関東大学女子リーグ戦(関カレ)開幕4連勝と絶好調のワセダはこの日、関東女子リーグ戦第11節に悔しい敗北を喫した筑波大とのリベンジマッチに臨んだ。MF権野貴子(スポ4=宮城・常盤木学園)のヘッドで先制点を挙げ、前半を1-0で折り返す。後半もワセダらしいポゼッションサッカーでゲームを支配し、DF大島茉莉花(スポ4=鹿児島・神村学園)のゴールなどで3点の追加点をあげる。その後も安定した守備を見せ、見事筑波大にリベンジを果たし開幕から5連勝とした。
素早い飛び出しから後半早々に追加点を挙げた大島茉
2-0で勝利したものの前後半の立ち上がりに課題を残した前節。打って変わり今節は立ち上がりから積極的にプレスをかけにいく。1分、権野の強烈なミドルがこの日最初のシュートとなる。その後も相手にボールを触らせない勢いでボールポゼッションを高めていき、8分に先制点が生まれる。FW川原奈央(スポ2=兵庫・日ノ本学園)がボールを奪い素早い攻め上がりを見せると、正確なクロスに頭で合わせたのはエース権野。関カレ4得点目をマークした。その後も3バックと守備意識の高いMF高須咲帆(スポ4=福井工大付福井)を中心に安定した守備を見せ、相手に攻撃を許さないまま1-0で前半を折り返す。
後半立ち上がりの46分、相手の隙を突いたワセダに追加点が生まれる。MF正野可菜子(社3=兵庫・日ノ本学園)の放ったシュートがキーパーにブロックされたところに、詰めていた大島茉が冷静に流し込む。その後も高いポゼッションと豊富な運動量で圧倒。66分にはDF松原有沙(スポ1=大阪・大商学園)が相手陣でボールを奪うとそのままドリブルで突破、GKと1対1の状況から落ち着いてゴールを奪う。その後もDF陣を中心に安定した守備を見せ、抜かれる場面をほとんど迎えずに試合のペースを握り続ける。試合終了間際の86分には川原のダメ押しのゴールで4点目。ゴール前角度のない位置から放たれたシュートは、そのままラインを割る。終始ゲームを有利に進めたエンジイレブンが4-0の快勝で筑波大相手に屈辱を晴らした。
中盤から相手の隙を突きシュートを決めた松原
「試合の長い時間をゴールに向かうかたちでプレーできた」とDF奥川千沙(スポ1=静岡・藤枝純心)が言うように、終始ゲームを支配して相手を圧倒するワセダらしいサッカーが見られた。「ここまで5連勝しているので、このまま全勝したい」(松原)。ワセダたちが狙うものは『関カレ全勝優勝』、ただひとつである。
(記事 橘高安津子、写真 栗田麻里奈、新庄佳恵)
スターティングメンバ―
関東大学女子リーグ戦第5節 | ||||
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早大 | 4 | 1-0 3-0 |
0 | 筑波大 |
【得点者】(早)9権野、46大島茉、65松原、84川原 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 前所属 | 学部学年 |
GK | 1 | 三田一紗代 | 京都精華女子 | 社4 |
DF | 3 | 大島茉莉花 | 鹿児島・神村学園 | スポ4 |
FW | →76分 | 一原梓 | 宮城・常盤木学園 | スポ4 |
DF | ◎4 | 小野田莉子 | 宮城・常盤木学園 | スポ4 |
DF | 5 | 松原有沙 | 大阪・大商学園 | スポ1 |
DF | 12 | 大島瑞稀 | 宮城・常盤木学園 | 社3 |
MF | →45分 | 中井仁美 | 兵庫・日ノ本学園 | スポ1 |
DF | 23 | 奥川千沙 | 静岡・藤枝順心 | スポ1 |
MF | 6 | 松川智 | 大阪桐蔭 | スポ3 |
MF | 10 | 正野可菜子 | 兵庫・日ノ本学園 | 社3 |
MF | 15 | 高須咲帆 | 福井工大附属福井 | スポ4 |
DF | →45分 | 堀川玲奈 | ジュブリーレ鹿児島 | スポ4 |
MF | 8 | 権野貴子 | 宮城・常盤木学園 | スポ4 |
FW | →82分 | 平國瑞希 | 宮城・常盤木学園 | スポ1 |
FW | 11 | 川原奈央 | 兵庫・日ノ本学園 | スポ2 |
◎はゲームキャプテン 監督は福島廣樹(昭45教卒) |
コメント
MF権野貴子(スポ4=宮城・常盤木学園)
——きょうの試合を振り返ってみていかがですか
前節(○4-0東国大)であったり、立ち上がりが悪いということが課題として挙がっていたので、前からのプレスで得点を取ろうということを意識して臨みました。
——きょうは前半後半ともに立ち上がりがとても良かったと思いますが、具体的にどのように修正していったのでしょうか
全員の意識であったり、前からファーストやセカンドのハイプレスで相手のミスを誘うということを意識していました。
——きょうは権野選手が最初の先制点を奪いましたが、その場面を振り返っていかがでしょうか
立ち上がりにシュートの意識があったことが得点につながったと思うのですが、終盤になってくるとだんだん意識が薄れてきてしまったのでそこは改善しなければならないと思います。
——前回のリーグ戦で負けてしまっている(●0-1)筑波大との対戦でしたがどのような意気込みで臨みましたか
チーム皆で前回の試合を覆せるように必ず勝とうと話し合っていたので、そのような気持ちで臨みました。
——次は尚美学園大との対戦ですが意気込みをお願いします
前回は立ち上がりが良かったので、今後も継続していくこともそうですし、また早い段階で得点が取れるようにしていきたいです。自分自身も得点することや、点に絡むことを意識して必ず勝ちたいと思います。
DF大島茉莉花(スポ4=鹿児島・神村学園)
――開幕5連勝となりました。試合を振り返ってみて
前半は守備ラインの位置が全体的に低すぎて押し込まれている部分もありましたが、後半は改善できて前半以上に点が取れたので良かったかなと思います。
――今節の相手は、関東女子リーグ戦(関東リーグ)後期(●0-1)に終了間際の失点で敗北した筑波大でした
(前回戦った時は)自分たちが点を取れず相手のカウンターにやられていたというのもあったので、カウンターに対する守備というのは意識していました。今回はちゃんと点が取れたので良かったです。
――筑波大は長身の選手が多く、またプレスも速い印象がありましたが
プレスが速くて結構前から守備もきていたので、自分たちの判断が遅いときは相手に奪われて危なくなる場面もありました。
――前節(○4-0東国大)課題になっていた立ち上がりも、今節では前半後半ともに早い時間帯に点を奪えました
立ち上がりはもうずっと課題に上がっているので今節意識して入れた部分は良かったんですけど、立ち上がりが良くてもその後悪い流れをつくってしまう時間帯があったので、そういう時間を改善していかなくてはいけないなと思いました。
――前半はワセダが試合を支配しながら1得点に終わってしまった原因は
相手のDFラインが4枚上がっていて、また自分たちが裏を狙っているというのも結構分かりやすく、2列目がもっと上がっていれば抜けやすかったんですけど、その抜け出しも少なくなってしまいました。ラインが低い分そこの押し上げができなかったのが(追加点を上げられなかった)原因かなと思います。
――追加点は後半開始45秒でのご自身のゴールでした
オフサイド気味でしたが、詰められていたので良かったのかなという感じですね。
――今節の4―0で筑波大への雪辱は果たせたのではないでしょうか
前回の対戦(関東女子リーグ戦第11節、●0-1筑波大)では負けてしまったので今節勝てたのは良かったんですけど、まだまだ試合の中で課題はあるのでそれを改善していかなくてはならないかなと思います。
――今節見えた課題とは
前半に相手のカウンターを気にしすぎて守備ラインが低くなってしまったことで、いつもラインが低くなると流れが悪くなってしまうので、そこを改善していかなければならないと思います。
――次節は今季初の対戦となる尚美学園大学戦です
相手がどんな感じかまだ分からないんですけど、自分たちのサッカーをしてしっかり勝ち切りたいと思います。
MF松川智(スポ3=大阪桐蔭)
――4-0で勝利という結果でしたが
関東リーグ(関東女子リーグ戦)のときは0-1で負けてしまったので、この関カレ(関東大学女子リーグ戦)では絶対勝とうという意識でチーム一丸となって戦いました。前半も後半も無失点で抑えることができたので満足はしていますが、危ないシーンの改善をもっとしていかなければと思います。4得点も取れたことは良かったのですが、(ボランチとして)パスを出す際にもう少し周りの動きを考えていれば、より良い形で点を取ることができたのかなと思いました。
――前半はミドルシュートを何度も放つなど、積極的に攻撃に参加していましたが
やはり(シュートを打てば)相手GKも弾く可能性がありますし、シュートを打たないとゴールにはならないので、遠くからでもシュートを打ってチームに攻撃の流れを、という意識でいました。
――後半にはフォーメーションが変わり、DF松原有沙(スポ1=大阪・大商学園)とのダブルボランチで相手のパスコースを消すなどうまく機能していたようでしたが
相手の18番、22番の足が速いと聞いていて、そこをしっかり抑えないといけないと思っていたので、ボランチでパスコースを制限してから連携してディフェンスをやっていこうとDF陣とは話していました。
――プレースキッカーとしてCKを蹴る場面がよくあると思いますが
中に入る人たちは味方も相手も背の高い人が多くいるので、ただ上げるのではなくて相手がいなくて空いているスペースを狙って、あとは走り込んできて触ってもらうだけというボールを蹴ろうと思っていつもやっています。
――次節で対戦する尚美学園は今季まだ対戦していない相手です。意気込みをお願いします。
自分たちのサッカーをしなければ勝てない相手だと感じています。そのためにきょうの試合での課題を話し合って改善しつつ、3日後の試合に向けて各自がコンディションを整えていきたいと思います。
DF松原有沙(スポ1=大阪・大商学園)
——きょうの相手は前回悔しい敗戦を喫した(●0-1)筑波大でしたが
前回負けてしまった相手なので、全員でリベンジしようと思って強い気持ちで挑みました。
——前半は最終ラインでのプレーでしたが守備に関しての印象はいかがですか
相手のロングボールに対して少し曖昧(あいまい)なところがあったので、そこはディフェンスラインで改善しないといけないんですけど、しっかり無失点で守り切れたのはよかったと思います。
——DF奥川千沙(スポ1=静岡・藤枝順心)選手と盛んにポジションチェンジを行っていましたが
流れの中で、キーパーがボールを持ったときに自分がサイドにいったりしたんですけど、そこまで意識はしていなかったです。
——後半はボランチでのプレーでしたが手応えはありましたか
監督(福島廣樹監督、昭45教卒=東京・獨協学園)からはシュートを打つように言われていて、シュート数は少なかったんですけど1点決めることができたのは良かったと思います。
——その得点シーンを振り返っていかがですか
ここで決めたらチームとしても楽になると思ったので、絶対に決めようという気持ちでシュートを打って、結果的に入って良かったです。
——次節に向けて意気込みをお願いします
開幕からここまで5連勝できているので、このまま全勝で優勝してインカレ(全日本大学選手権)に行けたらいいと思います。
DF奥川千沙(スポ1=静岡・藤枝順心)
――きょうの試合結果についてはいかがですか
前回は1―0で負けた相手に今回4―0で勝てたので、その点では良かったと思います。みんなのプレーもすごくアクティブにすることができたので良かったと思います。
――勝因は何だとお考えですか
一人一人のミスが少なかったことと、全部ではないですがやりたいこともやれたことが勝因かなと思います。
――前節(○4-0東国大)と比べてみていかがですが
本当にミスが少なくて、パスミスだったり自分たちから失うこともあまりなく、試合の長い時間をゴールに向かうようなかたちでプレーできていて、良かったと思います。
――筑波大相手でしたが、どのような試合展開をしようと考えていましたか
FWの選手が強いという情報があったのでディフェンスとしてはその2人を抑えるということと、攻撃は自分たちのやりたいようにタッチ数を少なくだったり、いろいろとできるように考えていました。
――ディフェンスのときに奥川選手はセンターよりに位置しているように感じたのですが、いかがですか
カバーを深めに多くという感じで、もともとそれが前回はできていなくて抜かれてしまったので、守備から見直してやった結果がこうなりました。
――次節に向けての意気込みを最後にお願いします
第1(○3-2国士舘大),3節(○4-1神奈川大)で失点はしていまっていますが、次の試合も無失点でしっかりと守備をしてそこからいい攻撃につなげられるように頑張りたいです。