攻撃が一歩及ばず、関東リーグ3敗目を喫す

ア式蹴球女子

 悔しさ残る早慶女子サッカー定期戦(△1-1)から中3日で関東女子リーグ戦(関東リーグ)が再び始まった。第10節の相手は、関東リーグ前期に劇的な逆転勝利を収めたジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18。ワセダは開始早々先制点を奪われると、その後得点することができずに試合を折り返す。後半は攻撃の手を強めるも一歩及ばず、今季関東リーグ3敗目を喫した。

 雨上がりの早大東伏見グラウンドで迎えた今節。ピッチコンディションの悪さや、早慶戦の疲れからか小さなミスを連発してしまう。迎えた8分、相手のロングパスからDFとGK間の連携ミスを突かれ、失点。その後ボールを保持するも、守備から攻撃への転換ができず、あまり決定機をつくれない時間が続く。そんな中、13分にはMF正野可菜子(社4=兵庫・日ノ本学園)のドリブルから、左サイドハーフのMF熊谷汐華(スポ1=東京・十文字)がクロスを上げるなど苦し紛れに好機を演出しようとするが、シュートまではつながらず。続く19分にはMF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)がFKで直接ゴールを狙うが、惜しくもバー上へ。カウンター攻撃で仕掛けられるなど、終始相手のペースで試合を運ばれ、何度も自陣にピンチを迎える。しかしGK河邊花観(スポ4=宮城・常盤木学園)のセーブでなんとか1失点に留め、前半を折り返した。

自陣に攻め込まれ、苦しい時間が続いた前半

 何としてでも勝利を収めたいワセダは後半、怒涛の攻めを見せる。「60分までに一点返したい」(熊谷汐)という闘志の下、55分にはFW河野朱里(スポ1=静岡・藤枝順心)が相手のミスを突き決定機をつくりだすが、これもシュートまで持っていくことができない。その後もサイドを用いて相手陣でパスを繰り広げようとするワセダであったが、攻撃に枚数をかけられず苦しいゲームを強いられてしまう。77分には、CKからDF三浦紗津紀(スポ1=浦和レッズレディースユース)がヘディングで押し込むが、ゴールネットまでは一歩届かず。試合終了間際にかけてFKなどセットプレーを手にしたものの、思うような展開ができぬまま無念の敗戦となった。

次節こそ先制点獲得、競い勝ちたいところだ

 ユニバーシアード女子代表で主力選手3人を欠く中での試合となったが、「誰が出ても必ず勝てるチームというのを常に持っていかなくてはいけない」(松川)という言葉が示しているように、このような状況でも勝ち点を拾わなければ関東リーグ7連覇は遠のいてしまう。「反省から改善、というところを突き詰めていきたい」(松川)。厳しい戦いを強いられている今、チーム状況をしっかり見直す必要がある。次節、関東リーグ前期で敗戦を喫した武蔵丘女子短大との試合では、ワセダの底力を発揮し勝利を収めたい。

(記事 米澤英輝、写真 豊田光司、梶井夏葉)

スターティングメンバー

結果
関東女子リーグ戦第10節
早大 0-1
0-0
ジェフ千葉レディースU-18
【得点者】(ジ)8小澤
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 河邊花観 スポ4 宮城・常盤木学園
DF 24 渡部那月 社1 兵庫・日ノ本学園
DF 大島瑞稀 社4 宮城・常盤木学園
DF 34 三浦紗津紀 スポ1 浦和レッズレディースユース
DF 14 菅原靖巴 スポ2 浦和レッズレディースユース
MF 13 三田村桃子 スポ2 宮城・常盤木学園
MF →62分 安部由希子 スポ1 宮城・常盤木学園
MF 6◎ 松川智 スポ4 大阪桐蔭
MF 10 正野可菜子 社4 兵庫・日ノ本学園
MF →87分 中井仁美 スポ2 兵庫・日ノ本学園
MF 15 中村みづき スポ2 浦和レッズレディース
MF 30 熊谷汐華 スポ1 東京・十文字
FW 31 河野朱里 スポ1 静岡・藤枝順心
◎はゲームキャプテン
監督は福島廣樹(昭45教卒)
コメント

MF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)

――早慶戦から3日経ってからの試合でしたが、チームの取り組みとしては

早慶戦は引き分けで終わってしまったので今回の関東女子リーグ戦(関東リーグ)は必ず勝つという気持ちで挑んだのですが、0-1という結果に終わってしまって残念です。

――開始早々失点を喫し、前半を通して相手にシュートを打たれるシーンが多かったように見えましたが

今までの関東リーグを通して、失点が積み重なって多いんですけど、その中で開始早々の失点が多くて。その時間帯っていうのは相手も勢いがある状態なので、そこでしっかり守備を固めて、弾くところは弾いて、大きくプレーするところは大きくプレーして、プレーを変えていかなくてはいけないと思いました。

――中盤の主力メンバーが欠けているというのはやはりチームにとっての影響は大きいものですか

ユニバーシアード女子代表が3人欠けてしまっているのですが、それでも自分たちのサッカーをしなくてはならないことに変わりはないと思いますし、誰が出ても必ず勝てるチームというのを常に持っていかなきゃいけないと感じます。

――特に前半、ちょっとした隙から相手にボールを奪われるシーンが見受けられましたが

相手のFWはキープ力があって、スピードもあったので、下が雨でスリッピーということもあって結構DFラインでもバタバタすることが多かったです。なかなか落ち着くことができずに、その裏をつかれたかなというのはあります。

――雨の影響によるやりにくさも感じましたか

サッカーはどのような天候でもあるので、こういう状況であってもしっかり勝ちきることができなければいけないと思います。これからインカレ(全日本女子学生選手権)などトーナメント形式の試合もあるのでそれも考えていかなくてはならないと感じました。

――後半は、チームの勢いがガラッと変わりましたがハーフタイムでどのような話し合いをしましたか

自分たちのリズムをつくれずに前半を終えて、DFラインでボールを回すことができてもその次がないシーンが多かったという話で、縦パスを有効に使っていこうという話をしました。後半は少し動きが出たのですが、でもゴールまでシュートを持っていくことができなくてそこが今の課題なのかな、と思います。

――シュートシーンに持ち込むためには、今のチームに何が必要だと思いますか

朱里(FW河野朱里、スポ1=静岡・藤枝順心)がボールを持ったときの周りの連動した動きが少なくて孤立したシーンが結構見られたので、そこの関わりを増やしていければ相手も混乱して、自分たちももっとやりやすいサッカーができると思いました。

――これで関東リーグ3敗目となってしまいましたが、これからのチームの目指すべきところとは

本当に今季は失点が多くて、ほとんどの試合で失点してしまっているというのが現状です。毎回毎回無失点ということを目標にしているのですが相手に先制されることも多いので、自分たちで反省するところまでで改善にまでは行きつけていないのかな、と感じています。修正して改善、というところを突き詰めていけたらと思っています。

――次節は、関東リーグ前期に敗れた武蔵ヶ丘女子短大戦(●0-1)となりますがそちらに向けての意気込みをお願いします

このあいだの試合では、自分たちのサッカーをできずに終わってしまったという印象があります。相手は技術も高くて、それに対して私たちは大きくプレーしてワイドに展開、というサッカーをしていけたらと思います。あとはやっぱり早い段階での先制点や、周りと連動した攻撃を増やしていけたらと思います。

GK河邊花観(スポ4=宮城・常盤木学園)

――きょうの試合を振り返って

きょうの失点は確実に自分のミスなので、それでチームの流れも苦しくしてしまったので、すごく悔しいし情けないです。

――ゴール前でのミスキックも目立ったかなと感じましたが

スリッピーな状況でワセダがGKを使ってボールを回すということを相手が分かった上でプレッシャーをかけている中で、フィールドの選手がして欲しいことと自分がしたいこととが合っていなくて、それがミスにつながってしまいました。そういう場面は多かったので、改善していきたいと思います。

――雨が降ったことでピッチがスリッピーだったということもプレーに影響したのでしょうか

安全第一というのもあるのですが、フィールドから来るパスも普通だったら自分が蹴りやすいボールを出してくれるのですが、ボールが止まるかもしれないという状況のピッチだったので、いつもより強めにパスが来て、トラップしている間に相手が詰めてくるという場面があったので、それだったらダイレクトで上に蹴るとか、ディフェンスと合わせて対策した方が良かったかなと思います。

――相手の詰めも速かったと思いますが、それに関してはいかがでしょうか

今後スカウティングされてこういう風にプレッシャーがかかる試合が増えてくると思うので、そういうところでもちゃんと自分たちのやりたいことができなければいけないなと感じました。

――早慶定期戦から中3日での試合でしたが、コンディションの面はいかがでしたか

ここ数日雨が多くてチームとしてもゲームという形で練習ができていませんでした。内容としては早慶戦で課題に挙がっていた距離感とかは良くなっていたのですが、ミスが多く目立つ試合だったのでそういったところは徹底していかなければならないなと感じます。

――試合開始の失点シーンを振り返って

相手が最初から裏に蹴ってくるということは分かっていたので、そこで前に出なければという意識を逆に持ち過ぎてしまいました。ディフェンスに任せられる場面も自分が出てしまったりしたので、もう少し冷静に対処すれば防げた失点だったと思います。

――今試合ゴールを脅かされる場面が多くありましたが、守備の課題は何だと思いますか

まず攻撃に行かなければとなったときの守備の意識がすごく低くなるので、そういったところは自分やセンターバックを中心に切り換えの速さを持っていかなければならないと思います。あとは、コートの中央での球際の強さは持てるようになったのですが、ゴール前で相手にシュートを打たせてしまうということが多いので、そういったところはきちんと相手を潰す勢いでいかなければいけないなと思います。

――次節への意気込み

次こそは本当に本当に無失点で勝ちたいと思います。

MF正野可菜子(社4=兵庫・日ノ本学園)

――早慶戦中3日での試合でしたが

早慶戦の後は試合に出た組は落として、金曜日から合わせて行こうという感じだったのですが、コンディション的に、と言ったら言い訳かもしれないですけど、今日の試合の結果からして、うまく持っていけなかったかな、と思います。

――前半チームとして苦しい状況が続きましたが

シュートが全体的に少なかったので、全体的にシュート数を上げられる攻撃の仕方というものを意識はしていたのですが、個人としてもシュートが少なかったので、そこがこのような結果につながってしまったということもあると思います。

――ハーフタイムはどのように過ごされましたか。

ゴールまでのかたちがうまくいくように、全体的に動き出しと顔出しの変化を上げていこうという話をしました。

――後半はどのように

ゴールにもっていくことと、シュート数を増やすことです。前半は球際で競り負けてしまうことがあったので、後半はしっかり上げていこうと。

――次節、武蔵丘女子短大戦に向けて

武蔵ヶ丘女子短大には前回負けてしまっているのでしっかり借りを返すつもりで勝ちにいきたいと思います。

MF安部由希子(スポ1=宮城・聖和学園)

――前半の試合を外から見ていていかがでしたか

いつもより押される時間が多くて、前線でうまく枚数かけられなかったり、セカンドボールを拾われたりして自分たちのペースにできなかったかな、というのが印象にありました。

――後半出場の際に、コーチの方からどのような言葉をかけられていたのですか

チーム全体の覇気が無くなっていたのでそれを取り戻すことと、動き回ってゲームを活性化させること、というのを意識するように、という言葉を受けました。あとは自分の持ち味を生かそうと思って試合に入りました。

――実際に試合に入ってみていかがでしたか

ファーストプレーをミスしてしまって、ピンチをつくられてしまったので途中から入って流れを変える選手になるためには、そういうところを大切に練習から変えていきたいと思いました。

――CKを蹴るシーンが多々ありましたが、その中で意識していたこととは

相手のチームに比べて、ワセダのほうが身長があったり体つきがしっかりしててセットプレーというのは大きなチャンスだと思っていたのでチャンスにつながるように蹴れればいいなと思って集中して蹴りました。

――これで関東リーグ3敗となりましたが、その中で安部選手自身が高めていきたいプレーとはどのようなプレーですか

先ほども言ったのですが、簡単なミスとかがチームの流れを悪くしてしまって交代の役目を果たせずに終わってしまった部分があったので日々の練習から一つ一つのプレーが本当の試合につながるように集中したいです。それで次のチャンスを頂いたときにチームの勝利に貢献したいです。

――次節は関東リーグ前期に敗れた武蔵ヶ丘女子短大となりますが意気込みをお願いします

やっぱり負けは許されないと思うので、チーム全体で関東リーグ7連覇に向けてしっかりとした準備をして必ず勝ちたいと思います。

DF渡部那月(社1=兵庫・日ノ本学園)

――早慶戦からどのようにコンディションを調整されてきましたか

短い期間の中ですごく雨が降っていて、シュミレーションとかもする予定でしたがあまりできず、あんまり良い準備ができていなかったので、もっと自分たちの意識を高めて臨んでいれていれば良かったかなと思います。

――早慶戦からDF陣で改善してきた部分はありますか

立ち上がりに失点することが多くて、きょうも前半の最初のうちに決められてしまったので、守備としては最初のうちからしっかり集中していかないとと思うので、次の試合は前半からしっかり集中して無失点に抑えられるようにしていきたいと思います。

――きょうも前半に失点するというかたちでしたが、失点の場面を振り返って

センターと自分との間に1人いたのですが、そこにパスが出て、GKが出てきてはいましたが、もっとそこの自分たちがマークで付いて、体を入れていれば良かったかなと思います。

――失点後からDF陣での意識の変化はありましたか

失点してしまったものはしょうがないので、切り替えて、これからは0という気持ちではいましたが、もう攻撃にDFが参加できたら点に関れたのかなと思います。

――攻撃の面では早い段階で相手にパスがカットされるのも目立っていましたが

ピッチの状況も悪かったのですが、最初から攻撃のかたちが変えられなくて、サイドからの攻撃だったり中央からの攻撃だったりいろいろな方法で攻められるんですけど、きょうは単発に蹴ってばっかりで、良い攻撃ができていなかったと思います。

――DFから押し上げるような攻撃参加がしたかったということですか

DFラインをもう少し上げられたら良かったのですが、DFから前に蹴ってしまって、距離感が空いて、すぐにロストするというかたちになってしまったので、DFが前に出したときに、さらに押し上げていけたら良いのかなと思います。

――ピッチコンディションも悪かったと思いますが

こういう状況でも勝ち切れるのが強いチームだと思うので、どういうグラウンド状況でもしっかりと点を取るとこは取って、無失点に抑えれば、勝てる試合だったと思います。

――次戦は前期負けた武蔵野女子短期大との一戦です

前期に負けていて、今期は負けられないと思っているので、ホームなので勝ち切って終わりたいと思います。

MF熊谷汐華(スポ1=東京・十文字)

――今節残念ながら負けてしまいましたが

立ち上がりから入りが良くなく、雰囲気も悪い中で、流れが相手チームにいってしまい、その流れを断ち切ることができませんでした。

――早慶戦から中3日ということでしたがどんな準備をして臨みましたか

疲れもあり、試合形式中心のメニューで合わせてきましたが雨の影響もあり、あまりうまくいきませんでした

――前半とは打って変わって後半になるといい攻撃を見せることが出来ていましたが、ハーフタイムに何か指示があったのですか

前半に1点失っていたので後半は15分までに1点取り返そうということで立ち上がりからどんどん攻めていこうという話がありました。

――ワセダがチャンスを作るもフィニッシュまで持ち込めない場面が多々見られましたが

チーム全体のラインが低く、前線に枚数をかけることができなかったのと、自分自身がボールを受けた時判断が一つ遅れてしまって、クロスが相手に当たってしまいゴール前にボールを供給できなかったのが原因だと思います。

――次節は、関東リーグ前期に敗北を喫した武蔵丘女子短大戦です

次節は絶対負けられないのでもう一度気を引き締めて集中し、しっかりやりたいと思います。絶対に勝ちたいです。

FW河野朱里(スポ1=静岡・藤枝順心)

――まず、今の率直な感想を聞かせてください

前半の入りが悪く、前半に失点してしまい、自分たちのサッカーを組み立てることができませんでした。良くない試合でした。

――早慶戦から3日後ということでしたが、練習やチームの雰囲気はどうでしたか

水曜に早慶戦が終わり、木曜日に出場したメンバーはアクティブレストを行い流した練習をしました。昨日からゲーム形式の練習を行なったのですが、そこでの雰囲気があまり良くなく、全員が集中していない日が続いてしまったのがきょうの結果に繋がったと思います。

――前半攻め込まれることが多かったですが、後半攻撃がスピードアップし、いい攻撃が多々見られましたが、ハーフタイムではどのような指示を受けたのですか

監督からの指示ではなく、自分たちの中で少し話し合い、守ってばかりいても仕方ないからどんどんチャレンジしていこうということになり、後半に入りました。前半よりは良かったのですが、いつものような攻撃ができなかったので、いい内容ではなかったです。

――河野選手はFWとして1トップとして出場しましたが、シュートに持ち込めない場面が多かったと思います。個人のプレーに関してはどう感じていますか

FWとしてどんどんシュートを放っていかなければならないのですが、そういったかたちに持っていくことができず、チーム全体が下がってプレーしており、前でプレーすることができませんでした。だからこそ自分が後ろに下がってでもボールをもらい、チーム全体を前に持っていくような試合をしなければならなかったです。しかし相手のプレッシャーも厳しく、自分が前でもらうことができなかったので、相手の裏を使いながらボールを受けてシュートで終わりたかったと思います。

――最後に、次節の試合は前回負けた相手との試合となります。意気込みをお願いします。

今週は内容の悪い試合をしてしまったので、しっかり反省をして調整していきます。武蔵丘女子短大は個々の力がありますが、その分チーム力で上回り、絶対勝ちたいと思います。