関東女子リーグ戦前期 展望

ア式蹴球女子

 新たなシーズンがやって来た。全日本大学選手権(インカレ)での屈辱から4カ月――、今季最初の舞台は関東女子リーグ戦(関東リーグ)。早大が現在5連覇している。関東1部に所属する8チームで、前期と後期の2回ずつ戦うリーグ戦だ。7カ月と長きに渡って行われるため、チームの真価が最も問われる戦いであると言えよう。

守備に加え好機にも絡む小野田主将

 2014年の早大は一味違う。勇退された長岡義一前監督(昭43商卒)を継ぎ、ことしから指揮をとるのは福島廣樹監督(昭45教卒)である。昨季の主力が多く抜けた中で、これまでの伝統の継承に加え、チームの革新が求められる。新たなコーチ陣と共に「新しいチームを育てなければ」と述べた。チームを率いるのはDF小野田莉子主将(スポ4=宮城・常盤木学園)。169cmの長身を生かし、大きなストライドから攻撃に迫力を持たせるプレイヤーである。『結束~共に頂点へ~』をスローガンに掲げ、「チーム一丸となり、結果への執着心を持って戦っていきたい」と語った。早大の強みは団結力だけではない。確かなセービングの技術を持ったGK三田一紗代副将(社4=京都精華女子)、アシストだけでなく正確なキックから得点を量産する攻撃的MF権野貴子(スポ4=宮城・常盤木学園)など、個の力でも光る選手がそろっている。関東リーグでは新チームの仕上がりが楽しみだ。

 対するは関東1部に所属する強豪7チームである。今季2部から昇格してきたのが、創部3年目にして昨季インカレ初出場・四強入りを果たした東京国際大、そして関東U-18女子サッカーリーグで2位に輝いた名門・ジェフ千葉レディースユースU-18(ジェフ千葉レディースユース)。まずは第1節、第2節と、昇格2チームとの開幕連戦をきっちり勝ち抜くことが、早大を勢いづける起爆剤となるはずだ。そして注目すべきは、先日行われたFIFA U-17女子ワールドカップ2014(U-17W杯)でスペインを下し、見事優勝に導いた新進気鋭の世代である。中でも要注意なのが、決勝の舞台で堂々先発を果たし勝利に貢献したGK松本真未子、DF遠藤優、MF長野風花ら3選手を擁する浦和レッズレディースユース。昨季も関東リーグ2位と上位をキープし、今季最も早大を脅かす存在となることが予想される。また、関東リーグ3位の日テレ・メニーナにも、同じくU-17W杯決勝で先発出場したMF宮川麻都が所属している。

力強いキックも特長の三田副将

 強豪ぞろいの関東リーグでは、5連覇中とはいえ気の抜くことのできない戦いが予想される。まずは前期を終えた時点でしっかり首位に立つことが課題となるだろう。『インカレ奪還』という最大の目標に向け、雪辱に燃える早大が旋風を巻き起こす。

(記事 芦川葉子、写真 巌千咲)