終了間際に痛恨の失点 今季初黒星を喫す

ア式蹴球女子

第38回関東大学女子サッカーリーグ 6月8日 スポーツ日大アスレティックパーク稲城

 関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)開幕から8試合無敗のア式蹴球部女子(ア女)。今節はアウェイで日大との一戦に臨んだ。早々に先制点を奪い、試合を優位に進めたかったア女だが、前半はなかなかチャンスをつくれず相手の攻撃を受けることに。後半も相手の固いディフェンスを崩せないままでいると、88分に失点を許す。そのまま試合は終了し、ア女が今季初黒星を喫した。

ドリブルを仕掛ける新井

 序盤から右サイドを中心とした攻撃で相手ゴールへと迫ったア女。MF新井みゆき(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)がサイドを駆け上がり、クロスを積極的にあげるがチャンスにはつながらない。その後は相手に押し込まれる展開が続いた。17分にクロスからペナルティエリア内で相手にシュートを打たれるが、GK石田心菜(スポ4=大阪学芸)がビッグセーブ。続く18分にはコーナーキックを相手に合わせられたが、これも石田がセーブして失点を防いだ。両チーム共に得点を奪えずに前半は終了。勝負の行方は後半に持ち越された。

シュートを打つMF福岡結(スポ1=岡山・作陽)

 攻撃の糸口をつかみたいア女は、ハーフタイムにMF大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)を投入。大山とMF宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)を中心としたパスワークで徐々に相手陣地でボールを回し始める。76分には大山のコーナーキックをFW米村歩夏(スポ1=宮城・聖和)がヘディングで合わせたが、シュートは惜しくもクロスバーに弾かれる。その後もボールを保持して相手ゴールへと迫ったが、シュートまでたどり着かない展開が続く。すると88分に相手キーパーのキックが、裏へと抜け出した相手フォワードにつながる。そのまま相手にシュートを打たれ、失点を許すことに。残された僅かな時間で果敢に攻め込むア女。しかし、タイムアップの笛が鳴り、今季関カレ初の負け試合となった。

 最後までゴールを奪えなかった今節。攻撃の課題へと目が行きがちだが、相手の勢いに飲まれた試合展開を忘れてはいけない。「1つ1つの球際だったり、ルーズボール、セカンドボールをどちらが拾えていたかというと日大」と後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)と言うように細かい勝負で相手に主導権を許したことで苦しい試合展開を迎えることになった。試合ごとに課題に向き合い、勝利を積み重ねてきた今季のア女。試合を重ねるにつれ成長していたことはこれまでの結果が証明している。再度チームとして修正すべき点に向き合い、次戦首位の東洋大との一戦に臨むことを期待したい。

(記事 荒川聡吾、写真 勝野優子)

早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン
GK 石田心菜(スポ4=大阪学芸)
DF 3 杉山遥菜(スポ2=東京・十文字)
DF 5 ◎ 田頭花菜(スポ4=東京・十文字)
DF 28 佐溝愛唯(社1=大阪・大商学園)
MF 2 新井みゆき(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
→46分、大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディメニーナ)
MF 11 宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)
MF 24 三宅万尋(スポ1=東京・十文字)
MF 27 福岡結(スポ1=岡山・作陽)
FW 7 﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
FW 15 千葉梨々花(スポ2=東京・十文字)
MF 26 米村歩夏(スポ1=宮城・聖和)


コメント
後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

ーー今季初黒星となりました。試合全体を振り返っていかがですか
 今のチームの立ち位置として、しっかりとチーム全員で受け止めたいと思います。

ーー前半なかなか攻撃を仕掛けられない中でハーフタイムに大山選手を投入しました。選手交代の意図を含めてハーフタイムでどのような指示を出しましたか
 まず中盤のバランスがすごく崩れてたので、大山を入れて中盤のバランスを取りたいというのが1つありました。もう1つは最初は右サイドで結構裏を取れていたと思うんですが、そこの狙いがあった上でワイドが落ちてきた時のフォワードの動き出しが少なかったので、そこの動きを由真(FW﨑岡由真、スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)が特に入れてくれるように。相手のラインが高かったので、ワイドが裏を取るのか、3センターバックがボールを持てる状況だったので、フォワードが取るのかというところを確認しました。 後半その形は出ましたが、最後の部分が非常に今日は低かったので、結局得点が入らないままロングボール1本でやられてしまったというところです。

ーー今季の関カレでは初めて得点を奪えない試合となりましたが、どのような難しさがありましたか
 確かに今季得点を取れてるチームではあるんですけど、やっぱりア女のベースは良い守備からなので。攻撃で得点を取れないところは、逆にそういうタレントがいるからこそ修正はしっかりできるので、守備のところがあまりチームとして自分たちの奪い切りたいところで奪いきれてない。良い守備から良い攻撃にというところができてない部分が今は1番の課題かなと思います。

ーー次戦からは東洋大、山梨学院大と上位勢との試合が続きます。意気込みをお願いします
 今日戦術的、 サッカーの部分でも修正するべきところはたくさんありましたが、それ以前にシンプルに日大さんの方が勝ち点3を取る、取りに行くことに対して、1つ1つの球際だったり、ルーズボール、セカンドボール、どちらが拾えてたか、どちらのボールになってたかというと日大さん。それは後半に自分たちがボールを保持してる時もそうだったと思うんですよね。だから、そういったところが、1週間の練習の中でそういう甘さとか、勝っていることへの慣れとか、そういう部分が無かったのかというところを改めて自分たちでもう1度振り返って、その上で戦術的な話をしないといけないなと改めて思いました。

DF田頭花菜主将(スポ4=東京・十文字)
ーー試合全体の振り返りをお願いします
 そもそも入りから自分たちのシンプルなミスとかが多くて、そこから相手に押し込まれる時間があった中で、それが試合を通して変えられなかった部分が全面に出てしまったなというのがすごく感じています。負けたことに対しては、試合内容も含めて別に違和感はないから、これだったら負けるよなという感じです。

ーー攻撃の部分でどういった難しさがありましたか
 相手のファーストプレッシャーが3枚に対してバックラインに対して、あまりかけてこない中で、人は中盤に人数が多いなかで、どこから攻めていくかというところで、相手もラインがそこまで低くなかった中で、背後を取りに行く動き出しが少なかったからこそ、前進できなかったなというふうに感じています。

ーー失点シーンを振り返っていかがですか
 ああいう1本で負けてしまうし、今まで失点していなかっただけでああいうシーンは作ってきた中でずっと課題だったのでこれがインカレじゃなくて良かったと思うしかないし、向き合ってやっていくしかないなと思います。

ーーここからのリーグ戦で上位勢との対決に向けて、意気込みをお願いします
 ここで負けたことをポジティブに捉えて、自分たちは弱い、というのを改めて一人一人が感じたと思うし、東洋大学に勝てば今日の負けというのは、ひっくりかえせると思うし、最後の集合で監督の方からもあったんですけど、もっと練習の中で週末の試合に向けて、どこまで良い準備ができるかっていうのを、チームとしてもう一回作っていきたいなと思います。