最終節、6連覇を飾る笑顔の勝利!

ア式蹴球女子

 4月に開幕した関東女子リーグ戦(関東リーグ)もいよいよ最終節を迎えた。優勝が決まった中で負けてしまった前節、今節は何としても勝利を収めたいところであった。対するは前期にも勝利し、相性の良い浦和レッズレディースユース。前半から得意のポゼッションサッカーでペースをつくると、19分にMF山本摩也(スポ3=スフィーダ世田谷)からのクロスをMF高木ひかり(スポ3=静岡・常葉学園橘)が押し込み、先制点を挙げる。リードを広げたいワセダは30分、CKを獲得するとMF松川智(スポ3=大阪桐蔭)が放ったボールに、DF小野田莉子主将(スポ4=宮城・常盤木学園)が頭で合わせ追加点。後半は一転して相手の度重なる攻撃に苦しみ劣勢が続くも、失点を1に抑えて2-1で勝利。6連覇となった関東リーグは笑顔で幕を閉じた。

 前半は終始ワセダペースの試合展開に。サイド攻撃を得意とするワセダ、右ウィングに立つMF平國瑞希(スポ1=宮城・常盤木学園)からリズムをつくっていくと、持ち前のポゼッションサッカーを披露。セットプレーを多く獲得する中で、最初の得点は生まれた。19分、山本が放ったCKはサイドに押し返されるも、もう一度センタリング。それを高木が押し込み、先制点を挙げる。「セットプレーで得点できたのは良かった」(高木)、ゴール前での攻防を制し先制点を奪うと、主導権はワセダに。30分、再びCKを獲得。松川が左足を振りぬくと、ゴール正面に構えていた小野田が頭で合わせ、追加点を奪う。「合わせてくれたら入るようなボールを狙っています」(松川)。松川の読み通りにゴールネットを揺らし、2-0で突き放して幸先良く前半を折り返す。

セットプレーからのゴールを演出した松川

 迎えた後半、前半とは打って変わり相手にペースを握られた。自陣でのプレーが続き、危ない場面が目立ち始める。58分、ゴールから離れたところを狙われ、ループシュートでゴールネットを揺らされた。GK河邉花観(スポ3=宮城・常磐木学園)は「気の迷いからの失点」と振り返った。これ以降も相手の猛攻に耐える時間が続き、ボールを奪っても相手の速いプレスに攻めあぐねる。うまくプレスをかけられず、自陣でのプレーが続いた。苦しい試合展開にも、公式戦3試合目の出場となったDF菅原靖巴(スポ1=浦和レッズレディースユース)ら守備陣の活躍で決定機はつくらせない。後半42分、相手にFKを与えてピンチを迎えるが、枠を捉えたボールは河邉がファインセーブ。1点のリードを守り切り、2-1で粘り勝ち。前節の悔しさを晴らす勝利で、関東リーグを締めくくった。

粘りの守備を見せた1年生CBコンビ。今季公式戦全試合フル出場の奥川(左)と古巣との対決となった菅原(右)

 6連覇の結果をもって終えた関東リーグ。約1ヵ月間公式戦が空き、次に迎えるは全日本大学女子選手権(インカレ)。攻撃が機能した一方、守備面には課題が見えた今節。「1年生が出ることによって、2、3、4年生の刺激にもなると思います」(福島廣樹監督、昭45教卒)。サブの選手が多く起用された中でもワセダのサッカーを貫き通し、見事勝利した。インカレではチーム一丸で頂点を目指す。

(記事 豊田光司、写真 芦川葉子)

ア式蹴球部女子

関東女子リーグ戦第14節
早大 2-0
0―1
浦和レッズレディースユース
【得点者】(早)19高木、31小野田
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 前所属 学部学年
GK 25 河邉花観 宮城・常盤木学園 スポ3
DF 大島茉莉花 鹿児島・神村学園 スポ4
DF ◎4 小野田莉子 宮城・常盤木学園 スポ4
DF 17 堀川玲奈 ジュブリーレ鹿児島 スポ4
DF 23 奥川千沙 静岡・藤枝順心 スポ1
DF 33 菅原靖巴 浦和レッズレディースユース スポ1
MF 松川智 大阪桐蔭 スポ3
MF 高木ひかり 静岡・常葉学園橘 スポ3
MF 権野貴子 宮城・常盤木学園 スポ4
FW →65分 一原梓 宮城・常盤木学園 スポ4
MF 13 山本摩也 スフィーダ世田谷 スポ3
FW 26 平國瑞希 宮城・常盤木学園 スポ1
MF →75分 正野可菜子 兵庫・日ノ本学園 社3
◎はゲームキャプテン
監督は福島廣樹(昭45教卒)
コメント

福島廣樹監督(昭45教卒)

――最終節でしたがきょうの試合を振り返ってみて

いまやろうとしているのはインカレ(全日本大学女子選手権)に向けての準備で、それに対してのゲームの組み立てがある程度できたのかなと思っています。

――この関東女子リーグ戦(関東リーグ)は4月に開幕してから長いリーグでしたが、振り返ってみるといかがでしょうか

まだ4月はチームが発足して1カ月半という状態から、インカレに向かっての準備ということで、チーム力としては上がってきているとは思います。

――優勝、6連覇という結果については

関東リーグ6連覇というのはいまのワセダの実力だったら可能だということは最初から分かっていました。それが達成できたのは一人一人が頑張った結果だと思います。

――開幕戦の際に「長い期間を経てチームをつくっていく」というお話を伺いました。最終節を終えてみて、その点について達成度はいかがでしょうか

達成度はまだ70%くらいです。まだケガ人が復帰していないということで、実際に全員がピッチに立ったときにどれくらいの力を発揮できるかということはまだ見えないところはあります。共通理解をやっていこうという方向は見えてきているので、それなりの成果は出てきていると思います。

――達成度が100%になったときのワセダのサッカーとしてどのようなビジョンが見えていますか

今季は例年にないように失点が多かったんですけど、その失点を無くすことによってより強いワセダができるんじゃないかなと思います。

――ことしは色んな選手が試合に出ているなど、チーム内のスタメン競争というのも激しいのでしょうか

やはり刺激というのをそれぞれにどう与えるのかというと、交代であるいは色んな選手を使うことによってチーム内の競争意識は高まってくるし、それだけじゃなくて外されたのはどうしてかということを一人一人考えるようになって、それが次に自分が出るときにはという前向きな考えがことしはあるんじゃないかなと思います。

――関東リーグを通してたくさんの1年生が出場しています。これもまたチームの刺激になっているのでしょうか

開幕戦の時にはいなかった菅原(DF菅原靖巴、スポ1=浦和レッズレディースユース)が出ているし、奥川(DF奥川千沙、スポ1=静岡・藤枝順心)はもうずっと出ているし、平國(FW平國瑞希、スポ1=宮城・常盤木学園)あと松原(DF松原有沙、スポ1=大阪・大商学園)や中井(MF中井仁美、スポ1=兵庫・日ノ本学園)がいればという風に、1年生が相当活躍していると思います。1年生が出ることによって、2,3,4年生の刺激にもなると思います。

――今季はDFに関して3バックに挑戦し失点の多さから4バックに戻したことや、ずっと継続していた2トップから1トップに変えたといった、フォーメーションについてどのようにお考えでしょうか

ずっとポゼッションサッカーでしたが、3バックにしてからポゼッションができない、前に蹴ってしまう、あるいは中盤の選手がDFラインまで帰らなくてはいけないということ、守備意識が全員そろわないということがあったり失点が多かったために、4バックにしました。4バックにすることによってDF間でのポゼッション、また中盤の5人でのポゼッションで、そこからのサイドから攻撃というかたちをつくっていきたいということを考えて、1トップにしました。1トップだとフォローがいないとか、近くにもう一人FWがいないということも選手間であるので、そこをどういう風にもっていくか、まだ考えているところですね。

――ことしのチームの強みはどんなところにあるとお考えでしょうか

中盤の選手が3年生主体ですが非常に良いので、ボールポゼッションがしっかりできるチームで、そこから泥臭く点を取るトップの選手がいるから、そこがことしのチームの強みかなと思います。

――公式戦の無い12月はどのような期間にしていきたいでしょうか

もう一度見直すということと、コンディションをしっかり1月に合わせるというフィジカル的なことをやりながら、いまのポゼッションをより高めていく時間に使いたいと思っています。

――インカレ優勝のためにいまのチームに必要なものは何でしょうか

実力的に言えば日体大、吉備国際大、そしてワセダが大学の中では飛び抜けていると思うんですけど、順調にいけばそこにはいけるんですが、やはりメンタル的な面です。他校は「打倒ワセダ」という強いメンタルを持って試合に臨んでくる、それに立ち向かえるだけのメンタルの強さが一つ足りないかなと思っています。それさえあれば互角に日体大や吉備国際大と戦えるかなと思っています。

――公式戦が無い中、メンタルの面はどのように強化していきますか

これは言葉でくどいようにみんなに「やるんだ」という、チャレンジ精神を持って臨みなさいということと、あとそういう練習試合でプレッシャーをかけながらチームを作り上げている中でメンタルを強化できるかなと思います。

DF小野田莉子主将(スポ4=宮城・常盤木学園)

——前節、日テレ・メニーナ(メニーナ)に敗戦して、最終節として迎えた今節でした

日体大に負け(関東大学女子リーグ戦最終節●0-1)てメニーナにも負け(関東女子リーグ戦第13節●2-3)て、2連敗ということはいままでなかなかないことだったので、きょうは必ず強い気持ちを持って戦って、勝ってインカレ(全日本大学女子選手権)につなげたいというのが大きかったですね。

——試合を終えていかがですか

立ち上がりから気持ちの面で上回ることができて、前半は主導権を握ってサッカーができたんじゃないかなって思います。でも後半になって押し込まれる時間が増えて、どうやって自分たちの流れに戻すのかというときになかなか戻すことができなかった印象です。

——立ち上がりからファーストプレッシャーを積極的にかけにいきプレスもはまっているような印象を受けました

攻守の切り替えも速くて、奪われた選手がちゃんとファーストにいってくれたので後ろとしても狙い目がつくりやすくて、安定した守備をつくれたんじゃないかなと思います。

——相手はワセダと似たポゼッションサッカーでしたが、攻撃陣の印象はいかがでしたか

足の速い選手は何人かいて縦に抜けてくることがあって、ラインは取れている部分はあったんですけどまだできていない部分もあったので、そこは反省点です。あとはバイタルエリアに侵入してきても焦らずしっかり回してくるチームだなという印象を持ちました。

——その中で前半はセットプレーから2得点を挙げました

1点目は本当に摩也(MF山本、スポ3=スフィーダ世田谷)のボールが良かったしそのボールに対してブー(MF高木ひかり、スポ3=静岡・常葉学園橘)もフリーでいいシュートを打っていたので本当に良かったなと思います。いままでCKであったりセットプレーからはなかなか点を決められなくて、自分としても本当に決めて勝利を引き寄せたいという思いがあったので、合わせられて良かったなと思います。セットプレーから点を取れるチームは強いと思うので、ここからインカレに向けてもっともっと高めていきたいなと思います。

——後半に向けて意識していた点は

まず最近失点が多いのでしっかり守備を固めるということと、2-0でリードしている試合をどうやって進めていくのか、もちろん点は取りながらしっかり勝ち切るというというのを意識して後半には入りました。

——前半から一転、後半は逆に押し込まれる展開となってしまいましたが

5分経ったくらいからずっと攻め込まれてしまって、それに対して前半と同じようなサッカーで打開しようとしてしまっていた部分があって、奪ってもすぐ取り返されるという繰り返しでした。でも最後の15分くらいからようやく大きく蹴り出して自分たちの流れをつかんできたので、もっと早い段階でプレーの切り替えというか、状況に応じた判断ができるようになればいいなと思います。

――あまり良くない時間帯が続いてしまった中で、1失点はしてしまったものの、DFとしては我慢し切ったというところでしょうか

そうですね。結構相手にゴール前までいかれて、最後の最後で仕事をさせないようにというのは意識していました。

——後半15分頃からワセダのペースができてきたというお話がありましたが、そのきっかけは何かありましたか

難しいことはしないで、DFの選手も大きく裏に蹴り出すというか、前の選手の動き出しを見ながら裏に抜け出すというのができて、前の選手も細かい動きではなくて前に大きい動きをしてくれたのでだんだん相手を押し返せて、前から高い位置でボールを持つことができるようになったんじゃないかなと思います。

——2位チームの結果で優勝を決めた前節は敗戦してしまい、今節の勝利でようやく優勝を実感できたのではないでしょうか

今季初タイトルということだったので、とりあえず1つ獲れてほっとしているというのはあります。

——この関東リーグは4月に開幕してからきょうの最終節に至るまで、長い道のりだったと思いますが、いま改めて振り返ってみていかがでしょうか

関東リーグは相手のレベルも高い試合ができている中で、一試合一試合真剣に戦った結果が優勝になったんだと思うので、積み重ねてこれた結果かなと思います。

——12月は丸々1カ月間公式戦がない期間となりますが、どのような時間にしていきますか

皇后杯(皇后杯全日本女子選手権)もなく、試合が空いた時期ではあるので、もっといま自分たちがチャレンジしているサッカーの質を上げたいと思っていて、トレーニングももちろんそうだし、色んなチームと練習試合をして高めていきたいなって思っています。

——次の公式戦は最後の大会となるインカレですが、意気込みをお願いします

本当にインカレっていうのは大きい目標なので、何が何でも獲りたいというか、そのためにあと残された時間、一日一日を大切にして、万全の準備をしてインカレに臨みたいなと思います。

MF権野貴子(スポ4=宮城・常盤木学園)

――敗戦が続いている中、チームとしてどんなことを意識して試合に臨みましたか

日体大戦(関東大学女子リーグ戦第9節、●0―1)や前節の日テレ・メニーナ戦(関東女子リーグ戦第13節、●2―3)で負けていて、勝つことができていなかったので。とりあえずは勝つということと、最終戦で優勝も決まっていましたけれど必ず勝って終わるということをチーム全体で話して臨みました。

――立ち上がりはボールを回される場面が長かったと思うのですが

そうですね。点が入るまではなかなか自分たちのリズムにならなくて。パスミスも多かったり、お互いの要求が合わなかったりというのが失点してしまうことにもつながったと思うので。そこはもう少しお互いコミュニケーションを取っていかないといけないと思いますし、高い位置で取れたときは良い攻撃にもつながっていたので、そこは継続して高い位置でプレスを掛けることをしていかないとと思います。

――2得点はセットプレーからの得点になりました。セットプレーは得点源として大事な部分だと考えていらっしゃいますか

きょねんとかは結構得点できていたのですが、ことしはあまりセットプレーから得点を取れていなかったので。もう少しこだわろうということで、トレーニングからお互い共通理解として高めていたことが結果につながったのでよかったかなと思います。

――前半は右サイドを中心に攻撃していましたが、具体的な意図はありますか

右が平國(MF平國瑞希、スポ1=宮城・常盤木学園)ということでスピードある選手なので、そこを有効的に使えたのかなというふうに思います。

――後半の最初の時間帯はかなり相手ペースだったと思うのですが、前線からプレスがしっかりかけられなかったというのが原因でしょうか

それも結構大きいと思います。コンパクトに前からプレッシャーを掛けられているときは共通理解ができていてボールを奪えているシーンが多いので。そこがうまくはまっていないとか、プレス一つにしてもどこを切るかいう部分、球際の弱さとかも関係してくると思うので、そこのところで個々がもっとボールを奪うのだという気持ちの部分を高めていかないといけないなと思います。

――後半は2ボランチをうまく使えなかった印象もあるのですが

距離感が前半の得点が入ってからと比べると遠くなっていて、ダイレクトで落とす位置、良い距離感にいなくて。お互いがちょっと持ってしまって、という部分が後半のリズムがつくれなかったところに関わるのかなと思います。

――その辺りは連携の不足が原因でしょうか

距離感が遠いということを感じているのならお互いがもう少し動きを寄せるとか。ボールの移動中に次のプレーを予測して早いサポートをすることが大事なのかなと思います。

――後半苦しんだ中でしっかり勝てたという部分は大きいですね

メニーナにも負けていましたし、みんなが強い気持ちで臨めていたので。勝ちにつながったことはよかったのですが、もう一つ追加点だったり、失点をしてしまったり。最後も危ないシーンが多かったので、そこは勝ち切るということで後半のサッカーはあまりいい流れがなかったですけれど、そこでいい流れをつくれるようにしていかないといけないと思います。

――インカレ(全日本学生選手権)に向けて意識していきたいことはありますか

パスミスが多いと相手に持たれてしまう時間も長くなるので。メニーナ戦もですし、きょうの試合も最初の方はパスミスが多く相手に回される時間が長かったので。一つ一つをもう少しこだわることを心掛けていきたいです。パス1本にしても、受け手の動きももっとこだわれるところはあると思うので、そういったところをお互いがコミュニケーションを取って要求し合うところや、チーム全体の共通理解をもっと高めていかなければと思います。

――フォーメーションに関しても変えながらの部分があると思うのですが、このフォーメーションがはまってきたという手応えなどはありますか

4―5―1になってから何回か試合をしてきましたけれど、DFラインでいままでは大きく蹴ることが多かったのに対してつなぎながらビルドアップということもできていると思うので。そこからどう攻撃につなげるかというところがまだ確立できていないので、そこの精度をインカレ(全日本学生選手権)に向けては上げていかないとと思います。

――インカレに向けての意気込みを聞かせて下さい

きょうの試合で得点できなかったのはすごく悔しいのですが、やはりFWとして点を取ることが仕事なので。チームとして結果を出すことと、それに関われるようにやっていきたいと思います。

DF大島茉莉花(スポ4=鹿児島・神村学園)

――きょうの試合を振り返って

11月に入ってから結構負けが続いていたので、勝つことができて良かったかなと思います。

――相手の印象は

結構つないできて、抜け出しとか速い選手がいたのですがこっちも速いプレッシャーをかけて相手のミスを誘うことができたかなと思います。

――前半2―0とリードしましたが攻撃面を振り返っていかがですか

先制するまではみんな動き出しが少なかったのですが、先制してからは結構動き出しとか味方のプレーを見ながら動けたのかなと思います。

――後半、左からの展開で自身が攻撃を仕掛ける場面が多く見られましたが

サイド攻撃をチーム全体で意識してやっているので、そういうのをこれからももっと増やしていけたらいいかなと思います。

――これで関東女子リーグ戦(関東リーグ)を6連覇で終えることになりましたがいまのお気持ちをお願いします

ほっとしています。

――1ヶ月半後にせまる全日本大学女子選手権(インカレ)への意気込みをお願いします

もう負けることができないので、これからしっかりやり残すことがないようにトレーニングに励んで、インカレでは優勝できるように頑張りたいと思います。

MF高木ひかり(スポ3=静岡・常葉学園橘)

――試合全体を振り返っての感想はいかがですか

前半に少し押し込まれてしまって、自分たちのペースで戦えないかなと思ったのですが、落ち着いてしっかりとボールを動かせましたし、あまり得意でないのですがセットプレーでも得点ができたのは良かったと思います。でも後半もまた相手に押し込まれてしまって、修正できなかったのはすごくもったいなかったなと思いますし、(ボールを)奪ってからも慌てて蹴るだけになってしまったので、もっと落ち着いてできれば良かったかなと思います。

――試合前のゲームプランと、実際の違いはありましたか

いつも人工芝で戦っているので、(きょうは比較的に)ボールが転がらないというのは分かっていたのですが、それに適応できていなくてパスも弱くなって相手にカットされる場面もありました。でもその点は試合が進むにつれて慣れてきてしっかりボールをつないで動かせたことは良かったです。あと前節は負けてしまって、個人的にはきょう絶対に勝ちたいと思いましたし自分でも得点を取りたいと思っていたので、その点では良かったと思います。

――立ち上がりに課題があると伺っていたのですが、やはりきょうもそういった部分があったのでしょうか

そうですね。今シーズンはあまり立ち上がりが良くないというか、締まった雰囲気で試合に臨めていない部分があって、きょうもこういったかたちになってしまいました。監督やコーチからもよく指摘されているのですが、もう少しインカレに向けて締まりを付けていかないといけないなと思っています。

――試合に入る前の気持ちの入れ方がうまくいっていないのでしょうか

アップの時の声掛けであったりでもう少しモチベーションを上げたり、覇気を出していければと思います。

――リーグ戦最終戦を勝利で飾ったことについてはいかがですか

優勝が決まっているという中で、やはり勝って終わるのと負けて終わるのでは次につながるものが少し違うと思いますし、最近負けが続いていたことでチームの雰囲気も重苦しいところがあったので、こういうかたちで勝って終われて良かったと思います。

――浦和レッズレディースユースに対しては春と同じく、先制してから迫られる展開となりましたが、戦っていて同じ展開だという意識はありましたか

やはり後半は相手も修正してきてそこを狙っていたというのも分かっていながらも、そこを対応し切れていなかったことで相手の流れにさせてしまったことは問題点だと思います。あと前期での対戦の反省点を踏まえているつもりでしたが、あまり生かせていなかったなというのが反省すべき点だなと思います。

――普段はサブの選手が多くスタメンで起用され、メンバーも違う中で戦うにあたって、普段との違いはありましたか

いつも出ていない選手でも結構レベルの高い選手が多いので、しっかり自分の与えられたチャンスに対して結果を残せる選手だと思っていました。不安はなかったですし、今週にしっかり合わせてきていて、これだけ交代してもしっかりと戦えるというのは選手層の厚さという部分ではこれからの試合につながるようなスタートだったのではないかなと思います。

――インカレに向けて1ヵ月の期間が残されていますが、どのように活用したいですか

いつもは皇后杯に出ていたので遠征が続いていたのですが、ことしは出られず強い相手と対戦することもあまりないのですが、その分練習試合が結構入ってくると思うのでそこでしっかりチームワークを良くしてコンディションを高めて試合に臨めるような体勢を作りたいと思います。

――ユニバーシアード代表選出についての感想はいかがでしょうか

前回大会でも本大会に出ているので今回も(本大会に)行きたいと思うのですが、前回はDFで呼ばれて今回はMFで呼ばれたということで、気持ちも少し違います。前回は1年生で、上についていけば良いかなと思っていたのですが、今回は自分たちの代が主体になるのでしっかりアピールして、できるぞというのを証明したいなと思います。

――最後に、次に控えるインカレへ向けての意気込みをお願いします

昨年(のインカレ)はいろいろあって試合に出られなかったのですが、1年の時も悔しい思いをしましたし、2年の時も準優勝ということでチーム全体としてワセダの強さを見せつけられなかったので、ことしは負けも結構あったのですがその経験を踏まえて、しっかり最後に力を出し切れるように頑張りたいと思います。

MF山本摩也(スポ3=スフィーダ世田谷)

――関東女子リーグ戦(関東リーグ)では久々のスタメン出場でした。個人としてどんなことを意識して試合に臨みましたか

後期から途中出場が多くて、全然試合に絡めていない中きょうはスタメンで出る機会を与えられたので、まずはいつも通りやることと、結果を残して継続して試合に出続けられるようにするというのが個人的な目標です。チームとしては負け試合が続いていたので、優勝決まった中でしっかり勝って終わるというのを意識してやっていました。

――トップ下で下がって受けたり、ボールを散らす場面が多かったと思うのですが難しさなどはありましたか

高木(MF高木ひかり、スポ3=静岡・常葉学園橘)と松川(MF松川智、スポ3=大阪桐蔭)の2ボランチや1.5列目の茉莉花(MF大島茉莉花、スポ4=鹿児島・神村学園)と平國(FW平國瑞希、スポ1=宮城・常盤木学園)もですが個人個人がすごくうまいので。近い距離で、いい距離でできれば攻撃のリズムをつくれると思ったのでやりづらさはなかったですし、自分としてもこのポジションが一番しっくりくるというか合っていると思うので。やりにくいということはなかったですね。

――前半の最初は相手に主導権を握られてしまいましたが振り返っていかがですか

ピッチコンディションがいつもと違うというのも一つの要因だったと思いますし、ちょっと入り方として受け身になってしまったのかなというのはありましたけれど、徐々に能動的になってきました。悪い流れで入ったときに流れを早く切り替えるということを全体でできればなと思います。

――1点目の場面は山本選手のクロスからでした。あのシーンはどういった意図でクロスを上げたのでしょうか

中の人がフリーになれて、対人に強い選手が多いので。こっちがボールを上げたら何とかしてくれると思っていたので、自分はただひたすらいいボールを蹴ることだけを考えてやっていました。あれは決めた人が素晴らしかったと思います。

――前半は右からのサイド攻撃が多かったと思うのですが平國選手のスピードを生かしてということでしょうか

そうですね。平國はすごくドリブルもうまいですし、足の速い選手だったので。細かくつないでいく中で選手の特徴を生かして攻められたというのはすごく強みだと思います。今後もそこは継続して、逆サイドでもそういった攻撃ができるようにしていきたいと思います。

――ディフェンスでは前半はボールを奪われても2人で挟んで奪うシーンが多かった中で、後半はそういった守備があまり見られませんでした。プレスの掛け方という部分ではいかがでしょうか

相手も前半で自分たちの守備の仕方に慣れてきた部分があったので、ちょっとやり方を変えてきた部分はあったのですが、それを差し引いても自分たちのパワーというのが少し落ちたので、場合によって前線からプレスではなくて引いて守ることなど、状況に応じて変えていけたらと思います。苦しい場面はどの試合でもあるのでそういったときにいかに我慢できるかが大事だと思います。

――後半は相手もかなり縦への意識を強く持っていたと思うのですがその辺りの印象はいかがでしょうか

要らない失点で1点差に詰められてしまって。相手も乗ってきた部分もあって、球際とかも結構力強く来ていたので。こっちとしても球際でまず負けないことが大事かなと思います。DFラインがしっかり守ってくれていたので、前線としてはもう少し蹴らせないことや人を潰すことをしていればもう少し楽だったのかなとは思います。

――苦しみながらも勝ち切れたことは大きいと思いますがどうでしょうか

どんなかたちであれ勝てばいいと思うので。しかも最近は負けが続いていてチーム的にも勝ち試合をしたいというのがあったので。そこはもう気持ちの部分ですし、結果が勝てればそれでいいと思います。

――トップ下ということで攻撃面でもかなり役割が大きかったと思います。1試合通してプレーしてみて手応えはありますか

悪くはなかったと思いますが、得点という結果は出せていないので。高い位置にいる以上はきょうも2、3本チャンスはありましたしそういうのを決めていかないと、定着し続けられないと思うので。そこにこだわってもっともっとやっていかないといけないと思います。

――インカレ(全日本大学選手権)に向けて高めていきたい部分はありますか

皇后杯(皇后杯全日本女子選手権)がない分公式戦というのもインカレだけになってしまうので。いまからつくり直すとか新しいことをやるのではなく、いままで積み上げて来たものの質をもっともっと上げていきたいです。まだまだこれでは勝てないと思うので、チーム全体として強化していかなければいけないと思います。

GK河邊花観(スポ3=宮城・常盤木学園)

――今季久しぶりのスタメンとなりましたが

ここ1週間いつも出てるGK三田一紗代(社4=京都精華女子)の代わりに出してもらいましたが、あまり緊張することなくできました。

――きょうの試合を振り返って

2―0とあまり余裕もない状態のなかで、自分のちょっとした迷いからの失点を招いてしまってチームのプレーをきつくしてしまったのでそこは大きい反省点です。

――相手の印象は

すごくつなげてくるし、相手の読みとかもうまかったので怖かったのですが、DF陣がしっかりとした守備をしてくれたので勝てました。

――前半、押しているシーンが多かったのですがそのなかで自身も前に上がって声をかけていましたが

今月くらいからラインコントロールっていう新しいDFの守備陣がやり始めたのでそこが不安定になりがちなのでそこの注意点を忘れないように声をかけるようにしていました。

――後半の失点シーンを振り返って

あれは本当に自分の気の迷いからの失点なのでこれからもっとメンタルを強く持ってプレーしていきたいと思います。

――これでリーグ戦を6連覇で終え、つぎは全日本大学女子選手権(インカレ)となります。意気込みをお願いします

ここで満足しないで、インカレでも出られるようにこれからも頑張っていきたいと思います。

DF奥川千沙(スポ1=静岡・藤枝順心)

――きょうの試合の振り返りをお願いします

前半に2点入り、その後は少しバタバタとしたのですが、最後に勝つことができて良かったなと思います。

――攻守の切り替えが激しく、突然攻められたときの対応はいかがでしたか

今までの練習ではラインを意識したものが多かったので、完ぺきではないのですが、その点対応はうまくできたと思います。このような意識での練習はこれからも続けていきたいです。

――4バックというフォーメーションについては

そうですね。もともと高校では4バックでやっていたので、特にやりにくさはなく、そのときの感覚が戻ってきたという感じですね。

――チームとしてはもうひと押しといったところでしょうか

得点したあとにすぐ相手に得点を許してしまったりと、守から攻へのつなぎの部分がまだまだ不十分だったので、インカレ(全日本大学女子選手権)までの期間で、しっかりみんなで共通意識を持って頑張りたいです。

――インカレに向けての意気込みは

まだ失点が続いているので、守備陣が頑張って失点をなくすということと、個人的にはパスの精度だったり、ひとつひとつの細かいところができていないので、そこを意識して取り組んでいこうと思います。

FW平國瑞希(スポ1=宮城・常盤木学園)

――関東大学女子リーグ戦(関東リーグ)最終節を勝利で終えたことについて

ピンチは多くあったのですが、勝ち切れたことは本当に良かったと思います。

――関東リーグ6連覇に携わっていることについて

まだ1年生で6連覇の重みが分からないところもありますが、その場に立ち会えて良かったです。

――前半は攻撃の姿勢が多く見受けられましたが

いつも途中出場が多い中で、きょうはスタメンだったので自分のプレーをしようと思い前に仕掛けようと意識しました。

――普段はサブの選手が多い中でのプレーに違いはあったか

普段、練習の中でやっていることを意識していつも通りできました。

――後半に交代された要因は

後半はあまりボールに関われていませんでした。ボールが来た時もミスが多かったために交代されたと思うので、これからはイージーなミスを無くしていきたいです。

――後半は相手の攻撃が増えたように思われますが

失点してから流れが相手に移り、その時にワセダもその流れに飲まれてしまいました。失点してからも自分たちのプレーができるように声を掛け合う必要があると思います。

――全日本大学女子選手権(インカレ)に向けての意気込みをお願いします

関東リーグ6連覇してそれ以外の優勝をまだ手にしてないので、インカレでは優勝し、自分もそこに関われるようにチームに貢献できるプレーをしていきたいです。

DF菅原靖巴(スポ1=浦和レッズレディース)

――敗戦を喫した前節の反省を踏まえ、きょうの試合を振り返って

勝てたことは良かったと思います。失点もありましたが切り替えて最後まで1点で抑えられたので、そこは前節と比べて失点を重ねることなく終えたので良かったと思います。

――プレーにおいて前節と変えた点は

前節も前半はリードしていて後半に逆転されてしまいました。今節は後半もしっかりと中盤からマークの指示や守備を徹底してやろうという意識はありました。

――中学生の頃レッズレディースユースだったこともあり、久しぶりのこのグラウンドだったと思いますが

相手チームにも知り合いが結構いたので、そういう意味ではこの場所を含め懐かしいと思いました。

――かつてのチームメイトと対戦することについて

2年下までの選手は知っているのですが、昔は同じチームで一緒に練習する機会がありませんでした。今では日本代表のチームに選ばれたりしている人もいて、個々のレベルを伸ばして成長しているんだなと思いました。

――CBの中では小柄だと思われますが、これを生かしたプレーについて

中学の時からCBでもう1人がだいたい高身長の人だったりします。競り合いではどうしても背の高い人に勝てないのですが、その分ポジショニングに気を使ったり細かいところに気を付けてプレーすることで大きい人とも対等に戦えるようにしています。

――自身の持ち味は

まずは抜かれないディフェンスというのをしっかりと意識していて、相手に当たるときも前にいきすぎてかわされるのが一番リスクが高いと思います。そういった意味では時間を稼いだり、意識するディフェンスをしたりしています。

――スタメン入りする機会が増えたことについて

最初の試合は緊張していて、とりあえずがむしゃらにプレーする感じでした。スタメンのメンバーと練習する機会が増えてくるにつれて、自分も11人の中の1人としてしっかりとやっていかなければならないという責任感が生まれてきていると思います。

――ディフェンスとして3バックから4バックに変化したことについて

自分が入った時は3バックで、どちらかと言えば3バックの方が新鮮でした。今まで4バックしか経験してこなかったので、そういう意味では慣れているというのもありプレーしやすいです。

――後半の失点について

無失点で終わらせたかったというのはありましたが、そこで引きずってしまうとまた失点を重ねてしまうこさことになると思うのでしっかりと切り替えて臨みました。

――関東大学女子リーグ戦(関東リーグ)6連覇が決まった後の最終節で勝って終わることができたことについて

率直に良かったと思います。

――全日本大学女子選手権(インカレ)への意気込みをお願いします

目標にしていた皇后杯(皇后杯全日本女子選手権)優勝、インカレ優勝のうち皇后杯優勝という片方の目標が達成出来ませんでした。その分インカレに向けてチーム一丸となって練習に取り組み、良い結果を残せるよう頑張ります。