決定機を確実にものにし、勝ち点3を獲得!

ア式蹴球女子

 開幕戦は白星、第2戦はドローとこれまで確実に相手を無失点で抑えてきた関東女子リーグ戦(リーグ戦)。迎えた第3節の相手は関東学園大だ。開始早々3分、MF柳澤紗希(スポ2=浦和レッズレディースユース)が獲得したCKを起点にMF高瀬はな(スポ1=ジェフ千葉レディースユース)がこぼれ球をゴールへ押し込み先制弾を決めた。高いテクニックと攻撃スピードを兼ね備えた相手FWに苦しめられながらも、少ないチャンスをものにした早大。後半も追加点を2点挙げ、待望の勝ち点3を手にした。

開始早々3分に高瀬(背番号31)が先制弾を決めた

 この日初めてスコアが動いたのは、開始早々3分だった。柳澤のCKからのこぼれ球に反応した高瀬がネットを揺らし、幸先良く先制点を挙げた。先制弾に笑顔を浮かべる選手たちは、この後も決して攻撃の手を緩めない。「攻撃に関しては、いつもより得点だったりシュートシーンは増えているのでそこは収穫だと思います。」とGK山田紅葉主将(スポ4=東京・十文字)が言うようにドリブルとシュートへの積極的な意識を見せ、果敢にゴールへ攻め込んだ。カウンターで攻められる場面も見られたが、固い守備で守りきり前半終了。

 後半の主導権は早大が握った。前線からいいプレスを掛けボールを回し、シュート数も優位に立ち65分には2点目を挙げた。右サイドを突破したFW平國瑞希(スポ3=宮城・常盤木学園)のクロスに合わせたFW河野朱里(スポ2=静岡・藤枝順心)がダイレクトシュートを放つ。相手GKが弾こうとした鋭いボールは、まさかのオウンゴールとなった。続いて75分、さらに追加点を挙げた早大。柳澤の仕掛けたドリブルが相手のファールを誘い、獲得したPKを柳澤自身が確実にものにした。しかしその直後の79分、中央を相手FWに抜け出されてしまいまさかの失点。最後までゴールを辛抱強く守りき切れず、3ー1で試合を終えた。

河野の豪快なシュートがオウンゴールを誘った

 初戦以来の白星を挙げることはできたものの、無失点を目標に掲げていただけに最後の失点が悔やまれる。「守備に関しては1失点してしまっているのでそこは改善の余地があります」と山田が言うように、リスク管理及び守備意識を常に念頭に置いていかなければならないという課題が浮き彫りとなった今節。福島廣樹監督(昭45教卒)が「優秀な1年生も入ってきていますので、昨年度と変わらない力をつけられると思っています。」と述べるように、一戦一戦を終えるごとに課題を修整し、今後も確実に力を付けていきたい。そして次戦の東京国際大戦も、順当に勝ち点3を手にしたいところだ。

(記事、写真 新庄佳恵)

スターティングメンバー

関東女子リーグ戦第3節
早大 1-0
2-1
関東学園大
【得点者】(早大)3高瀬、65OG、75柳澤(関東学園大)79浦島
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 1◎ 山田紅葉 スポ4 東京・十文字
DF 渡部那月 社2 兵庫・日ノ本学園
DF 奥川千沙 スポ3 静岡・藤枝順心
DF 三浦紗津紀 スポ2 浦和レッズレディースユース
DF 32 中田有紀 スポ1 兵庫・日ノ本学園
MF 柳澤紗希 スポ2 浦和レッズレディースユース
MF 中井仁美 スポ3 兵庫・日ノ本学園
MF 10 中村みづき スポ3 浦和レッズレディース
FW →70分 山田仁衣奈 スポ1 大阪・大商学園
MF 31 高瀬はな スポ1 ジェフ千葉レディースユース
FW →HT 熊谷汐華 スポ2 東京・十文字
FW 河野朱里 スポ2 静岡・藤枝順心
FW 26 大井美波 社2 大阪・大商学園
FW →HT 平國瑞希 スポ3 宮城・常盤木学園
◎はゲームキャプテン
監督:福島廣樹(昭45教卒)
コメント

福島廣樹監督(昭45教卒)

――先々週から関東リーグが開幕し、再び日本一に向けての戦いが始まりました。福島監督の今季のチームづくりに関しての目標は何でしょうか

やはり昨年四冠を取っているので、ことしも連覇していきたいと思っています。4年生が卒業しましたのでなかなかすぐにチームづくりはできないかもしれませんが、優秀な1年生も入ってきていますので、昨年度と変わらない力をつけられると思っています。

――ことしの1年生は福島監督の目から見ていかがでしょうか

非常に個性もありますし、サッカーも知っている選手です。力強さに関しては、まだやはり高校生から大学生になったところなので、筋力トレーニングだったりとか、フィジカル面がまだ劣っています。その辺を強化すれば十分体力的に戦えていけると思っています。

――チームが始動してから2カ月ほどが経ちますが、現在の雰囲気や調子はいかがでしょうか

1年生も活躍していますし、雰囲気も非常にいいし、十分やっていけると思っています。

――きょうで関東リーグ第3戦まで終わりましたが、これまでの試合の評価はいかがでしょうか

非常に個性のある素晴らしい選手がそろっているんですけれども、その個性を十分に発揮していなかったりしています。その個性と個性をうまくかみ合わせて、戦術的な突破とか、崩しとかはまだ一歩できていないと思います。それはこれからのゴールデンウイーク合宿と夏の合宿で整えていきたいと思っています。

――今季の抱負をお聞かせください

去年は笑顔で終われて大学からも評価をしていただけましたので、ことしも勝ち抜いていきます。

GK山田紅葉主将(スポ4=東京・十文字)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

最後の最後で失点をしてしまったというのが、最後の課題なのかなと。目標としても無失点を掲げていたので、これからは無失点ということにこだわっていくのですが、今回に関しては終わり際の戦い方をもう一度反省しなければならないと思っています。

――終盤で失点を喫してしまった要因は何だとお考えでしょうか

パスはつなげていたので、全体的に前掛かりになってしまったというのがミスでした。つないでいるときのリスク管理というのを考えながらポゼッションをしていかなければいけないなと思っています。

――試合全体の評価としてはいかがですか。本日は攻撃陣も積極的にシュートを打っていましたね

そうですね。攻撃に関しては、いつもより得点だったり、シュートシーンは増えているのでそこは収穫だと思います。先ほど言ったように、守備に関しては1失点してしまっているのでそこは改善の余地があります。あまり良くはない結果と受け止めたほうがいいのかなと思います。

――関東学園大の印象はいかがでしたか

攻撃が速いチームなので、中の28番の背の高い選手をキーマンとしていました。10番の選手もテクニックがありましたし、攻撃に速いという点では気をつけなければいけないと思いながら戦いました。

――初戦以来の勝ち点3を手にし、再びチームとしてもいいながれをつかみ始めたのではないでしょうか

そうですね。今回の結果に満足をしているわけではないのですが、もう一度この試合を振り返って、次の試合でもしっかりと戦えたらなと思います。

――次戦も今試合に引き続きアウェーとなりますね

移動からしてみんなでバスに乗ってという感じなので、若干ホームとは違うんですかね(笑)。でもやることは一緒なので気持ちを入れてという感じです。

――最後に次戦への意気込みをお願いします

今回の試合を反省して、次も勝ち切ります。

MF高瀬はな(スポ1=ジェフ千葉レディースユース)

――きょうの試合を総括していかがですか

ボールは結構回っていたのにもかかわらず決定機はあまりつくれなかったのですが、シュートで終われて良かったです。

――開始早々得点をされましたね

きょうの試合はあまりいいかたちをつくることができなかったので、シュートで終われたのは良いと思います。

――関東学園大の印象はいかがでしたか

FWに一人大きい選手がいたので、対処が対処が大変でした。

――ご自身の手ごたえとしてはいかがですか

後半のほうが流れがよかったので、自分が出ているときも良い流れをつくることができるように頑張ります。

――ア女に入部して1カ月以上が経っていますが大学生活には慣れてきましたか

まだ慣れないことも多いのですが頑張っていきたいです。

――今季の高瀬選手の目標は

積極的にシュートを打つことと、戦術的なプレーをして、その中で日本一につなげられたらなと思います。

――最後に次戦に向けて意気込みをお願いします

次はもっと活躍して勝てるように頑張ります。