をさらに広げた
ベスト4に勝ち進んだワセダ。日本一まであと2試合となったが、この先には一層ハイレベルな戦いが待っている。その中で次の対戦相手である武蔵丘女子短大は、関東大学女子リーグ戦第7節でも3-3の引き分けとなった難敵だ。「しっかり気を引き締めて、相手のサッカーをさせないように自分たちが積極的に仕掛けたい」(平國)。東伏見で待っていてくれた仲間と共に、今度は全員一丸となって頂点を目指す。
(記事 橘高安津子、写真 桝田大暉)
スターティングメンバー
全日本大学女子サッカー選手権大会準々決勝 | ||||
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早大 | 3 | 0-0 3-0 |
0 | 新潟医療福祉大 |
【得点者】(早)56三浦、78松原、93平國 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | ◎1 | 山田紅葉 | スポ4 | 東京・十文字 |
DF | 30 | 森田海 | スポ1 | JFAアカデミー福島 |
DF | 4 | 三浦紗津紀 | スポ2 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 3 | 奥川千沙 | スポ3 | 静岡・藤枝順心 |
DF | 2 | 渡部那月 | 社2 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 8 | 中井仁美 | スポ3 | 兵庫・日ノ本学園 |
DF | 5 | 松原有紗 | スポ3 | 大阪・大商学園 |
MF | →81分 | 柳澤紗希 | スポ2 | 浦和レッズレディースユース |
FW | 9 | 平國瑞希 | スポ3 | 宮城・常盤木学園 |
MF | 10 | 中村みづき | スポ3 | 浦和レッズレディース |
MF | 26 | 大井美波 | 社2 | 大阪・大商学園 |
MF | →63分 | 熊谷遥楓 | スポ3 | 北海道大谷室蘭 |
FW | 7 | 河野朱里 | スポ2 | 静岡・藤枝順心 |
FW | →80分 | 山田彩未 | スポ2 | ジェフ千葉レディースユース | ◎はゲームキャプテン 監督:福島廣樹(昭45教卒=東京・独協) |
コメント
GK山田紅葉主将(スポ4=東京・十文字)
――準々決勝も完勝となりました。スタメンとして出場した今試合を振り返っていかがでしょうか
まず、出場させていただく機会をいただけてありがたい気持ちがありました。久々の試合で少し緊張したところがあったのですが、もう一人のGKであるGK木付優衣(スポ2=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)とアップ中に話したりしたおかげで緊張も和らいで試合に臨めました。やっぱり心の中では東伏見で待っている選手と一体となって戦うんだという思いがあったからこそ、そこまで気負うことなく戦うことができたと思います。
――前半は多くのチャンスがあった中決め切ることができませんでした
危ない場面がなかったので、守備面では徹底的に詰めれていたので良かったと思います。攻撃はいいところまでいっていてフィニッシュだけというところだったので、このままいったら得点も決められるだろうなと安心して見ていました。
――後半は相手に何度かシュートをされる場面がありましたが、しっかりと守り切りましたね
一本は自分のミスで、そのような場面をつくってしまったのですが、試合においては一度もつくってはいけないものだと思います。そこは改善していかなければいけないと思いますが
、前線の選手も含めてディフェンスの選手がボールを弾いてくれたりなどと、相手の攻めに対して身体を入れてくれて、そういう曲面で相手に勝っていたので結果的に無失点で抑えることができたのではないかと思います。
――三浦選手の先制点で攻撃が勢いづいていきました
そうですね。あの先制点がきっかけでその後の2点も決められたと思いますし、さつ(三浦)のストロングポイントがCKで発揮されましたね。チームとしても大きな1点だったと思いますし、その後の続いた2点と勝ちを決める得点だったので、チームとしても次につながる試合だったと思います。
――今回のインカレではポジション関係なく攻撃に参加して得点していますね
もともとことしは誰かが特化して決め続けるというよりかは、色んなポジションから得点できるチームだと思いますし、全員で攻撃をつくってるからこそ生まれた得点だと思います。やっぱり全員でつくっているチームというのが攻撃でも現れて、その結果が生まれているのではないかと思います。
――これまでの二戦を振り返っていかがでしょうか
これまで二戦やってきて、無失点で得点も取れているということで、振り返ると自分たちのやってきたことがしっかり本番でできているという自信にもなりました。しかし、年が明けたらしっかり切り替えてあと2戦勝つだけなので、自分たちのやるべきことを明確にして、あとの準決勝、決勝を一戦一戦戦っていきたいと思います。
――東伏見でまっているメンバーへの思いも強かったと思います
場所は違っても、チームは1つでないと勝てないと思います。みんなもきっと祈ってくれたと思いますし、インカレ前にチームが1つになれた結果、いまの結果につながっていると思います。今回の試合は、出ているメンバーだけが頑張っていたのではなくて、いままで一年の積み重ねと、東伏見で待っていてくれるみんながいるからこその頑張りがあったからです。一体となることが勝利へ導くカギだと確信しました。準決勝、決勝は、今度はチームみんなが同じ場所にいれるので、パワーも倍になると思うので頑張っていきたいと思います。
――準決勝は武蔵丘女子短大との対戦となります
あんまり先を見据えすぎずに一戦一戦戦っていきたいと思います。あと残る三校は強豪ですし、全員関東学連のメンバーということで、良きライバルであるムサタンの良さをしっかり潰していきます。自分はGKなので、リスク管理と守備の部分を徹底して、攻撃の部分はみんなに任せてばきっと点を取ってくれるので、またみんなで1つになってしっかり勝ちたいと思います。
DF松原有沙(スポ3=大阪・大商学園)
――勝って東伏見に帰ることができます。今のお気持ちをお聞かせください
前半に点が入らなかったですが、後半の良い時間帯に決めて、その後も立て続けに点を決められました。勝って笑顔で伏見に帰れるのは良かったと思います。
――この3-0という結果をどのように捉えていますか
あの試合運びで3点しか決められなかったので、もっと決定力をつけなきゃなと思います。でも次につながる良い内容だったかなと思います。
――お話にもあった通り、前半は試合を支配していながら無得点でした
点が入らなくて焦るというのはなかったです。みんなでとりあえず1点という気持ちで挑めたからこそ、(後半に)点が入ったのかなと思います。
――次戦の相手は難敵の武蔵丘短大との試合になります。どのように戦っていきたいですか
関カレ(関東大学女子リーグ戦)の時に引き分けている(第7節 △3-3)相手で、お互いに相手がどういうことをしてくるかは分かっている中での戦いになると思います。ワセダらしい戦いをすれば勝てない相手じゃないので、日程が空く中で修正するところは修正して、もう一回チームで高めていきたいです。
MF平國瑞希(スポ3=宮城・常盤木学園)
――勝って東伏見に帰ることができます。今のお気持ちをお聞かせください
初戦(2回戦・帝京平成大戦〇4-0)同様に難しい戦いだったんですけど、みんなで勝ち切ることができました。伏見で待っている人たちの分も戦えたので良かったです。
――この3-0という結果をどのように捉えていますか
先制点を取るまでに時間が掛かって、なかなか点が取れませんでした。紗津紀(DF三浦紗津紀、スポ2=浦和レッズレディースユース)がセットプレーから決めてくれて、流れがこっちに来たのかなと思います。
――お話にもあった通り、前半は試合を支配していながら無得点でした
個人的にはキーパーと一対一の場面で外してしまいました。後半は切り替えて、どんどん狙っていこうと思えたのは良かったと思います。
――チーム3点目となるダメ押しゴールは意表を突いたかたちでした。振り返っていかがでしょうか
そうですね。(ボールが相手DFを)越えてきて、左足より右足の方がいけると思って蹴ったら入りました。
――次戦の相手は難敵の武蔵丘短大との試合になります。どのように戦っていきたいですか
この前は引き分け(関東大学女子リーグ戦第7節 △3-3)だったのでしっかり気を引き締めて、相手のサッカーをさせないように自分たちが積極的に仕掛けて、自分も得点していきたいです。
DF三浦紗津紀(スポ2=浦和レッズレディースユース)
――インカレ2試合目となりましたがきょうの試合を振り返っていかがですか
とにかくほっとしています。
――前半から多くのチャンスをつくる中で無得点に終わりましたが、前半の内容はいかがでしたか
前半はチャンスがたくさんある中で最後決めるだけというシーンが多くあって、我慢して後半に点が入ればいいなと思っていました。
――先制点の場面を振り返っていただけますか
何本もCKがある中で全然決められてなかったので、ここで決めたいなと思っていたら良いボールが来て、あとは決めるだけでした。
――守備で意識していたことはありますか
相手に1点取られると勢いづいてしまって苦しい試合になるというのが分かっていたので、何度か来るピンチはしっかり集中して抑えようということを意識してずっとやっていました。
――無失点を意識してやっていたということでしょうか
そうですね。インカレの中で無失点でいけば負けないと思うので、集中していきたいと思います。
――今回帯同できなかったメンバーの方のために戦うという気持ちもありましたか
自分たちは自分たちらしく、来れなかった人の思いというのも背負って戦っていきたいなと思っていました。
――ここから準決勝、決勝と続きますが意気込みをお願いします
一戦ずつ戦ってしっかり勝っていきたいなと思っています。あとは4年生とプレーできる最後の大会ですし、この一年間苦しんできたこととかを忘れさせるくらいに優勝させてあげたいなと思っているので、絶対勝ちたいです。