早稲田大学 1ー1 駒澤大学


試合記事
リーグ戦3連勝でついに自動昇格圏内の2位に戻ってきたア式蹴球部(ア式)。今節は優勝に向けての大一番、首位攻防戦・駒大戦に臨んだ。
立ち上がりにチャンスを作ったア式。6分、中盤起用の続くMF鈴木大翔(スポ3=ガンバ大阪ユース)が右サイドに展開し、今節も右サイドバックでのスタメン起用となったDF増田健昇(スポ4=横浜FCユース)がクロスを上げ、こぼれ球をMF久米遥太(政経2=東京・早実)が詰めるが相手の守備に阻まれて先制とはならない。その後もサイドハーフ、サイドバックの連携からチャンスを作るがなかなか得点は奪えず、一方、守備では駒大特有のロングボールを中心としたサッカーで、徐々に押し込まれるがGK海本慶太朗(スポ3=大宮アルディージャU18)の好セーブもあり相手に得点を許さない。40分に相手の右サイドのアーリークロスをフォワードに頭で合わせられてゴールネットを揺らされるも、これはオフサイドの判定でゴール取り消しとなり難を逃れた。攻撃は決め手を欠き無得点、守備は集中力を維持して無失点のまま前半を折り返す。
後半は序盤から相手に押し込まれる展開が続く。それでも粘り強い守備を見せ決定機らしいシーンを作らせない。59分にDF佐々木奈琉副将(社4=新潟・帝京長岡)と2試合連続アシストと状態を上げてきたMF本保奏希(スポ4=JFAアカデミー福島U18)を投入して先制点獲得へ向けてア式は攻勢を強める。それでも相手の流れが続く。71分には相手にシュートチャンスを与えてしまうも海本のセーブでしのぐと、78分にはキーパーを超えて枠内に入るシュートを打たれたがDF伊藤稜介(スポ2=ジュビロ磐田U18)が間一髪のクリアでゴールからかき出し得点を許さない。82分、ついに試合が動く。途中出場のFW佐久間真寛(商4=静岡・藤枝東)のパスを受けたMF森田大智(スポ4=熊本・大津)がドリブルでゴール前へ侵入すると、左サイドでフリーになっていた本保にパス。本保のクロスに反応した逆サイドの久米が、冷静にゴールの隅にシュートを沈めて待望の先制点を獲得する。リーグ優勝に向けてこの1点を守り切りたいア式だったがわずか2分後にボレーシュートを決められて同点に追いつかれてしまう。再び勝ち越しを狙ったア式は再三セットプレーのチャンスを作ったが、この日もキャプテンマークを巻いたDF石井玲於奈(商4=FC東京U18)のヘディングシュートが相手の好セーブに阻まれるなど、勝ち越し点を奪えずにタイムアップ。天王山は痛み分けで終わった
自力での優勝を掴むべく勝ち点3を手に入れたかったア式だったが、勝利には届かなかった。攻め込まれながらも粘りの守備を見せて決定機をほとんど作らせず、自分たちとしてもやりたい形の攻撃ができているシーンも多かっただけに、この結果はもどかしいものだろう。それでも残りの3試合で3連勝すると自動昇格圏内の2位以上が確定する。過去2年間のシーズン最終盤は他会場の結果を気にしながらの試合もあったが、今年はそうではない。自分たちの運命を自分たちで切り開くことができる。長いトンネルの出口に自分たちで辿り着くために。常に自分たちを疑い続けて積み上げてきたもの、やってきたことを最後は信じて、一戦必勝でシーズンのクライマックスへ歩みを進めてほしい。
(記事:和田昇也、写真:安田直樹、本多鼓瑚)
| Pos. | 背番号 | 選手名 |
|---|---|---|
| GK | 21 | 海本慶太朗 |
| DF | 3 | 増田健昇 |
| DF | 4 | 石井玲於奈 |
| DF | 27 | 伊藤稜介 |
| DF | 30 | 尾崎凱琉 |
| MF | 9 | 鈴木大翔 |
| MF | 14 | 森田大智 |
| MF | 17 | 秋山虎之亮 |
| MF | 20 | 久米遥太 |
| MF | 24 | 高橋作和 |
| FW | 18 | 伊藤猛志 |
| Pos. | 背番号 | 選手名 |
|---|---|---|
| GK | 1 | 雨野颯真 |
| DF | 2 | 佐々木奈琉 |
| DF | 5 | 佐久間真寛 |
| DF | 7 | 西凜誓 |
| MF | 8 | 谷村峻 |
| MF | 11 | 本保奏希 |
| MF | 23 | 瀧澤暖 |
| MF | 28 | 神田拓人 |
| MF | 29 | 山田皓生 |
インタビュー
兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー試合を振り返っていかがですか
前半は、自分たちが分析した通りにやりたいことをやれた時間が多かったのかなという感じです。後半、入りのところから相手がプレスの圧力をかけてくるだろうというのが予想できた中で、相手が背走するようなそのボールが、前半最初に入れられず、相手が前向きな状態で、ヘディングもパワーを持った状態ではじかれるシーンが多かったです。それがあったので最初のタイミングで、ポイントもう一個奥だよねっていうところを全員がもう一回徹底しました。守備に関しては全員が粘り強く、その体を張って、押し込まれたけど、ピンチらしいピンチはここまで多くはなかったというところは、ちゃんと守備というベースは定着したっていうところはありながらも、攻撃っていうところで前半できてたことがなんかできなくなった要因っていうのは、セカンド回収の点で前半より慌てたボールが返ってくるから、そこに対して落ち着かせ所をちょっと作れなかったっていうのが、ポイントかなと思います。選手交代も含めて、ここからっていうタイミングのところでは、その役割通りにしっかりとやってくれたところもあったと思うんですけど、点取った後に、僕らも、喜びの感情と、まあ冷静さというところでは、すぐの選手交代で、1ー0の状態で行くっていう合図を送るのか、まだ十分な時間があったから守るというよりは、あと5分ぐらいはこの流れでいけるっていうのに関するジャッジをしてっていうところからの、あの失点だったんで、そこの決断というところは、早くても良かったかなっていう感じです。そこが改善できた点かなっていうところはあるんですけど、やるべきことというところは、みんなしっかりとハードワークしてくれたんで、そこの自分たちの声かけだったり、交代の意図というところだったりタイミングだったりというところは反省としては残ります。
一一前期も駒澤戦は結構苦しんだと思うんですけど、チームをこう見た時に、前期と今でなんか変わったなと思った点はありましたか
前期も、正直、やられたかっていうよりは、コーナーキックのカウンターと、押し込んだ状態でのカウンター二本だったんで、そんなに苦手な意識とかもなくっていう感じです。ただそのカウンターは絶対気をつけようねっていう中で、今日はそこのきっかけほをぼ作らせなかったので、チームとしてクリアにできたかなと。で、クロス対応のところも、今季の過去の試合のところでは、怪しかったポジションというところは、ある程度修正できたところもありました。オフサイドになったシーン以外は、基本的にはちゃんと配置と準備というのは悪くない状況を作れてたんで、そこら辺の硬さというのは少しずつ構築できたのかなと思います。ただ、後半の攻撃っていうところに関して、前半うまくいってたっていうところから、こっち側からセカンドボールを落ち着かせるのを含めて、もう一個奥にっていうのは発信はしてたんですけど、もう一個早くタイミング伝えて、ゴールキックでいいから奥に行こうっていうところをもっと強調してもよかったのかなっていうのがあります。
一一残り試合はもうチームとしてやることは変わらないですか
変わらないですね。やってきたことの完成度を高めるっていうことだったり、それぞれのプレーのクオリティというところだったりを高めて、あとは同じようにイメージを描けるタイミングがだいぶ増えてはきてるんで、そこに対して最後のクロスのクオリティだったり、シュートのクオリティだったり、ラストスルーパスのクオリティだったりというところが一個できてると、よいのかなというところです。
MF久米遥太(政経2=東京・早実)
ーー試合振り返っていかがでしたか
自分としてもチームとしても、この試合がどれだけ大事なのかというのは、チームの共通認識で持ってたので、勝てば昇格争いで優位に立つし、負けたら逆に厳しくなるという大事なゲームっていうのは思ってました。相手も同じ気持ちだったと思うんで、入りから結構締まった戦いでした。一点取れたところまでよかったんですけど、そこで一瞬気の緩みが出たのが勝てなかった原因かなと思います。
ーーチームとしてうまくいったところ、うまくいかなかったなってところ、それぞれありますか
相手のロングスロー含めたセットプレーってとこはストロングだったというのはわかってたので、そこの対策は粘り強くできた部分もありました。攻撃の部分は後半に入ってから、うまくいく部分も多くて、そこら辺は出せたかなと思います。
ーー残り3試合になりますけど、チームとしての意気込みを教えてください
チームとしては、残り全部勝てば自力でいけるので、一戦一戦ですけど、特に次絶対落とせない試合が3日後にもあるんで、よい準備をしたいなと思います。