ことしで第3回となる早関定期戦が行われた。気温35度に達する猛暑の中、ワセダはMF権野貴子(スポ4=宮城・常盤木学園)の7得点を筆頭に16-1で大勝。体力、技術ともに関学大を上回った。
自身7得点を挙げた権野
立ち上がり早々、スルーパスに抜け出したFW川原奈央(スポ2=兵庫・日ノ本学園)が落ち着いて決め先制点を挙げる。その後もワセダペースは続き、前半終了間際の44分、MF正野可菜子(社3=兵庫・日ノ本学園)が相手GKとの一対一を落ち着いて決め、チームに5点目を演出。しかし前半アディショナルタイム、中央からコンパクトに崩され簡単に失点を許してしまう。「全体としてその時間帯は集中力が途切れていた」(DF小野田莉子主将、スポ4=宮城・常盤木学園)と、早関定期戦史上初となる失点を厳しく振り返った。
後半もワセダはさらに勢いを増す。52分、MF高木ひかり(スポ3=静岡・常葉学園橘)のパスに抜け出したDF大島茉莉花(スポ4=鹿児島・神村学園)の今季初ゴールで7点目。その後も途中出場の1年生FW平國瑞希(スポ1=宮城・常盤木学園)が立て続けに2ゴール。しかし、これで満足しないのがワセダである。権野がわずか7分の間に4連続得点を挙げるなど、驚異の決定力を見せ続ける。「相手が裏への対応が弱いということは分かっていた」(小野田主将)と、冷静に相手を分析し得点を積み重ねていく。終わってみれば大量16得点の圧勝で定期戦は幕を閉じた。
試合終了間際に初ゴールを決めた国分
攻撃的なフォーメーションで大差をつけ勝利したが、その分攻守の切り替えが遅くなり攻め込まれる状況も。最終ラインから中盤へのフィードでインターセプトされる場面もあり、今後に向けて課題も見つかった。「暑いので人が動くよりもボールをもっと動かしてプレーできたら」(DF国分真帆、教4=東京・十文字学園)と、これからはさらに暑さに適応した戦い方も重要になってくる。11日からは合宿が福島で行われるが、きょうの内容もふまえ調整を行い、関東大学リーグ開幕戦に備えたいところである。
(記事 難波亮誠、写真 高柳龍太郎)
スターティングイレブン
集合写真
第3回早関定期戦 | ||||
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早大 | 16 | 5-1 11-0 |
1 | 関学大 |
【得点者】(早)5、22川原、10、51、63、64、66、68、71権野、34、45正野、55大島茉、56平國、76一原、84山本、89国分 (関)45 |
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 前所属 | 学部学年 |
GK | 1 | 三田一紗代 | 京都精華女子 | 社4 |
DF | ◎4 | 小野田莉子 | 宮城・常盤木学園 | スポ4 |
DF | 23 | 奥川千沙 | 静岡・藤枝順心 | スポ1 |
DF | 17 | 堀川玲奈 | ジュブリーレ鹿児島 | 社4 |
MF | 15 | 高須咲帆 | 福井工大附属福井 | スポ4 |
MF | 7 | 高木ひかり | 静岡・常葉学園橘 | スポ3 | MF | →58分 | 山本摩也 | スフィーダ世田谷 | スポ3 |
DF | 3 | 大島茉莉花 | 鹿児島・神村学園 | スポ4 |
MF | 10 | 正野可菜子 | 兵庫・日ノ本学園 | 社3 |
DF | →45分 | 国分真帆 | 東京・十文字学園 | 教4 |
FW | 14 | 一原梓 | 宮城・常盤木学園 | スポ4 |
MF | 8 | 権野貴子 | 宮城・常盤木学園 | スポ4 |
MF | →74分 | 中井仁美 | 兵庫・日ノ本学園 | スポ1 |
FW | 11 | 川原奈央 | 兵庫・日ノ本学園 | スポ2 |
FW | →45分 | 平國瑞希 | 宮城・常盤木学園 | スポ1 |
◎はゲームキャプテン 監督は福島廣樹(昭45教卒) |
コメント
DF小野田莉子主将(スポ4=宮城・常盤木学園)
――ことしも大量得点での勝利となりました
でも前半は多くのチャンスは作りながらも点が奪えなかったり、相手のレベルに合わせてパスミスが増えてしまってなかなかリズムを作れなかったり、いい試合かと言われたらそうではないかもしれないんですけど、結果として後半に大量得点できたのは良かったかなと思います。
――立ち上がりに2得点を奪った後になかなかパスがつながらない場面がありました
いつもだったらシンプルに空いている味方を使っていた場面で、パスで一発抜けられるからといって強引に縦にパスを出してしまったり、取られないだろうと思ってしまって長くボールを持ってしまったりして、なかなかテンポをつかめなかったのかなと思います。
――その後は3点を加えた中で、前半終了間際に失点してしまいました
自分として最後までしっかりマークでついていかなければならないというのと、全体としてその時間帯は集中力が途切れていて、中盤でのプレスが弱くなり相手にフリーにさせてしまいました。こういう暑い中でも、もう少し気持ちを切らさずやっていかなければならないと思いました。
――前半を5-1で終えた中でハーフタイムに話した修正点は
タッチ数が多い部分であったり、もっと人を使って展開していこうということであったり、こういった暑い中でも動くところはしっかり動くということや、開くときのスピードをもっと速くするとか、もっとこだわってやっていこうという話はしました。
――後半には怒とうのゴールラッシュとなりました
相手が裏への対応が弱いということは分かっていたので、一発で取って権野(MF権野貴子、スポ4=宮城・常盤木学園)だったりが決めてくれたので、大量得点につながったのかなと思います。
――試合全体を通して守備面の評価は
DF3枚がというよりは全体的に攻守の切り替えが遅くなってしまっていたり、中盤で取り切れるところで取り切れなかったりということがあったので、そういう部分は全体でもっと鼓舞して厳しくいけたらと思いました。
――11日からの合宿に向けて、チームとして、また個人として強化していきたい点は
チームとしてはこれから本当に大事な試合が続いていくので、共通理解を深めるというところです。チームとしてどういう戦いをしていくということを合宿を通じてもっと深めていきたいと思いますし、あとはこれからもっと厳しい試合を戦うためのフィジカルを鍛えていくというのが目標です。
MF権野貴子(スポ4=宮城・常盤木学園)
――6得点という結果でしたが、今日の試合を振り返っていかがですか
前半は自分自身でボールを持って攻撃につなげていく状況が多かったのですが、後半は相手のラインが高かったということもあり、積極的に抜け出してゴールを狙いに行きました。
――シーズン初めに比べて、ここ最近調子を上げてきていると思うのですが、ご自身で実感はしていますか
試合によってまだ波があったりするので、FWとして(出るときは)最後まで決め切ることを意識してもっと精度上げていきたいと思います。
――普段のMFではなくFWとして起用されていますが、監督からこういうプレーをして欲しいなど、言われたことはありますか
ここ最近ずっとFWで出場していて、相手の裏を狙うプレーをしろと言われました。
――この後合宿がありますが、目標を教えてください
もう一度フィジカルを向上させるための合宿でもあると思いますし、個人としては最後のフィニッシュの精度を上げれるように取り組んでいきたいと思います。
FW一原梓(スポ4=宮城・常盤木学園)
――きょうの試合を振り返っていかかでしたか
前半はちょっと裏へ抜け出す動きが少なくて、切り替えがすごく遅かったなという印象があります。
――大量得点となりましたが、攻撃面でチームが意識していたことはあったのでしょうか
ハーフタイムに入って、裏への抜け出しと、ボランチとトップ下の動きをしっかりしようと話し合いました。
――きょうは自身のサイドからの攻撃も多かったと思いますが、自分で意識していたことはありましたか
仕掛ける意識は持とうと思っていたのですが、表現できていなかったと思います。自分の方のサイドを上がってきたときに、もう少しサイドをえぐるというのはもっとしたかったです。縦の仕掛けですね。
――この後すぐ行われる合宿ではどんな点を意識していきたいのでしょうか
やはりフィジカルの強化と、戦術面で全員の共通理解を深めていければと思います。
――今シーズンは戦術もだいぶ変わったと思いますが、理解度についてはどうでしょうか
普通に上がってきているとは思うんですが、誰が出ても、というのを考えるとちょっと欠けてきてしまう部分はあるので、そこは誰が出ても(大丈夫)にしていきたいです。
――やはりチーム内の競争を感じることはありますか
練習でゲームなどになるとアピールポイントになるので、そこはやはり一人一人意識を高めてやっていけているかなとは思います。
――いまの自分のアピールポイントを挙げるなら
ボールを持てるところですかね。キープしてそこからの展開ですね。
DF国分真帆(教4=東京・十文字学園)
――今季初出場の意気込みは
ワセダに結構点も入っていたので、自分も点を決めたいと思い臨みました。
――出場する際、監督からどんなアドバイスをもらいましたか
特に意識せずいつも通りのプレーをすれば大丈夫だと言われました。
――前半をベンチから見ていて思ったこと
一人がボールを持つ時間が多く、暑いので人が動くよりもボールをもっと動かしてプレーできたらいいなと考えていました。
――初ゴールを振り返って
良いボールが自分の目の前に来たので決めることが出来ました。その前は何回か外していたので絶対にこのボールを決めなきゃなという思いでした。
――合宿の練習内容について
メインとしては基礎体力作りと、チーム戦術の強化です。長い時間共に過ごすので、共通理解などを深めていけたらいいと思います。
FW平國瑞希(スポ1=宮城・常盤木学園)
――きょうの試合を振り返って
前半5点入って、後半自分が出場した時にその流れを止めずに試合に入ろうと思っていました。
――かなりの猛暑でした
そうですね。後半から出るということで自分はフレッシュなので、みんなよりも動いてチャンスをつくっていこうと思ってました。
――前半からペースを握りましたがベンチから見ていて感じた点などはありますか
危ないシーンも何回かあったので、後半は前からプレッシャーを掛けていってマイボールの時間を長くしようと心掛けてました。
――途中出場でしたがご自身のプレーはいかがでしたか
いつも後ろに下げちゃうところを、きょうは前に運んで貪欲(どんよく)にゴールを奪いにいこうと思ってました。
――ドリブルなど個人技で崩すシーンが多かったですが、自信のプレーは何点くらいでしたか
60点くらいですかね。決め切る部分で外してしまったので、まだまだです。
――相手のカウンターのチャンスに対してのチームとしての守備の方はいかがですか
チームでディフェンスする際にうまくハマった時は奪い切れるんですけど、FWが前にプレッシャーを掛け切れなかった時にカウンターをくらってたので、そこを意識しました。
――これから合宿が行われますがそこへの意気込みは
合宿ではとにかくフィジカルを鍛えて、一対一でも外さない得点力を身につけたいです。
――今後に向けての意気込みをお願いします
自分はFWなのでとにかく得点に絡んでいけるような選手になれるよう、もっと努力していきたいです。