2位相手に快勝で首位キープ!

ア式蹴球女子

 関東女子リーグ第12節終了時点で首位につけるワセダ。しかし後期に入ってから1勝3分と勝ち切れない試合が続いている。そんな中迎える今節の相手は、勝ち点差2で2位につける浦和レッズレディースユース。負ければ首位陥落となる状況であったが、立ち上がりから点を奪い、その後も終始ワセダペースで試合は進む。FW瀬口七海(スポ3=兵庫・日ノ本学園)の2ゴールやMF川原奈央(スポ1=兵庫・日ノ本学園)のゴールなど、ユニバーシアード組の活躍も光り、4―0で大勝し、首位をしっかりキープした。

2ゴールの活躍を見せたエース瀬口

 リーグ優勝のためにも負けられない試合は立ち上がりから動く。1分、右サイドから崩すと、川原のスルーパスに抜け出た瀬口が右足でゴールに流し込み、先制。ユニバーシアードから帰ってきた二人の連係で幸先良くリードを奪う。このゴールで流れをつかんだワセダは小気味の良いパス回しで相手を圧倒する。そして19分には左サイドに抜けたDF大島茉莉花(スポ3=鹿児島・神村学園)からのグラウンダーのクロスがファーサイドに流れたところを川原がシュート。これがゴールネットを揺らし、さらにリードを広げる。その後も相手にチャンスを与えることなく、2―0のまま前半を終えた。

 後半もワセダペースは変わらない。57分、ゴール正面でDF石田みなみ(スポ4=静岡・常葉学園橘)がボールを奪うとそのまま個人技で相手DFを突破し、最後は豪快に右足を振り抜きゴール。さらに58分、左サイドでボールを受けたMF高木ひかり(スポ2=静岡・常葉学園橘)のスルーパスに瀬口が抜け出すと、キーパーとの1対1を冷静に左足でシュートし、追加点を奪う。4―0と磐石な戦いを見せるワセダは、後方からの組み立てや裏へのスルーパスなどパスワークで相手ゴールに迫る場面を何度もつくる。しかし終盤には疲れからか足が止まり、相手にボールをキープされる時間や裏に抜け出され決定的なシーンをつくられることも。それでも無失点に抑え、4―0と2位の浦和レッズレディースユース相手に快勝した。

サイドハーフでの先発となった福沢

 瀬口、高木、川原のユニバーシアード組がチームに戻ったこともあり、「自分たちでボールを回しながらゴールを目指すことができて点差も広げられた。比較的良い出来だった」と瀬口が語るように強いワセダを見せつける試合となった。この勝利で首位をキープし、優勝に向けて大きく前進。ここで関東女子リーグ戦はしばらく中断期間となる。次なる戦いは1ヶ月後に開幕する関東女子大学リーグ戦。最終目標である大学日本一に向け、負けられない戦いが始まる。

(記事 下村龍史、写真 芦川葉子)

関東女子リーグ戦
早大 2-0
2-0
浦和レッズレディースユース
【得点者】(早)1・58瀬口 19川原 57石田
★ユニバーシアード日本女子代表は5位に終わる

ロシア・カザンで行われたユニバーシアード大会。ワセダから瀬口、高木、川原の3選手がメンバー入りした日本女子代表は、初戦エストニアに7―0で大勝し好スタートを切る。日本・イギリス・ブラジルの3チームの勝ち点が並ぶ大混戦となったグループCであったが、得失点差で首位で予選グループを突破し、決勝トーナメントへと駒を進める。準々決勝では南アフリカと対戦し、3―3の同点で勝負はPK戦へ。4―5で惜しくも敗退し、悲願の優勝の夢は途絶えてしまった。気持ちを切り替え臨んだ5~8位の順位決定戦では、韓国を下し、最終戦のアイルランド戦で瀬口が2ゴールを決める活躍を見せ、4―0で勝利。日本は前回大会よりも順位を下げ、5位でユニバーシアード大会を終えた。

<予選グループC>
第1戦 ○日本7―0エストニア
第2戦 ○日本2―1イギリス
第3戦 ●日本0―1ブラジル

<決勝トーナメント>
準々決勝 ●日本3―3(PK4―5)南アフリカ
順位決定戦 ○日本2―1韓国
5位決定戦 ○日本4―0アイルランド
※最終順位=5位

コメント

DF石田みなみ(スポ4=静岡・常葉学園橘)
――試合を振り返っていかがですか
2位のレッズとは勝ち点が2差だったので、必ず勝たなければいけないというのは試合前に確認していましたし、勝てたことは素直にうれしいです。
――ご自身のゴールを振り返っていかがですか
得点は結構強引に行って、最後に押し込んだっていう感じだったんですけど、今季公式戦で点を決めていなかったので、もっと点に絡むプレーを増やしていきたいと思っていたところだったので、点が取れてよかったです。
――レッズレディースユースの印象を教えてください
レッズはやっぱり足元がうまくて、個人個人の技術が高いという印象をもっていましたが、その通りうまかったですし、10番や途中から入った4番はフィジカルも強いし速くて、ディフェンスラインで気をつけようと話していました。うまく対応できて良かったなと思います。
――ご自身のプレーを振り返って評価は
そこまで良くはなかったんですが、点が取れたのだけ見れば良かったのかもしれないですが、まだまだサイドでボールを奪いきれない部分だったり、パスミスもあるので、1対1の部分で強くならなければといけないですし、前線にもっと効果的なパスを出せるようにしていきたいです。
――関カレまでは1か月空きますが、今後に向けて
やっと教育実習が終わって4年生が全員揃ったり、ユニバーシアードから3人帰ってきて全員揃ったので、チーム全体でトレーニングマッチであったり合宿を通してより一層チーム力を上げて関カレの開幕や関東リーグの残りの試合に向けて頑張っていきたいと思います。

FW瀬口七海(スポ3=兵庫・日ノ本学園)
――首位決戦を見事制しました
押し込まれる時間帯も結構ありましたが、自分たちでボールを回しながらゴールを目指すことができて点差も広げられました。比較的良い出来だったと思います。
――2ゴールを決めて勝利に大きく貢献されましたが、ゴールシーンを振り返って
常にゴールを狙えるポジション取りというものは意識していて、1点目の場面は丁度ボールがこぼれてきてくれて落ち着いて決めることができました。2点目もブー(MF高木ひかり、スポ2=静岡・常葉橘)がDFラインの裏にしっかり良いボールを出してくれたので、左足を振り切るだけでしたね。
――あまりこなすことのない1トップでのプレーとなりましたが、特に意識していたことはありましたか
ユニバでチームを抜けている間に1トップのシステムが採用されていて、自分にとっては今季初めての1トップでのプレーということで、正直やることがあまり整理できていなかったんですけど(笑)。周りからは、守備のときは外に追い込むようにプレスをかけてくれと言われていたので、そこは意識しました。試合前は不安な部分もあったんですけど、皆のサポートもあってそこまで違和感なくプレーできたと思っています。
――話をユニバーシアード大会に移したいと思います。瀬口選手は背番号10番を背負ってロシアの地で戦い、チームは5位という結果に終わりました。収穫や見えた課題を教えてください
やっぱり海外の選手はスピードもあるし、フィジカルも強いなと感じました。日本ではある程度通用していたスピードが、海外では全然通用しなかったので。そういう選手たちに対抗するためにボールを動かしていくサッカーしていくのですが、そこで求められる判断の速さなども足りない面だと思います。自分が目指す基準をもっと高い位置に置いて、日頃からトレーニングをしていかないといけないですね。シュートも全然うまくいかなくて正直苦しい大会でしたけど、最後のアイルランド戦で2得点取れたことで少しは救われたかなと思います。
――リーグ戦もしばらく中断期間へと入りますが、今後の戦いへの抱負をお願いします
1戦1戦より大事な試合がこれからは増えていくので、チームとしても個人としても課題を克服していきながら、試合を重ねるごとに成長していきたいです!

MF高木ひかり(スポ2=静岡・常葉学園橘)
――きょうの試合は相手が2位の浦和レッズレディースユースでしたが、4―0で快勝しました。振り返って
――ボランチで入った意図とはどのようなものだったのでしょうか
特に言われてないのでよく分からないんですけど、パスを散らして攻撃に関われという意図があったんじゃないかなと思います。
――立ち上がりからゴールが生まれ、ワセダペースで試合が進みましたが、いかがでしたか
ここ何節も勝ち切れてなかったので、相手が2位ということもあって勝ち切らなきゃいけないという思いが皆あったと思いますし、その気持ちが試合の最初から表れていたんじゃないかなと思います。
――終盤は相手にペースを持っていかれる場面が目立ちましたが、いかがでしたか
最後の体力の維持だったり、声の掛け合いだったり、連携が取れず、ズレて後追いになってる場面が多くて最後まで持っていかれたと思うので、しっかり最後まで集中して声を掛け合うことが大切なんじゃないかなと思います。
――この勝利で2位と差を付けましたが、いかがですか
連覇を気にしてるというか、連覇をすることが目標なので、1位で最終戦を迎えられるようにこれからも頑張りたいなと思います。
――高木選手はユニバーシアード代表としてロシアに行かれましたが、結果5位でした。ユニバーシアード大会を振り返っていかがでしたか
毎年のように世界の相手と戦ってるんですけど、やっぱりスピードは大人になるにつれて速くなってると思いますし、優勝したイギリスとかグループリーグの相手が強くて、テクニックだったりプレスの速さだったり、日本では感じられないことを経験できたので良かったなと思います。
――これで関東女子リーグ戦は中断し、1ヶ月後に関東大学リーグ戦(関カレ)が開幕します。今後に向けて

FW川原奈央(スポ1=兵庫・日ノ本学園)
――4―0の完全勝利となりました
自分自身しばらくユニバーシアードに行っていたのでチームを離れていましたが、結果と、攻めてはいるけど決定的なチャンスで決めきれないということは聞いていました。今節は決めきるということを意識して試合に挑みました。
――前節は決定力がチームの課題となっていました
そう思いますが、でもチャンスはあったのに決めきれなかった場面もあったので、大きい大会になってきたらそういう部分で勝つか負けるか変わってくると思うので、修正していきたいと思います。
――勝ち点差2で首位のワセダを追う2位・浦和レッズレディースユースとの直接対決を制しました
うれしいの一言です。相手は技術的にも上手いなかで、自分たちがしっかり点を取れたことは良かったと思います。
――1点目のアシストについて
自分が一人抜いて七海さん(FW瀬口七海=兵庫・日ノ本学園)が走っていたので、パスしたら決めてくれると思ったので、特別なことは考えずにただパスしました。
――チームでは2得点目となるご自身のゴールについて
玲央奈さん(MF大宮玲央奈=浦和レッズレディースユース)が詰めていたところを狙っていましたが、キーパーが弾いた球がそのまま自分の前に来たので、シュートするしかないなと思って打ちました。
――ユニバシアードを振り返って
海外の選手は日本人では見られない身体能力の高さがあって、普段は通用する部分ができなかったりして、すごく課題がたくさん見つかりました。向こうではなかなか改善することはできませんでしたが、日本に帰ってきてその課題を自分の成長につなげていけたらいいなと思います。
――世界大会というのは初めてですか
はい。初めは緊張しましたが、チャレンジ精神で挑みました。自分のプラスになりました。
――身体能力が高いという海外の選手に対して、伸ばしていきたいところは
やはり自分の持ち味であるドリブルが、身体能力の高い選手にも通用するように頑張りたいと思います。
――関カレに向けてどのように調整を
自分でも得点を決められるように、シュートの部分だったり、裏を取って得点に絡むチャンスを増やしていけたらいいなと思います。