【男子サッカー】山梨学院大に4発快勝も課題の残る一戦となった

ア式蹴球男子
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JR東日本カップ2025|関東大学リーグ戦 第16節

2025年10月12日(日) 14:00 KO

@早大・東伏見グラウンド

早稲田大学 4ー0 山梨学院大学

(2-0 / 2-0)
試合写真
前半12分早稲田 伊藤猛志(PK)Goal
伊藤猛ゴール
PKキッカーの伊藤猛
前半15分早稲田 久米遥太Goal
後半15分交代|早稲田 29 山田皓生 → 8 谷村峻Sub
後半20分早稲田 久米遥太(鈴木大翔)Goal
久米ゴール
本日2点目を決めた久米(左)とアシストした鈴木(右)
後半21分交代|早稲田 18 伊藤猛志 → 5 佐久間真寛Sub
佐久間
投入された佐久間
後半33分交代|早稲田 28 神田拓人 → 17 秋山虎之亮Sub
後半37分交代|早稲田 7 西凜誓 → 3 増田健昇Sub
後半40分交代|早稲田 20 久米遥太 → 11 本保奏希Sub
後半45+2分早稲田 秋山虎之亮Goal
秋山ゴール
関東リーグ初ゴールを決め喜ぶ秋山と仲間たち

試合記事

前節、手痛い敗戦を喫したア式蹴球部(ア式)。今節は下位に沈む山梨学院大をホームに迎えての一戦となった。立ち上がりからペースを握ったア式。12分にFW伊藤猛志(スポ3=ジュビロ磐田U18)のPKで先制する。直後の15分にはMF久米遥太(政経2=東京・早実)がこぼれ球を詰めて2点目。後半に入り65分にはMF鈴木大翔(スポ3=ガンバ大阪ユース)のクロスに、これまた久米が頭で合わせて3点目。後半アディショナルタイムにはMF秋山虎之亮(法2=湘南ベルマーレU18)がリーグ戦初ゴールを決め、4ー0で大勝を飾った。

下位に沈む相手にしっかりと勝ち切りたいこの試合。序盤からア式がペースを握る。3分、リーグ戦初スタメンとなったMF山田皓生(社3=群馬・前橋育英)が左サイドでボールをカット。久米がMF高橋作和(法3=東京・国学院久我山)とのパス交換で抜け出し、シュートを放つも相手キーパーに防がれる。主導権を握るア式はDF伊藤稜介(スポ2=ジュビロ磐田U18)からのロングボールを中心に攻撃を組み立てる。すると10分その伊藤稜のロングボールを収めようとした伊藤猛がペナルティエリア内で倒されPKを獲得。そのPKを伊藤猛自身がきっちり右に決め先制に成功する。得失点差のためにも得点を量産したいア式は15分。山田、久米とパスで相手を崩し、抜け出した伊藤猛へ。伊藤猛のシュートは相手ゴールキーパーに止められるが、そのこぼれ球を久米が頭で詰めて2点目。前半のうちに更なるゴールを奪い試合を決定づけたいア式だったが、ここから徐々に相手ペースに。19分、23分と立て続けにクロスを入れられるもGK海本慶太朗(スポ3=大宮アルディージャU18)を中心にゴールを許さない。前半はこのまま2-0で折り返す。

後半もア式ペースで試合が進む。55分には高橋が、58分には西がクロスを上げるも、中に上手く合わない。そして59分にビッグチャンスが訪れる。右サイドを駆け上がったDF石井玲於奈(商4=FC東京U18)のクロスを伊藤猛が胸で収めシュートを放つも相手キーパーのスーパーセーブで防がれてしまう。今後のためにも得点を取っておきたいア式は60分に山田に代えてMF谷村峻副将(スポ4=FC東京U18)を投入する。すると65分前線でボールを奪った鈴木が谷村とパス交換で抜け出し、逆サイドにクロス。これに再び久米が頭で合わせて3点目。久米の本日2ゴール目で相手を突き放す。その後、山梨学院大の反撃に遭い、何度もゴール前に迫られるもディフェンス陣の体を張った守備で得点は奪わせない。すると、後半アディショナルタイムに秋山の素晴らしいロングシュートが決まり、4点目。このゴールがダメ押しとなり4-0でタイムアップ。結果、ゴールラッシュを見せ勝ち点3を手に入れた。

終始ア式がペースを握った今節。得失点差のためにゴールショーを期待され、しっかりと結果を見せてくれた。前節の結果を踏まえると目標である1部昇格、2部優勝のためにはもう落とせる試合などない。もう一度全員で「球際、切り替え、運動量」の原則を見つめ直し、残り6試合プライドを取り戻す戦いを見せてほしい。

(記事:安田直樹、写真:本多鼓瑚、山口愛結)

先発メンバー
Pos.背番号選手名
GK21海本慶太朗
DF4石井玲於奈
DF7西凛誓
DF27伊藤稜介
DF30尾崎凱琉
MF9鈴木大翔
MF20久米遥太
MF24高橋作和
MF28神田拓人
MF29山田皓生
FW18伊藤猛志
スタメン写真
スターティングメンバー
リザーブ
Pos.背番号選手名
GK1雨野颯真
DF3増田健昇
DF12野田隼太郎
DF25泉新之助
DF26金指功汰
MF5佐久間真寛
MF8谷村峻
MF11本保奏希
MF17秋山虎之亮

インタビュー

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)

ーー試合を振り返っていかがですか

分析通りというところで、自分たちが目指しているサッカーに対して相手のやり方において、どこにウィークができるかというところをうまく伝えられて、それを実行できたのかなていうところです。逆に相手がちょっとやり方を大きく変えたわけではないのですが、狙うポイントを含めて、そこがうまく相手の混乱を招いて、結果をしっかりと取るべきところで取るべき人が取ったというのは良かったのかなと思います。ただ、2ー0になった後に少しゆるくなったところが、チームとしてはこういうところはなくさないといけないよねというところで、もう1回危機感持とうねというゲームだったのかなと思います。

一一今日は石井選手(石井玲於奈、商4=FC東京U18)がキャプテンでした

出てる4年生が務めるというところで、玲於奈が引っ張ってくれたと思いますし、元々そのぐらいのポテンシャルを持ってるプレイヤーだと思ってました。ただ、発信というところが玲於奈の元々の課題でもあったし、1人しか出ていないという状況が玲於奈自身を成長させるというところはあります。また最後に代わって出てきた4年生がそれぞれの仕事をしっかりと全うしてくれる、チームを引き締めるというのは1番大事なので、これをまたさらに今日以上のものを常に出し続けられるように、トレーニングから厳しく、自分たちで環境設定するのが大事だと思います。外から言われてやるのは多分誰だってできるので、強いチーム、勝ち続けるチームは自分たちの中でそこのモラル、規律の高め方があるかなと思います。だからそこに対して足りない部分は自分たちが、外からしっかりスタッフが伝える、自分たちから発するエネルギーというのは出てこないといろいろと難しいかなと思うので、4年生としっかりコミュニケーションを取りながら残りの試合、全勝できるように準備したいなと思います。

一一久米選手(遥太、政経2=東京・早実)が今日で今シーズン6点目となりました

やはり久米の良さは野生に溢れるところで、その中で個で突破できる力というのは、間違いなくア式の中でも高いものがあると思います。ただ突破ばかりに頭を取らずしっかりと自分で状況を見ながら、今日は基本的にこの辺でいいからねというのが少し今日はまったなというポイントでした。当然チームとしての比率だったり、そのプレイモデルというのは全員が理解した中で、自由とまではいかないですが、人によってはがっちりそういう風にやるべきことを定めてあげた方がプレーを発揮しやすい人もいるし、それにはめすぎると今度は少し固くなりすぎて自分らしさが出ないという人もいるのかなと思います。だから伝え方っていうところだけで、やるべきことは正直変わっていなくて、最初に取るポジションだったり、このポイントになってきたら、自分で考えて入ってきていいよというのを言ってあげただけなので、そういうのも改めて自分の中でも勉強になりました。ただ、チームとしてやるべき方向性はぶらしてはいけないので、その中でこういうきっかけになった時には、こういうポイントを取っていた方が自分もストレスなくプレーできるよねというところや相手にとっては1番嫌だよねというところを久米が見つけてくれて、相手にとってはそれがイレギュラーみたいになって、少しあれっ、という感じを前半から生み出せました。その部分は学生コーチがしっかりと分析してくれた中で、相手がここにスペースを空けるというとこだったり、そういうチームとしてこういうところに持っていこうねという練習を積み上げられたというところが1つ良かったのかなと思います。

一一後期が始まった段階で最初5試合が特に大事になるというお話がありましたが、5試合を振り返っていかがでしたか

法政戦は正直ぎりぎり引き分けたっていうところなので、いい意味で勝ち点を拾えたというゲームだったので、4勝1分けがベストなスタートかなという感じでは、内容含めて思いました。ただやはり何が起こるかわからないのがこの2部リーグなので、そういう部分では3勝1分1敗でいけたというのは最低限、ただここから加速していくというのが大事で、連勝がないと昇格は絶対無理だと思っているので、次の関東大のゲームを含めて、10月の下旬から始まる連戦というところのポイント、そこでもうほぼ決まると思うので、そこに向けてまた全員でトレーニングからやりたいなと思います。

監督の写真
試合中の兵藤監督

DF石井玲於奈(商4=FC東京U18)

ーー試合に向けて、前節からどういう準備をしてきましたか

この試合に向けて、前節、負けてしまってたんで、気を引き締めて、もう1回やろうってところと、前節が相手に引かれて、なかなか点取れない中で、チャンスを決められて負けてしまったっていうのがあったんで。今回も、相手が引いて守ってくるっていうのが分かってたので、なるべく早い時間帯で点取りたいねっていう話をしてました。あと、ワンチャンスとか、苦しい時間帯も来るかもしれないけど、そういうところで気を引き締めてやるっていうことを意識してました。

ーー前半を振り返ってください、まずは個人としてはどうでしたか

審判のところで結構ファウルを厳しく取るっていうところは事前情報で分かってたんですけど、ちょっとしたいつも取られないところのタイトな守備のところで結構取られるってことが分かったんで、自分の持ち味の強くいくところが制限されてしまって自分の思ったようなプレーができてできなかったなっていうのはあります。

ーーそれを受けて後半はどう修正していきましたか

後半は強くいくとファウル取られるっていうのがわかってたので、ボランチのプレスバックを早くしてもらって、自分は前へ向かせないことを考えて、自分で取るというよりは2人で取るっていうのを意識してました。

ーー次に、試合をチームとして振り返ってください

試合としてはやっぱりPKという形でしたけど、先に早い時間帯で点を取れたっていうところが、こういう勝ちに繋がったのかなと思います。ただ、監督からも話があったんですけど、2点差ついたところで緩みがあって、相手にずっとボール持たれる時間帯があったりしました。そこで点を取られてもおかしくなかったので、前半の最後と後半の最初、2点差のところの時間帯は何をすべきなのかっていうのを統一していくことが大切だったのかなっていう風に思います。ただ、しっかり無失点で終わって4点取るっていう結果だけ見れば良かったと思います。

ーー今日はキャプテンマークをつけて出場しましたが、何か意識しましたか

4年生が1人だけだったっていうので、自分になったと思うんですけど、キャプテンマークを巻いたからには、しっかり声をだして、周りを鼓舞していくことを意識しました。いつもよりは声を出してプレーで引っ張っていこうっていう気持ちはありました。

ーー今日はセンターバックで出場しました。最近はサイドバックでの出場が多かったですが、何かそれぞれのポジションでの意識はありますか

自分自身、高校まではセンターバックの出場が多かったんですけど、大学の初めはサイドバックをしたくて入ってきてたので、どっちもできる準備は正直ずっとできていました。与えられたポジションだったり、監督が今日はこれを求めてるっていうことだったと思います。だから与えられたポジションで自分の得意なこと、特徴を出していくだけだったので、別にポジションが変わったからといってやること、自分がやることは別に変わらなかったかなと思います。

ーー最後に、次の試合に向けて意気込みをお願いいたします

4年生全員でちょっと会議したんですけど、結果だけ見たら4-0で大勝なんですけど、2点差ついたところで危なかったシーンとか決められてもおかしくない、負けてもおかしくないところはあったと思います。だから、こういう大勝した後の試合が難しいってことは前期でもあったので、もう1個練習から気を引き締めて、これはただ単に偶然勝ったというか、負けてもおかしくなかったってことを肝に命じて頑張っていこうっていう風に思ってます。

石井の写真
この日はキャプテンマークを巻いて出場した石井

MF山田皓生(社3=群馬・前橋育英)

ーーこの試合に向けてどういう準備をしてきました

昨日ぐらいにスタメンって分かったんですけど、あまり特別な準備はしてなくて、いつも通りやろうという感じでした。

ーー個人として前半を振り返ってどうでしたか

落ち着かない時間が続きましたが、相手との間でボールを持つということを意識して自分起点でボールを保持するということができたのでよかったです。相手に押し込まれて、苦しい時間もありましたが、前半を相手に得点を取らせなかったのは大きかったです。

ーーチームとして前半を振り返ってどうでしたか

入りのところで、球際の攻防で譲らないことと早い時間で一点取るというところはチームとして狙ってやっていたので、そこが達成されてよかったです。

ーーハーフタイムではどのような話し合いがありましたか

前半の後半で、相手にボールを保持されるシーンが続いたので、どこでプレスをかけるかということを話し合いました。

ーーチームとして後半を振り返ってどうでしたか

チーム全体として、3点目が大事になるという認識があったので粘り強く守って3.4点目を取れたというところは大きかったです。

次節に向けての意気込みを教えて欲しいです

優勝に向けて、一個も落とせない試合が続きますが、自分たちがやるべきことは変わらないと思うのでいい準備をして一試合一試合向いたいと思います。

yamadaの写真
関東リーグ初スタメンとなった山田
 

MF久米遥太(政経2=東京・早実)

ーー今日の試合に向けてどんな準備をされましたか

連戦だったんですけど、自分は水曜の試合はあまり出なくて体的には全然大丈夫だったので、3試合全部スタメンで出てる選手もいたので、自分は元気な分いっぱい走って貢献しようと思っていました。

ーー前半を振り返ってみて

国学院戦が入りのビッグチャンスみたいなところで決めきれなくて、そのままずっと点を取れなくて負けてしまったので、今日入りでガツンといって先に点を取ろうということがチームとしての狙いだったので、入りで皆で走って最初のチャンスで決め切ろうと言っていた中で、PKを貰えて幸先良く点取れたので、狙い通りにいったかなと思います。

ーー後半を振り返ってください

前半で2-0になって、緩みが出てしまうと逆転されるというのは、皆の中でハーフタイムに話してたので、0-0のつもりでまた入りからやろうという風に話していました。

ーーサイドバックの選手交代がありましたが、どこか意識してることはありましたか

サイドバックの選手はむしろ自分に合わせてくれるというか、自分がやりやすいようにやってくれているので、自分はいっぱいコミュニケーションをとって、自分の良いプレーを出せるようにしています。

ーー次戦に向けての意気込みをお願いします

4-0で勝った次の試合というのは緩みがちというか、勝ち点を落としてしまう状況だと思うので、また今日の試合のことは忘れて、また入りから良い入りでできるように1週間準備していきたいと思います。