【連載】『反撃のキックオフ』 第1回 権野貴子×正野可菜子×川原奈央

ア式蹴球女子

 本連載のスタートを飾るのはこの3人。FW川原奈央(スポ2=兵庫・日ノ本学園)は2年生ながらにスタメンに名を連ね続け、関東大学女子リーグ戦(関カレ)では驚異の6試合連続得点を打ち出した。トップやトップ下、サイドハーフなどマルチな才能を発揮したMF正野可菜子(社3=兵庫・日ノ本学園)は前期チーム内ゴール数でトップ、後期はアシスト数でトップに立った。また、シーズンが進むにつれゴール数を伸ばし最終学年の意地を見せたMF権野貴子(スポ4=宮城・常盤木学園)。先制弾やビハインドからの勝ち越し点、試合を決定づける決勝点など、欲しいときに必ずチームに点をもたらした。ともに出場するもまさかの初戦敗退を喫した全日本大学選手権(インカレ)から1年。チームを勝利に導く『エース』トリオにインカレに向けた意気込みを伺った。

※この取材は12月29日に行われたものです。

「あの時負けて良かった部分もある」(正野)

正野

――まずは今季を振り返っていきます。福島廣樹監督(昭45教卒)を新監督に迎え、フォーメーションでも3バックに挑戦するなど、新たな取り組みの中で迎えた新体制でしたが、チームはどのような雰囲気でしたか

権野 本当に0からのスタートって感じで、3バックという新しい試みもあり最初は理解するのにすごく時間がかかったんですけど、試合を重ねるごとに安定してきたと思います。同時に失点が多いという課題も見つかって、途中から4バックになりましたがいまは安定したかたちになってきたのかなという感じですね。

正野 サッカー的にもきょねんとかおととしと比べてスタイルが変わったというか、『サイドを使う』という最終的なア女のサッカーは変わってないんですけど、そこまでのもっていき方がきょねんとくらべると『ボールを回す』というかたちになってきました。

川原 アイディアというか。きょねんに比べたら攻撃の仕方が大きく変わったね。

正野 きょねんに比べてすごく細かいパスが増えて、関カレの関東学園大戦(○6-0)から4バックに変えて、すごくつなぐことを意識するようになって、そこからまたサッカーも変わってきたのかなという感じです。よりサイドを意識した攻撃ができているのかなと思います。

――それぞれ学年が1つずつ上がった中で、チームでの役割をどのように考えてシーズンに臨みましたか

正野 きょねんは2年生だったのでついていけばいいかなというのがまだ強かったんですけど、3年生になることで自分がもっとこうしなきゃいけないのかなといのは考えるようになりました。

川原 きょねんは1年生で慣れないまま終わってしまったという印象があったんですけど、自分も1学年上がって少しは自分の意見とか言えるようになったんじゃないかなと思います。

権野 最上級生ということもあって、いままで以上に結果やプレーで見せなきゃいけないなというのは感じるようになりました。サッカー以外においても、最上級生として下を引っ張らなくてはいけないなという風に思うようになりました。

――関東女子リーグ戦(関東リーグ)は8カ月に及ぶ長いリーグでした。4連勝で幕を開けたことや、最終的に6連覇を達成したことなど、いま振り返ってみてどのような大会だったと感じますか

川原 最初はまだチームとして合わないところもあったんですけど、試合を重ねていくごとにチームの成長が見られたと思います。

権野 奈央(川原奈央)の言う通りで、監督も言っていたんですけど関東リーグはインカレ優勝するためのステップアップとなるようなリーグだと思っていて、本当にそのようにリーグを戦うごとにどんどん成長できていたかなと思います。

正野 関東リーグで楽に優勝できるということではなかったので、1年生の時は勝つのが普通という部分もあったんですけど、いまはそうではなくて、改めてもっと練習しなくてはいけないなというのは感じることができたのかなと思います。

――夏を経て関カレがありましたが、開幕戦の国士舘大戦や全勝通しで迎えた最後の日体大戦を振り返っていかがですか

権野 関カレは自分たちが目標としているインカレで優勝するためにその出場権を獲得するための大会でもありましたし、そのために関東でまず優勝することを一つの目標としていました。開幕戦は主将(DF小野田莉子主将、スポ4=宮城・常盤木学園)が直前にケガをしてしまったこともあって、出るメンバーの急な変更もあったのですが、その中でも最終的には気持ちの面で勝つことができたと思っていますし、最後の日体大戦ではしてきたサッカーを思うようにできなくて蹴ることが多くなってしまったと感じているんですけど、個人的には関カレの試合を通して調子も上がってきたのかなと思うので、それは良かったかなと思います。

川原 自分は開幕戦の国士舘大戦(○3-2)から最終節の日体大戦(●0-1)までを経て、危機感を感じた大会になりました。日体大戦でも自分たちの間にすごく差を感じたというのもあって、日体大相手に何もできませんでした。危機感を感じてインカレはこのままじゃやばいなとみんな感じたと思うので、そういう意味ではプラスに考えていい大会になったんじゃないかなと思います。

正野 日体大に負けたことで、自分たちのサッカーがほとんど通用しなくて、このままじゃインカレも駄目だなと思ったし、いま考えるとあの時負けて良かった部分もあったのかなって思えますね。

「チーム随一の技術を誇る正野」

――皇后杯優勝を掲げていた中で、関東予選での敗退はことし一番の衝撃だったかと思います。いま改めて振り返ってみていかがでしょうか

権野 関東予選の2回戦(●0-2関東学園大)は勝たなくてはいけないというプレッシャーであったり雨の中の試合でうまくパスがつながらなくてミスが多くなってしまったりという試合でした。その中でもつなげるところで滑って大きく蹴ってしまったり、ボールロスをする時間が多く、なかなか自分たちのリズムに乗れなくてその時間で失点してしまったり、チャンスがある中でも得点できなかったことが負けるという結果につながったと思っています。いまもやっぱり自分の中では悔しい試合の一つです。

正野 あの試合というのは、自分の中で日体戦(関カレ第9節、●0-1)と同じくらい悔しくて、自分自身が何もできないというのを感じました。ことしは負けることが多くてその都度そこで感じることがインカレにつなげられると思うので、負けること自体は良いことではないですけど、負けちゃったのでそれを生かせたらなと思います。

川原 皇后杯の予選は絶対勝つのが当たり前という考えがあって、変な自信というか、実際に関東学園大に負けて雨だから負けたとかではなくて負けたことにはやっぱり足りないことがあるんだなってすごく痛感しました。悔しかったです。

――ことし全体を振り返ってみた中で、ご自身やチームの意識が変わったであったり、最も印象に残っている試合は何でしょうか

川原 関東学園大戦(皇后杯関東予選2回戦、●0-2)かな。

正野 私も関東学園大戦です。

川原 そこで変わったかな。

正野 チーム的には日体大戦(関カレ第9節、●0-1)を機に色々変わってると思うんですけど、それぞれの意識が変わったのは関東学園大戦かなと思います。

権野 同じですね。

――3人とも前線の選手ではありますが、課題として上がっている失点数については攻撃陣としてどのようにお考えですか

正野 3バックの時は失点が多くて、それは守備の枚数が少ないからそうなってしまうのはある程度仕方ないのでその分攻撃で点を取れたらいいかなとは思っていました。4バックになってからもあまり減らなかったという面があって、そこは4枚になった時にそんなに守備をしなくてもいいかなっていう意識もあったのかもしれないので、それはインカレの前に気付けたのでいまは個々が守備を強く意識していると思います。

「基本個性が強い」 (川原)

川原

――次にプライベートな面をお伺いしていきたのですが、先日ア女でクリスマスパーティーが行われたとお聞きしました。チームごとにケーキを作ったそうですがいかがでしたか。

川原 汚かったね(笑)。

正野 適当に6グループに分かれて。イベント係さんが生クリームを作って。

川原 スポンジケーキを買って生クリームをバーって塗って…汚かった(笑)。

――ア女は全学年一体となってやるイベントが多いとお聞きしました

正野 ことしは多いよね?イベント係が活動してくれてるので。DF大島瑞稀(社3=宮城・常盤木学園)とDF堀口佳織(スポ3=千葉・幕張総合)とMF宮沢里彩(スポ2=FC岐阜BELTA)がイベント係をやってくれてるんですけど。ボーリング大会もありましたが、1年生ほとんど来なかったよね(笑)。他に何があったかな?お花見とか?

川原 室内でやったんですよ(笑)。

正野 そうだったっけ?(笑)

川原 もうお花見じゃなかった(笑)。。

権野 ブルーシート敷いてね。

正野 この部屋にね。お花見じゃないね(笑)。

川原 桜も無かった!

――学年ごとでは集まって遊んだりしますか

正野 3年生はこの前クリスマス会をやりました。ただ鍋食べてアップルパイを作って食べるだけです(笑)。

権野 結局アップルパイ作ったの?

正野 すぐ無くなった(笑)。松川(MF松川智、スポ3=大阪桐蔭)の家でやりました。

川原 2年生はまだ全員集まったことがありません(笑)。集まろうってなってご飯とか行くんですけど、誰か何か1人行かれないとか。

権野 ご飯行ったり、どの学年もだと思うんですけど誕生日の人にはプレゼントを渡したり、あと卒業旅行に行こうねって話もあります。

――イベントにも表れるかと思うのですが、それぞれ各学年のカラーはありますか

川原 なんだろう、ピンク?

正野 嘘やろ(笑)

川原 だってthe女子系多いやろ?

正野 山田(GK山田紅葉、スポ2=東京・十文字学園)は?

川原 …そっか!(笑)

正野 難しいね、そう言われると(笑)。

川原 基本個性が強いよね。

権野 3年生も強くない?

正野 でもそれはさ、一部じゃない?

権野 うん、まあね(笑)。

川原 でもそれがすごすぎるよね(笑)。

正野 うん…まあ強すぎるよねえ。でもゆうて、4年生も強いよ!

権野 でも一部ね!(笑)

正野 結局どこも一部がだね!(笑)

――いまア女で流行っているものはありますか

権野 一時期ツムツムが流行ってたよね。

正野 暇さえあればツムツムしてます!みんなも…やってるよね?

川原 消した!(笑)あと流行ってるものは……、出てこないね、ツムツムしか(笑)。

――オフの日はどのように過ごしていますか

川原 はい、読書ですね。

権野・正野 嘘つけー!(笑)

正野 絶対嘘やん、それは!

――どんな本を読まれるんですか

川原 漫画ですね。

一同 (笑)。

川原 最近はLDKっていう少女マンガですね。恋愛系の。

正野 私はツムツムですかね、暇さえあれば(笑)。

権野 音楽聴くのが好きです。家にいる時も、何かするにしてもテレビとか何か音が無いといやですね。あとはこの前までのシーズンのドラマはすごく見てました。『Nのために』とか。

川原 『ディアシスター』とかね!

――個人的に仲が良いというか、よく遊ぶ選手はいますか

川原 やま(山田)って言うのいややな。

正野 言っとこうよ、そこは(笑)。かわいそう。

川原 いややなぁ。よくおるのはやまですね。暇なんですよね、2人とも。2年生みんなバイトとかしてて忙しくて、いつもやましかいないみたいな(笑)。温泉とかどこかに行って遊ぶことが多いです。

権野 自分は1つ下の河邉(GK河邉花観、スポ3=宮城・常盤木学園)ですね。高校が同じだったこともあるんですけど、この前は一緒に渋谷にあるおいしい牛カツ屋さんに行きました。

正野・川原 え、行ったんですか!?

権野 うん、おいしかった。

正野・川原 いいなあ~!

権野 ご飯行ったり映画見たりって感じですね。

正野 誰だろう?特定って人はいないんですけど、気が向いたら3年生でご飯食べたりしますかね。

エトキ「コンスタントに点を取れる川原」

――プレー面を除くと、それぞれお互いはチームの中でどんな存在ですか

川原 じゃあごんさん(権野)についてからね!

正野 ごんさんはね…、クールやけど、実は抜けてると思う(笑)。結構抜けてると思う!あとはね…柴犬に似てる。

権野 それね、よく言われる。

川原 確かに。

権野 確かにじゃないわ!(笑)

川原 あと優しいです。

正野 とりあえず優しいです、ごんさん。

川原 こんなに優しいの?!ってくらい優しいです。

――正野選手についてはいかがですか

川原 きょねんの対談では私、「人殴ります」って言ったね。

正野 最近そんなに殴ってなくない!?

川原 何か最近、あれ、こない?みたいな(笑)。

正野 寂しい?(笑)

川原 殴ってこないようになりました(笑)。

正野 …え、それだけ?

一同 (笑)。

正野 寂しいんやけど(笑)。

権野 おばあちゃんって呼ばれてるよね。

――きょねん正野選手は料理上手とお聞きしました

川原 いえ、違います。

一同 (笑)。

正野 絶対なお(川原選手)よりはできるわ!

権野 びっくりしたのは、きょねんかいつか、意外に細かいことが得意って聞きました。裁縫とか?

川原 高校生の時なんですけど、可菜子さん(正野選手)手作りの何か…ゴリラ?みたいなのを作ってくれたんです。

権野 ゴリラ?

川原 何かゴリラみたいなやつです(笑)。

正野 違う!あれはなおをモチーフにしてる。

川原 でもめっちゃうまかったんですよ!

正野 絶対失くしたと思ったわ。

川原 いやちゃんと持ってます(笑)。意外とそういう細かい作業うまいんですよね。

――川原選手はいかがですか

正野 なおはね…アホしかないと思う。

権野 うん。

川原 …え?(笑)

正野 なんか…アホ。とりあえずアホ。

川原 とりあえずアホってひどくない?(笑)もっと何か出してくださいよ、アホ以外にも。

正野 可愛げはありますよね。末っ子だから甘え上手。何か分かってる。

一同 (笑)。

川原 仕方なくないですか?5人兄弟の末っ子やから。

正野 あとは…ないかな。

川原 ほとんどアホしかないやん!

権野 でも優しいと思います。

川原 ありがとうございます!あんまり優しいって言われたことない。

正野 じゃあ優しいにしとこうか。

川原 しとこうか、って!(笑)

「みんなで笑って終わりたい」(権野)

権野

――次にインカレについてお伺いしていきます。目前にしたいま、チームの雰囲気はいかがですか

権野 だんだん良い感じになってきているとは思いますね。

正野 雰囲気はどんどん良くなってきていると思います。

川原 この前月1回のミーティングがあったんですけど、その中でもことしは負けが多い中で過去をプラスに考えて、インカレに向けて頑張ろうという雰囲気づくりができているので、良いと思います。

――昨年のインカレは初戦敗退というまさかの結果に終わりましたが、いま振り返ってあの試合はどのように感じますか

権野 すごく独特であの場でしか感じることのできない雰囲気の中で、相手の応援もいままで感じたことがないぐらいの声(の大きさ)で、集中しようと思ってもし切れない部分があったことが印象に残っています。

正野 本当にあっけなく終わってしまったというか、昨年のチームの力を出し切れなかったです。負けた原因は「勝てるだろう」という気持ちがどこかにあったからだと思っていて、おととしの日体大との決勝でもそういう気持ちがあったと思うので、ことしはそういうことが絶対にないように今までの経験を活かしていけたらと思います。

川原 相手の応援がすごくて雰囲気にのまれてしまったというか焦ってミスプレーが多くなってしまって、チームの良さを出さずに負けてしまったので悔しかったです。

――先ほど雰囲気は良くなってきているというお話がありましたが、攻撃陣としていまどのようなことを意識して練習に取り組んでいますか

正野 最終的には点を取ることですよね。最近練習試合が続いているんですけど、点を取れるところでしっかりと取っていかないと勝つことができないので、そこは常に意識してやっていきたいです。

川原 泥くさい点でもいいから得点の意識を持ちたいです。

権野 二人が言ったように点を取らないと勝つことができないので、シュートの意識を強く持つことと、一つのボールに対して多く関わることや、状況に応じて仕掛ける判断を早くすることを意識しています。

――トレーニングマッチの中で見えてきた、いまのチームの強みはどこだと思いますか

川原 CKから点を取れますよね。

権野 最近多いよね。キッカーもいい選手が多いので、中の入る選手の合わせ方というか、最後は気持ちの部分を強く持っていけるかだと思います。

正野 フィジカルでは負けたくないですね。夏合宿ですごく走ったんですよ。辛かったので、フィジカルでは負けたくないです。

川原 自分も一番の強みはフィジカルだと思っています。

――では、今後に向けての改善点はありますか

権野 こういうプレーが増えるといいなと思っていることは、誰でもミスをすると思うんですけど、そのミスに対して本人が切り替えると同時に周りの選手もカバーをするプレーというか、2、3人で早く攻守の切り替えをして奪えるシーンが増えるともっと良い攻撃につなげられると思います。

正野 相手は関係なく自分たちの中でのみこまれてしまう部分があって、そうなると声が出なくなってしまったり雰囲気が悪くなってしまうので、そこはもっと上げていけたらいいのかなと思います。

川原 ことしは負ける試合が多くて、内容が良くない時に自分たちで立ち直すことができないというかどんどん悪くなっていく印象があって、そこでリズムをつくり直せるようにならないといけないと思います。

――ワセダの注目選手を挙げるとしたら

川原 自分は正野さんですね。やっぱり、期待してます(笑)。

正野 思ってないでしょ(笑)。

川原 いや、思ってる(笑)。

正野 自分はゴンさん(権野)に期待しています。本当に点を取ってくれるしうまいので、頼りにしています。

権野 自分は可菜子(正野)ですね。ドリブラーで一対一が強くて、ゴール前での仕掛けは見とれてしまうプレーが多いので、インカレでもゴールに期待しています。

権野。苦しい時に点を取ることができる、頼りになる存在だ

――みなさん得点やアシストでチームトップレベルの成績を残していらっしゃいますが、自分のプレーについてはどのように考えていますか

正野 (後期の公式戦でアシスト数チームトップについて)今季の後半から点を取れなくて苦しんでいたので記録を残すことができて嬉しいです。もっと点を取れるように頑張ります。

権野 (関カレでは川原と同立でチーム最多7得点という数字について)関東リーグでは点を取れなかったということを自分自身でも感じていたのですが、関カレではどんどん点を取れるようになって。その差は何かと言われるとよくわからないんですけど、泥くさく決めたいという気持ちを持つことが大事なのかなと思います。

川原 (関カレでの6試合連続ゴールについて)自分は波がすごく激しくて、その波の原因は気持ちがぶれていることだと思うので、インカレまで残りわずかしかないんですけどモチベーションを整えていきたいと思います。

――注意している対戦チームはありますか

権野 やっぱり日体大は意識しますけど、どんな相手でも自分たちはチャレンジャーだという気持ちを忘れずに戦わなければいけないと思っています。目標のインカレ優勝に向けて一戦一戦勝つことに集中したいです。

川原 3回戦に当たる可能性のある大体大は男子も応援に来るという噂を聞いたので、昨年のインカレのようなことがないように、しっかりやっていきたいと思います。

正野 ゴンさんも言っていたんですけど、どんな相手にでもしっかりと挑んでいきたいです。その中でも、やっぱり自分は関西出身なので関西のチームには絶対に負けたくないです。

――優勝のためにはなにが必要だと思いますか

正野 一番は点を取るということだと思いますし攻撃でいかに得点のチャンスをつくったり点にできるかだと思うんですけど、監督が守備にもこだわっているので、攻撃だけではなくて守備にもしっかり貢献しなくてはいけないと思います。

権野 安定した守備あっての攻撃だと思うので、守備の意識をチーム全体で強く持つことと、個人としてはFWとして得点を取ることが求められていると思うので、結果として残せるように頑張りたいと思います。

川原 自分の長所を発揮して攻撃の選手として得点やアシストに絡んでいきたいです。

――最後にインカレに向けて意気込みをお願いします

正野 自分は3年目ということで、インカレですごく悔しい思いをしてきているので、ことしこそ最後で勝って笑って終わりたいです。

川原 ことしは合宿の数が増えてその内容も厳しくて、このメンバーで乗り越えてきたことが多かったので、最後にインカレで優勝して終わりたいと思います。

権野 最後の年ということで、まだ大学で優勝の経験を味わってないですし、大学で優勝することがワセダに入った理由でもあるので、必ず優勝したいです。いまこうしてサッカーをできるのも多くの人に支えてもらっているからなので、感謝の気持ちを忘れずにみんなで笑って終わりたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 巖千咲、芦川葉子)

それぞれインカレに向けた意気込みを色紙に書いていただきました

◆権野貴子(ごんの・たかこ)(※写真中央)

1992年(平4)9月26日生まれ。身長162センチ。宮城・常盤木学園出身。スポーツ科学部4年。ノリとツッコミの掛け合いで盛り上がる正野選手と川原選手を母のような温かい眼差しで見守っていた権野選手。今季もゴールへの抜群の嗅覚からチームを何度も救ってきました。インカレでも勝利に導く一撃に期待大です!

◆正野可菜子(しょうの・かなこ)(※写真右)

1994年(平6)2月6日生まれ。身長157センチ。兵庫・日ノ本学園出身。社会科学部3年。料理に加えて裁縫も得意ということが判明した今回の対談。高校時代に作った作品を川原選手がまだ持っていると知りとてもうれしそうでした。ゴール前での仕掛けのバリエーションが魅力的な正野選手。ゴール・アシストともにインカレでも魅せてくれるでしょう!

◆川原奈央(かわはら・なお)(※写真左)

1994年(平6)12月16日生まれ。身長160センチ。兵庫・日ノ本学園出身。スポーツ科学部2年。天然らしい雰囲気を持ちながらも、インカレへの熱い気持ちを語ってくれた川原選手。権野選手、正野選手にいじられる場面も多くあり、この対談のムードメーカーとなってくださいました!