4ゴールで快勝、首位を守る

ア式蹴球女子

 第5節・神奈川大戦が台風の影響で延期となり、1試合未消化の形で迎えた関東大学女子リーグ戦(関カレ)第6節・尚美学園大戦。前半にMF正野可菜子(社2=兵庫・日ノ本学園)が先制点を挙げると、MF渡井汐莉(スポ4=鹿児島・鳳凰)がコーナーキックを直接決めて加点。後半にはMF山本摩也(スポ2=スフィーダ世田谷)、第4節に続き前線で起用されたFW小野田莉子(スポ3=宮城・常磐木学園)がゴールを挙げ、4―0の快勝。開幕からの連勝を5に上積みした。

 FW瀬口七海(スポ3=兵庫・日ノ本学園)の1トップで臨む早大は、GK山田紅葉(スポ1=東京・十文字)、DF大島瑞稀(社2=宮城・常盤木学園)が関カレ初先発。立ち上がりは積極性を見せる相手の前にやや受けに回る場面が見られた。しかし10分過ぎからはサイド攻撃とセットプレーを中心に、相手ゴールに迫る。先制点が生まれたのは17分。MF権野貴子(スポ3=宮城・常盤木学園)、瀬口が左サイドを崩し、最後は中央に走り込んだ正野がゴールネットを揺らした。前半終了間際には左コーナーキックのチャンス。キッカーの渡井が右足から放ったキックは相手GKの手を弾き、そのままゴールへ。「GKが前に出てくるのが想定できていました」(渡井)という会心の一撃を突き刺し、2点リードで前半を終えた。

CKを直接決めた渡井

 山本、MF松川智(スポ2=大阪桐蔭)を投入して迎えた後半も、立ち上がりから優勢。50分、相手GKのクリアミスを拾った権野のクロスに山本が合わせ3点目。その直後には瀬口に代わって小野田がFWとしてピッチへ入った。DFからFWへとポジションを移してから1週間あまりという中でのプレーながら、安定したポストプレーを披露。また、フィジカルの強さを生かしゴールに迫る場面も見られた。起用に応えるゴールが飛び出したのは、早大の決定機が続いた後半終了間際。松川のシュートが相手GKに阻まれるも、そのこぼれ球を小野田が押し込んだ。終始試合の主導権を握った早大は、4―0のスコア以上に相手を圧倒。危なげなく開幕5連勝を果たした。

ゴールが決まり、喜び合う小野田(左)と高木

 全9試合中5試合を終え、折り返しに入った関カレ。着実に5連勝を飾った上、小野田が新たな攻撃のオプションとして結果を残したのは心強い限り。山田、大島瑞が関カレ初先発となった守備陣もしっかり無失点に抑えた。日体大ら難敵が待ち構える終盤戦へ向け、準備に余念はない。

(記事 佐藤拓郎 写真 辛嶋寛文)

ア式蹴球部女子集合写真

関東大学リーグ戦第6節
早大 2-0
2-0
尚美学園大
【得点者】(早)17正野 43渡井 50山本 89小野田
早大メンバー
位置 背番号 名前 前所属 学部学年
GK 16 山田紅葉 東京・十文字 スポ1
DF 石田みなみ 静岡・常葉学園橘 スポ4
DF ◎4 千葉梢恵 宮城・常磐木学園 スポ4
DF 13 大島茉莉花 鹿児島・神村学園 スポ3
DF →85分 堀川玲奈 ジュブリーレ鹿児島 スポ3
DF 23 大島瑞稀 宮城・常磐木学園 スポ3
MF 権野貴子 宮城・常磐木学園 スポ3
MF 渡井汐莉 鹿児島・鳳凰 スポ4
MF 高木ひかり 静岡・常葉学園橘 スポ2
MF 10 大宮玲央奈 浦和レッズレディースユース スポ4
MF →HT 松川智 大阪桐蔭 スポ2
MF 20 正野可菜子 兵庫・日ノ本学園 社2
MF →HT 山本摩也 スフィーダ世田谷 スポ2
FW 瀬口七海 兵庫・日ノ本学園 スポ3
FW →56分 小野田莉子 宮城・常磐木学園 スポ3
◎はゲームキャプテン
監督は長岡義一監督(昭43商卒=京都・山城)
コメント

MF渡井汐莉副将(スポ4=鹿児島・鳳凰)

――きょうの試合、チームとして特に意識されていた点はありますか

前回、前々回と勝ちはしましたが内容は良くなかったです。今回はチームとしてしっかり意識を統一して勝つことができたので良かったと思います。ずっと監督から言われていることは「攻守の切り替え」と「ファーストディフェンス、セカンドディフェンスの徹底」ですね。そこはチームの課題として意識して取り組んでいます。

――早い時間帯で先制に成功しました。試合の入りはいかがでしたか

最初の15分くらいは相手も前から来てバタバタしてしまったのですが、そんな中でも失点せずに先制点を取ることができて良かったと思います。

――コーナーキックを直接決めゴールを奪いました。狙い通りのプレーだったのでしょうか

その前のコーナーキックなどを見て、相手GKが前に出てくるのが想定できていました。自分としてはコーナーからでも狙う意識を持っているので、うれしいゴールでしたね。中の選手も信頼しているので、相手GKの状況も見ながら話し合って、良いボールを上げていきたいです。

――筑波大戦に続いて前線にFW小野田莉子(スポ3=宮城・常磐木学園)選手が起用され、得点を挙げました。パスの出し手から見てプレーぶりはいかがでしたか

本当に収まりますね。多少ずれたボールでも収めてくれるのは良い部分です。まずしっかり(小野田を)見て、収めてもらうことを意識していました。ワセダはいろんなポジションを試されるチームですが、その中で(今後も)可能性があるんじゃないかと思います。

――今後の関カレへ向けて

チームが勝つために自分ができることを徹底していきたいです。特に点につながるプレーを心掛けていきたいですね。