後期リーグ戦開幕、幸先よく白星発進！

　関東女子リーグ戦（関東リーグ）後期がついに開幕。対戦相手は前期５－０で下した東京国際大。序盤から落ち着いた試合を展開し、開始２０分で先制点を決めることに成功。リードして迎えた後半、後方からのロングフィードで相手の裏を狙って攻撃を仕掛ける。しかし大雨による劣悪なピッチコンディションでのプレーを余儀なくされ、思うようにボールを足元に収められない。そこから互いに攻め手を欠く時間が続き、そのまま試合は終了。１点を守り切ったワセダに軍配が上がった。

　最初にチャンスをつかんだのは前半開始６分。ＭＦ権野貴子（スポ４＝宮城・常盤木学園）が放ったグラウンダーのシュートを相手キーパーがはじくと、ＭＦ山本摩也（スポ３＝スフィーダ世田谷）が押し込みにかかる。しかし枠を大きく外れ得点とはならなかった。その後も軽快なパス回しを見せるが、なかなか前線につなぐことができず攻めあぐねる。しかし迎えた２０分、決定機が訪れる。ＤＦ大島瑞稀（社３＝宮城・常盤木学園）がクロスを上げると、ＦＷ一原梓（スポ４＝宮城・常盤木学園）うまく合わせた。「絶対に決めなくてはと思っていた」と一原。難しいバウンドのボールだったが、軸足をしっかり踏み込み左足を振り抜くと、その強烈なシュートはネットを大きく揺らした。これに勢いづいたワセダは攻めの姿勢をより強めたが、２点目を奪うことはできずに前半を終える。

先制点を決めた一原

　後半に入り雨脚はさらに強まるが、選手たちの集中力が切れることはなかった。５３分、ＦＷ川原奈央（スポ２＝兵庫・日ノ本学園）がドリブルで抜け出しゴール前で権野にパスを送る。しかし、惜しくもシュートはゴールポストに阻まれ追加点とはならなかった。６６分にはＤＦ小野田莉子主将（スポ４＝宮城・常盤木学園）の豪快なＦＫがクロスバーを強襲。その直後にはＭＦ正野可菜子（社３＝兵庫・日ノ本学園）が味方のシュートのこぼれ球に素早く反応し飛び込むなど得点の匂いを感じさせるが、点数に結び付けることができない。それでも守備で意地を見せ、東京国際大の攻撃を最後まで完璧に封じる。得点こそ伸びなかったものの失点を抑えて、見事後期リーグ開幕戦を勝利で飾った。

復帰戦となった川原

　この試合は雨の影響で実力を発揮することはできなかったが、選手たちの関東リーグ後半戦に懸ける思いを前面に押し出したプレーが見られた。小野田は後期の目標について「内容としても圧倒して全勝を挙げたい」と気合十分。前期に比べてさらに厳しい目標を掲げ、それを達成するためにまい進を続ける。前期首位のワセダに油断はない。並み居る強豪を相手に、エンジの真価を見せつけてほしい。

（記事、佐藤凌輔　写真、芦川葉子）

コメント

ＤＦ小野田莉子主将（スポ４＝宮城・常磐木学園）

——前半の１点を守り切り勝利を挙げられました

雨がすごく強かったので、いつも通りのサッカーというよりは雨に対応したサッカーというかたちになってしまったんですけど、その中でも勝ち切れたのが良かったと思っています。

—関東女子リーグ戦（関東リーグ）の２週間の中断期間中はどのような練習を

まず１週目は梅雨だったので満足のいく練習はできていないんですけど、その中でフィジカルの強化をやったり戦術面でいろんなことを試したりしました。

——悪天候でその成果をなかなか出しづらい試合になったかと思います

前半も細かいつなぎやバックパスをなくしたサッカーをしようと言っていて、２週間やってきたということが出せたということはあんまりなかったですね。きょうは本当に雨対応の試合になってしまいました。

——前期は５－０で勝利した東京国際大との再戦になりました

守備をやっていて怖いなと思ったシーンは特に無かったです。相手の１８番に気を取られているうちに４４番が出てくるということにだけ気を付けていればいいかなと思っていたので。

——立ち上がりからワセダらしさを出せていた中での先制点でした

結構難しい位置からのシュートだったと思うんですけど、一原（ＦＷ一原梓、スポ４＝宮城・常盤木学園）が決めてくれたので。まさか後半こんなに雨が降るとは思っていなかったので、前半に１点決めていて良かったなと思いました。

——守備面については

こういうボールが伸びやすいピッチだったので、ディフェンスとしてはもう少し人に寄せたり潰す守備というのをできれば良かったかなと思います。

——後半はピッチ状況が悪化した中で、どのように追加点を奪いにいきましたか

とりあえず意識したのは、できるだけ相手陣地に入って、こっちにとって高い位置でプレーをしたいっていうのがありました。強引にでもいいので、高い位置にボールを蹴り出して前からプレスを掛けようというのがありました。ワセダらしく強いプレーができたから優位に試合を進めることができたんじゃないかなと思います。

——今後続いていく関東リーグ後期に向けて、目標をお願いします

前期は日テレ・メニーナに負けてしまって関東学園大に引き分けてしまって、ぎりぎりの中での１位だったので、後期は内容としても圧倒して全勝を挙げたいです。あと前期は失点が多かったので、極力抑えていきたいです。

ＦＷ一原梓（スポ４＝宮城・常盤木学園）

――きょうの調子はいかがでしたか

いつもよりは良かったと思います。

――この試合はどういった意気込みで臨みましたか

とりあえず１点は決めようと思って臨みました。

――自身がゴールを決めた場面については

絶対に決めなくてはと思っていたので、決めることができて本当によかったです。

――試合を振り返って

雨が強く降る中、集中力を切らさず全体的に雰囲気も良く試合を進めることができたかなと思います。

――やはりこの悪天候の影響はありましたか

そうですね。もう少し前半で得点をとっておけばもっと余裕を持ってできたのではないかと思います。

――雨ということでプレーする上で、気を付けたことは

やはり変にパスをつなぐのは避けようと。バックパスは無しで前に蹴って、あとはＦＷの距離感を２人で縮めてうまいこと攻められればなと思ってました。

――後期リーグを迎えるまでの約２週間、どんなことに重点を置いて練習をしてきましたか

個人的な話をすれば、運動量を増やしたかったので自主的にフィジカルトレーニングを組んでもらってやっていました。

――１－０という結果については

雨の影響は大きかったんですけど、もっと点がとれたんじゃないかなという印象です。後半雨の中でも決められるチャンスはあったと思うので、そこは今後の課題かなと思います。

――最後に後期のチームの目標と個人の目標をお願いします

後期はやはり全勝優勝で関東女子リーグ戦を優勝すること、個人では１試合１得点は絶対に取れるように頑張りたいと思います。

ＦＷ川原奈央（スポ２＝兵庫・日ノ本学園）

——復帰戦となりましたが、ご自身の調子はいかがでしたか

もっといい天気の中で試合できるのが一番だったんですけど、この天気悪い中で前線でしっかり収めることを意識して、チームの勝利に貢献できたらいいなと思って入りました。

——ケガで離脱されていましたが、チームにはいつ頃から復帰されましたか

ここ１週間くらい、本当に最近です。最初はチームの戦術理解ができなかったのですが、徐々に上げていけたらと思います。

——東京国際大は前期にも戦った相手ですが、今節戦ってみて印象の違いは

前期戦った時はブロック気味でこちらはなかなかうまく攻撃できなかったんですけど、今節は結構前からガンガンプレスきていたので、前よりはやりやすくなったかなという印象です。

——立ち上がりから強みを出せていき先制点を奪いましたが、前半の攻撃に関して

悪くもなかったし良くもなかったんですけど、でも前線からハイプレッシャーでいってしっかり前線の選手が収められていたので良かったと思います。

——守備に関して

ボールを取り切れるところで相手に前を向かせてしまったので、もっと厳しくいってゴールまでつなげていきたいと思います。

——後半は足場が悪くなかなか試合ができない中で、

天気が悪い中での戦い方ということで、シンプルに蹴ってそれを狙って、何回かチャンスはつくれていました。

——裏への抜け出しは意識していましたか

得点につなげられたら良かったんですけど、次頑張ります。

——試合を通しては前半の１点を守り切っての勝利となりました

あずさん（ＦＷ一原梓、スポ４＝宮城・常盤木学園）が前半決めてくれてなかったら結構厳しい状況になっていたと思うので、早い段階で先制点を取れたことがチームのモチベーションを上げてくれて勝利できたと思います。

——関東リーグ後期に向けて意気込みをお願いします

チームとしては、前期負けと引き分けがあったので、全勝したいです。個人としては少しでもこの大会で自分の成長につなげられたらいいなと思います。