関東大学女子リーグ戦 展望

ア式蹴球女子

 全日本女子学生選手権(インカレ)出場を懸け、関東大学女子リーグ戦(関カレ)が開幕する。昨シーズンは全勝対決で挑んだ最終節、対日体大(●0-1)に敗れ関カレ5連覇を逃し、苦汁を味わった。ことしは新たに因縁の相手、慶大を迎え、さらに白熱した戦いになることが予想される。しかし、チーム全体で持ち前とするハードワークや巧みなパス攻撃を武器に、栄冠を手にする期待大。昨季の悔しさを晴らすべく、意地とプライドを懸けた戦いがいよいよ幕を開ける。

 これまでの今季を振り返ると、関東女子リーグ戦(関東リーグ)12節を終え9勝3敗とリーグトップに立つワセダ。しかしこの道のりは平たんなものではなかった。開幕3連勝を飾るも、武蔵丘女子短大、浦和レッズレディースユースとの激闘に敗れ首位陥落。再びトップに返り咲き、得意のポゼッションサッカーを繰り広げるが「失点」へのカベは高いものであった。3戦連続で開始早々に先制点を奪われ、追いかける試合展開を強いられる。そのような中、90分にわたったハードワークで、多くの選手がゴールを手にし、勝利をつかんできたことは至宝である。「どこにも負けないくらい強いチームでありたい」(MF高木ひかり、スポ4=静岡・常葉学園橘)。『全員守備』、『決定力の向上』を体現し、『日本一』へとつながる切符をつかみ取りたい。

関東リーグチーム内最多得点の高木。関カレでもその戦いぶりが期待される

 ことしの関カレで見ものとなるのは何といっても開幕戦の早慶戦と最終戦に控える日体大との戦いだ。現在関東リーグ2部2位の座につけている慶大。7月に行なわれた早慶定期戦ではドローと2年連続で決着をつけられず、悔しさにじませたことが記憶に新しい。中盤の選手を生かしたサイド攻撃で、宿敵を一蹴し幸先いいスタートを駆け出したい。また、昨年優勝対決で敗れた日体大は、学生チームながらなでしこリーグ2部に所属し、年代別女子日本代表を多く揃えた強豪校である。インカレでは最多優勝を飾っており、ワセダが『日本一』になるためには何としても破りたい相手だ。全10チームから構成される関カレ1部。どの試合も厳しい戦いになることが予想され、関東リーグや合宿を経て積み重ねてきたチームワークが大きなカギとなるだろう。

再び迎える因縁の戦い

 開幕戦から第3戦まで過密なスケジュールとなっているが、「どれだけ自分たちの戦い方ができるかが重要になってくる」とMF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)は述べた。持ち味である巧みなポゼッションサッカーを繰り広げ、ワセダが勝利の笑顔をピッチに送り届ける瞬間はもう間もなく。まずはスタートとなる早慶戦で7月の雪辱を果たし、エンジ旋風を巻き起こせ。

(記事 渡部歩美、写真 渡部歩美、豊田光司)