大量得点で相手を圧倒!連勝伸ばす

ア式蹴球女子

 台風の影響で順延となっていた関東大学女子リーグ戦(関カレ)第5節の神奈川大戦。試合開始からボールを支配した早大は序盤の早い時間帯にリードを奪うと、終了間際の3分間に立て続けに3点を奪うゴールラッシュで試合を決め、前半を6―0で折り返す。後半に入り立ち上がりに失点を許すも、大事には至らず。さらに追加点を挙げて相手を圧倒し、8―1の大勝で連勝記録を6に伸ばした。

ゴールを決めた

 8―1のスコアが示すように、大量得点を挙げて勝利を収めた早大。その大勝の陰にあったのは攻撃陣の活躍であった。特に6点を挙げた前半は出来が良く、サイド攻撃を中心に数多くのチャンスをつくり、崩したサイドからのクロスを得点に結びつけるというシーンが印象的であった。また、両SBの選手が得点を挙げていることからも分かるように、SBの選手も攻め上がりを見せる厚みのある攻撃がゴール量産につながったのは間違いないだろう。後半に入ってからはペースダウンしたものの、「全体的にはワセダがやりたいダイレクトを使ったパス回しができていた」とFW瀬口七海(スポ3=兵庫・日ノ本学園)が振り返ったように、DFの選手からボールをつなぐ自分たちのサッカーで試合を終始支配した早大。得点者も偏ることなく、7人で計8点を挙げる快勝であった。

2試合連続ゴールと好調な正野

 しかし、勝利の中にも課題は見受けられた。前半は危ない場面の少なかったディフェンスであったが、後半立ち上がりの47分にスルーパスからDFラインの裏を突かれると、突破を許して失点。DFラインの裏を突く相手の攻撃に前半は落ち着いて対応できていただけに、「集中して対応できていれば無失点に抑えられた」(DF大島茉莉花、スポ3=鹿児島・神村学園)と、一瞬の隙を突かれた形での失点となってしまった。さらに、チーム全体の動きとしても点差のついていた後半はパスが通る場面も少なく、ボールは支配するもチャンスまではつくれないという場面が多く見られた。前半だけで6点を奪うなど高い攻撃力は持っているだけに、90分間試合を通して持っている実力を発揮できるか、そういった持続の部分が今後の課題となりそうだ。

 きょうの勝利で開幕からの連勝を6に伸ばし、2位以下を突き放して関カレ首位をひた走る早大。ここで関カレは一時中断し、次の戦いの舞台は皇后杯関東地区予選を兼ねた関東女子選手権へと移る。大勝の勢いそのままに、関東女子選手権ではぜひ優勝を期待したい。

(記事 八木和基 写真 佐藤拓郎)

ア式蹴球部女子集合写真

関東大学リーグ戦第6節
早大 6-0
2-1
神奈川大
【得点者】(早)10・45大宮 14石田 39大島茉 43正野 45瀬口 50高木 90+2山本 (神)47瀬川
早大メンバー
位置 背番号 名前 前所属 学部学年
GK 16 山田紅葉 東京・十文字 スポ1
DF 石田みなみ 静岡・常葉学園橘 スポ4
DF →55分 堀口佳織 千葉・幕張総合 スポ2
DF 千葉望愛 浦和レッズレディースユース スポ4
DF →HT 大島瑞稀 宮城・常磐木学園 スポ3
DF ◎4 千葉梢恵 宮城・常磐木学園 スポ4
DF 13 大島茉莉花 鹿児島・神村学園 スポ3
MF 権野貴子 宮城・常磐木学園 スポ3
MF 渡井汐莉 鹿児島・鳳凰 スポ4
MF →55分 松川智 大阪桐蔭 スポ2
MF 高木ひかり 静岡・常葉学園橘 スポ2
MF 10 大宮玲央奈 浦和レッズレディースユース スポ4
MF 20 正野可菜子 兵庫・日ノ本学園 社2
FW 瀬口七海 兵庫・日ノ本学園 スポ3
MF →55分 山本摩也 スフィーダ世田谷 スポ2
◎はゲームキャプテン
監督は長岡義一監督(昭43商卒=京都・山城)
コメント

MF大宮玲央奈(スポ4=浦和レッズレディースユース)

――8得点を挙げての快勝でした。思い通りの攻撃ができた試合でしたか

形としてはあまり良くなかったですね。内容は良くないのに得点だけが入った試合だと思います。前半はクロスの質も良くサイド攻撃も機能していたのですが、後半2点しか取れずさらに失点してしまった点がまだまだだなと感じました。

――後半の攻めが停滞してしまった要因は

組み立ての途中のパスミスが多く、攻撃に移る前に奪われてしまう場面が多くなってしまいなかなか落ち着きませんでしたね。

――ご自身は前半に2得点を挙げました

個人的には立ち上がり最悪の入り方をしてしまったのですが、ごんちゃん(MF権野貴子、スポ3=宮城・常盤木学園)が良いボールを上げてくれました。得点することで少しずつその後のプレーも修正できたので、アシストしてくれた選手、チームメートに感謝しています。

関カレ終盤戦へ向けてオフェンスの仕上がりはいかがですか

攻撃の仕方、守備のラインコントロールなど大まかな部分では共通理解ができています。しかし相手が引いてきたときにどう攻めるか、サイド攻撃のちょっとしたアイデアなど細かい部分をもっと突き詰めていかないと終盤戦は厳しい戦いになってしまうと思います。

――翌週からは山梨で皇后杯関東予選を兼ねた関東女子選手権も始まります

最低でも本選出場、できればみんなで優勝したいですね。エルフェンや日体大など強いチームに対しても、自分たちのサッカーをどれだけできるのかしっかり試して優勝したいです。

DF大島茉莉花(スポ3=鹿児島・神村学園)

――きょうの試合を振り返っての感想をお願いします

前半は結構良い感じで得点が取れたので良かったんですけど、後半は入りも悪かったし、試合の流れも落ち着かない感じになってしまったので、前半の良い流れのまま後半に入れたら良かったかなと思います。

――8点を奪う大勝でした

いままで点が入ってなかったので、逆にちょっとびっくりしているくらいです。

――6点を奪った前半とは対照的に後半はリズムが良くないように見えました

ボールを持ち過ぎたり、簡単にパスを回せない場面があったのと、難しいプレーをしようとしてしまったところがあったので、簡単なプレーでつないでいければボールを奪われずに確実に攻めれたのかなと思います。

――ディフェンス面の出来に関してはいかがですか

無失点で終わらせたかったんですけど、後半の入りが悪くて失点してしまいました。集中して対応できていれば無失点に抑えられたと思うので、連携面も含めて改善していかないといけないと思います。

――来週から始まるの関東女子選手権に向けて意気込みをお願いします

優勝して、本戦に向けてチームの状態を良い方向に上げていきたいです。

FW瀬口七海(スポ3=兵庫・日ノ本学園)

――きょうの試合を全体的に振り返って

全体的にはワセダがやりたいダイレクトなどを使ったパス回しができていたので、その部分に関しては良かったと思います。

――特に前半で6得点を奪いましたが、いかがでしたか

いつも入りが悪くてなかなか点が取れないんですけど、きょうは1点目、2点目が早かったので、その勢いが大量点を取れたことにつながって、良かったと思います。

――瀬口選手自身としては約1ヶ月ぶりのゴールでしたが、いかがでしたか

めっちゃ嬉しかったです(笑)。走り出したところにブー(MF高木ひかり、スポ2=静岡・常葉学園橘)から当てるだけという良いボールが来ました。

――1トップというのをしばらくやっている中で、意識しているプレーはありますか

玲央奈(MF大宮、スポ4=浦和レッズレディースユース)との関係が大事になってくるので、玲央奈の動きを見ながら動いたり、FWが1枚しかないから収めなきゃいけないので、起点になるという点で意識してます。

―― 一方、攻撃の場面でパスミスやビルドアップでのミスがありましたが、課題というのはありますか

これから徐々に強いチームとやっていくにつれて、ひとつのミスで失点につながることもあるので、もっと丁寧につなぐということはしていかないといけないし、個人的に受けたら落とすというのが定着してきて相手に読まれてることがあるので、変化をつけてターンしたりというのことをしたいです。

――次の戦いは関東女子選手権です。それに向けて

皇后杯に出たいので、まずは1試合目からしっかり勝ち切って、大事にしていきたいです。