7-1と今季最多得点で日テレ・メニーナを下す

ア式蹴球女子

 ワセダは、前期は辛勝したものの苦しめられた日テレ・メニーナ(メニーナ)と対戦した。後期第4節の時点で優勝を決めているワセダにとっては、消化試合だった今節だが、手を抜くことなく序盤からゴールに迫っていく。前半、早い時間帯にFW河野朱里(スポ2=静岡・藤枝順心)が2得点を奪うと、1点を返されるが39分にFW大井美波(スポ2=大阪・大商学園)のゴールで突き放し3ー1でハーフタイムへ。後半に入っても勢いは止まらず、4点を追加。その一方で攻め込まれる場面もあったが、GK木付優衣(スポ2=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)の好セーブが光り、ゴールは割らせず。攻守がかみ合い7ー1と今季最多得点をマークし、連勝を11に伸ばした。

攻撃陣の活躍を中心に今季最多得点を挙げた

 連続してCKを献上するなど、立ち上がりは完全にメニーナのペースだった。5分には、DFとの連係ミスから慌てて木村が飛び出す場面も。しかし、そこから徐々に落ち着きを取り戻すと、15分には最初のゴールが生まれた。MF柳澤紗希(スポ2=浦和レッズレディースユース)のFKに、「落下点に早く入れた」とファーで待ち構えていた河野が力強くヘディングし先制に成功する。17分にも、センターライン付近からのDF渡部那月(スポ2=兵庫・日ノ本学園)のFKに河野が再び頭で合わせ、早くも2点のリードを獲得する。しかし、直後にGKとの一対一からゴール右に流し込まれ、失点してしまう。そこからは試合はこう着し、互いに決定打の出ない状態が続いたが、39分に再び試合は動いた。高い位置でボールを奪った渡部がアーリークロスを入れると、大井が反応。ダイレクトでゴール右に叩き込み、3-1で前半を終えた。

渡部のクロスから大井がダイレクトで叩き込んだ

 後半に入っても、ワセダが攻撃の手を緩めることはなかった。49分、FKを獲得すると、柳澤が角度のないところから枠内に直接叩き込み、4点目を挙げる。その後、63分にDF三浦紗津紀(スポ2=浦和レッズレディースユース)が、69分には河野がそれぞれ得点し、さらにリードを広げると、前線の活躍に応え守備陣も奮起する。79分、ボックス内で放たれたシュートを木村がはじき、そのこぼれ球をDF奥川千沙(スポ3=静岡・藤枝順心)がクリア。82分にも、ゴール上方を狙う強烈なシュートを浴びるが、頼れる守護神が好反応を見せ、片手でパンチング。こうして押し込まれる時間帯を無失点で切り抜けると、88分には大井がダメ押しのゴールを挙げた。MF中村みづき(スポ3=浦和レッズレディース)がGKをかわしてゴール前にグラウンダーのセンタリングを入れると、大井は右足を振り抜き、7-1として試合終了。大量得点でメニーナを下し、女王の威厳を見せつけた。

 前期苦しめられた相手を6点差で下す圧巻の試合運びを披露したワセダ。それでも、「警戒していた9番の選手を抑えきれずに1人で突破されてしまった」(河野)と課題はある。ここからしばらくオフに入るが、しっかりと修正したい。次戦は、8月中旬の早関定期戦。きょねんは11-0で関学大を沈めたが、ことしもその再現となるか。合宿の成果を発揮して完勝を果たし、秋シーズンに向けて弾みをつけたいところだ。

(記事 佐藤諒、写真 新庄佳恵、守屋郁宏)

スターティングメンバー

後期関東女子リーグ戦第6節
早大 3-1
4-0
日テレ・メニーナ
【得点者】(早)16・18・69河野、39・88大井、48柳澤、63三浦(日)19植木
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 16 木付優衣 スポ2 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF 渡部那月 社2 兵庫・日ノ本学園
DF 奥川千沙 スポ3 静岡・藤枝順心
DF 三浦紗津紀 スポ2 浦和レッズレディースユース
DF 27 和田麗 スポ2 スフィーダ世田谷ユース
MF 柳澤紗希 スポ2 浦和レッズレディースユース
MF 中井仁美 スポ3 兵庫・日ノ本学園
MF →70分 安倍由希子 スポ2 宮城・聖和学園
MF ◎10 中村みづき スポ3 浦和レッズレディース
FW 河野朱里 スポ2 静岡・藤枝順心
MF →90+3分 山田彩未 スポ2 ジェフ千葉レディースユース
FW 22 熊谷汐華 スポ2 東京・十文字
MF →82分 宮沢里彩 スポ4 FC岐阜BELTA
FW 26 大井美波 社2 大阪・大商学園
◎はゲームキャプテン
監督:福島廣樹(昭45教卒)
関東女子リーグ戦1部順位表
順位 校名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
早稲田大学 37 13 12 37 +34
浦和レッズレディースユース 23 12 24 12 +12
ジェフ市原・千葉レディースU-18 19 12 15 15
日テレ・メニーナ 17 13 26 25 +1
東京国際大学 14 12 17 -8
関東学園大学 13 12 19 28 -9
筑波大学 11 12 11 22 -11
慶大 12 23 -19
※後期第6節終了時点暫定
コメント

FW河野朱里(スポ2=静岡・順心藤枝)

――7-1と、快勝しました

7点取れたのは良かったと思いますし、いろんな選手が取れたのは攻撃の厚みっていう面では良かったと思いますが、失点してしまった場面は警戒していた9番の選手を抑えきれずに1人で突破されてしまったので、そこはこれから関カレに向けて修正しなきゃいけないと思います。

――メニーナの印象はいかがでしたか

9番の選手にCBが合わせてくるイメージでした。その9番の選手をCB2枚で潰そうっていう感じだったんですけど、マークの受け渡しが上手くいかずに失点してしまったので、そこはまたメニーナとやることがあれば改善しなきゃいけないと思います。

――相手のDFに長身の選手がいましたが、相手の守備の印象は

背は大きかったんですけど、自分が下がったときについてこなくてフリーになれたり、相手の裏も空いていました。ヘッドも強くなかったです。

――最初の得点は、FKをファーで捉えました

最初相手が駆け引きしてるときはボールを見てなくて、駆け引きした後にボールを見たらDFラインとGKの上に来るようなボールだったので、その落下点に早く入れたのが良かったと思います。

――後半の得点はクロスを受けて、落ち着いて決めていました

みっちゃん(中村)からクロスを何回も受けてきたんですけど、合わないことが多くて、最近ではあまりなかったんですけど、2人とも合ったかたちで合わせられたので自信になったかなと思います。

――ここから早関定期戦までしばらく空きますね

自分は代表でいけないんですけど、合宿があって充実した日々にならざるを得ないというか。なので、体力面やメンタル面を強化して、そのまま定期戦に向けて、もっと強くなった自分たちをぶつけられればいいなと思います。

――代表では、何を得たいですか

代表ではいつも良い刺激を受けていて、球際の強さだったり、切り替えの早さだったり、世界を意識してるレベルなので学ぶものが多くて、しっかり吸収してチームに還元できるように頑張っていきたいと思います。

GK木付優衣(スポ2=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)

――GKの視点から見て、今日の試合はいかがでしたか

ひとり、前に速くてうまい選手がいたので、そこを警戒しながらディフェンスとしてはやっていたんですけど、前が結果を残してくれたので、やりやすい試合にはなりました。

――試合の中でのリスク・マネジメントの点で意識していたこと、指示していたことはありますか

結構相手にボールを持たれる時間が多かったので、基本的に真ん中とサイドのスライドは意識していました。

――きょうの自身のプレーについてはいかがですか

自分自身のプレーについては、前の選手あっての自分のプレーなので、そこは前の選手の成果でもあると思うんですけど、私自身としては1失点したのは正直悔しかったんですけど、その後しっかり立てなおしてやることができたということは良かったと思います。

――関東リーグはきょうで一区切りだと思いますが、出場機会を通して得た収穫などはありましたか

移籍してきて、試合に登録していただけるようになってから徐々にゲームに出してもらって、収穫としては自分の中で攻撃に関わる守備ができたなあというのはあって、結構フィードでうまく関わることができたのでそこは収穫だと思っています。これ以降、関東リーグのレベルだけではなくてこれから先につなげていくために、もっと伸ばしていくべきところだと思っています。

――次の試合まで少し日が開くと思いますが、強化していくところもそういった部分ですか

そうですね。自分自身の長所を活かしながら、トータル的にパワーアップしていけたらいいなと思いますし、どんな形でも失点しないように、技術うんぬんだけではなくて人間的にも成長していけたらいいなと思います。きょう失点してしまいましたが、今季自分の出た試合では初めての失点だったので、今後もう一回仕切りなおして、ゼロで抑えていけるようにしていけたらいいと思います。

DF和田麗(人2=スフィーダ世田谷ユース)

――スタメンとして初めての出場でしたが、試合を振り返っていかがですか

すごい緊張したのですが、周りのフォローもあってだんだん落ち着いてプレーをすることができました。

――福島廣樹監督(昭45教卒)からはどのような指示を受けましたか

ディフェンスラインについていくつか指示をいただいて、ラインを合わせることを意識するように言われました。あとは緊張して上がりやすいので落ち着いてプレーをすることです。

――実際に足元の技術に優れている相手と対戦していかがでしたか

まだまだですが、オフサイドをしっかり意識してプレーができたのでよかったです。ディフェンスのときに、自分の持ち味が球際にいくことなのですが、あまり詰めすぎても相手に交わされてしまうということを意識してタイミングを合わせました。

――7-1で失点も1に抑えることができました

自分はあまり得点シーンには関わることができなかったのですが、得点シーンでは孤立して得点することが多かったのでそこが課題だと思います。また、DFとしても1失点してしまったのでそこが課題点です。

――夏合宿がこれから始まりますが、この夏で強化していきたい点はありますか

強く当たりにいったときに、ボールを奪いきるところを強化していきたいです。今後も試合に出るチャンスをいただいたときに、緊張しないで自分らしいプレーを表現していけたらいいと思います。