先週幕を開けた関東女子リーグ戦(関東リーグ)。開幕戦(慶大戦、〇1-0)では白星を飾り幸先良いスタートを切ったが、続く第2戦は厳しい戦いとなった。序盤から優位なボール支配率でゴールへと果敢に攻め込もうとするが、早大はなかなか決定機を得ることができない。というのも今試合の難関ポイントとなった、筑波大の堅い守備ブロックの存在があったからだ。「悪い流れを自分たちがつくってしまった」とGK山田紅葉主将(スポ4=東京・十文字)が試合後に語ったように、淡々とした動きとテンポを変えることができず、最後まで1点も決め切れないまま試合終了。なんとか無失点に抑えたが、枚数を掛けてきた相手の守備にも柔軟に対応する力が今後のプレーに求められる結果となった。
ようやくケガからの復帰を遂げたFW平國瑞希(スポ3=宮城・常盤木学園)。開幕戦からスタメン出場を果たした
前半からボールの支配率は高くとも、重心が低い相手の守備に苦しめられPA内に侵入できない。「相手のペースにはめられて自分たちのサッカーができなかったというのが大きな反省点」とFW河野朱里(スポ2=静岡・藤枝順心)が言うように、ゴールへ攻めてもすぐにボールを失い、自由に仕掛けられてしまう。単調な攻撃のテンポが続いたまま試合が運ばれた。それでも河野、FW熊谷汐華(スポ2=東京・十文字)らが何度かチャンスをつくろうとするが得点には至らず。決定機を得られないまま前半を折り返した。
なんとしてでも1点を取りたい後半。開始早々47分、右サイドからのクロスに頭で合わせられゴールを狙われてしまうが、ゴールを逸れなんとか危機を免れた。負けじと平國をはじめとする攻撃陣も果敢にゴールに迫ろうとするが、前半よりも多い6枚のブロックで守備を固められてしまう場面も見られた。ゴールは遠のいたまま、試合終了の時間が近づいてしまう。そんな中85分、今試合最大のチャンスが河野に訪れた。しかし、「タイミングは良かったのですが、その後がうまくいきませんでした」(河野)と、鋭く飛び出しゴールへと向かったものの思うようなシュートを放てず。後半も両者の得点は動かないまま、スコアレスドローで試合終了となった。
終盤裏へタイミング良く飛び出した河野、惜しくもビッグチャンスを生かしきれず
終盤は精度に欠けパスミスも目立ち、少ないチャンスをものにできなかったのはやはり悔やまれる。しかし、「試合の中で流れが悪いときにはどう改善していけばいいのかを、ピッチ内の人間が気づいて話して改善しなければいけない」(山田)という反省点を今後に生かせば、再び同じ状況下に立たされたときには今試合以上に対応力を発揮できるはずだ。次戦のアウェーとなる関東学園大戦でも無失点に抑え、貪欲に点を狙い、次こそは勝ち点3を手にしたい。
(記事 新庄佳恵、写真 桝田大暉、網代祐希)
スターティングメンバー
関東女子リーグ戦第2節 | ||||
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早大 | 0 | 0-0 0-0 |
0 | 筑波大 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1◎ | 山田紅葉 | スポ4 | 東京・十文字 |
DF | 2 | 渡部那月 | 社2 | 兵庫・日ノ本学園 |
DF | 3 | 奥川千沙 | スポ3 | 静岡・藤枝順心 |
DF | 4 | 三浦紗津紀 | スポ2 | 浦和レッズレディースユース |
DF | 32 | 中田有紀 | スポ1 | 兵庫・日ノ本学園 |
MF | 10 | 中村みづき | スポ3 | 浦和レッズレディース |
MF | 23 | 安部由希子 | スポ2 | 宮城・聖和学園 |
MF | →63分 | 柳澤紗希 | スポ2 | 浦和レッズレディースユース |
MF | 31 | 高瀬はな | スポ1 | ジェフ千葉レディースユース |
FW | 7 | 河野朱里 | スポ2 | 静岡・藤枝順心 |
FW | 9 | 平國瑞希 | スポ3 | 宮城・常盤木学園 |
MF | →63分 | 中井仁美 | スポ3 | 兵庫・日ノ本学園 |
FW | 22 | 熊谷汐華 | スポ2 | 東京・十文字 | ◎はゲームキャプテン 監督:福島廣樹(昭45教卒) |
関東女子リーグ戦1部順位表 | |||||||||
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順位 | 校名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失差 |
1 | 日テレ・メニーナ | 6 | 2 | 2 | 0 | 0 | 5 | 2 | +3 |
2 | 浦和レッズレディースユース | 6 | 2 | 2 | 0 | 0 | 3 | 1 | +2 |
3 | 早大 | 4 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | +1 |
4 | 関東学園大 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 4 | 4 | 0 |
5 | 筑波大 | 1 | 2 | 0 | 1 | 1 | 1 | 2 | -1 |
6 | 東京国際大 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 3 | -1 |
7 | ジェフ市原・千葉レディースU-18 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 4 | -2 |
8 | 慶大 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | -2 |
※第2節終了時点暫定※未消化試合有り |
コメント
GK山田紅葉主将(スポ4=東京・十文字)
――スコアレスドローで悔しい結果となりました。試合を振り返っていかがですか
この悪い流れを自分たちがつくってしまったのかなと反省しています。試合の中で流れが悪いときにはどう改善していけばいいのかを、ピッチ内の人間が気づいて話して改善しなければいけないのですが今回はそれができませんでした。それを反省して改善していかなければならないと思っています。
――悪い流れの中でも主将として後方からどのような言葉をかけていたのでしょうか
なるべく盛り上げる声を掛けるのももちろんでしたが、テンポというものを大切にしていました。ずっと満遍のない動きで淡々としていたので、攻撃にスイッチが入ったときには、動きやボールのスピード、パスのタイミングというのをもう少し変えていこうと言っていました。
――前半からピンチは見られませんでしたが、相手のPA内に侵入することができませんでしたね
相手がブロックで中に枚数を入れていたのに対して、こっちは同じテンポで攻めていたので、相手もスライドをしてブロックを固められてしまいました。中を固められているのにも関わらず、中攻めをしすぎていたのもあるのではないかと感じています。やっぱりさっき言ったテンポというのを変えて、後ろで回しながらも相手がずれ遅れているところに入れていく作業ができていなかったですね。
――相手の攻め方としてカウンターで狙ってくるスタイルでしたが、リスクマネジメントについては守備陣とどう話し合われていましたか
前からプレッシャーをかけているのでいい配球というのはできない状況ではあったのですが、センターバックの二人がトップに対してしっかりついていたので、相手の良いかたちでボールが収められてしまうことはありませんでした。ですが、裏に飛んできたボールに対して、自分のポジショニングが今回は低かったのでそこが自分の中でも反省点ですね。次からはもう少し裏のスペースを自分がケアすることができるポジションにいようと話しています。
――最後まで精度が欠けている印象を受けました
ブロックをしいた相手に対して決定機というのは頻度的には少なくなってくるので、いかに少ないチャンスをものにできるのかがこれからの勝負につながってくると思います。
――最後に次節に向けて意気込みをお願いします
次節も無失点ということは変わらず、しっかり確実に点を取って次も戦っていけたらなと思います。
FW平國瑞希(スポ3=宮城・常盤木学園)
――スコアレスドローに終わりました。試合を振り返っていかがでしょうか
自分たちがボールを持つ時間は長かったんですけど、リズムがずっと同じになってしまって相手が慣れてなかなかシュートにいけませんでした。
――攻めの緩急を付けられず攻めあぐねた印象がありました
自分はセンターバックがボールを持ったときに裏抜けする意識があったんですけど、一つ飛ばさずにサイドバックに預けていたために緩急が付かなくて攻められなかったと思います。
――重心が低い相手の守備を前にPA内に侵入する機会を多くつくれませんでした
リズムが同じだったので、もっとダイレクトパスを使って自分が裏抜けできたらより良い展開になったのかなと思います。
――平國選手もなかなか効果的なドリブル突破ができなかった印象がありますが
ボールを持ったときにパスを探してしまったので、もっと縦に仕掛けるようにしたいです。
――チーム全体として最後の精度に欠けました
全体的にパスミスが多くて、崩しは良くてもラストパスを丁寧にできなかったのが得点できなかった原因だと思います。
――右ヒザにテーピングが巻かれていますが、コンディションの方はいかがでしょうか
きょねんは手術をしてずっと試合に出られず、リハビリも長かったんですけど、いまはサッカーできて楽しいので、もっと楽しんでやりたいです。
――復帰から公式戦2試合が終わりましたが、感触としてはいかがでしょうか
ボールに怖がらずいけているので、もっとアグレッシブに自分の強みであるドリブルを生かし、味方も使えるように判断を良くしていきたいです。
――次節に向け抱負をお願いします
次節も難しい戦いになると思うんですけど、チームに貢献できるように得点というかたちで試合に貢献したいです。
FW河野朱里(スポ2=静岡・藤枝順心)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
相手のペースにはめられて自分たちのサッカーが出来なかったというのが大きな反省点です。
――チーム、または個人でどのようなことを意識して試合に臨みましたか
チーム的には、開始15分裏に抜けるという大きなプレーを意識して、前からプレスなども意識しましたがそれも出来ませんでした。個人的には点を取ることを意識してやっていましたが大事なところで決め切れない場面が多くあったので、そこは改善点だと思います。
――下がってボールを受けることが多い印象でしたが、意識的に行っていたのですか
はい。相手が4バックでひいてきたのでそこの4枚をいかにずらすかということで自分が下がったりワイドに開いたりしましたが、空いたスペースに飛び出す選手がいなかったりタイミングが合わなかったりしたのでそこはもっと合わせないといけないなと思います。
――今日これだけは出来たということはありますか
今日はチームとして良かったことはなかったですね。個人としても点も決められなかったしパスもずれてしまいました。唯一出来たのは飛び出しです。タイミングは良かったのですが、その後がうまくいきませんでした。なので総じてだめだったということになりますね。
――次の試合に向けて意気込みは
次の試合まで数日しかないのでそこで自分の中でどれだけ改善したりチームで改善したり出来るか、練習で詰めていかなければいけないのでしっかりやっていきたいと思います。