【連載】インカレ直前特集『追求』 第7回 MF松川智主将×MF山本摩也副将

ア式蹴球女子

 最終回を飾るのは、今シーズンのワセダの顔、MF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)、MF山本摩也副将(スポ4=スフィーダ世田谷)のお二人だ。3年ぶりの関東三冠を手にした今季、チームにこの二人なくしての今はなし。すべては全日本大学女子選手権(インカレ)の頂点を手にするために。苦し紛れにタイトルをつかんだ今シーズンを振り返りながら、ラストとなるインカレに向けての思いを伺った。

※この取材は12月12日に行われたものです。

「周りのレベルも上がっている」(山本副将)

女子サッカー界の変化を指摘する山本副将

――主将副将コンビという組み合わせでの対談となりましたが

山本 え、そうだったんだね。

松川 驚きを隠せない。

山本 ビジュアル枠かなと思いました。

一同 (笑)。

――お二人が主将と副将になった経緯とは

松川 学年で話し合って、それぞれ役職を決めてって・・・。

山本 残り物がガチャ(DF大島瑞稀、社4=宮城・常盤木学園)との3人で。誰がいいかを考えて松川になりました。

――副将は

山本 余りものですね、簡単に言うと(笑)。

――チームを引っ張る立場になって、チームに対する見方の変化はありましたか

松川 普段から客観的にチームを見ることを意識しながら、私生活の面でも結構後輩に伝えることありました。それ以外の場面でもコミュニケーションを取りつつ、ちょっと一歩引いてみるところは見るということを意識していました。

山本 自分が上になって、後輩との関わりを増やそうということを意識的にやってきました。後輩と積極的に絡む系ではなかったのですが、大学はあまり上下関係とかありませんですし、そういった面で下の子たちの様子を見ようかなという意識は芽生えました。後輩がどう思っているかはわかりませんが、近寄るということは心掛けるようになりました。

――特にことしは1年生の起用が目立ちましたが、チームの雰囲気はいかがですか。昨シーズンとの違いは

山本 福島さん(福島廣樹監督、昭45教卒)になってから、結構いろんな人を使うというのが多くて。自分たちが1年の時は、固定メンバーだったのでケガさえしなければという感じでした。(多くのメンバーを起用することが)監督の方針かもしれませんが、結果を出す人が試合に出られるし、練習の時から競争意識が芽生えます。

――今季の試合を振り返っていこうと思います。まず、皇后杯全日本女子選手権(皇后杯)関東予選での優勝から勢いづいたと思いますが、振り返ってみていかがですか

松川 3連戦という厳しい状況ということは最初から分かっていて、相手もレベルが高い大会でした。自分たちは決して楽に戦える試合ではないということはわかっていたので、ことしの強みである粘り強さで結果に結びつけられたのかな、と思います。

山本 最後まで諦めずに戦う姿勢っていうのが、あの時期に顕著になって優勝して、それを関東大学女子リーグ戦(関カレ)にまでつなげることができたので結構あの試合はターニングポイントというか、勢いに乗れた大会だったのかなと思います。

――先日、下級生から皇后杯関東予選の横浜FCシーガルズ戦では、4年生の力を感じたと伺いましたがその試合を振り返ってみて

松川 0-2から3点取り返したっていう試合だよね。色々あった中で4年がしっかりしないとっていう意識を芽生えさせてくれた試合だったのかなと思います。実際に得点シーンを振り返ってみると4年の意地が発揮されていたのかなと。

山本 3点目とか素晴らしかったよね。

松川 顔面でたまたま当たったみたいな(笑)。

山本 すごい気持ちよかったし、気持ち入ってた。

松川 そういった面でも結果を出さないと、っていうのは4年の中でも気持ち的には強く出ましたね。

――関カレでは逆転優勝となりました。なかなか結果を出せずに苦しい時期もありましたが振り返ってみていかがですか

山本 全体的に圧勝できる試合がなかったし、大差で勝てたのは関東女子リーグ戦(関東リーグ)の前期ぐらい?あとは関カレの国士大戦か。

松川 全部の試合が結構接戦で、やってて危機感は常に持っていた状態での引き分けはチームとしても苦しい時期だったのかなと思います。

山本 でもあそこで負けなかったのは大きかった。なんとか引き分けに持ち込めていたし、もしあそこで負けていたら優勝できてなかった。プラスに捉えて考えると、引き分けでよかった(笑)。

――関東リーグでは7連覇を達成しましたが、8カ月に及んだ長期戦を振り返っていかがですか。特に前期は守備との共通理解や、決定力に関するお言葉を頂きましたが

松川 関東リーグ前期で結構負けてしまって、ミーティングや合宿でも共通理解を深めた部分があったので、多少は改善された部分はあると感じています。でも、関東リーグも全然大差で勝てる相手ではないので、いつも緊張感はありました。

山本 周りのレベルも上がってるよね、間違いなく。自分たちが1年の関東リーグのレベルと、自分たちが上になってからのレベルの差は実感するよね。周りもどんどん上がってるなと思うし、そういう意味ではワセダとの差が縮まってきているなと感じます。でもよかったよね。

松川 それが全日本大学女子選手権(インカレ)につながるなら、インカレは結局厳しい大会だから、普段からそれを経験できていることは大きいことなのかなと思います。

――皇后杯で印象に残っている試合とは

松川 劇的勝利を収めたASハリマアルビオンと、日テレ・ベレーザ(ベレーザ)戦では違う意味で印象に残っていますね。ベレーザ戦は自分たちが何もできなくて、相手の素晴らしいところを見れてという意味で、相手のプレーに対しての印象がすごく残っています。

――ここまで今季を振り返って、お二人が特に印象に残っている試合は

山本 これ絶対聞かれると思った(笑)。

松川 ア式蹴球部(ア式)の対談でも聞いてたもんね(笑)。

山本 めっちゃ個人的な試合になるんですけど関カレの東京国際大戦。

松川 勝ち越しゴール決めたやつ?

山本 そうそう。葛藤があって苦しい中での出場だったのですが、ピッチに立ってゴールを決められて吹っ切れた部分がありました。でもそのあと安心感からかすごい体調を崩しました。試合後に自律神経乱れた系の体調不良で(笑)。きっとすごい緊張していて、結果を残してほっとしたみたいな。それほど自分は思ってなかったけど、体はぎりぎりだったのかなと。気持ちの面も、体の面も、それからよくなったので自分はその試合です。ナイスシュートだったしね(笑)。

松川 最後、自分の良いパスだったもんね(笑)。

山本 忘れてない忘れてない。

松川 自分は何の試合やろ。

山本 両足つった試合は?

松川 ASハリマアルビオン戦でサッカーをしていて初めて両足をつりました(笑)。

山本 笑ったもん、試合中だったけど。

松川 たまたま復帰戦の延長戦前半に、走ってから「ちょっとやばい」と思いながらプレーを続けていたんですよ。それで誰かからパスを受けた時に、相手とせってスライド気味でいったら両足がピーンって(笑)。初めてのことでした。MF中村みづき(スポ2=浦和レッズレディース)が助けてくれたのですが、全然伸びなく。交代枠もなかったので、出るしかなかったんですけどね(笑)。

山本 印象に残ってる試合それでいいの?(笑)

松川 つった初体験ということで(笑)。

――今季は関東3冠を達成したシーズンではありますが、チームとして苦しんだ時期とは

松川 関カレで引き分けが続いた時期ですかね。

山本 かみ合わなかったみたいな表現だよね。

松川 でも国士館大戦で大量得点で勝ったから、それは自分的にも印象に残っていて、あそこからチームとしても上がっていったのかなとは思います。あんなに大量得点で勝った試合が今シーズンなかったので、それはよかったのかなって。

山本 苦しんだこと多かったよね。

松川 全部の試合がかつかつなので。大差では勝てない。全てが苦しい。

山本 やばい、大丈夫?うつみたいなんだけど(笑)。

松川 全試合気持ち的に緩めないって意味ね。

――前期よりも後期のほうが勝ち切る試合が増えましたが、チームとして変わったポイントは何かありましたか

山本 皇后杯関東予選の雰囲気よかったよね。

松川 チームの雰囲気的にも結構上がっていたので。

――皇后杯関東予選での連戦が大きかったのでしょうか

山本 なんだろうね、特に戦い方を変えたとかはないよね。

松川 でも、皇后杯関東予選の決勝戦で浦和レッズレディースユースと当たったことは大きかったのかなと思います。関東リーグの前期で負けていたので、その分気持ちが強かったと思います。ここ2、3年でタイトルを落としていた大会だったのでそういった面でも勝気というか。

山本 まあ全ては気持ちだね、結局(笑)。

――互いのプレーの印象はいかがですか

山本 (松川の)プレースタイル変わったよね。ケガする前までは、積極的にドリブル仕掛ける系だったけど、だんだん学年が上がるにつれてバランスを見て、チームを優先視してプレーするみたいな。いい意味で前よりもガツガツさがなくなった。ポジション的にも今は少し下がっているから、っていうのもあるかもしれないけど、本当に頑張ってくれているっていうのは伝わる。声とかで引っ張ってくれるよりプレーで見せてくれる。

松川 照れる(笑)。

山本 うまいのは前提にあるんだけど、頑張るからすごくいいと思ってる!(笑)ここの部分点滅させてほしい。

松川 チカチカね(笑)。

一同 (笑)。

松川 摩也は、前で足元に収めてくれるプレーヤーだと思ってます。大事なところで点を取ってくれて。ここって時に結果を出してくれるっていうのが一番印象的で、摩也も気持ち的に結構落ちてしまったときがあったからこその今なのかなって。学年が上がるにつれてチームのことを考えてくれて。(入部)当初は・・・って感じだったんですけど(笑)、4年になってからは本当に変わったなって思ってます。プレーでも安心して見られるし、しっかり決めてくれるし、たまにテクニック的なプレーも見せてくれるし。あとはフリーキックもここ一番の時に決めてくれてるので感謝してます。自分のほうがポジション後ろなので、安心して見てられます。

「毎日LINEしてます」

にぎやかなア女の実態が明らかに

――ここでプライベートに関して質問させていただきます。

山本 よし来た!

――ア女のピッチ外での雰囲気はいかがですか

松川 上下関係が本当無いので。

山本 ことし本当ないよね。

松川 自分らが1年の時は「4年生!」って感じだったんですけど、今は・・・。

山本 絶対なめ腐ってるからね(笑)。とりあえず1年生なめ腐ってるから!(笑)

松川 でもその分、ピッチ外でもコミュニケーション取れるのでいいのかなとは思ってます。それでピッチの中でも話し合いやすいのかなって。

――お二人で出かけることはありますか

松川 ご飯とか。出掛けるのはスパイク買いに行くとか?

山本 こないだじゃんそれ。

松川 2人で遊ぶことはないですね。

山本 誰かを交えて遊ぶとか。

松川 学年でね。

――4年生でのエピソードは何かありますか

松川 自分は行けなかったんですけど、ディズニーとか。お盆には海行きました。高木(MF高木ひかり、スポ4=静岡・常葉学園橘)の実家に泊まって。その時は全員そろいました。

――その時のエピソードは

山本 レンタカー2台で、運転手を交代しようといいながら行ったんですけど結局固定だったよね。私怖かったんだもん、高速運転するの(笑)。

松川 結局自分と菜摘(MG荒川菜摘、スポ4=福岡・明善)だけで4,5時間。

山本 まあでも楽しかったよね。

松川 まあまあね。

山本 うん、まあまあ。あと、ちょっとずれるんですけど、この人毎日LINEしてくるんですよ。

――それはどういった内容ですか

山本 本当にくだらないんですよ。

松川 いやいや、毎日LINEをお互い送ってるんですよ。

山本 まあ、こっちが相手してあげてるみたいなところあるんですけどね。

松川 本当にしょうもないことでLINEしてきますね。

――まさか主将と副将で・・・

山本 できてるみたいな?

松川 山本 いやいやいやいや(笑)。

山本 チーム的にどうなんですか、それ(笑)

松川 まさか!

山本 ないっすないっす!

――安心しました。では、後期は試合が続いていた中で、どういった息抜きをしていましたか

松川 こだわりがないから、決めてるものはないですけど月曜日のオフは出かけます。

山本 (松川は)フットワーク軽いから、暇さえあれば予定詰めて出かけてます。

松川 最近は卒論に追い込まれててどこか行くことはないですけど、次の日オフの時は朝起きてから何しようって考えて・・・。

山本 脱毛?

松川 脱毛はたまに行く。代官山に行っておしゃれぶります(笑)。

山本 そうそう、この人やたらおしゃれぶるんですよ。別に卒論なんてさ、普通に研究室でやればいいのに、「スタバでやってる」、みたいなLINEが来ます。全然進まないのに(笑)。こないだなんて、コメダ珈琲行って卒論やるみたいな。それなのに卒論のUSB持って行かないでサンドイッチ食べて気付いたんだよね。

松川 そうなんですよ、それで店員さんに「ちょっと荷物見ていてください」って家に取り帰りました(笑)。

山本 形にこだわるところあるよね。うん、直してほしい。

松川 まずは雰囲気から入る。突発的に行動しちゃう。

山本 そうそう、突発性ありだよね。

松川 思い立ったらすぐ行動しちゃう。そういう癖はあります(笑)。

山本 ね、落ち着きがないよね。私はもう常に冷静でね。

松川 いやいや冷静って何(笑)。

山本 もうオフに入ったら疲れた体のメンテナンスがすごく大事なので。

松川 家から出ない根暗です。

山本 寝て、起きて美味しいもの食べて自分でマッサージして。

松川 絶対してないから(笑)。

山本 体にいいもの摂取して、オフっていっても自分の体は大事にしないとね、1個年上だし。

松川 やっぱり長老なんでね。

山本 体にガタが出てきてるので、しっかりとメンテナンスをしないと。本当は遊び行きたいんですよ?

松川 いやいやいやいや。ドタキャンとかめっちゃありますからね(笑)。

山本 そうそう、めっちゃしちゃうタイプ(笑)。

松川 フットワーク重いタイプなんですよ、対照的にね。

山本 「はい、行こう」ってなった時は「お、行こうよ行こうよ」ってなるんですよ、その場のノリ的なね。でも実際「どうするー?」って聞かれると、「え、行くの?」って。

松川 本当超ノリ悪いんですよ。こっちが逆に「え?」ってなります(笑)。

山本 でもそれをわかっていながら誘ってくるからね、みんな。愛されてるんだよねー。

松川 いや。摩也さんはどっちでもいい枠って感じですね。

山本 やめてよ(笑)。

――学年でのイベント予定はありますか

山本 まあみんな卒論に追い込まれてるよね。

松川 でもクリスマスはさ。

山本 そうだね。でも、今年これまでなかったね。

松川 確かに。個人個人でご飯は行くけど。

――それは東伏見近辺ですか、それとも美味しいものを食べに遠出するのですか

山本 東伏見はないよね。

松川 行くとしたら武蔵関にある山陽って焼肉屋さん。飲みに行こうってならなくて食べに行こう、みたいな。飲みが学年的に好きじゃないんですよね。

山本 ア式と行こうって言ってたけどかなってないね。

松川 学年自体、そんなにア式と関わりないもんね。可菜子(MF正野可菜子、社4=兵庫・日ノ本学園)とか全然喋らないですからね。喋ってるところ見たことない。

山本 あんなに行こうってなってたけどね。

松川 実現せず。

山本 これ見てアクション起こしてほしいよね、男のほうから。

松川 起こしてくれるかもね(笑)。交流深めていこうか、今から(笑)。

山本 もう時間ないけど。

一同 (笑)。

――先ほどから話題に挙がる卒論のテーマとは

松川 なんだっけな。「女子サッカー選手の大学卒業後の進路」ですね。3,4年生にアンケートを取って。ちょいちょい大変なんですけど、頭いいので集中してやってます。

山本 これオフレコで。

松川 頭いいからすごい回転しちゃって。

山本 全然じゃん。すーぐほかのことするじゃん。

松川 でもこれはまじで、計画的にやっていたので焦りとかはないですね。あれ、今テーマ聞かれてたんだっけ?

山本 うん。質問に対する答えになってないね。自分は、前所属チーム(スフィーダ世田谷)と地域との関係を図る、難しいテーマ。関係性を図るからすごく難しいんですよ。

松川 この人全然計画性がなくて、一人で商店街にアンケート配りに行ってるんですよ(笑)。

山本 まじあれはきつかった(笑)。パートナーシップを結んでくれている商店街にアンケートを配りに行ったんですよ。だけどいかんせん一人だから相当時間かるし、なおかつ回収率がほんと悪くて分析も何もできないし。でもそこは頭がいいので、うまくまとめました。

松川 でもそれ一浪してるからじゃん(笑)。

山本 まあまあ。でもあれは追い込まれましたね。ちゃんと計画的にやっといたほうがいいよ。

――アドバイスありがとうございます。では、質問変わりましてア女の4年生で家族構成をするならどういった構成になりますか

山本 この質問いいね。

松川 9人家族(笑)?犬とかもあり?いとことか。

山本 それはおもしろい。でも間違いなくあなた(松川)母親じゃん。

松川 てきぱきやっちゃうタイプやからな。

山本 パパは高木でいいか。ちょっと神経質なパパ。

松川 え、高木と結婚したら智チューすんの(笑)?

山本 考えすぎ!

一同 (笑)。

松川 可菜子は男の末っ子。ここは男女はっきりさせよ。

山本 お姉ちゃんは菜摘じゃん。長女気質ある。

松川 佳織(DF堀口佳織、スポ4=千葉・幕張総合)でもあり。

山本 でも佳織はいとこだね(笑)。感じのいいね。智と高木の子どもが菜摘と可菜子。で、がちゃ(DF大島瑞稀、社4=宮城・常盤木学園)は犬でしょ。

松川 確かに。

山本 超くさい犬。

松川 うるさくて、くさくて顔がつぶれてるブルドックかパグ。

山本 で、私は海外によく行くレアな親戚みたいな。

松川 誰っすか、それ(笑)。

山本 「え!摩也帰ってきてるの?」って感じのさ。

松川 でもそれは血がつながってない近所の人。

山本 いやそれおかしいでしょ(笑)。

松川 摩也はなんやろな。

山本 レアキャラがいい。

松川 レアキャラとか求めてないから。

山本 わかった。私は、智家系の兄弟の娘。つまりは、私にとって智はおばさん。

松川 可菜子のいとこってことね。

山本 よし、これでレア。それで海外にしょっちゅう行ってて・・・。

松川 いやいや海外に行く意味(笑)。佳織は高木側のいとこってことね。

山本 で、はなみ(DF河邊花観、スポ4=宮城・常盤木学園)は松川家のおじいちゃん(笑)。

松川 ひろみ(DF田中宏実、法4=広島大付福山)は歩行人、みたいな(笑)。

山本 え、なに歩行人って。歩いてる人ってこと(笑)?それはやばいって。

松川 (笑)。

山本 わかった。ひろみは、佳織の母。つまりは、高木の兄弟。ちょっと真面目で堅物なお方。

松川 おっけおっけ。

――おもしろい回答ありがとうございます。では、学年の壁を越えて仲のいい後輩は誰ですか

松川 一個下だと、よくご飯に行くのはなお(FW川原菜央、スポ3=兵庫・日ノ本学園)。なおもアホで単純なので、「行こう」って言ったらすぐ来ます(笑)。

山本 何も考えてないもんね(笑)。私は誰だろうな・・・。まんべんなく手を付けてます。

松川 いやらしいやつやな。

山本 まんべんなく可愛がる。そしたらまんべんなく返ってくる。特別ってのはないね。

――お二人は一人暮らしということで、得意料理はなんですか

山本 自分はここ1、2か月ずっと鍋。

松川 2年前くらいの誕生日に1人鍋をあげてそれを使ってくれてるんですよ。

山本 ルーティンは夜に鍋作って、その余りを次の日の昼にご飯入れたり、うどん入れたり、みたいな。

松川 でも、摩也はまじで料理できないです。こっちが見てて心配になる。腐ってるものとか食べてそう。キッチンとかまじで汚いので・・・。

山本 こないだすみか(MF熊谷遙楓、スポ2=北海道大谷室蘭)とやな(MF柳澤紗希、スポ1=浦和レッズレディースユース)がきれいにしてくれた。

松川 使ったらそのまま、みたいな。

山本 でもさ、それは人それぞれじゃん(笑)。/p>

松川 (笑)。でも料理は炒めるとかめんどくさいんですよね。時間があればカレーとか作って何日間か持たせますけど・・・。

山本 ちょっとこの質問よくないね、NG。

松川 料理とかはちょっと違うね。

一同 (笑)。

松川 でもこの人(山本)、実家から通えるんですよ?東京ですもん。

――どういった経緯で一人暮らしをすることになったのですか

山本 自立したくて。

松川 けどこれ自立できたって言えるんですかね(笑)?最近は何でも買えちゃう便利な世の中だし。

山本 できてると思う。考え方とか変わったし。

松川 そうね、一人暮らし効果かもね(笑)。

山本 じゃあさ、四年間で身についたもの語ってみよ。最後だし。四年間で変わったものでもいいですよ。

松川 えーなんだろう。

山本 特にないんでしょ。変わってないんじゃない?

松川 いや成長したって。一人暮らしを始めて、親のありがたさを感じるようになりました。結構親とFacetimeとかしちゃう(笑)。

山本 絶対そんなことできないんだけど。

松川 2日に一回とか。でもパソコンでFacetimeやってても全然違うこととかしちゃう。遠目で話してます。でも本当に親のありがたさを一番感じてます。高校までは実家通いで、近くにいるとイライラすること多かったんですけど、一人暮らしになってちょいちょい来てくれるのがだいぶありがたいです。

山本 いいこと言ったな。

松川 おう、ベタなこと言った。摩也は?

山本 気持ちの面で、自分をコントロールできるようになった。メンタルを自分で制御できるよ、今。

松川 それは一人暮らしを始めたから?

山本 それもあるし、大学サッカーを始めたからかな。

松川 自分で考えることが多くて、監督からとかあまり言われないからかもね。学年が上がるにつれて感じる。

――では、他のア女のメンバーに生まれ変われるなら誰がいいですか

松川 えー誰だろう。でも一回佳織になりたい。足速いし、体力あるし。

山本 ね、なつき(DF渡部那月、スポ1=兵庫・日ノ本学園)とか。

松川 佳織はほんとにレベルが違うんですよ。一人で突っ走ってます。タイムが決められていても、それより速いスピードで走るんです。

山本 異次元異次元。

松川 みんなタイム通りか、それでもきついのに一人だけそれ以上なので、一回体験したいなって感じですね。

山本 私はー・・・自分かな。

松川 え、ちょっと待って。全然面白くない(笑)。

山本 誰になりたいとかよくわからない。もう一度自分になりたい、生まれ変わっても。

松川 うわーそれはお母さんありがとうやな(笑)。

山本 そうね。でも欲を言うなら足が速い選手になりたい。

松川 佳織にしときなよ。

山本 うん、じゃあ佳織でいいや。

一同 (笑)。

松川 でもな、佳織はすぐデレデレする。

山本 ブリちゃんだから。

松川 そうそうぶりっ子。

山本 そういうところは違う、あくまでプレー面。

「東京に絶対戻ってくる」(松川主将)

――では、インカレに話を移していきますが、関東三冠を獲得した今、チームの雰囲気はいかがですか

松川 そんなよくはないよね。

山本 ちょっと停滞。

松川 トーナメントの試合が続いていて調子は上がっていたんですけど、今はうーんって感じ。練習試合とかしても、あんまりですね。

山本 でもけが人とかも、戻ってくるし。近づくにつれて上がるって本当はよくないんだろうけど、ここから上がっていきます!

――トーナメントを見た率直な感想は

山本 厳しいでしょ。4年間で一番厳しい。

松川 でもそっちのがいいよね。今まで2回戦で敗退してるから、危機感とかすごいあるし。

山本 どこも強いだろうしね。

――2年連続初戦敗退となっていますが、大会に対する思いはいかがですか

山本 3年前の準優勝はとんとん拍子で勝っちゃったから、今とは違うよね。

松川 関カレとかも全勝優勝で、これが普通なんやなって思ってた。

山本 勝つことが当たり前なんだと思ってた。

松川 でも3、4年で結構苦しんだよね。

山本 まあインカレは本当に最後ですしね。

松川 そうですね。とりあえず28日と29日に目の前の試合に勝って、東京には絶対戻って来たい。

山本 それは間違いない。東京には絶対戻ってこようね。

――チームの見せ場はどんなところですか

松川 いろんなフォーメーションをみんながこなせるから、バリエーションは多い。交代で出てくる選手も絶対活躍してくれるところですかね。

山本 以下同文で(笑)。

――注目選手はズバリ誰ですか

松川 じゅり(FW河野朱里、スポ1=静岡・藤枝順心)。決勝ゴールを全部挙げてるから。何かでそれを見て、得点力で誇れるかなって。自分たちあまり得点力はないので、フォワードとしてインカレでも決めてほしいですね。

山本 確かに確かに。

松川 以下同文(笑)?

山本 いやいや違う。

松川 菜摘って言っておきなよ(笑)。

山本 やだ、もったいない。

松川 自分でって。

山本 それは前提だもん(笑)。私は可菜子かな。今シーズンあんまり点を取ってないってのもあるけど、献身的だし、出さないだけで思うことはあると思う。最後だし、思い切ったプレーで活躍してほしい。余計なことを考えずに、思いっきりやって欲しいという期待を込めて、可菜子。見てるー(笑)?

松川 可菜子、あんまり表に出さないもんな。

山本 うん、でも出さないだけで秘めてるものはあると思うから、思い切って全部出してほしいです。

――最後になりますが、今季「日本一」になるために戦ってきたと思います。それぞれインカレに向けての意気込みをお願いします

山本 主将は最後でいいから私から。シンプルに、優勝したいのが一番。自分たちが大学に入ってからあまり勝てないチームになっちゃって。ワセダが強いチームという確立されてた地位が失われつつあるので、その名誉を取り戻したいです。全てのチームの誰もが優勝しか見てないと思うのですが、本当に勝って終わりたい。優勝ばっか見すぎると、足元すくわれちゃうから、一戦目からしっかり勝ちたい。

松川 4年は、それぞれが最後の学生サッカーで、続ける人、続けない人がいる中で全員がうれし涙を流したいな、と。最後は悔し涙ではなくて、優勝してうれし涙を流せるぐらいに一戦一戦挑みたいです。本当にどの試合も厳しくて、結果を求められるトーナメントでもあるので。多分インカレには全員は行けないので、東京には絶対帰ってくることを一番に考えています。そのあと、みんながそろってから優勝を味わいたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 渡部歩美)

ア式の主将・副将対談の自撮りを真似てみました。注目ポイントはそこだけではありません!

◆松川 智(まつかわ・とも)(※写真右)

1993年(平5)11月1日生まれ。身長161センチ。大阪桐蔭高出身。スポーツ科学部4年。部の中での立ち位置が母親的だという松川主将。そんな温かみあるキャプテンが率いる最後の舞台は、もう間もなく開幕!「東京に戻ってくる」。対談中に幾度となく発せられた言葉からは、インカレへのはかり知れない思いが伝わってきました。『追求』してきたものをかたちにするときがついにやってきますね。最後に大輪の笑顔の花を咲かせましょう!

◆山本 摩也(やまもと・まや)(※写真左)

1993年(平5)2月5日生まれ。身長161センチ。前所属・スフィーダ世田谷。スポーツ科学部4年。自分にとっても、チームにとっても「前へ」進んでいけるような大会にしたい、といった意気込みを色紙に込めていただきました!対談中もムードメーカーとしてたくさんの笑いを誘いだしてくれた山本選手。ミーティングなどでは、チームのことを第一に考えた発言で広い視野を携えている、と定評がありました。期待を寄せられている一選手として、自身も納得のいく結果を残してほしいです!