早稲田大学 3 ー 1 立正大学





試合記事
3か月ぶりの再開となった関東大学サッカーリーグ戦2部。ア式蹴球部(ア式)の再開初戦は、過去勝利が無い、アウェイグラウンドでの立正大戦となった。試合は、35分にMF久米遥太(政経2=東京・早実)のゴールでア式が先制。45+1分には久米のボール奪取からMF森田大智(スポ4=熊本・大津)が追加点を決め、2点を先行する展開となった。後半に1点こそ返されたものの、試合終了間際にはMF柏木陽良(スポ3=鹿島アントラーズユース)にダメ押し弾が生まれ、ア式が3-1で勝利。重要な再開初戦を快勝で飾った。
苦手とするアウェイ立正大戦。この日も、序盤は苦しい立ち上がりとなった。2分には左サイドからライン間を突かれるも、MF神田拓人(スポ2=福島・尚志)が戻って何とかカバー。4分には左サイドに起点を作られると、ゴール前45度の角度からミドルシュートを放たれる。ワンバウンドの難しいボールになったものの、ここは今季初出場となったGK海本慶太朗(スポ3=大宮アルディージャU18)がセーブ。直後にはコーナーキックのこぼれ球を拾われ、シュートを放たれるたが、再び海本がセーブ。復調を果たした守護神の活躍で、試合は徐々にア式ペースに傾き始める。28分、森田からのパスを受けたDF伊藤稜介(スポ2=ジュビロ磐田U18)がワンタッチで抜け出してゴール前にグラウンダーのクロスを供給する。決定機となったものの、ここは中で合わせ切ることができずに得点とはならず。しかし35分、伊藤稜からのロングボールをFW伊藤猛志(スポ3=ジュビロ磐田U18)が競り、こぼれ球をこの日ボランチ起用されたFW鈴木大翔(スポ3=ガンバ大阪ユース)が回収。伊藤猛とのワンツーで抜け出し、裏に抜けた久米へとスルーパスを送る。キーパーとの1対1の場面を迎えた久米は、これを落ち着いてゴールへと流し込み、ア式が1点を先制した。45+1分には、久米がプレスをかけてボールを奪うと、すぐさま森田へとパス。森田は前にいた相手ディフェンダーをはがし、ニア上へと突き刺して、ア式に追加点をもたらした。
後半に入ってもア式ペースで試合が進む。47分、神田がパスカットすると、久米、森田と渡り、伊藤稜がクロス。しかし、ここは僅かに合わずにクリアされる。65分には、こぼれ球を拾った森田がシュートを放つも、枠をとらえきれず。67分には、直前に森田との交代で投入された柏木陽良が積極的にシュートを放つも、これは相手GKの正面を突いた。27分には、コーナーキックの流れから伊藤稜がクロス。中でDF増田健昇(スポ4=横浜FCユース)が合わせるも、叩きつけたヘッドは相手GKのスーパーセーブに阻まれた。すると、79分、ミドルサードでボールを奪われると、相手の縦に速い攻撃を防ぎきれずに失点。チャンスを逃し続け、相手にワンチャンスを沈められ、嫌な雰囲気が立ち込めた。しかし、89分、MF本保奏希(スポ4=JFAアカデミー福島U18)がプレスからボールを奪うと、そのまま独力でゴール前まで侵入。相手はたまらずファウルを犯し、ゴール前でFKを獲得した。FKのキッカーは柏木。柏木のキックは壁に当たったものの、吸い込まれるかのようにゴールネットを揺らし、ア式がダメ押しの3点目を獲得。結局試合はそのまま3-1でア式が勝利した。
過去苦手としていたアウェイ立正大戦、そして、今後を占う上で重要な再開初戦を快勝で制したア式。次戦は、勝ち点差3で追う首位・法大との「シックスポインター」だ。2部屈指のタレント軍団を相手に、ア式がどのような戦いぶりを見せるか、注目だ。
(記事:林田怜空、写真:和田昇也)
Pos. | 背番号 | 選手名 |
---|---|---|
GK | 21 | 海本慶太朗 |
DF | 3 | 増田健昇 |
DF | 17 | 秋山虎之亮 |
DF | 27 | 伊藤稜介 |
DF | 30 | 尾崎凱琉 |
MF | 14 | 森田大智 |
MF | 20 | 久米遥太 |
MF | 24 | 高橋作和 |
MF | 28 | 神田拓人 |
FW | 9 | 鈴木大翔 |
FW | 18 | 伊藤猛志 |

Pos. | 背番号 | 選手名 |
---|---|---|
GK | 1 | 雨野颯真 |
DF | 2 | 佐々木奈琉 |
DF | 4 | 石井玲於奈 |
DF | 5 | 佐久間真寛 |
MF | 6 | 柏木陽良 |
MF | 8 | 谷村峻 |
MF | 11 | 本保奏希 |
MF | 12 | 野田隼太郎 |
MF | 23 | 瀧澤暖 |
インタビュー
兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー3ヶ月ぶりのリーグ戦となりました、夏の期間はどういう取り組みをしてきましたか
戦術の面中心で取り組んできましたが、なかなかうまくいかない期間がありました。2週間前にもう一度しっかりと向き合って方向性を揃えられたので、ラスト2週間はいい取り組みをすることができました。今日の試合自体はそこの成果を出せたのかなとは思います。ただ3ヶ月って長い期間の中で暑さや期間の長さからくる中弛みのような部分が出てしまったのは自分のマネジメント面含めてしっかり受け止めなければいけない部分かなと思います。このリーグは本当に差のないリーグなので一歩間違えると結果は大きく変わりますし、今日は勝てましたけど前の結果に関わらず次の試合に全員で向かっていかなければいけないと思います。映像での反省をして、それぞれが練習に取り組めるかを大事にしていかなきゃいけないですね。
ーー今日の試合で良かったところはどのようなところですか
球際、切り替え、運動量という今年の4年生が掲げた3原則のところに対してそれぞれが向き合って表現してくれた、前半立ち上がりこそちょっとのまれてた部分ありましたけど、そこからはボール回収することができるようになって、自分たちの狙った形で得点取ることもできましたし、守備のところでも準備してきたものを全員が迷いなく出せていたのでいい流れを作れたかなと思います。ただ後半、相手がビハインドの中リスクをとって前に出てきた時にどうやって自分たちの時間を作るかというところのゲームを読む力は大きな課題として出たかなと思います。
ーー2部優勝に向けて大事にしていきたいところはどのようなところですか
サッカーの本質である「ゴールを奪う」「ゴールを守る」という部分に対して全員でやることが大事だと思いますし、大学サッカーという圧倒的な技術力の差は生まれにくい環境の中で、どうやってそれぞれが迷いなく全員が自分たちのやってきたことを前向きにやれるかというところが昇格に向けて大事だと思うので、日頃のトレーニングから意識していきたいです。当然あと10試合の中には思い通りにならない試合もあると思いますけど、そういう試合でいかに粘り強く戦えるのかもポイントになると思います。トレーニングでは疑ってやる。試合ではやってきた頃を信じて戦えるように、準備していきたいと思います。
ーー次節は首位・法大戦です
前期は引き分けで、お互いに開幕からの連勝が止まったタイミングだったので意識はしてますし、勝ち点差3なので勝てばまず並べるというところでポイントになる試合かなとは思います。ただ、残り10試合のうちの一つという捉え方もできますし、先のことばかり考えているわけにもいかないので目の前の一戦に対して全てをかけるという意識を持ってやっていきたいです。
GK海本慶太朗(スポ3=大宮アルディージャU18)
ーー今季初のリーグ戦出場となりました、どういう心境で試合に入りましたか
リーグの出場が1年ぶりくらいで、怪我とか色々なものに悩まされてきたので、まずはサッカーを楽しもうという気持ちで入りました。
ーー2ー0リードでの前半でしたが後ろから見ていてどう振り返りますか
何回かやられてもおかしくないシーンありましたけど、攻撃陣の選手はいいタイミングで得点取ってくれましたし、尾崎(凱琉、スポ2=大阪桐蔭)と虎(秋山虎之亮、法2=湘南ベルマーレU18)がいい守備をしてくれたので、自分はほぼ仕事なく折り返せたのでフィールドの選手たちのおかげの2ー0でした。
ーー終わってみれば3ー1というスコアでした。どう振り返りますか
本当は3ー0で勝たなければいけない内容でした。やってはいけない失点だったなと思います。
ーー来週は一つ山場の試合となります。個人としてチームとしてどういう準備をしていきたいですか
チームとしては球際、切り替え、運動量を引き続き徹底していくこと、個人としてはシュートしっかり止める、ビルドアップしっかりやるという当たり前のプレーを当たり前にできるようにしていきたいです。

MF久米遥太(政経2=東京・早実)
ーー中断期間の取り組みはどう振り返りますか
合宿だったり、遠征だったり、早慶戦もありましたけど、後期全勝して優勝することを目標にしていく中でチームとして結構勝てない期間が続きましたけど、積み上げの部分はずっとやってこれていた中で今日はそれがいい形で出せたかなと思います。
ーー2ゴールに絡む活躍でした、試合全体をどう振り返りますか
得点のところは相手のミスだったり、味方がいい形で繋いでくれたりというラッキーな形ではあったかなと思います。個人としてはあんまりいいプレー出せなかったので内容をもっと上げていかないとなと思います。チームとしてはいいところも多かったと思います。最後耐える部分とかはよく出せてました、ただ相手が外してたところも多くてチームとしても納得できる内容ではないと思うのでもっと上げていきたいです。
ーー昇格に向けて大事にしていきたいことはありますか
いい内容が出せない時でも勝ち切ることができれば昇格できると思うので、最後守る、最後押し込むといったところを大事にしたいです。
ーー来週は首位・法大戦です
このリーグの中では個の力が強いチームだと思うので、よりゴール前の局面は増えると思いますし、チャンスも減ると思いますけど、より集中して勝ち点3を取れるような準備をしていきたいと思います。