前節(◯2-1尚美学園大)の立ち上がりにおける反省をもとに挑んだ関東大学女子リーグ戦(関カレ)第7節。今節は開幕7連勝を懸け武蔵丘女子短大と対戦した。課題となっていた立ち上がりには良い入り方も、前半は中盤での競り合いで思うようなプレーができず苦しむ。しかし、MF権野貴子(スポ4=宮城・常盤木学園)の先制を機にリズムをつかみ始めると、徐々にワセダ優勢の流れに。後半74分に権野が追加点を挙げ、2-0で試合終了。関カレ7連勝を飾った。
今節2得点を挙げチームトップの得点数を誇る権野
今節の相手は、今季2戦2勝と対戦成績でワセダが優位に立つ武蔵丘女子短大。開始早々、DF大島茉莉花(スポ4=鹿児島・神村学園)がファーストシュートを放つなどの良い立ち上がり。その後も積極的に攻撃を仕掛けるが、球際で競り負けリズムをつかめない時間が続く。しかし、相手の隙をつきドリブルで相手陣に攻め込むと、試合は徐々にワセダのペースに。迎えた31分、MF正野可菜子(社3=兵庫・日ノ本学園)からワンタッチで受けた権野がゴール左端に鋭いシュートを突き刺す。続く33分には正野がシュートを放つもバーに直撃、惜しくも追加点とはならず。その後もワセダ優位の試合運びで、1-0で前半を折り返した。
後半になってもワセダの猛攻は止まらない。相手陣でワセダらしいポゼッションサッカーを披露し、果敢にシュートまで持ち込む。60分にはDF大島瑞稀(社3=宮城・常盤木学園)から受けた権野がシュートを放つも、またもやポストに当たりゴールにはならない。なかなか決め切れないワセダに対し相手も食い下がる。64分、中盤でボールを奪われると、この試合最初となるシュートを打たせてしまう。だが、それでも攻撃を立て直すと、74分に再びチャンスが訪れる。大島茉が左へ展開し、ボールを受けた権野がシュートを放ちこの日2得点目。その後もFW川原奈央(スポ2=兵庫・日ノ本学園)、FW平國瑞希(スポ1=宮城・常盤木学園)らの積極的なシュートでワセダのペースを貫き、2-0で試合終了、7連勝を手にした。
開幕からの連勝を7に伸ばしたワセダ
相手との競り合いに負けないフィジカルを武器に勝利を収めた今節のワセダ。ここで関カレは約1カ月の中断期間に入り、皇后杯全日本選手権の本選出場を懸け関東予選に挑む。目標に掲げる皇后杯優勝を果たすためには「負けられない」(大島瑞)戦いだ。リーグ戦とは異なるトーナメント形式にワセダの真価が問われることとなるであろう。
(記事 渡部歩美、写真 新庄佳恵)
スターティングメンバ―
関東大学女子リーグ戦第7節 | ||||
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早大 | 2 | 1-0 1-0 |
0 | 武蔵丘女子短大 |
【得点者】(早)31、74権野 (武) |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 前所属 | 学部学年 |
GK | 1 | 三田一紗代 | 京都精華女子 | 社4 |
DF | 3 | 大島茉莉花 | 鹿児島・神村学園 | スポ4 |
DF | ◎4 | 小野田莉子 | 宮城・常盤木学園 | スポ4 |
DF | 5 | 松原有沙 | 大阪・大商学園 | スポ1 |
DF | →19分 | 堀川玲奈 | ジュブリーレ鹿児島 | スポ4 |
DF | 12 | 大島瑞稀 | 宮城・常盤木学園 | 社3 |
DF | 23 | 奥川千沙 | 静岡・藤枝順心 | スポ1 |
MF | 6 | 松川智 | 大阪桐蔭 | スポ3 |
MF | 7 | 高木ひかり | 静岡・常葉学園橘 | スポ3 |
MF | →66分 | 高須咲帆 | 福井工大附属福井 | スポ4 |
MF | 10 | 正野可菜子 | 兵庫・日ノ本学園 | 社3 |
FW | →75分 | 平國瑞希 | 宮城・常盤木学園 | スポ1 |
MF | 8 | 権野貴子 | 宮城・常盤木学園 | スポ4 |
FW | 11 | 川原奈央 | 兵庫・日ノ本学園 | スポ2 |
◎はゲームキャプテン 監督は福島廣樹(昭45教卒) |
コメント
DF小野田莉子主将(スポ4=宮城・常盤木学園)
——開幕7連勝ということですが、きょうの試合を振り返っていかがでしょうか
前節からの課題である立ち上がりの部分では今回はいい入り方ができたのと、試合を通じて前からの連動した守備というのができていて、自分たちのペースで試合を進めることができたと思います。
——序盤は相手に押し込まれている印象を受けました
確かに相手の中盤にうまい選手が何人かいて、その時にちょっと交わされて全体のラインが引き気味になってしまった部分もあると思います。しかしそういう中でも最終的な部分は崩されていないので、相手に決定的な場面は前半作ることなく終われたのでそこは良かったと思います。
——武蔵丘女子短大の印象はいかがでしたか
もうことし3試合目なので特徴は分かっているのですが、前線だったら何人か速い選手がいたり、中盤でうまい選手が何人かいるという印象は受けました。
——MF権野貴子(スポ4=宮城・常盤木学園)選手の先制点から全体的に積極的な攻撃ができていましたね
シュートできる回数が増えてきたと思います。全体的に連動したボール回しや動きができていたので、そのようなところからチャンスができたのだと思います。
——いい流れができていた中で、小野田選手自身きょうの試合での反省点は何かありますか
特に後半なんですけど、相手の前線がディフェンスラインに対してプレスを掛けてきた中で自分も含めてボールを奪われてしまったり、パスミスもディフェンスラインでしてしまったのでそういうミスはなくしていきたいと思います。
——今節も積極的なオーバーラップを見せていましたが、主将として試合中意識していたことはありますか
戦う姿勢というのを常に見せていきたいと思っていますし、3バックであっても自分が上がることによって攻撃の厚みが増えてチャンスをつくることができると思うので、まず守備を第一に考えながら上がれるときは上がっていきたいと思います。
——シュートの面ではポストに直撃する場面が多くみられましたが、精度の面において改善点はありますか
相手GKとの1対1であったり、交わしきってからのシュートであったりしますが、これからはトーナメントでの試合も増えてくるので、そういうところで決めれるようになればもっと楽な試合展開ができると思います。
——最後に次の皇后杯関東予選への意気込みをお願いします
自分たちは皇后杯優勝という大きな目標を掲げていますが、そこに向けて絶対に負けてはいけないところだと思うし、一回戦から強豪と当たるのでしっかり勝ち切ってつなげていきたいと思います。
MF権野貴子(スポ4=宮城・常盤木学園)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
前節の立ち上がりがすごく悪くて課題に挙がっていたのでそれをしっかりしていこうということで試合に臨みました。
――相手の武蔵丘女子短大の印象は
前の関東リーグ(関東女子リーグ戦)などで戦ってきていて相手のプレーが分かっていたのですが、つないでくるチームであるというのとFWに速い選手がいるのでその選手に注意して守備をしようという体制でした。
――先ほどにもありましたが、前節の立ち上がりという反省についてはいかがですか
きょうは、キックオフが自分たちだったというのもあるのですがファーストシュートも早い時間帯で立ち上がりは良いかたちで入れたかな、と思います。
――試合前半、球際で競る時間が長かったと思いますが
前回の試合では空中戦で競り合えてなくてボールが収まらなかったのですが、きょうは全体的に競るシーンが多くあったので前回よりかは良かったと思います。
――1点目のゴールを振り返って
相手のギャップがすごく前になっていたので、裏とギャップを狙おうと思って可菜子(MF正野可菜子、社3=兵庫・日ノ本学園)が出してくれたのでうまく決められてよかったです。
――2点目のゴールを振り返って
2点目も体を反転させて茉莉花(DF大島茉莉花、スポ4=鹿児島・神村学園)が良いボールを出してくれたので最後は落ち着いて得点できてよかったです。
――関東大学女子リーグ戦7連勝を手にし、一旦の中断期間に入ります。次は皇后杯の関東予選となりますが意気込みをお願いします。
目標である皇后杯優勝をするには、その予選を突破しなくてはいけないので必ず勝てるようにまたチーム一丸となって頑張りたいと思います。
DF堀川玲奈(スポ4=ジュブリーレ鹿児島)
――試合全体を振り返ってみていかがでしょうか
ずっとワセダが押している攻撃の時間が多かったのでもう少し点が取れたかなという部分はあって、相手に合わせてしまったのかなと思います。
――試合後の選手たちの表情に笑顔が見られなかったのはそういう部分があったからでしょうか
攻撃面では確かにそういう点が欲しかったなというのはありましたが、守備面では相手のカウンターを防いで無失点で終われたという安堵(あんど)感がDF陣にはあったのかなと思います。
――武蔵丘女子短大は今季関東女子リーグ戦で2戦2勝している相手でしたが、3回目の対戦はいかがでしたか
2戦2勝しているからといって今節も勝てる保証はなかったので、その中でも勝てたというのは自信に思っていいところなのかなというのは思います。
――相手のカウンター攻撃というのはかなり意識していた部分ですか
そうですね。緊張感を持って集中しようというところで、みんなで声を掛けて守り切れたので良かったです。
――ベンチから見ていた立ち上がりというのはいかがでしたか
マイボールにできてファーストシュートも早かったし、守備の意識もあったのですごく良かったと思います。
――かなり早い時間にピッチに入られましたが意識したことは
流れが悪くなかったのでその流れに乗れるように自分を合わせていくというのと、あとちょっと静かだったので自分の長所である声を出して盛り上げていこうというのは意識していました。
――先制点を奪って以降はワセダのペースになった中で、前半を通して相手に1本もシュートを打たせませんでした
DFとしてはシュートを打たせてないというのは結構良いことだったと思うので、良かったなと思います。
――後半もワセダペースだった中で、相手に回されてシュートを打たれる場面もありました
どんなに自分たちが回していても90分間の中で何分かは主導権を握られてしまう時間帯というのは、どんなに強くても必ずあると思うので、そういうことを踏まえて焦らずしっかりと声を掛けて守り切ることができたのは本当に収穫だなと思います。
――個人としてのきょうのプレーを振り返ってみていかがですか
大きいプレーができたというのは攻守両面において良かったかなとは思うんですが、ところどころ小さいミスが続いてしまいました。チーム全体でミスが続いているときに自分も重ねてしまったというのがあるので、チームとして流れが悪いときにどれだけそれを防げるか、そしていい方向に持っていけるかということが自分自身に必要だと思うので、まだまだ課題だらけです。
――関東大学女子リーグ戦は一旦中断期間となり、皇后杯関東予選が始まります。意気込みをお願いします
トーナメントで負けたら終わりっていうとても緊張感のある大会だと思うんですけど、自分たちが積み上げてきたものは必ずあると思うので、自信を持って目標である皇后杯本選に向けて一歩一歩みんなで頑張っていきたいと思います。
MF正野可菜子(社3=兵庫・日ノ本学園)
――きょうの試合を振り返って
課題であった立ち上がりを克服でき、結果的に勝つことができて良かったです。
――試合前から意識していたことはありますか
積極的に攻撃を仕掛けシュート数を増やすことでしたが、まだまだ課題が残ります。
――武蔵丘女子短大に対しては今季3戦3勝となりました。加えて関東大学女子リーグ戦(関カレ)開幕7連勝となりましたが
相手のFW陣を警戒していましたが、無失点に抑えることができDF面に関しては心配することなく自分たちのサッカーができたと思います。
――きょうの試合を通して自分自身の課題は
シュートの本数を増やすことと、精度を上げることです。
――来週から始まる皇后杯関東予選での目標は
初戦が大事なのでしっかりと気を引き締め、ワセダのサッカーをしたいと思います。
DF大島瑞稀(社3=宮城・常盤木学園)
――きょうの試合を振り返って
ずっとワセダペースで攻められていたのですが、2-0というのはあまり点が取れなかったなと思います。
――立ち上がりは足が重そうでしたが
そういうつもりはなかったのですが、最近自分自身の入りが悪いっていうのがあって、今日は最初から縦に行こうというのがあったのですが、あんまりサイドを使えていなかったので、サイド攻撃をもうちょっと最初からすればよかったかなと思います。
――武蔵丘女子短大に対し以前戦ったときよりも苦戦していたように見えましたが
てこずったというか、もっと点が取れる場面があったかなと思います。
――先制点が決まった時の気持ちを教えてください
落ち着きました。安心でしたね。
――点が入ってから流れが変わって相手陣地でプレーすることが多くなりましたが
そこから落ち着いてパスを回せるようになって、前半の途中からサイドを使って攻撃できたので、それは良かったと思います。
――ポストに直撃するなど惜しいシュートが多かったですね
あそこをもうちょっと決められていたら、もっと点差が開いて楽な試合ができたと思います。
――最後まで積極的にボールに絡めていたと思いますがいかがですか
いつも後半の途中とかで代えられてしまっていたので今回は代えられないようにしっかり動いてボールに絡みにいこうという思いがありました。
――今日で7連勝ですがいかがですか
普通にうれしいです。これからも全勝していきたいと思います。
――これから関東大学女子リーグ戦は1カ月空きますが何を意識して練習しますか
自分の強みというのは縦にガツガツいけることだと思うので、もっと磨いていきたいですし、皇后杯関東予選が入っているのでしっかり高めていきたいと思います。
――皇后杯関東予選への意気込み
皇后杯予選は負けてしまったらおしまいなので、しっかり決めるところで決めて勝ちにいきたいと思います。
――次戦への意気込み
開幕戦でも勝てるようにしっかり調整していきたいと思います。