早大から5選手が出場!東関東の勝利に大きく貢献

ア式蹴球女子

 関東大学女子サッカー東西対抗戦はことしで第12回目を迎えた。本大会は関東大学女子リーグ1部に所属する10大学から選手が選抜され、東西に分かれて戦う試合形式である。早大を擁する東関東大学選抜には、筑波大や関東学園大から19名の精鋭が集った。対する西関東選抜は、昨季全日本大学女子選手権(インカレ)の決勝進出校、神奈川大や日体大を擁する。早大からは、GK山田紅葉(スポ4=東京・十文字)、FW川原奈央(スポ4=兵庫・日ノ本学園)、MF中井仁美(スポ3=兵庫・日ノ本学園)、MF安部由希子(スポ2=宮城・聖和学園)、DF渡部那月(社2=兵庫・日ノ本学園)の5人が選出された。川原、中井、安部、渡部の4選手がスタメンで出場し、33分に安倍、37分に川原と、早大選手が立て続けに得点。インカレ王者である貫録の早大がさすがの活躍ぶりを見せ、東関東選抜が4-2で勝利した。

 試合は序盤から西関東選抜にペースを握られ、じわじわと自陣まで押し込まれてしまう苦しい展開に。東関東選抜も負けじと徐々に押し返し始め、試合が落ち着いたと思われた17分。自陣での1対1の攻防で振り切られてしまい、左サイドからのクロスを中央から頭で合わせた西関東選抜に先制点を献上してしまう。その直後の18分に小泉(東京国際大)のゴールで東関東選抜もすぐに追い付いたものの、24分に再び失点。追い付き追い越されの熱戦の中、33分に園田(武蔵丘短期大)のカウンターから抜け出した安部が同点ゴールを決めた。そこから勢いづいた東関東選抜。37分には中井が、後方からゴール前に上がってきた川原にワンタッチで戻し、そのままボールがネットに押し込まれた。調子をあげてきた東関東選抜が攻撃的な姿勢を見せたまま前半を3-2で折り返した。

東関東選抜のゲームキャプテンを務めた川原

 後半開始からは一進一退の攻防が続き、東西互いにゴール前までたどり着くことができない 。少ないチャンスをものにし、速攻で迫ろうとする西関東選抜は62分に鋭いシュートを放った。立て続けにゴールを狙おうとするが、東関東選抜は安定した守備が光り決して得点を許さない。そして73分、ゴール前の混戦から園田が思い切りよくシュートを放ち、東関東選抜勝利を決定づける4点目をゲット。そのまま逃げ切り、4ー2で東関東選抜が勝利を収めた。

安部の鮮やかな一撃でチームが勢いづいた

 今シーズンの幕開けを華々しく飾った早大選手の活躍ぶりが、東日本選抜の勝利に大きく貢献する結果となった。普段はライバルである他大学のメンバーと共に戦った今大会であるが、「少しでもチームの強化につながるようにしていきたい」と川原が語るように、新体制となった早大に対する思いの強さもうかがえる。一ヶ月に控える関東女子リーグ戦開幕までもう間もなくだ。地域対抗戦、東西対抗戦を通して得た経験を活かし、選手個人としても、「今年もインカレ優勝」を目標に掲げる新チームとしても、さらなるレベルアップを目指していきたい。

(記事 新庄佳恵、写真 桝田大暉)

※記事中の学年は新年度のものです。

関東大学女子リーグ戦
東関東選抜 3-2
4-2
西関東選抜
【得点者】(東)18小泉、33安部、37川原、73園田(西)17松永、24中島 
コメント

FW川原奈央(スポ4=兵庫・日ノ本学園)

――きょうの試合の振り返りをお願いします

2月22日から25日まで兵庫県で地域対抗戦があったのですが、そこでチームがまとまってきょうを迎えることができました。やっぱりきょうは勝って終わりたいとみんなが思っていたので、まず勝てたことが一番嬉しかったです。内容的にも自分たちの目指すサッカーができたので良かったなと思います。

――東関東チームが結成された時のチームの雰囲気や印象はいかがでしたか

自分はゲームキャプテンを今回務めたのですが、あんまり各大学でコミュニケーションをとることができていなくて不安でした。でも、22日から行われた地域対抗戦でみんなが打ち解けることができて、結果として良いチームをつくることができたので良かったです。

――中井選手からパスを受けて得点が決まりましたが、そのシーンを振り返っていかがですか

あのようなサッカーを目指していたので、お互いに意識していて、絶対に(中井)仁美から落としがくるなと思っていました。めちゃくちゃ良い落としがきたので、あとは自分が決めるだけの状況だったので決められて安心しました。

――1カ月後からは関東女子リーグが始まりますが、それまでにどのように過ごしていきたいですか

今回経験したことがたくさんありました。ワセダに戻って、少しでもチームの強化につながるようにしていきたいと思います。

――川原選手にとっては今シーズンがラストシーズンとなりますが、どんな一年にしていきたいですか

自分自身も4年生として引っ張っていく存在になることが目標で、チームとしても去年に続きインカレ優勝という目標を立てたので、その目標を叶えることができるように頑張っていきたいと思います。

MF中井仁美(スポ3=兵庫・日ノ本学園)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

先制されて、最初はチームの状況は上手くいってなかったのですが最終的に勝てて良かったです。

――前半の中井選手との連携で川原全種が得点をされましたが振り返っていかがですか

試合が始まる前から2人で点を取ろうと話していたので良かったです。

――今回の地域対抗戦でいつもとは違うメンバーとプレーをしていかがでしたか

普段のワセダでのサッカースタイルとは全然違って、ゴールポゼッションをしてみんなで楽しみながらサッカーができたのですごく勉強になりました。

――一カ月後には関東女子リーグ戦が開幕しますがそれまではどう練習に取り組んでいきたいですか

地域対抗戦で学んだサッカーの良いところをワセダに取り入れていって、ワセダでも観ている人に面白いと思ってもらえるようなサッカーができるように頑張りたいです。

――今シーズンが始まりましたがどんな一年にしていきたいとお考えですか

自分自身はしっかりレギュラーになって、チームに貢献できるように頑張りたいです。チームとしては昨シーズンのように優勝できるように頑張りたいです。

MF安部由希子(スポ2=宮城・聖和学園)

――今回の試合を振り返っていかがですか

たくさんの大学が集まった即席チームだったんですが、みんなでやることを明確にしてできたので、刺激になった6日間でした。

――普段は一緒にプレーしないメンバーということで、連携面で難しい点もあったのではないでしょうか

難しいところもありました。でもやろうとしていることができるとすごい魅力的なサッカーになったと思います。完成形をイメージしながらみんなで合わせていきました。

――組織的に崩す場面が多々ありましたが手応えのほどはいかがでしょうか

普段ワセダでやるのとは違うサッカーで合わせるのも難しかったんですけど、このメンバーに入ってサッカーができたのはすごいプラスになったと思います。

――ご自身の得点シーンを振り返っていかがですか

自分が決めるだけというボールを出してもらったので、決めるだけでしたね。

――今回の地域対抗戦で得た収穫はありましたか

今回を通して、共通理解の大切さを改めて感じました。守備面では失点が多く、個人の課題が浮き彫りになったので、そこはチームに帰ってがんばりたいですね。

――1ヶ月後の開幕に向けコンディションを上げていく段階かと思いますが、ご自身の調子はいかがですか

きょねんはあまり試合に出ていなくて、ここまでの連戦がなかった分今は試合続きで疲労が溜まっているんですけど、この経験を生かして、ことしはワセダに貢献できるようにがんばっていきたいですね。

――今シーズンの目標をお願いします

今シーズンはプレーでチームに貢献することと、自分の課題にしっかり向き合って、チームとしても個人としてもレベルアップしてきょねんを超えられるようにがんばりたいと思います。

DF渡部那月(社2=兵庫・日ノ本学園)

――今回の地域対抗戦を振り返っていかがですか

前半はうまくいかない感じだったのですが、時間が経ってからは落ち着きました。自分たちが目指すサッカーはバルセロナのサッカーだと監督が言っていたので、それを意識してチャレンジしようと話していました。前半の内にいい時間で点が取れたのは良かったと思います。

――他の大学の選手とのプレーはいかがでしたか

みんなレベルが高い中で地域対抗戦に出れたことで自分の課題も見つかりました。それをチームに帰って改善できたらいいなと思いますし、このチームの良さをワセダで生かせたらなと思います。

――期間限定のチームということで、連携面でも難しい点があったのはでないでしょうか

監督がバルセロナの映像を見せてくれたことでイメージしやすかったですし、一緒に過ごす中でみんなの仲も良くなったのでいいチームでした。

――バルセロナのサッカーということで、やはり守備からの組み立ても意識することがあったのでしょうか

そうですね、ボールを蹴るのではなくてGKも使いながらポゼッションをして、前線は自由に動いて崩すということを意識しました。

――組織的な攻めが多く見られましたが、DFラインから見ていていかがでしたか

すごいきれいでしたね。

――前半は2失点となりましたが、ハーフタイムにどのようなことを話されましたか

相手の攻撃が裏を狙ったり、サイドからのクロスが多かったのでそこだけは気をつけようと話していました。チームとして、ずっと攻撃をしていれば守備はしなくて済むので、ちょっとしたミスでボールを失わないように保持して攻撃をしようとしました。

――今回の地域対抗戦で得た収穫はありましたか

このチームが大切にしていたことに「サッカーを楽しむ」ということがあって、根本的に楽しむことを思い出せたので、これからのワセダのサッカーももっと楽しんでやっていきたいなと思います。勝ちにもしっかりこだわってやりたいですね。

――1ヶ月後の開幕に向けコンディションを上げていく段階かと思いますが、ご自身の調子はいかがですか

まだまだコンディションはこれから上げていけるなと思います。

――今シーズンの目標をお願いします

きょねんから試合に出させてもらっているので、きょねん優勝した経験を周りに伝えるのもそうですし、自分が中心となる選手になれたらいいなと思います。