ゴールラッシュで2連勝!!

ア式蹴球女子

 関東女子リーグ戦(関東リーグ)開幕を勝利で収め、好発進したワセダ。前節では守備面と後半のペースダウンを課題に挙げ、迎えた第2節は関東学園大戦。試合は開始直後、CKからのボールをMF山本摩也副将(スポ4=スフィーダ世田谷)がゴールに押し込み、良い立ち上がりを見せる。後半も同様、序盤から得点ラッシュが続き5-0でリード。しかし試合終盤になると、攻守ともにリズムが崩れ始め簡単に2失点を許してしまう。結果は5-2と、前節からの課題を残すも大量得点で白星を飾った。

 開幕戦の流れから立ち上がりをチームの課題としていたが、今節では1分にMF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)のCKを山本がヘッドで先制点を収め、好調なスタートを切る。その後はサイドに広がり攻撃を仕掛けるも、最終パスの精度に欠け得点につなげることができない状況が続く。対する関東学園大は前からプレスをかけ、ワセダの攻撃を阻む。自陣でのパス回しが増え始めると、ミスからカウンターを奪われシュートを打たれる展開に。しかし、DF奥川千沙(スポ2=静岡・藤枝順心)やGK河邉花観(スポ4=宮城・常盤木学園)の守備が光り、相手に得点を与えることなく1-0で前半を折り返す。

安定した守備を見せた奥川

 ハーフタイムに「積極的に仕掛け、シュートを打ち切ろう」(FW川原奈央、スポ3=兵庫・日ノ本学園)とチームで話して臨んだ後半。47分には川原がドリブルで仕掛け、逆サイドに上げたクロスにMF正野可菜子(社4=兵庫・日ノ本学園)が合わせ、華麗なシュートを決める。そのままの勢いで51分、今度は山本からの縦パスに川原が走り込みゴール。得点はこれだけにとどまらず、相手GKのハンドからFKを獲得すると、山本は「近い距離でのFKは得意」の言葉通り、落ち着いて追加点を収めた。63分にはFW三田村桃子(スポ2=宮城・常盤木学園)のこぼれ球を正野が押し込むなど、計4得点を奪取した。その後もゴールへの積極的な姿勢を見せ続け、このままゲームの流れは終始ワセダペースかと思われた。しかし一瞬の隙を奪われると77分、カウンターからDFを抜かれ、簡単にゴールを許してしまう。続けて79分には右サイドクロスから失点。完封勝利を果たすことなく、5-2で試合を終えた。

ゴール、アシスト共に貢献した川原

 「後味の悪い試合だった」(山本)と、前節同様に終盤にかけて相手の猛攻にやられるシーンが目立った今節。前後半共に良い滑り出しだっただけに、選手たちは試合終了間際での2失点に悔しさをあらわにした。迎える次節は今季初となるアウェー試合、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースユース(ジェフ千葉レディースユース)と対戦する。個の実力も高いことから「フィジカル面や運動量で補って勝ちたい」(川原)と意気込みを示した。鍵を握るのは守備、果たして完封勝利なるか、注目だ。

(記事 中澤奈々、写真 近藤廉一郎、豊田光司)

スターティングメンバー

結果
関東女子リーグ戦第2節
早大 1-0
4-2
関東学園大
【得点者】(早)1、61山本、47、63正野、51川原 (関)77豊嶋、79高松 
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 河邉花観 スポ4 宮城・常盤木学園
DF 堀口佳織 スポ4 千葉・幕張総合
DF →71分 菅原靖巴 スポ2 浦和レッズレディースユース
DF 大島瑞稀 社4 宮城・常盤木学園
DF 奥川千沙 スポ2 静岡・藤枝順心
DF 24 渡部那月 社1 兵庫・日ノ本学園
MF 高木ひかり スポ4 静岡・常葉学園橘
MF →66分 安部由希子 スポ1 宮城・聖和学園
MF ◎6 松川智 スポ4 大阪桐蔭
MF →45分 三田村桃子 スポ2 宮城・常盤木学園
MF 10 正野可菜子 社4 兵庫・日ノ本学園
MF 山本摩也 スポ4 世田谷スフィーダ
FW 11 川原奈央 スポ3 兵庫・日ノ本学園
FW 32 山田彩未 スポ1 ジェフ千葉レディースユース
FW →45分 河野朱里 スポ1 静岡・藤枝順心
◎はゲームキャプテン
監督は福島廣樹(昭45教卒)
コメント

MF松川智主将(スポ4=大阪桐蔭)

――前節の反省であった立ち上がりについてきょうの試合では

きょうの試合では関東学園大は勢いがあるチームなので、自分たちはそれに飲み込まれずに大きくプレーをしようということを徹底しました。

――開始1分で先制点を奪いました

あれはCKからの混戦で摩也(MF山本副将、スポ4=世田谷スフィーダ)が押し込んでくれたのでよかったです。

――きょうの試合全体を振り返って

そうですね。前半は、相手のラインも低くてそれに対して2列目の飛び出しというのをもっと増やしていけたらな、というのが反省で挙げられる課題かなと思います。

――先制してからなかなかスコアが動かない展開となりましたが

相手も修正してきた点とかあるので、それに対して自分たちもボールを動かしていたのですが下で動かしているという感じで攻撃にはつながらなかったので、もっと攻撃につながる縦パスやくさびのパスを出していけたらなと思います。

――後半、外からチームの動きを見ていていかがでしたか

後半になると、相手も疲れて自分たちも運動量を落とさずプレーできていたので攻撃に関しては追加点をどんどん挙げられたことに関してはよかったかなと思います。逆に失点してしまった点は課題であるのでそこは改善していかなくてはならない点かなと思います。

――後半、カウンター攻撃で苦しめられるシーンが見られました

相手も最後は得点を狙いに来ていたので、自分たちもそこで耐えて、しっかりはっきりしたプレーを大きくしていかなくてはならないと外から見ていて感じました。

――次節への意気込みをお願いします

今回得点を多くとれたことはよかったのですが、2失点してしまったということに関しては課題が上がったと思うのでそういう面では来週しっかりした上で迎えたいと思います。

MF山本摩也副将(スポ4=スフィーダ世田谷)

――きょうの試合を振り返って

前回の試合があまり良くなかったので、きょうはしっかり気持ちから入ろう、また先週の試合で出せなかった自分たちのサッカーというのを出そうと意気込んでいました。早い時間に点を取れたのもそうですし、その分リラックスして入れました。完璧ではないですが、先週よりは良い試合だったと思います。

――開始1分で決まったご自身のゴールを振り返って

あれはたまたまこぼれてきたのを押し込んだだけなので(笑)。

――前半から山本選手のシュートシーンが多く見られましたが、ゴールは意識していましたか

そうですね、シュートを打たないと入らないので。全体的にシュートが少ないという課題もあったので、全然良いシュートではなかったですが、どんどん打っていこうという意識はしていました。

――結果的に後半に4得点しましたが、後半に入るにあたって何か変化させたことはありますか

ボールの動かし方や距離感というのは悪くなかったので、あとは縦の恐さだったり、ゴールに向かう姿勢をもう少し意識しようという話をして入りました。結果的に4点入ったのはすごく良かったと思います。

――ご自身のアシストから決まった3点目を振り返って

奈央(FW川原、スポ3=兵庫・日ノ本学園)はすごく技術がありますし縦に速い選手なんです。そういう部分を生かすボールを試合中あまり出せていなかったので、とっさの判断でパスを出したのですが、あれを決めた奈央がすばらしかったなと思います。

――FKからのゴールもありましたが、どのような作戦を立てていたのですか

基本的にああいった近い距離は自分としては得意でした。あとは可菜子(MF正野、社4=兵庫・日ノ本学園)とぶー(MF高木ひかり、スポ4=静岡・常葉学園橘)がとっさにカベに入ってくれました。今まで前もってやったこともないですし、自分からも言ったわけではないのですが、流れで「入ろうか」と二人が立て膝して入ってくれました。

――そのカベの意図は

GKに対するブラインドですね。

――前試合からの課題として立ち上がりの悪さがありましたが、今回はいかがでしたか

点数が入ったCKの前のプレーでぶーが仕掛けてくれたっていうのがすごく大きかったです。そこで仕掛けることも大事だし、まずゴールという意識を持ってやっていたからああいうCKにつながって点が入ったので、最初は積極的なプレーをどんどん出していくことがすごく大事だなと感じました。

――逆に試合終盤の失点という課題もありましたが

そうですね。やっぱり終わり方が締まる試合があまりなくて。メンバーが大きく変わっているのもあると思うのですが、誰が出ても良いかたちで終わるというのはチームの力でもあるし、そういったところを底上げしたり、意識を植え付けたりしないといけないなと感じました。点数は入ったけど、後味が悪いという試合が多いので、そこはずっと課題なので改善しなければいけないです。

――来週の試合に向けての意気込みは

無失点試合が今までないので、そこかなと思います。やっぱり点を取ることも大事ですし、ゴールに向かう姿勢というのを引き続きやっていきたいです。でも失点も多いので、そこをまず考えないといけないですね。攻撃よりは守備かなと。だから来週の試合もまず守備から入って、守備がはまれば攻撃もはまるので、そういった部分もみんなで意識して全員で戦っていきたいと思います。

MF正野可菜子(社4=兵庫・日ノ本学園)

――開幕戦に続き勝利で終えましたが

入りっていう点では良かったのかもしれないですが、前半は1点で止まってしまったり、後半ではペースが落ちてしまったりしていたのでそういった面ではまた課題があると思います。

――前節課題としていた立ち上がりについて

入りについては大きくプレーしようというのが第一で、あとはしっかり気持ちを持って挑もうとういことで試合に臨みました。

――48分の自身のゴールを振り返って

あれは奈央(FW川原、スポ3=兵庫・日ノ本学園)のパスがすごく良かったので、合わせがうまくいきました。

――後半の攻撃についてハーフタイムなどで話したことや考えたこと

次の1点で自分たちのモチベーションや、相手の気持ちも変わってくると思うのでまず1点を取りに行こうということ話しました。ボールをつなぐことに関しては、もう少しコアさを持っていこうと意識しました。

――2度目のゴールシーンについては

あれは、そうですね、ポールに当たったのをたまたまゴールしたという感じですね(笑)。

――きょうはPKを打つシーンもありましたが

そこは触れないでください(笑)。悲しかったです。

――相手のディフェンスについて、前からプレスをかけてくる印象でしたが

前から割とプレスをかけられていてそれに対しての逃げ方というか、かわし方がうまくいっていなかったので、低い位置でやり過ぎていたという印象はあります。

――後半の2失点について

あの時間帯が一番だらけてしまったというか、気持ちがしっかり持ち直せていなかったと思います。そこはメンバーが変わったとしてもしっかりやっていかなければならないと思います。

――きょうの勝利を次節につなげるために必要なことはなんですか

どんな時間帯でも常にア女のサッカーをできるようにすることを、次節で改善していければもっと良い流れで勝てると思います。

DF堀口佳織(スポ4=千葉・幕張総合)

――昨シーズンはケガで公式戦から離れていましたが、どのようなトレーニングに励んできましたか

膝をケガしていて手術してうまくリハビリがいかなかったりして試合に出られなかったのですが、体幹とか自分の苦手な部分を中心にリハビリを続けていました。

――きょうの試合ではスタメンでの出場でした

そうですね。先週の試合が1年4ヶ月ぶりの復帰戦だったのですが、少しずつ試合感が戻ってきたかなって感じなのですが、まだまだかなって。相手に持って行かれた部分とかあったのでまだ本調子ではないです。

――サイドバックとして自身の目標は

自分の強みが体力とスピードという面なのでそれを生かして守備から1対1で負けないことや、チャンスがあれば攻撃参加してゴールに絡むようなことができればいいなと思っています。

――きょうの試合でもサイドからの攻め上がりが見られましたが

そうですね。何本か上がれたのですが、そこからゴールにつながるようなチャンスやクロスの精度っていうのがまだまだだったので上げていかなくてはいけないなと思います。

――ことし4年生としてラストシーズンになりますが個人の目標は

個人としては、ケガをしないことというのが第一でそこからチームの日本一という目標に向かって貢献していきたいです。

――次節への意気込みをお願いします

きょう出た課題という部分を改善してチームの勝利に貢献できるようにがんばりたいと思います。

FW川原奈央 (スポ3=兵庫・日ノ本学園)

――試合を振り返って

前の開幕戦は結果勝てたのですが、チームの雰囲気も試合の内容も悪かったので、きょうは最初から気持ちも違ってチーム全員で戦えたと思います。

――前回の試合を踏まえて、今回意識していたことはありますか

前の試合はタッチ数が多くて、個人で戦おうとして悪い結果になってしまったので、きょうは判断を速くして周りのサポートを増やしてできるだけタッチ数を少なくシュートまで持っていけるようにとチームで意識していました。

――前半は相手のプレッシャーが速いなと感じたのですが、それに関していかがですか

相手チームはとてもスピードが速くて、勢いがすごかったので自分たちのミスからシュートまでもっていかれることが多かったですね。逆に自分たちの攻撃は1点が入ってからボール自体は動かせているけれど、シュートまでもっていけないという形があったので、そこは改善しなければならないなと感じました。

――後半で得点ラッシュがありましたが、ハーフタイムに話し合ったことはありましたか

シュートを打ちきろうというのが出ました。前半は最後のパスがずれていたので、積極的に仕掛けるというようなプレーを増やしていこうとハーフタイムに話しました。

――川原選手は2点目をドリブルで切り込んで演出していましたが、その場面を振り返って

相手と1対1になっていたので、自分の特徴の個人技というか突破という長所を生かして動きました。アシストの場面は可菜子さん(MF正野、社4 =兵庫・日ノ本学園)が見えてフリーだったのでそこにボールを入れて点を取ってくれたのでめっちゃうれしかったです。

――3点目は川原選手のゴールでしたが

良いかたちで左サイドを崩せていて、最後に摩也さん(MF山本副将、スポ4=世田谷スフィーダ)がボールを持ったときにパスが来ると思ったので信じて走りました。あとは決めるだけだったので、決められて良かったです。

――後半の2失点が残念だったと感じましたが、いかがですか

きょねんのチームもそうだったように、攻撃では点を取るのですが、無駄な失点が多かったので、それをことしは変えようと目標にしていました。ですが、開幕戦からそれがあまり改善できていないので、それをリーグ戦で試合を重ねるごとに改善していければなと思います。

――次戦の意気込みは

ユースは大学と違って一人一人が上手いのですが、自分たちの方が年代的には上なので、フィジカル面や運動量の部分で補って勝利をつかみたいです。

DF奥川千沙(スポ2=静岡・藤枝順心)

――大量得点で勝利しましたが

いままで点が取れなくて、チームとして悩んでいた時期もあったので、点が取れるシチュエーションであったり自分たちのイメージがやっとできてきたかなと思います。

――相手のディフェンスが前からプレスをかけてきて、自陣でのパス回しに苦戦していましたが

大学のチームは結構走ったりハードワークして前線からの守備が多いのですが、その中で自分たちがどうボールを失わずにタッチ数少なくプレーできるかというのがポイントになると思うので、そこで負けないように勝つことでゴールに結び付くようなビルドアップにしたいです。

――ご自身のディフェンスの活躍が目立ちましたが

最近守備があまりうまくいってなかったなというのが自分の中であって、いろいろ守備間でも話し合ったりしました。自分自身きょうはできることはしっかりやるし、みんなに守備の流れというのを感じて欲しいなと思いながらプレーしました。後半になって流れが変わってくると失点だとかミスが多くなってきてしまっていたので、そういうところを直していきたいと思います。

――後半の連続での2失点について

自分たちの中で流れが悪いということが分かっていて、声掛けとかもしていたにも関わらず、流れを自分たちのものにできなかったというのが反省点です。そういうことを試合後の外で反省するだけでなく、プレー中に直していけるようにしたいと思います。失点してしまうと流れも相手に持っていかれてしまうので、守備としては無失点で次の試合も頑張りたいです。

――相手チームの中にスピードのある選手がいましたが、その対応は

相手にスピードを持たせないというか、相手にやりたいプレーをさせないようなディフェンスを心掛けてはいたのですが、相手もなかなか上手かったので、縦にいかれてしまったり、2人ぐらい抜かれてしまいました。
そういったところは改善点として練習に取り組んでいきたいです。

――次節への意気込み

次はアウェーなのですが体調やメンタルをしっかりと持って行って、無失点で勝ちたいと思います。