スタメン起用のMF白井が決勝ゴール ア女が4試合ぶりの勝利をつかむ

ア式蹴球女子
試合結果

関東大学女子サッカーリーグ 後期第1節

2024年6月23日(日)13:00 Kickoff
国際武道大学グラウンド

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早稲田大学 0 1 1
国際武道大学 0 0 0

得点者

後半

73分 白井 美羽

 前節の試合で折り返しを迎えた関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)。ア式蹴球部女子(ア女)は、後期第1節国際武道大との一戦に臨んだ。序盤からボールを保持して相手ゴールへと迫ったア女。しかし、ゴールを奪えないまま前半は終了した。その後も決定機を物にできない時間が続いたが、73分にクロスのこぼれ球を拾ったMF白井美羽(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)がシュートを決めて先制点をあげる。このリードを最後まで守り切ったア女が4試合ぶりの勝利をつかみ取った。

味方に指示を出すDF田頭花菜主将(スポ4=東京・十文字)

 前半の立ち上がりからテンポよくパスをまわし、相手陣地へと侵入したア女。17分にMF大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)のクロスにFW生田七彩(スポ3=岡山・作陽)がヘディングシュートで合わせたが、相手キーパーのスーパーセーブに遭う。39分にはFW千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)が右サイドでフリーになったMF福岡結(スポ1=岡山・作陽)にパス。福岡がペナルティエリア内からシュートを放ったが、これもキーパーにセーブされる。その後も敵陣で一方的にボールを支配したが、決定的な場面をつくれずに試合はハーフタイムへ突入した。 

ボールをキープする大山

後半も前半同様にボールを保持するが、決定機を生かせない時間が続いた。62分には左サイドでペナルティエリア内へ侵入した千葉が中央へ鋭いクロスを送るが、FW﨑岡由真とは一歩合わない。その後は途中交代で投入されたMF三宅万尋(スポ1=東京・十文字)が右サイドで攻撃の起点として機能する。すると73分に右サイドで相手の裏を取った三宅が大山へパス。パスを受けた大山がクロスを送ると、このクロスが相手に当たり白井の下へ。こぼれ球を拾った白井が冷静にボールをゴールへと流し込み、ア女が先制に成功した。残された時間も相手に決定機を与えることなく安定した試合運びを見せ、試合は終了。4試合ぶりの無失点試合かつ勝ち点3となった。

先制点を決めて喜ぶ選手たち

 前後半通じて相手を圧倒した今節のア女。中盤での細かいパスワークからチャンスをつくり、中央を警戒されればサイドを使った攻撃で相手を翻弄し続けた。直近の3試合を1分け2敗と勝星がなかっただけに、今節の勝利はチームにとって大きな意味を持つ。次節の相手は前期勝てなかった相手・筑波大である。ホームでしっかりと勝ち切り、目標である関カレ優勝に向けて最高のリスタートを切ることに期待したい。

(記事 荒川聡吾、写真 大幡拓登)

スターティングメンバー

早大メンバー (数字は背番号、◎はキャプテン)
GK 16
丸山翔子(スポ4=スフィーダ世田谷FCユース)
DF 3 杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)
DF 5 ◎ 田頭花菜(スポ4=東京・十文字)
DF 28 佐溝愛唯(社1=大阪・大商学園)
MF 8 白井美羽(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)
MF 10 築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)
MF 11 宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)
MF 14 大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)
MF 27 福岡結(スポ1=岡山・作陽)
→46分、三宅万尋(スポ1=東京・十文字)
FW 9 生田七彩(スポ3=岡山・作陽)
→46分、﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
FW 15 千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)

試合後インタビュー
後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)
ーー
前節と比べて、メンバーの入れ替えがあったが、どういった意図がありましたか 
 後期に向けて、改めて自分たち早稲田のサッカーというのをやろうという確認を、全チームでした中で、今1番ベストなメンバーを出したというところです。

ーーここ3試合勝てない試合が続いてましたが、この1週間どのようなことに取り組みましたか
 自分たちの特に攻撃の部分での修正をしたんですけど、以前も言ったかもしれないですが、本当に今年の選手たちの戦術理解からの体力というか、そこは本当に改めて素晴らしい力を持ってるなというのを感じました。ただその反面、山梨学院大戦のとこでも点を決めれなかったところと合わせて、ゴール前のペナルティエリア内での強さみたいなところは、うまく崩しても最後足を伸ばしてくるので、もう体押さえて決めきるのか、最後こっちが伸ばしきれるの
か、そこの部分に関してはまだまだ努力する余地があるんじゃないかなと全員が感じてると思います。

ーー
良い守備から良い攻撃を意識していますが、クリーンシートという結果にはどう手ごたえを感じますか 
 私は、ア女という文化や伝統としてしっかり守備をオーガナイズして、良い守備から良い攻撃へというものを代々継いできてる血みたいなものがあると思ってるので、そこに関しては絶対譲っちゃいけない。今日に関しては、やっぱり良い攻撃をできると繋がりがいいので、奪われた瞬間にそのままボールを奪いに行ける局面というのはロングボールのサッカーだとしづらいですけど、うちみたいにしっかり繋いでいけば高い力の守備がしやすいと思います。 そういう意味では、まだまだ切り替えの速さだったり、奪い切る力というところはまだまだだ。まだ伸ばせる部分はあるかなと思いました。

ーー前期1位という目標を掲げてた中で、どういったところを現時点目標として捉えていますか
 もちろん関カレ優勝を掲げていますが、後期はどのチームもチーム力が上がってくるし、こういう1-0の試合だったり、昨年も厳しい中で勝ち点を積み重ねてきたと思うので、それは選手たちがわかってると思いますが、その中で勝ち切る強さというのが結局は皇后杯だったりインカレに繋がっていくと思うので、さらに質を上げて自分たちのサッカーを求めながら、しっかり結果を出していきたいと思います。

ーー次戦の相手は前期勝てなかった筑波大ですが、どういったことを意識して臨んでいきたいですか 
 サッカー自体は今日の国際武道大と似てるというか、ロングボールを主体にしてしっかり守ってカウンターという形ですが、もう1つ守備のオーガナイズだったり、1人1人の強度だったり、そういったところが上がってくると思うので、今回出た改善点をしっかりとぶつけられる相手だと思います。前期引き分けで終わってしまった悔しさを勝ち点3で取り返したいと思います。


MF白井美羽(スポ4=ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ)
ーー今日の試合を振り返っていかがでしたか
 なかなか攻めていましたが、決めることができなくて苦しい時間帯が長かったなという印象です。

ーー直近の3試合勝てない試合が続きましたが、どういったところにチームとして課題や難しさがあったと感じますか
 やっぱり自分たちのウィークポイントとか、蹴ってくる相手の強さとか、そういったところが強い相手が前期の最後に続いて、対応しきれなかったのが勝ちきれないところとかに繋がったと思います。

ーー今日の試合は前節と比べるとア女が一方的にボール支配して進みました。この1週間、どういったところを意識して今日の試合に臨みましたか
 分析とかスカウティングの部分で、ワイド起点でどうやって自分たちの良さを出していくかというところをちゃんとミーティングで伝えられて、そこでどういう風に攻めてどういう風にボールつないでいくかを全員で共通認識できたので。そこを意識しながら練習もみんなで取り組めて、それが結果として現れたのかなと思います。

ーー関カレでのスタメン出場は久々でしたが、どういった意気込みでしたか
 とにかく緊張しました。今シーズンのスタメンは2試合目とかなので、緊張したんですけど、スタートとして出るからにはしっかりと責任を持って勝利に貢献できるように、自分の良さも出しつつチームのために全力で走ろうと思って臨みました。

ーーご自身の得点シーンを振り返っていかがでしたか 
 良いチームの時間帯ができてる中で、クロスが結構入ってた時間帯だったと思うんですけど、そこでなかなか決めきれなかったので、こぼれ球来るかなと思いながら入っていたらたまたまこぼれてきて決めきれたので良かったです。

ーー次節筑波大戦に向けた意気込みをお願いします
 前期に引き分けてる相手なので、しっかりと勝ち切って、シーズンの目標のリーグ優勝というところに向けて、まだ2位なので勝ち点を重ねられるように頑張りたいと思います。

DF杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)
ーー今日の試合を振り返っていかがですか
 前期最後の3試合の終わり方が良くなかった中での後期開幕の一戦でした。チーム全体で気持ちを新たにしての試合だったので、勝ち切ることができてよかったです。
 
ーー前期最終3節の終わり方にはどんな課題がありましたか
 まずは勝ち切れなかったこと、また相手がどういうサッカーをしてくるというのが分かっていた上でそれをやらせてしまったこと。そしてそれに対して自分たちのやりたいこと、すべきことを出しきれずに終わってしまったことが課題でした。今日は相手の強みを抑えつつ、自分たちのサッカーをやり切ることを意識して試合に臨みました。
 
ーー今日は3バックの中央でしたが、そこに関してはいかがですか
 3バックの真ん中は攻撃の起点になるポジションで、自分がボールを動かさないとチームは回らないですし、守備でもカバーをしっかりしないと相手の波に乗らせてしまうので、少し緊張はしていました。でもどんなことがあっても自信を失わずに戦い切ることを目標に、しっかりとプレーできていたかなと思います。
 
ーー後半にチームとしてうまくいった部分、結果につながった要因はどういったところですか
 攻撃に関しては前半からテンポやつなぎの部分は悪くなかったと思うんですが、ゴール前の押し切るところが足りていなかったので、後半も良かったところを引き継ぎながら、ゴール前でパワーをもってゴールに迫れたことが得点につながりました。加えて守備陣もリスク管理を徹底して無失点に抑えることができたのが、勝利の要因になったかなと思います。
 
ーー今季はミスさえなければ失点することはそう多くない一方で、簡単なパスやコントロールミスが失点につながってしまっている印象があります
 チームとして失点やピンチになったシーンの多くは、自分たちのミスやセットプレーからのものだということは、前期を通して自覚しているところです。ただそれは自分たちの意識で変えられるところでもありますし、1人で戦うのではなく、ピッチ外の人を含めチーム全員で戦うことで改善できることだと思っています。後期2節以降もそれを意識しながらア女のサッカーを体現して、気を引き締めてやっていきたいです。
 
ーー次節は前期に引き分けた筑波大戦ですが、どのように戦っていきたいですか
 もしかしたら今節同様、得点が中々入らずに焦れてしまうこともあるかもしれませんが、そこで焦らずに自分たちのサッカーをやり続けること。そして攻守共にゴール前で戦って、失点はせずに意地でも得点を取って勝ち切りたいなと思います。