今節で折り返し地点を迎える関東女子リーグ戦(関東リーグ)。今試合は相手サポーターの赤いユニホームが集う浦和駒場スタジアムで行われた。序盤からワセダのペースでボールを支配し、ゴールへと果敢に攻め込もうとする。試合が動いたのは29分。左サイドのCKに、今季公式戦初出場となったFW中條結衣(スポ1=JFAアカデミー福島)がボレーで合わせ、先制弾を決めた。しかし、後半は相手のペースから抜け出せず、追加点を決めた6分後に失点。このまま終わってしまうのかと思われたが、86分に渡部那月(社2=兵庫・日ノ本学園)が鮮やかにループシュートを決め相手を突き放す。3-1で勝利し、前期を無敗で折り返した。
今季公式戦初となった渡部のゴールで再び流れを取り戻した
前半は優位にボールを支配し、DFラインからロングボールを使い攻撃を組み立てていく。10分には、FW熊谷汐華(スポ2=東京・十文字)が左サイドからつくったチャンスに、FW山田仁衣奈(スポ1=大阪・大商学園)がワンタッチで合わせるも惜しくもボールはゴールの右へ。その後も果敢に相手陣を脅かし、29分には左サイドCKのクリアボールを中條がボレー。このボールが相手DFの頭を超え、自身初得点を決める。その後も何度かサイドからの攻撃にあうが、GK山田紅葉主将(スポ4=東京・十文字)の好セーブにより無失点のまま前半を折り返した。
打って変わって、後半は相手のペースとなった。開始早々46分、真ん中からミドルシュートを打たれピンチに立たされるも、このボールはゴールから外れる。ワセダの反撃は57分、右サイドからMF柳澤紗希(スポ2=浦和レッズレディースユース)がボールをあげると、熊谷が合わせて追加点をねじり込んだ。これで勢いに乗ったかと思われたが、63分、CKからポストに当たってゴールを免れたボールをヘッドで合わせられ、得点を許してしまう。その後も相手のペースから抜け出せず苦しむワセダイレブン。しかし、83分にFW平國瑞希(スポ3=宮城・常盤木学園)が見事なドリブルで中央を突破し、左サイドにボールを送る。ファーサイドから走りこんできた渡部がこれを綺麗に合わせ、豪快にゴールネットを揺らした。
先制弾を決め、華々しい公式戦デビューを飾った中條
今節を終えて、6勝1分と無敗でリーグ戦を折り返したワセダ。しかし、「割とどの試合も自分たちのサッカーができたイメージがありましたが、安定さはまだないかなと思う」と熊谷汐が語るように、収穫もあった一方課題も多く見つかった前半シーズンだった。約1か月後に控えるリーグ再開に向け課題を修正し、関東リーグ8連覇に向け一歩一歩勝利を重ねるなでしこたちに期待したい。
(記事 梶井夏葉、写真 新庄佳恵)
スターティングメンバー
関東女子リーグ戦第7節 | ||||
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早大 | 3 | 1-0 2-1 |
1 | 浦和レッズレディースユース |
【得点者】(早)29中條、57熊谷汐、83渡部(浦)63久保 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | ◎1 | 山田紅葉 | スポ4 | 東京・十文字 |
DF | 2 | 渡部那月 | 社2 | 兵庫・日ノ本学園 |
DF | 3 | 奥川千沙 | スポ3 | 静岡・藤枝順心 |
DF | 4 | 三浦紗津紀 | スポ2 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 29 | 中條結衣 | スポ1 | JFAアカデミー福島 |
MF | 6 | 柳澤紗希 | スポ2 | 浦和レッズレディースユース |
FW | →71分 | 大井美波 | 社2 | 大阪・大商学園 |
MF | 8 | 中井仁美 | スポ3 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | →85分 | 安倍由希子 | スポ2 | 宮城・聖和学園 |
MF | 10 | 中村みづき | スポ3 | 浦和レッズレディース |
FW | 9 | 平國瑞希 | スポ3 | 宮城・常盤木学園 |
FW | 22 | 熊谷汐華 | スポ2 | 東京・十文字 |
FW | →60分 | 熊谷遥楓 | スポ3 | 北海道大谷室蘭 |
FW | 28 | 山田仁衣奈 | スポ1 | 大阪・大商学園 | ◎はゲームキャプテン 監督:福島廣樹(昭45教卒) |
コメント
GK山田紅葉主将(スポ4=東京・十文字)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
前半の流れは良かったのですが、後半に課題が残る試合だったのかなと思います。
――具体的に課題というのは何でしょうか
課題というのは、押し込んでくる相手に対して自分たちがどのようなサッカーをするというところですね。相手の流れをどのように断ち切るのかというのがうまくできませんでした。
――きょうの対戦相手は戦ってみていかがでしたか
一人一人のレベルが高いと思うので、いままでと変わらず強い相手という印象でした。
――後半の失点シーンについてはいかがですか
自分たちのつなぎのミスからおこったものだったので、そのようなイージーミスをなくすのが大事なのかなと思います。
――ここまで無敗で前期を終えられたことは、チームにとっても大きなことではないでしょうか
そうですね、大きいことだと思いますしそれが後期につなげられるように、前期を振り返っていかなければならないと思います。
――ここからは中断期間に入り、約一ヶ月間が空きますが個人としてもチームとしてもどのようなところを強化していきたいですか
個人としてはキックの精度だったりとか、そういう部分を伸ばしていきたいと思っています。チームとしてもこの中断期間で前期を振り返って、どういったところが課題なのかみんなで考えていきます。6月の期間で改善できたらいいなと思います。
DF渡部那月(社2=兵庫・日ノ本学園)
――きょうの試合を全体的に振り返っていかがですか
前半は自分たちのサッカーができていたというか、ボールを支配できていました。ですが後半になって相手に押し込まれるシーンや危ないシーンが結構あって、難しい状態が続いていました。全員で声を掛けて、大きく蹴ろうと話し合っていたので、全員がそこからまた集中できたのではないかと思います。
――本日の対戦相手の印象はプレーをしていかがでしたか
クラブチームだったので、全員一人一人個人の技術がありました。相手は高校生なので、自分たちはフィジカルでは負けないように監督からも言われていたので、そこを意識してやりました。
――後半押されていた中でも、渡部選手が得点を決めました。あのときの心境はいかがでしたか
公式戦では初ゴールでした。流れ悪かった中でも、思いっきり打とうと思っていたので、入って良かったなと思います。
――後半の失点シーンを振り返っていかがですか
コーナーキックからの失点でしたが、ゾーンディフェンスだったので、セカンドボールに誰もいけていませんでした。コーナーキックでの練習をしていかなければいけないと思います。
――ここまで無敗で前期を折り返すことができたのは、チームにとっても大きなことではないでしょうか
きょうの最終節で勝ったことで、後期にもつながると思います。後期でも優勝できるように、中断期間でもしっかり全員で協力してやっていきたいなと思います。
――中断期間ではチームとしても個人としても強化していきたい点は何でしょうか
前期が終わって中断期間に入りますが、そこでもモチベーションを常に高くことを忘れないで、チーム全体としても意識を高く後期の優勝を向けて頑張っていきたいです。
FW熊谷汐華(スポ2=東京・十文字)
――試合を振り返っていかがですか
前半は自分たちのやりたいことができて、相手のサッカーをさせない感じで入りも良かったです。後半は前半と同じようなサッカーができなくて、相手のペースというか、自分たちのミスが目立ったりしたし、そういう点では課題が残るなと思います。
――前半、積極的にサイドを駆け上がっていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
前の試合の時に自分が全然仕掛けられなくて、その反省を踏まえて今日は前半から積極的に仕掛けていって、それがうまくはまってよかったなと。
――チームとしては、ロングボールなどを使って後ろの方から組み立てているイメージがあるのですが、チームとしての戦い方はいかがでしたか
そうですね、自分としては前の方で受けたかったのでロングボールを要求したりとかしたんですけど、うまくいったので良かったです。
――今日の点数を振り返っていかがですか
紗希(柳澤)からいいボールが来たので絶対決めたかったんですけど、ゴール入った時自分が見えてなかったので、入ったかわからなかったんですけど入って良かったです(笑)。
――無敗で前半シーズンを振り返ることができましたが、前半シーズンを振り返っていかがですか
割とどの試合も自分たちのサッカーができたイメージがありましたが、やっぱりふとしたところで乱れてしまったりとか、安定さはまだないかなと思うので、そこは修正していきたいところですね。
――後半シーズンに向けて意気込みをお願いいたします。
前半いい結果で終われたので、後半に向けて、またちょっと間空きますがしっかり集中して、個人としてもチームとしても課題を解決していきたいと思います。
DF中條結衣(スポ1=JFAアカデミー福島)
――試合を振り返っていかがですか
初めての試合だったのでとても緊張したんですけど、前半いい流れで得点もとれて、先輩たちも声をかけてくれて、良かったです。
――初出場の試合はいかがでしたか
すごい緊張しました。
――試合にはどのように臨まれましたか
自分は1対1に弱いので、まずプレーを全て前向きに行こうと思って、ミスしても切り替えていこうと思いました。
――得点シーンを振り返っていかがですか
こぼれ(球)を狙ってポディションをとっていたので、いいところに来て良かったです。
――初出場初得点という記念すべき試合だったと思いますがいかがでしょうか
でもミスがとても多かったので、これからどんどん試合に出ていけるように頑張っていきたいと思います。
――きょう見つかった課題点は具体的にはどのようなところでしたか
やはり1対1の守備で簡単に裏抜かれることですね。自分は足遅いんですけど、もっと遅くの部分でカバーできると思うんで、そういうところを取り組んでいきたいと思います。
――チームとして無敗で前半戦を折り返しましたが、チームとしての印象はいかがですか
今年1年目でやはりワセダって強いんだなって本当に感じましたし、後半シーズンも無敗でいきたいと思います。
――後半シーズンに向けて意気込みをお願いします
試合に出られるように頑張ります。