早大から4選手が出場、東西対抗戦を制す

ア式蹴球女子

 ことしで第10回となる、関東大学女子サッカー東西対抗戦。この試合では、関東大学女子リーグ1部に所属する、10大学から選抜された選手が東西に分かれて戦った。西関東大学選抜は早大、日体大、東関東大学選抜は昨季インカレ準優勝の筑波大や関東学園大を擁する。早大からは、GK三田一紗代副将(社4=京都精華女子)、DF権野貴子(スポ4=宮城・常盤木学園)、MF高須咲帆(スポ4=福井工大附福井)、MF正野可菜子(社3=兵庫・日ノ本学園)の4人が選出された。三田、権野、高須の3人がスタメンで出場した西関東選抜は、FW前上愛梨(日体大)のゴールで先制する。89分には試合を決定づける追加点を決め、2-0で勝利した。

 序盤は東西ともに拮抗(きっこう)状態だった。西関東選抜の立ち上がりは連携がうまく噛み合わず、ボールを長くキープする一方で、なかなか前へつなげることができない。対して東関東選抜は、少ないチャンスを確実に生かし、速攻でゴールに迫る。しかし、三田は東関東選抜のシュートをしっかり防ぎ、安定した守りを披露。その好守備に支えられるように、西関東選抜の前線が動く。21分、ゴール前の混戦からこぼれたボールに前上が反応、ネットに押し込んだ。徐々に調子を上げてきた西関東選抜は、高須やMF北野梨絵(日体大)らを中心に9本のシュートを打ち、攻撃的な姿勢を保ったまま1-0で前半を折り返した。

好セーブでゴールを死守した三田副将

 63分、ディフェンスラインのミスを突かれ、東関東選抜のFW池上菜央(東京国際大)にGKとの一対一に持ち込まれるが、ここは三田が好セーブ。「きちんと止め切れて良かった」と語った。体力的に厳しい時間帯になると、中盤でパスカットの応酬となり、ピッチを広く使うことができない。その中でも権野の運動量は落ちず、ハードワークでボールを回した。しかし、両チームとも得点につながらず、多くの選手を交代して攻撃の活性化を図る。89分、縦のパスをつなぎ速攻から、途中出場のDF馬場遥か(順大)が鋭いシュートで追加点を決めた。アディショナルタイムには権野が中央に相手を引きつけて右サイドをにスペースをつくると、すかさずそこへ走りこんだFW小島ひかる(順大)にパス。小島からパスを受けた正野が触ったボールはぎりぎりで枠の左へ。3点目とはならなかったものの、2-0で西関東選抜が勝利を収めた。

フル出場し豊富な運動量で貢献した権野

 今回、東西で同じチームとして戦った仲間たちは、4月からの関東女子リーグ戦(関東リーグ)ではライバルとなる。オフシーズンを経たこの地域対抗戦、東西対抗戦で、選手たちは新たな刺激を受けたはずだ。「普段の練習から一人一人が一つ一つこだわって、各自レベルアップできたら」と権野が語るように、新体制のもとリーグ戦へ向けて取り組んでいきたい。

(記事 丸山美帆、写真 巌千咲)

※記事中の学年は新年度のものです。

関東大学選抜 東西対抗戦
西関東大学選抜 1-0
1-0
東関東大学選抜
【得点者】(西)21前上、89馬場
コメント

GK三田一紗代副将(社4=京都精華女子)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

地域で集まって即興で作ったメンバーなのですが、最後には結構良い形で終われたなというのが一番の印象です。楽しかったです。

――地域で集まったチームでプレーしていかがでしたか

最初はフォーメーションの部分とかで合わないところがたくさんあったのですが、試合を重ねるたびに良くなっていきました。だから最後、東西対抗戦で良い結果が残せたのかなと思います。

――きょうの試合はどのような意気込みで挑みましたか

とにかく無失点で終わろうという意気込みでした。あと、自分たちのチームが攻撃型のスタイルだったので、しっかり後ろのケアをしていこうと心がけていました。

――結果は2-0と無失点でしたね

それは自分のお陰とかではなくチーム全員が頑張った結果、無失点で終われたので良かったかなと思います。

―― 後半の中盤に相手の選手とゴール前で一対一という場面がありましたが、どのようなお気持ちでしたか

そのときはディフェンスラインにミスが起こって、その後のケアを自分がしないといけないというところだったので、きちんと止めきれて良かったなという思いです。相手が分かりやすくコースを狙ってくれたので、読みやすかったというのはあります。

――きょうの試合が終わってから、関東リーグまで期間が開くと思いますが、その間はどのように過ごすおつもりですか

まずはスキルアップと体力向上のために、個人個人でしっかりと体づくりをしていかなければならないなというのが一番にあります。それから戦術をみんなで話し合って良いチームを作っていきたいなと思います。

MF権野貴子(スポ4=宮城・常盤木学園)

――オフシーズン明けの試合でしたが、体は動きましたか

3月3日から始動で、徐々に走ったりしていたのですが、個人的には試合中の攻守の切り替えや走りを意識して臨みました。

――地域対抗戦を振り返って

その前にオフだったということもあり、試合感覚が薄れていました。初戦では基礎のボールタッチなどで自分が思うようなプレーがなかなかできなかったです。

――地域対抗戦という大会の印象は

西関東選抜はすごく攻撃的なサッカーをするため、攻撃では3-4-3というシステムを行っていました。今までやったことのないフォーメーションだったため、すごく難しかったのですが、試合を重ねるにつれチーム内でのコミュニケーションが増えていき、すごくやりやすかったですね。

――西関東選抜チームの印象は

初日は、自分も含めてすごく緊張していたのですが、日を重ねるごとにすごく仲良くなっていって、チームの目標だった『楽しく勝ちにこだわる』という点では、きょうは本当にその目標を達成できたかなと感じます。

――きょうは最後まで出場していましたが、試合中はどのようなことを意識していましたか

チャンスがあればオーバーラップをすること、更に攻守の切り替えと、一対一だったら負けないという部分を意識して臨みました。 しかし、きょうは最近ではあまりないポジションだったので、裏のボールに対しての感覚や相手との間合いについての判断が遅い部分があり、課題が沢山残りました。

――前半と後半でポジションが変わっていましたが

途中で入ってきた選手が左利きだったので、それに合わせたんだと思います。

――4月の関東リーグ戦へ向けて調整したいこと

今はやはり走りだったり、個人の基礎技術を目的としてトレーニングを行っているので、普段の練習から一人一人が一つ一つにこだわって、関東リーグへ向けて各自レベルアップできたらと思います。

MF正野可菜子(社3=兵庫・日ノ本学園)

――きょうの試合を振り返って

チームとしては勝てたことは良かったんですけど、個人的にはチャンスを決めきれなかったので悔しいです。

――西関東選抜のメンバーでしたがやりやすさはいかがでしたか

チームが発足して時間があんまり経ってないんですけど、みんなで話し合ったりしてできた部分もあったのでやりやすさはありました。

――話し合った部分、チームとして意識した部分というのはとういった点ですか

意識っていうか、攻撃的なサッカーをやろうと決めてたので。みんなで攻撃して、楽なサッカーというか、みんなで攻めて見ていて楽しいサッカーをしようと意識してました。

――途中出場する際はどのようなプレーをしようとピッチに入りましたか

まずは得点に絡んでいこうと。あとチームがちょっと疲れていたので、攻撃を活性化していけたらなと思って入りました。

――中盤からなかなか攻撃を押し上げられない場面もありましたが振り返って

自分が起点というか、仕掛けることで周りの選手を使っていけたらなとは思ってました。何回かそういうシーンがあったんですけど、得点につなげられなかったのでそこが今の課題かなと感じます。

――終盤に惜しいシュートも放ちましたが

あそこは決めないといけないところですね。ワセダに戻っても決めるべきところで決め切ることが自分の課題だと思うので、これから取り組んでいきたいと思います。

――今シーズンが始まりましたが、どんな一年にしていきたいですか

今季から自分は3年生になるんですけど、ここまでの2年間は納得いってなかったので、ことしこそ結果が出せるように自分がもっともっと成長していけるようにしたいです。

――結果というのは日本一ということでよろしいですか

はい。そこを目標にしてやっていきます。

MF高須咲帆(スポ4=福井工大附福井)

――地域対抗戦で西関東は3位になりました

地域対抗戦後にノジマ(ノジマステラ神奈川相模原)と練習試合もしましたが、そこで攻撃や守備の形をこうしようとまとまって話すことができました。きょうの試合では、いままでよりもアグレッシブに前からいくというのをチームで話していました。

――きょうの試合に臨むにあたってチームの雰囲気は

そうですね、かなり良い雰囲気で臨むことができました。普段から良い雰囲気で練習できていましたし、このチームでプレーできて良かったしいい経験ができました。

――ミドルシュートも積極的に打っていました

ミドルはかなり狙っていました。相手のGKがあまり背が高くなかったしそれほど高くは飛ばないと思っていたので、上目を狙って打てば得点できるんじゃないかなと思って打っていました。もっと制度を上げたいです。

――2-0の快勝となりましたが、振り返っていかがでしょうか

もっと自分自身も含めやれたかなと思うところはあります。シュートも西は合計15本も打っていたので、勝てたことは良かったですが、もっと点数が取れたかなという風にも思います。

――地域対抗戦、東西対抗戦から得られたことは

このように能力が高いチームで練習してゲームもさせてもらって、とても貴重な経験を積むことができました。

――部として最初の公式戦となる関東リーグの開幕まで1ヶ月間、どのように過ごされますか

今回の西関東チームで得られたものを持ち帰って練習していきたいと思います。まずはワセダでスタメンが取れるように、そして継続して試合に出続けられるようにやっていきたいと思います。