前半のリードを守り切り、開幕4連勝

ア式蹴球女子

 関東大学女子リーグ戦(関カレ)の開幕以来、無失点での3連勝と盤石な戦いを見せるワセダ。対するは今季2戦2分で「チームとして苦手意識を持っている」(MF高木ひかり、スポ2=静岡・常葉学園橘)という筑波大だ。試合は引いて守る相手にチャンスをつくれない時間が続くも、前半終了間際に高木、MF大宮玲央奈(スポ4=浦和レッズレディースユース)が連続でゴールする。後半立ち上がりにPKから失点してしまうが、リードを守り切り2―1で勝利。開幕4連勝で首位をキープした。

関カレ初ゴールを決めた高木

 今季いまだ勝てていない筑波大。関カレ最初のヤマ場となった今節、立ち上がりから相手は低い位置からコンパクトな守備ブロックを形成し、ワセダの攻撃を迎え撃つ。中央を固められた中で、サイドから崩したいワセダであったがミスが目立ちパスが繋がらず、シュートまで持ち込めない時間が続く。25分を過ぎると、ポストプレーを期待されての起用となったFW小野田莉子(スポ3=宮城・常盤木学園)が積極的にシュートを放つ場面が見られるも得点には至らない。このまま前半終了かと思われた44分、CKをMF渡井汐莉(スポ4=鹿児島・鳳凰)がグラウンダーでパス。それをエリア外から高木がシュートを放ち、キーパーの手をかすめてゴール。待望の先制点が生まれた直後、またもスコアが動く。45分、高木が右サイドをドリブルで持ち上がり、出したパスをペナルティエリア中央でMF権野貴子(スポ3=宮城・常盤木学園)がワンタッチで落とす。それを受けた大宮が冷静に流し込み追加点。2点のリードを奪って前半を折り返す。

DFながらFW起用に応え奮闘した小野田

 さらなる得点を狙う後半だったが出鼻をくじかれる展開に。47分、相手にPKを献上すると、筑波大のエース瀬戸口梢に決められ、1点差となってしまう。再びリードを広げたいワセダであったが、ボールを奪ってからシンプルに裏を狙ってくる相手にてこずる場面が目立つ。選手交代やサイドバックを使った厚みのある攻撃から流れを引き戻すも、シュートは枠を捉えられない。逆に終盤には運動量が落ち、相手に押し込まれ、GK三田一紗代(社3=京都精華)がボールに触れる機会も増えていく。アディショナルタイムには瀬戸口を起点としたパスワークから決定的なピンチを招くも、三田がビックセーブ。リードを保ったワセダは2―1で勝利し、無傷の開幕4連勝となった。

 関カレの目標として掲げていた無失点は果たせなかったものの、勝ち切れていなかった筑波大相手に勝利したことは今後のチームにとって大きな自信になるだろう。次は中1日での神奈川大戦。連戦ということで体力的には厳しいかもしれないが、「総力戦として、みんなで勝ち切りたい」(大宮)と語るように求められるのは勝利のみ。首位ワセダは連勝街道を突き進む。

(記事 下村龍史、写真 森田夕貴)

結果

○早大2―1筑波大(2―0、0―1)

【得点者】(早)44高木 45大宮 (筑)47瀬戸口

※現在の順位=1位

関東大学リーグ戦第11節
早大 1-1

1-0
中大
【得点者】(早)41榎本、83竹谷(中)42皆川
早大メンバー
位置 背番号 名前 前所属 学部学年
GK 三田一紗代 京都精華 社3
DF 石田みなみ 静岡・常葉学園橘 スポ4
DF 千葉望愛 浦和レッズレディースユース スポ4
DF ◎4 千葉梢恵 宮城・常磐木学園 スポ4
DF 13 大島茉莉花 鹿児島・神村学園 スポ3
DF 14 小野田莉子 宮城・常磐木学園 スポ3
MF 権野貴子 宮城・常磐木学園 スポ3
MF →53分 正野可菜子 兵庫・日ノ本学園 社2
MF 渡井汐莉 鹿児島・鳳凰 スポ4
MF →78分 松川智 大阪桐蔭 スポ2
MF 高木ひかり 静岡・常葉学園橘 スポ2
MF 10 大宮玲央奈 浦和レッズレディースユース スポ4
MF 山本摩也 スフィーダ世田谷 スポ2
FW 瀬口七海 兵庫・日ノ本学園 スポ3
FW →84分 杉森愛希 東京・十文字 スポ1
コメント

DF千葉梢恵主将(スポ4=宮城・常盤木学園)

――試合を振り返っていかがですか

やはりきょう悔しかったのは失点してしまったことで、前半2―0で折り返すことができてよかったですが、後半の戦い方は中途半端になってしまってあまり良くなかったかなと思います。

――相手は今季いまだ勝てていない筑波大でしたが

前回の対戦ではラインを引きすぎてしまって、押し込められる場面が多くなってしまい、攻める場面があまり多くなかったんですが、それを防ぐために改善することを話し合っていました。スカウティングの通り18番のトップにボールを集めてきましたし、やっぱり蹴ってくるという印象があります。

――後半PKから関カレ初失点を喫してしまいましたが

自分の判断ミスから始まってしまったので、判断速くしてたら防げたんじゃないかなと思います。失点ついてしまったのはすごく悔しいですが、これから前を向いて、失点を1で抑えるというか、失点することなく最少失点を目指していきたいです。

――関カレ開幕から4連勝ですが、手応えと課題があれば教えてください

勝ち切れている点においてはすごく良いことだと思います。でもその中でゲーム内容はちょっとまだ課題が残ると思います。相手の時間帯が多くなっているので、もう少し自分たちの時間を増やしていけたらと思います。

――中一日で迎える神奈川大戦に向けて

きょうの試合をしっかり反省して、次は大量得点を取っていきたいですし、いろんな選手が出て勝ちに行きたいと思います。

MF大宮玲央奈(スポ4=浦和レッズレディースユース)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

そんなに苦手意識って訳じゃないですけど、あまり良い試合ができない相手の中で勝ち切れたことは本当に良かったなと思ってます。ただ無失点という私たちの目標が途絶えてしまったので、そこは本当に悔しい結果となってしまいました。

――今大会3得点目となるきょうのゴールについて教えてください

前半自分のプレーがあまり調子良くなくて結構ミスも多かったので、なんとか点を取りたいという気持ちで臨んでたんですけど、ひかり(MF高木、スポ2=静岡・常葉学園橘)からごんちゃん(MF権野貴子、スポ3=宮城・常磐木学園)に行って、ごんちゃんが良いパスくれて、きれいな崩しができたので、すごくうれしかったです。

――いままで良い試合ができなかったという筑波大でしたが、実際に試合をしてみて印象はどうでしたか

スカウティングで日体大対筑波大の試合を見たんですけど、すごく引いてきてたのでもうちょっと引いてくるかなと思ったんですけど、あまり引いてこなくて逆に助かったなという印象はあります。

――きょうは2トップにFW小野田莉子(スポ3=宮城・常磐木学園)選手という珍しい布陣でした

正直私たちもきのう初めて合わせて、いきなり言われたのでびっくりしてた部分はあるんですけど、莉子は本当に身体も強いですし、相手のセンターバックが背が高くて結構ハイボールとかにも強い相手だったので、莉子は適任なんじゃないかなと思いました。

――練習などはしましたか

全然合わせてなくて、きのうちょっと合わせるくらいで。でも七海(FW瀬口、スポ3=兵庫・日ノ本学園)が裏に抜けるタイプで、莉子が足元に収めてくれるタイプなので、結構バランスが取れてて全然違和感とかは無かったです。

――次の試合は中一日で神奈川大が相手ですが、意気込みをお願いします

私は45分しかでてないので全然大丈夫なんですけれど、みんなは結構疲れた試合だったと思うので総力戦として、みんなで勝ち切りたいです。これ以上は失点しないように。そして得点に絡んで、しっかり、今日のようなプレーはしないように頑張りたいです。

FW小野田莉子(スポ3=宮城・常盤木学園)

――きょうの試合を振り返って

久しぶりに試合に出て、慣れないFWだったんですけど、前で出たのでできれば得点を取りたかったんですが取れなかったし、チームとしても後半は0―1で負けていて課題の残る試合でした。

――FWとしての起用の理由などは

筑波大が引いてワセダに対して対応すると知っていたので、どこからでも自分は打てるのでミドルシュートを打てと監督(長岡義一、昭43商卒=京都・山城)に言われていました。

――筑波大の印象は

球際が強くて、繋ぐというよりは前に出してそこでそのままゴールに向かうというサッカーだったんですけど、こっちもそれに対してセカンドボールなどで競り負けていた部分があったのかなと思います。

――個人の課題としては

FWとしてだったら、大きいので自分の役割はボールを前で収めるということだったと思うんですけど、きょうはサイドに流れすぎていたのでもうちょっと真ん中で収めて溜めをつくるプレーをしていきたいです。

――FWとしてプレーするのはいかがでしたか

FWはたぶん小学生以来で、準備したのもきのう初めてFWやったくらいの勢いで戸惑ったんですがどこでもできるようになりたいです。

――監督にはハーフタイムになんと指示されましたか

真ん中でポイントになってあまり落ちたりしないでボールを収めてほしいと言われました。

――次節中1日の神奈川大戦に向けて意気込みをお願いします

出れるのであれば、どこのポジションであっても全力を尽くして頑張りたいです。

MF高木ひかり(スポ2=静岡・常葉学園橘)

――きょうの試合は今季2戦2分の筑波大相手に勝利となりました。振り返って

チームとして苦手意識を持っていた分、ここで勝ち切ることを目標にやっていて、立ち上がりから結構攻めれてたんですけど、中途半端な自分たちのミスで奪われて、ピンチを招くというシーンが多くて、そういうのをもうちょっと減らせていたら立ち上がりから良い試合ができたんじゃないかなと思います。結果的に前半に2点取って、その流れで後半も前から行こうという感じだったんですけど、追加点が取れないということが今後の課題になっていくのかなと思います。

――前半、引いてブロックを形成する相手にシュートまで持ち込めない時間が続きましたが、どのような意識でプレーしていましたか

相手が引いてるというのは分かっていたので、FWに当ててもう1回自分が受けて、前を向いてドリブルするという形を意識していました。監督(長岡義一、昭43商卒=京都・山城)からボールをすぐに離せと言われていたんですけど、案外相手もこなくて、自分の前のスペースが空いていたので、積極的に仕掛けて自分のところで起点をつくろうかなとは思いました。

――先制点のシーンはCKからのサインプレーでしたが、振り返って

正直来るとは思っていなくて、びっくりしてシュートを打って、全然良いコースでは無かったんですけど、結果的に入ったのですごく良かったなと思います。

――後半立ち上がりPKから失点し、相手に裏を狙われる場面も目立った中で、高木選手は選手交代に伴って両サイドでプレーしていましたが、いかがでしたか

サイドでボールを受ける時に自分が起点になって、サイドバックの選手とかが上がれるようなプレーだったり、FWの人が抜け出す動きに対してパスを出したりすれば良いかなと思っていました。

――きょうは中盤がダイヤモンド型でのサイドハーフということでしたが、いかがでしたか

今週の練習では2ボランチでやると思っていたんですけど、急遽昨日サイドハーフをやるってなって、やはりボランチとサイドハーフでは動き方が全然違うので、ボランチのプレーをしないように、サイドで積極的に自分が目立つことを心掛けてやっていました。

――中1日で迎える神奈川大戦に向けて

きょねんあまり点が取れなかったという記憶があるので、強みの攻撃力を生かして、全員点が取れるように頑張りたいと思います。