関東女子選手権兼皇后杯全日本女子選手権関東予選(関東予選)2回戦でのまさかの敗戦(●0-2関東学園大)から約3週間。中断されていた関東大学女子リーグ戦(関カレ)の戦いが再び始まった。第8節の相手は関東予選で苦杯を喫した関東学園大。序盤こそ相手にボールを回されるも、DF大島茉莉花(スポ4=鹿児島・神村学園)が先制点を決め徐々にワセダのペースに。3-0で前半を折り返すと、後半も攻撃の手を緩めず3点を追加。6-0で快勝し関東予選での雪辱を果たした。
左足から豪華なシュートを放ち、チームに2点をもたらした大島茉
「絶対にリベンジ果たすぞという気持ちを全員で持てた」(DF小野田莉子主将、スポ4=宮城・常盤木学園)。開幕8連勝を目指し臨んだ今節。関東学園大は皇后杯本戦出場を阻止された相手でもあり、いつも以上に強い気持ちを持って挑んだ。守備のフォーメーションを3バックから4バックに変更したこの試合、序盤はDFラインとボランチの間隔が空いてしまう。自陣でパスカットされ、相手にボールを回される展開に。しかし20分、MF高須咲帆(スポ4=福井工大附福井)の右サイドへの展開からDF正野可菜子(社3=兵庫・日ノ本学園)がアーリークロスをあげると、ファーサイドに詰めていた大島茉が触り先制に成功。この得点をきっかけにワセダは攻撃のリズムをつかみ始める。27分にはゴール前で正野が落とし、FW川原奈央(スポ2=兵庫・日ノ本学園)が真正面から豪快なシュートを決めた。さらに36分、高須からのパスを受けた大島茉が左足を振り切りゴールに収め、3-0で前半を折り返す。
さらに追加点を狙うワセダ、後半でも積極的にゴールに向かう姿勢を見せた。69分、ゴール前での混戦からFW平國瑞希(スポ1=宮城・常盤木学園)がシュートを放ちゴールネットを揺らす。一方守備においても、相手の速い攻撃に対し体を張ったディフェンスで阻止、決定的な場面はつくらせない。終盤になるにつれ両チームに疲労が見られ始めるも、83分にはDF大島瑞稀(社3=宮城・常盤木学園)が左足を振り抜きスーパーゴールを決めた。さらに87分には平國からのパスに正野がフリーで受けシュート、ダメ押し点を奪う。6-0での完封勝利となり、見事関カレ開幕8連勝を飾った。
後半途中出場からチームを勢いづけるゴールを見せた平國
前後半を通してアグレッシブに攻め続けた今節。陣形が変わったDFラインでは課題も見られたが、大量6得点かつ無失点で見事リベンジを果たす結果となった。次戦、関カレは最終節を迎える。ワセダの相手は同じく開幕8連勝中の宿敵・日体大だ。全勝同士の対決となるが、得失点差から引き分け以上でワセダの優勝が決まる。しかし「自分たちのサッカーをして勝ちにいきたい」(大島瑞)と語るように、選手たちはあくまでも勝利にこだわっていく。皇后杯本戦への出場が途絶えたいま、その悔しさを晴らすべくまず狙うは関カレ優勝のタイトルだ。
(記事 大森葵、写真 桝田大暉)
スターティングメンバ―
関東大学女子リーグ戦第8節 | ||||
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早大 | 6 | 3-0 3-0 |
0 | 関東学園大 |
【得点者】(早)20、36大島茉、27川原、69平國、83大島瑞、87正野 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 前所属 | 学部学年 |
GK | 1 | 三田一紗代 | 京都精華女子 | 社4 |
DF | 3 | 大島茉莉花 | 鹿児島・神村学園 | スポ4 |
DF | ◎4 | 小野田莉子 | 宮城・常盤木学園 | スポ4 |
DF | 23 | 奥川千沙 | 静岡・藤枝順心 | スポ1 |
DF | 33 | 菅原靖巴 | 浦和レッズレディースユース | スポ1 |
MF | 6 | 松川智 | 大阪桐蔭 | スポ3 |
MF | 10 | 正野可菜子 | 兵庫・日ノ本学園 | 社3 |
DF | 12 | 大島瑞稀 | 宮城・常盤木学園 | 社3 |
MF | 15 | 高須咲帆 | 福井工大附属福井 | スポ4 |
MF | →45分 | 高木ひかり | 静岡・常葉学園橘 | スポ3 |
MF | 8 | 権野貴子 | 宮城・常盤木学園 | スポ4 |
MF | →76分 | 山本摩也 | 大阪・大商学園 | スポ1 |
FW | 11 | 川原奈央 | 兵庫・日ノ本学園 | スポ2 |
FW | →61分 | 平國瑞希 | 宮城・常盤木学園 | スポ1 |
◎はゲームキャプテン 監督は福島廣樹(昭45教卒) |
コメント
DF小野田莉子主将(スポ4=宮城・常盤木学園)
――関東女子選手権兼皇后杯全日本女子選手権関東予選(関東予選)から3週間という長い期間でしたが、どのように取り組んできましたか
国体があったりして各自大会に出ている選手もいたのでなかなかみんな合わせての練習はできていなかったんですけど、そういった中でも絶対にリベンジ果たすぞという気持ちを全員で持てた結果かなと思います。
――小野田選手ご自身は宮城県代表として国体に出場し優勝を果たしましたが、どのような収穫がありましたか
国体もトーナメント戦で、トーナメントを勝ち抜くための気持ちの準備であったり、高校生の速い攻撃というのは真似していきたいですし、あとは守備がしっかりすれば良い流れになるということが国体を通じて分かったので、ワセダでもまず守備からしっかりやっていきたいなと思いました。
――相手の関東学園大というのは皇后杯関東予選で苦い思いを味わった相手で、また今季の戦績も1勝1分1敗と五分五分の中での4戦目でしたがいかがでしたか
関東予選ではもう本当に悔しい思いをしたので、絶対に打ち負かそうという気持ちでした。結果として6-0で終わることができて、課題としていた守備でも無失点に終われたというのが本当に大きいなと思います。
――6-0ということで試合を終えていかがでしょうか
前半はサッカー自体そんなに良くなかったんですけど、後半になって流れが良くなって、少ないタッチ数での攻撃も増えたので良かったと思います。あと今節からDFのフォーメーションが少し変わって、そういう中でもしっかり声を掛け合ってできたのは良かったんですけど、改善できる部分はあったと思うので修正していきたいと思います。
――今節DFを4バックに変えたのは
いろいろ試してみるという感じです。
――先ほど言っていたDF陣の改善点というのは具体的にどのようなことですか
相手の速い選手に何回か突破されてしまったり、特に前半はシュートを打たれた場面もあったので、もう少し4枚の中で誰がつぶしにいくのか、誰がカバーにいくのかというチャレンジアンドカバーの部分をしっかりしたらもっと固い守備ができるんじゃなかなと思いました。
――きょうはいろんな選手が素晴らしいシュートを決めていましたが、チームとしてシュート力の強化に取り組んだのでしょうか
前半はそんなにシュートを打つ積極性というのが見られなかったんですけど、1点入ってからみんなどんどん積極的になって自分が点を決めるという気持ちが伝わってきたので、いつもそういう強い気持ちを持っていってくれたらどんどん入るんじゃないかなって思います。
――きょう見えていたDF千葉梢恵(平26スポ卒)前主将から何かアドバイスはありましたか
きょうというよりは国体を一緒に戦って、2人で声を掛け合いながら4バックのラインをつくってきたので、そういう経験がきょうの4バックにも生きているんじゃないかなと思います。
――次節は最終節、加えて全勝同士で日体大との首位攻防戦となります。意気込みをお願いします
関東予選で勝てなかった分をぶつけていくのはこの関カレ(関東大学女子リーグ戦)、関東リーグ(関東女子リーグ戦)、インカレ(全日本大学女子選手権)しかないので、まずはその3つの大会全てで優勝できるように、次節は絶対に日体大に勝ちたいと思います。
DF大島茉莉花(スポ4=鹿児島、神村学園)
――きょうは関東学園大戦ということでどのような意気込みで臨みましたか
関東女子選手権兼皇后杯全日本女子選手権関東予選(関東予選)で負けた相手だったので、借りを返すではないですが、絶対に勝つという気持ちで臨みました。
――試合を振り返っていかがですか
内容的にはそこまで良かったわけではないんですけど、しっかりと点を取るところでは点を取れて6―0で勝てて良かったと思います。
――きょうは2得点の活躍でしたが、それぞれのゴールシーンを振り返っていかがですか
1点目は可菜子(DF正野可菜子、社3=兵庫・日ノ本学園)が良いクロスをあげてくれたので合わせるだけでした。2点目も咲帆(MF高須咲帆、スポ4=福井工大附福井)が早い段階で良いボールで展開してくれて、あとは決めるだけだったので決めることができて良かったです。
――守備の面では4バックというフォーメーションでしたが、何か意図はありましたか
DFを4枚にすることでDFラインがチャレンジできますし、安心感を持てるように4枚にしたのだと思います。
――国体にも出場されていましたが、なにか得たものはありましたか
国体ではサイドバックをやったんですけど、久しぶりにサイドバックでやって、後ろの選手の気持ちというか、そういうところを久しぶりに感じることができました。それを感じた上でプレーできたかなと思います。
――きょうは枠内のシュートが多かった印象がありましたが、シュート練習を特別していましたか
普段の練習でシュート練習はしていて、いつも自分はシュートを打てるところでパスを出したり、1個もって遅くなって打てなかったりというのがあったので、積極的に打つこととファーストタッチから速くということを意識してやりました。
――次戦の意気込みをお願いします
日体大戦は関カレ(関東大学女子リーグ戦)最後で優勝も懸かっているので、絶対に勝って優勝できるように頑張りたいです。
MF高須咲帆(スポ4=福井工大附福井)
――6得点での快勝となった試合を振り返っていかがですか
前回、関東女子選手権兼皇后杯全日本女子選手権関東予選(関東予選)で負けてしまった相手なので、何が何でも絶対に勝つという気持ちをみんなが持って取り組めたんですけど、内容的には良くなかったかもしれないです。ただ点をしっかり取れたのは良かったので、そこは次につながると思いました。
――関東予選で敗戦を喫した相手ということで、どのように立て直しを図ってきましたか
相手がやろうとしている、キーマンの選手に当てて落としてという徹底されたプレーを自分たちは守備しようということで、しっかりその選手に当たろうということと、落とされたセカンドのボールをしっかり拾うということを意識してやったので、そこが良いように出て勝てたのかなと思います。
――内容的に良くなかったと感じたのは具体的にどの部分ですか
フォーメーションが変わったばかりでラインコントロールだったり攻撃の共通理解の部分であったりが不十分だったので、全体として守備も攻撃も共通理解を高めていければいいなと感じました。
――高須選手のスタメン出場は久々でしたが、気持ち的にいつもと違う部分はありましたか
久々だからなのか前回負けた相手だからなのか、少し緊張してしまっていつもどおりのプレーができなかったところはありました。日頃からきちんと気持ちを入れて練習に取り組むことで、緊張なく自分のプレーが出せるようにしていきたいです。
――ご自身の調子はいかがですか
普通ですね。自分に求められていることはもっと逆の展開だと思うんですけど、そこがきょうはできなかったので、もっと練習からできるといいなと思いました。
――完封勝利でしたが、ディフェンス面の手応えはいかがですか
相手にチャンスを与えてしまった場面はまだたくさんあるので、ラインコントロールだったり、ボランチとしてディフェンスラインとコミュニケーションを取ることでチームとして守備ができたらもっと良いと思いました。
――次節は日体大戦ということで全勝同士の対決となりますが、どのように準備して臨みたいですか
まず気持ちで負けないというのが一番です。それに加えてあと1週間、チームとして共通理解を高めて、全日本大学女子選手権(インカレ)に向けてやっていけると良いなと思います。
MF正野可菜子(社3=兵庫・日ノ本学園)
――きょうの試合を振り返って
関東女子選手権兼皇后杯全日本女子選手権関東予選(関東予選)で負けてしまったというのもあったので、とりあえず絶対勝ちたいと思って挑んだので勝ててよかったです。
――公式戦のなかった3週間でどのような練習に取り組みましたか
関東予選で負けて、ワセダの試合ができないということだったので、そこをいかに変えていけるか、ということをチームの中でも確認しながらできたのでよかったと思います。
――積極的なアシストで良い流れをもたらしていましたが
結構、サイドに入ったときに茉莉花さん(DF大島茉、スポ4=鹿児島・神村学園)の裏が空いていたりしたので茉莉花さんに関わらず自分のサイドも結構中に絞ってくれていたのでチャンスとなっていてよかったです。
――ご自身もシュートを決めていましたが
決められるところが2、3本あったのでそこは決めないといけないので改善していきたいです。
――結果的にシュートの大量生産でリベンジを果たすことができました
これに満足せず、まだ日体大戦があるので勝てるようにあと1試合、1週間調整していきたいです。
――最終節の日体大との戦いに向けて意気込みをお願いします
まだ今季は戦ったことがなくてどんなチームか分からないのですが、勝たないと優勝できないのでしっかり厳しく気持ちを持ってやっていきたいと思います。
DF大島瑞稀(社3=宮城・常盤木学園)
――試合を終えて全体の感想をお願いします
前回の関東女子選手権兼皇后杯全日本女子選手権関東予選(関東予選)で負けてしまって、きょうは何としても勝とうという気持ちで臨んだ中で、しっかり点が取れて勝てたのでよかったと思います。
――前回の敗戦から時間があいた中、練習の中から特別な思いがあったのでしょうか
私も含め何人か国体で抜けてしまったんですけど、そういった中でしっかりリフレッシュして切り替えて(この試合に)臨めたのは良かったと思います。
――この試合のシステム変更にはどういった狙いがあったのでしょうか
関東学園大は結構蹴ってきて自分たちのディフェンスのとこで競ってそのこぼれを狙ってくるという攻撃だったので、それに対応できるフォーメーションにしていこうという感じでした。
――ポジションが一つ下がってサイドバックでのプレーでしたが、その違いに関しては
違いに関しては、最初のフォーメーションより守備意識を高く持つことを意識して臨みました。
――攻守で圧倒した試合となりましたが、前回との違いはなんだったのでしょうか
一番はしっかり気持ちのこもったゲームをできたということと、自分たちのやろうとしていることが少しはできたのかなというところだと思います。
――後半の得点の場面を振り返っていかがですか
一回攻められていたんですけど、奪った時に自分の前がすごい空いていて自分が上がったら絶対にチャンスになるなと思ったので、そのままゴール前まで行ってみました。
――今季の対戦でここまで完全な五分でしたが、勝ち越すことができてようやく吹っ切れたといったところでしょうか
そうですね、気持ちよかったです(笑)。
――これからの試合に向け、どういったモチベーションが大事でしょうか
この良いイメージをしっかり持ったまま、次は日体大戦で、勝った方が優勝すると思うので、しっかりスカウティングをして特徴をつかんで自分たちのサッカーをして勝ちにいきたいと思います。
FW平國瑞希(スポ1=宮城・常盤木学園)
――後半途中からの出場となりましたが、特に監督からの指示などは受けたのですか
出る前に、監督に1点取ってこいと言われました。
――実際に得点に絡むシーンも見られましたが、ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか
最初の方は持ちすぎてしまって取られてしまったのですが、得点を取れた後は自分のプレーが少しできました。
――ご自身のゴールシーンを振り返ってみていかがですか
前で可菜子さん(MF正野可菜子、社3=兵庫・日ノ本学園)が競ってくれて、こぼれたボールを自分がシュートを打ったかたちなので、可菜子さんのおかげで得点することができました。
――この3週間で取り組んできたことはありますか
とにかく練習でもゴールを意識して、プレーするようにしています。
――今試合全体をチームとして振り返ってみていかがですか
関東女子選手権兼皇后杯全日本女子選手権関東予選で負けた相手なので、みんな気合もすごく入っていて、その気持ちを試合でプレーに出すことができたかなと思います。
――6得点という結果についてはいかがですか
ワセダは得点を量産できることがあまりないので、きょうのような試合をできるように、もっとFWの選手が得点を取るためにシュートを全部狙っていければいいなと思います。
――次戦までの課題や修正点はありますか
個人的には、自分は持ちすぎてしまったりするので、タイミング良く離したりすることができるように、練習したいと思います。
――次戦への意気込みをお願いします
次戦では、途中出場でも結果を残せるように得点に絡んでいきたいです。
DF菅原靖巴(スポ1=浦和レッズレディースユース)
――公式戦初出場となりましたがいかがでしたか
最初は緊張していたんですけど、先輩方が声を掛けてくださったので、その分思ったよりも自分らしくプレーできたと思います。
――今季初の4バックとなりましたがどういった意図があってのシステムでしょうか
失点が例年よりも若干多かったっていうのもあって、4バックに最近取り組んでいました。
――開始からしばらくはボール回しでバタつく場面もありましたが緊張によるものですか
そうですね、かなり緊張していました(笑)。ただプレーに関しても思いっきりいけるように声を掛けてくれたり、「そこ良かったよ」という風に声掛けしてもらったので自分のプレーを出しやすくしてもらいました。
――試合自体は無失点でピンチの数も数える程度でしたが、全体的な守備は振り返っていかがでしたか
相手の28番に当てて落としてっていう攻撃パターンをやってきたので、しっかりと中盤から競って抑えようということができて良かったです。
――きょうの試合のご自身のプレーは100点満点でいうとどれくらいでしょうか
65点くらいですかね。最初は緊張していたんですけどその割には自分のプレーができて、でも迷っちゃって中途半端になっちゃったりとかしたので、そういう細かい部分をもっと向上していけたらなと思います。
――4バックによってパスコースが増えたように思えましたがいかがでしたか
ありましたね。センターバックに二人いるということでもしっかりパスコースをつくっていけたので、センターバックでボールを持っても余裕を持ってパスできたのでやりやすかったです。
――他の1年生が公式戦デビューしていく中で刺激などはありましたか
1年生はDFが多くて、他のDFの選手がデビューしているのを見て刺激は受けていました。練習のところからも気持ちを込めてやれました。
――ご自身の持ち味はどんな点ですか
クラブチームでやっていたのでパスをつなげる意識は強いですし、収めることで近場につなげることが自分の持ち味かなと思います。
――次戦の日体大戦に向けての意気込みをお願いします
厳しい試合になると思いますけど、カバーリングなどをしっかりして無失点で勝てるようにしていきたいと思います。