痛恨の今季初無得点

ア式蹴球女子

 関東女子リーグ後期第4節、前節で筑波大に引き分けたワセダは武蔵丘短大と対戦した。試合は、序盤から相手の速いプレスに苦しみリズムをつかめず、ワセダの持ち味である連動した攻撃ができずに進む。後半に入ると徐々に立て直し、連動したパスやシュート数も増えるものの得点を奪えず、今季初のスコアレスドローに終わった。

 先週に引き続き猛暑の中で行われた武蔵丘短大戦。前半の立ち上がり、ワセダは自分たちのリズムをつかむことができず、相手の速いプレスにより中盤でボールを失うシーンが多く見られた。15分にはMF大宮玲央奈(スポ4=浦和レッズレディースユース)、30分にはDF大島茉莉花(スポ3=鹿児島・神村学園)がシュートを狙っていくが相手GKの好セーブに阻まれてしまう。一方で24分には相手に切り込まれ、GK三田一紗代(社3=京都・精華女子)と1対1になる危ないシーンも見られた。その後もパス、ボールキープ共にうまく噛み合わないまま試合を折り返す。

サイドからの攻撃を仕掛ける正野

 後半、ワセダはMF内山穂南(スポ1=東京・十文字)、FW杉森愛希(スポ1=東京・十文字)を投入してチームの活性化を図る。日が陰り、風が吹いてきたこともあり、徐々に選手たちはワセダらしさを発揮していく。連動したパス回し、サイドを使った攻撃が目立つようになり、57分には左サイドから大宮が上げたクロスに杉森が合わせ、62分のCKからDF千葉梢恵主将(スポ4=宮城・常磐木学園)のヘッドといった決定機をつくり出していく。その後もさらに3人を投入し、足の止まり始めた武蔵丘短大を攻めて立てていきシュートを重ねるが、ここ一番で決めきれないまま0―0で、今季初めて得点を奪えずに終わってしまった。

ケガからの復帰戦となった三田

 大宮や三田が「決めきれなかった」と話す通り、シュート数は相手の3本に比べ17本と、決定機を何度もつくり出すものの得点に結びつかなかった。リーグ戦後期の折り返し地点でワセダは1勝3分と苦しい戦いが続いている。今季公式戦での無敗記録は続いているが、選手たちはあくまでも「勝ち切りたい」と力強く述べた。次節ではワセダらしさの溢れるプレーが見られることを期待したい。

(記事 高柳龍太郎 写真 辛嶋寛文、芦川葉子)

関東女子リーグ戦
早大 0-0
0-0
武蔵丘女子短大
【得点者】
コメント

MF大宮玲央奈(スポ4=浦和レッズレディースユース)

――スコアレスドローとなりましたが試合を振り返っていかがですか

決めるところで決められないというのが一番の原因かなと思います。

――前半ボールを収められず、うまくいかなかった要因というのは

気候は相手も状況が一緒なので言い訳にはしたくないですが、夏で暑くて、ワセダの持ち味である連動した動きというのがちょっと少なくなってしまったことと、中盤でのボールロストが多いなと思いました。間延びもあったと思いますが、ボールを持っている人に対して受け手のアクションや、ボール持っている人が受け手に対して要求したりという声が明確な動きが少なく、中盤の距離感が縮まらないのかなと思います。

――後半に入るにあたって修正した部分はありましたか

気持ちが入ってないからしっかり気持ちを入れようっていうのをハーフタイムに話したり、あとは相手の足が止まってきたので裏狙えるってことで、サイドからのオープンスペースからの攻撃や2列目の飛び出しっていうのをみんなで共通理解で意識してやれたのかなと思います。

――得点を奪えませんでしたが、きょうの試合から見えた課題は

個人的には本当に決めるところで決めれていないので、抜け出した後の精度だったり、最後のところでやれるかやれないかの精度を上げていきたいです。チームとしては夏の暑い時の戦い方で、どうしても走力は落ちてしまうと思うので、もっとボールを動かして小さいところの動き出しや、走るというよりも頭を使うサッカーというのがこれからの課題なのかなと思います。

――後期はここまで1勝3分で苦しい試合が続いていますが

まわりのチームからしたらユニバーシアード組がいないからこういう結果になってしまっていると思われてしまうと思うんですが、ここに残っている人たちみんなでそういう風に言われたくないねって話していて。何とかここにいるメンバーで層が薄いって言われないように、次の試合は絶対に勝ち切りたいと思います。

――次節の浦和レッズレディースユース戦に向けて、意気込みをお願いします

レッズも武蔵丘短大同様にパスを回して個人技もあって走れるチームで、良いサッカーをしてくると思うので、それにたぶん暑いと思うので、きょう出た課題を生かして絶対勝ちたいです!

DF大島茉莉花(スポ3=鹿児島・神村学園)

―——今季初のスコアレスドローとなりました

チャンスはたくさんあったんですが、前から課題としてあがっていたようにまだ決定力の面が足りていないと思うので、決定力をもっと高めていきたいです。

―——ここまで1勝3分けと後期は苦しいスタートです

厳しい暑さのなかで体が動けてなかったりして、ワセダらしいサッカーができていないと思うので、暑いなかでも集中して前から攻めてきちんと勝ち切れるようにしたいです。

―——きょうの武蔵丘短大の印象は

もっとパスをつないでくるかと思っていたのですが、意外と裏に蹴ってきました。後半からは相手も疲れてきたのかパスをつないできただけだったので、自分たちにもっと決定力があれば勝てた試合かなと思います。

―——前半振り返ってみて

自分たちはいい試合をしてるときは立ち上がりから前へ前へいけるのですが、きょうは後ろのほうで小さくつないで相手に取られたりして苦しい試合になってしまいました。前半の最初はもっと大きくプレーしていかなきゃいけないなと感じました。

―——0ー0で前半を折り返し、後半に向けてどのような切り替えを

前半はサイドからのクロスが全然あがってなかったので、後半はそういうところから狙っていこうと話していて、実際にクロスをあげたりしていたのですが最後に決めきれなかったというのは、やはり決定力が足りなかったのかなと思います。

―——決定力不足の原因は

練習のなかから、「入ったからいいや」ではなく、もっとコースを狙ったり、余裕がないところからも決めたりと、試合をイメージしながらシュート練習をしていかなければいけないと思います。

―——次節浦和レッズレディースユースとの試合に向けて意気込みを

次は絶対に勝つしかないので、最初から前へ前へ攻めて、どんどん点を取って勝ちにいきたいと思います。

GK三田一紗代(社3=京都・精華女子)

――きょうの試合を振り返って

前半はワセダらしいサッカーができませんでした。一人一人のボールを持つ時間が長く、パスも相手にカットされる場面が多かったと思います。シュートで終われてなかったことも残念でした。後半もペースは良くなかったものの、サイドの崩しからシュートという流れをつくれていたのは良かったと思います。

――1対1での好セーブが多く見られましたが、もうケガは大丈夫でしょうか

そうですね。肩のケガをしてしまい最近は出ていなかったので、きょうの試合は少し緊張していました。しかし、楽しもうという気持ちと、絶対に止めてやるという気持ちをもってプレーに臨みました。

――後ろから試合を見ていて感じたことは

相手がパスを多く繋いできたのに、ワセダは全体的にプレスが遅めでした。そのようなところで相手との差をつけることができませんでした。

――次節に向けての課題は

まずは得点力、しっかり決め切る力が重要だと思います。前からプレスをかけてボールを奪い、シュートで終わる形を作ることが求められていると思います。そして、最後まで負けない気持ちでやることですね。

――次節に向けての意気込みを

今季は全然点が取れておらず、結果も残せていません。しっかり点を取り、勝ち切れるサッカーをしていきたいです。<