関東大との接戦を制すも課題が残る内容に

ア式蹴球男子
試合結果

関東大学サッカーリーグ戦 2部 第9節

2025年5月25日(日)18:30 Kickoff

@関東大・金沢八景

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早大 1 2 3
関東大 1 1 2

得点者

前半

3分 相手

25分 OG

後半

23分 久米遥太

35分 谷村峻

45分 相手

 前節、駒大のロングボール主体のサッカーを前に苦戦を強いられ、0ー1でリーグ戦初敗北を喫したア式蹴球部(ア式)。目標である1部リーグ昇格達成に向けて連敗は避けたい中で迎えた第9節は昨年まで1部だった関東大との対戦となった。開始早々に先制を許したア式だったが徐々にペースをつかむと前半のうちにクロスからオウンゴールを誘発し同点に追い付く。エンド変わって後半、67分にMF山市秀翔主将(スポ4=神奈川・桐光学園)のクロスをMF久米遥太(政経2=東京・早実)がボレーシュートで叩き込み逆転すると、80分にコーナーキックのこぼれ球をMF谷村峻副将(スポ4=FC東京U18)が押し込み追加点を奪った。試合終了間際に失点を許すもリードを守りきったア式、リーグ第9節で7勝目を勝ち取った。

決勝点を決めた谷村

 立ち上がりにいきなり試合が動く。3分、相手の左サイドを突破され上がったクロスを合わせられて失点。開始早々に先制点を取られてしまう。すぐに同点に追い付きたいア式は17分、谷村からのクロスをFW鈴木大翔(スポ3=ガンバ大阪ユース)が右足ワンタッチで合わせたがこれは惜しくもゴール上に外れてしまう。直後には谷村からのパスを受けた久米が左足でシュートを放つもこれはキーパーの正面に。さらにMF神田拓人(スポ2=福島・尚志)のロングパスに久米が合わせたがこれは枠を捉えることはできず。ゴールに迫るも得点が奪えない中で迎えた25分、左サイドへ流れた鈴木が左足でクロスをゴール前に入れると、逆サイドから走り込んできた久米が相手のオウンゴールを誘発し同点に追い付くことに成功する。得点後はア式ペースで試合が進むも逆転ゴールは決められず、前半を1ー1で折り返す。

ドリブル突破をする久米

 後半はセットプレーを中心に相手ゴールに迫る。49分のコーナーキックはDF尾崎凱琉(スポ2=大阪桐蔭)が頭で合わせるもキーパーの正面をつく。53分のフリーキック、DF伊藤稜介(スポ2=ジュビロ磐田U18)のキックをDF秋山虎之亮(法2=湘南ベルマーレU18)が合わせるも枠を捉えることはできず。55分にもコーナーキックのチャンスを迎えるがゴールは奪えなかった。試合が動いたのは67分、左サイドの高い位置でボールを拾った山市がクロスを上げる。そのボールに合わせたのはファーサイドで待っていた久米。「大翔(鈴木)くんと峻(谷村)くんがしっかり入るべきところに入ってくれたことで、自分のところがうまく空いた」とフリーになった久米がボレーシュートでクロスに合わせて得点を奪い、逆転に成功した。追加点を奪いたいア式は、鈴木に決定機が訪れるも決め切ることができず。それでも80分、伊藤稜のコーナーキックに尾崎がヘディングで合わせる。このシュートはバーに直撃するも、こぼれ球に反応した谷村が押し込み貴重な追加点を獲得した。82分には途中出場のMF西凜誓(社3=名古屋グランパスU18)がサイドを抜け出しシュートを放つが、これは惜しくもゴール左に外れてしまう。試合終了間際の90分に、相手にサイドを崩されクロスを合わせられて失点したア式だったが、リードを守り切り勝ち点3をつかんだ。

リーグデビューとなった青柳

 「立ち上がりと終了間際に失点するのは弱いチームの象徴」と話した兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)はこの試合を「負けゲーム」と振り返った。立ち上がりや終了間際の失点は、昨年・一昨年に1部昇格を逃した大きな要因だ。素早い修正が求められる。それでも「勝った上で課題を調整できてるのはチームとしていい傾向」と話したのは久米。良い結果が続いているうちに内容の修正・改善を図っていきたい。6月はリーグ戦2試合に加えて、総理大臣杯出場をかけたアミノバイタルカップが控えている。中1日の試合も控える中でチームの総力が試される。全員でいい準備を続けて運命の6月へと進んでほしい。

(記事、写真 和田昇也)

戦況を見つめる山市

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー試合振り返っていかがですか
 前回得点も取れなかったので、攻撃のところで自分たちの良さを見つめ直して、前節は何がダメだったのかをフィードバックしました。今週は攻撃に時間を割いてきたので、今日得点が3点取れたところで多少は良くはなったのかなと思います。ただ、もっとできると思うし、ボールの動かし方もスムーズにできると思うので、そこはまたちゃんと振り返らないといけないかなと思います。それでも全体を振り返ると僕はこのゲームは負けゲームだと思ってます。試合が始まってすぐの失点と終わる前15分のところでの失点は、弱いチームの象徴だと思ってるので、今日はたまたま勝てただけで強いサッカーではないということを全学生にしっかり伝えさせてもらいました。トレーニングから最後の1秒までこだわり続けて、しっかりとある集中力の高いトレーニングを毎日積み上げる。これをもう一度当たり前に据えて1週間いい準備を続けられるようにいていきたいと思います。

ーー今季は2点差の進め方が課題に上がることが多いですが、そこについてはいかがですか
 2点差ある時には相手の方が(得点を)奪わないといけないとなってくるので、より相手を見ながらしっかりとプレーするところは改めて徹底しなければいけないなと思います。当然自分たちがやるべきことを、やりたいことをしっかりとやりながらも、相手が今これをやられたら嫌だよねというところだったり、相手ががむしゃらに来るところに対してどう矢印を矢印を折るのかというとこだったり、(相手の)矢印を全員で受けないような動かし方をしていく中で、相手が焦れてバランス崩れた時にやっぱりもう一刺しするのは大事だなと思います。それをやっていく中でどうやって時計を進めていくのかというところ、特に我々は2点差を守り切ろうというチームじゃないので、相手を慌てさせるためにどうチームとして動かすかというところ、そこから相手の攻撃の芽をどうやって摘むかというところをもっとしっかりとトレーニングからやっていかないといけないですし、そこはもう実践での経験でしかないと思うんですよ。こういう状況を常に作って、経験値を増やす中で、時間の針の進め方のうまさっていうのは絶対身に付くし、実戦でしか結構身につかない部分が多いかなとは思うので。こういうゲームでしっかりと前半から2点差以上にして、じゃあそこからのゲームの進め方をちゃんと公式戦でできるようにというのをできるような取り組み方にしたいなって思っています。トレーニングでも伝えてはいきながらですけど、実戦でしか得られないものが時計の進め方にはあるので、そこのところを全員でやれるような準備をしたいです。

ーーアミノバイタルカップまでの残り2試合への意気込みをお願いします
 残り3試合を3連勝で終わるのが自分たちの中で一番大事だと思ってるので、例年に比べたら勝ち点が取れてるとか、もうそんなことはどうでもよくて、例年いつもこの前期の終わり方はあまり勝ち点取れないイメージの2年間だったので、ここにもう全てをかけるっていうところから、その中でいい競争をしっかりと生むことを意識していきたいです。それがアミノにもしっかり繋がると思うので、トレーニングからしっかりと出し切って、誰が出てもいい状態、特に中1日であるので、そこらへんでいつでも俺は行けますというファイティングポーズをしっかりと常に取り続けてくれることを期待してますし、そういう風にみんながギラギラしてるような雰囲気作りをしっかりとしていければなと思ってます。

 

MF谷村峻副将(スポ4=FC東京U18)
ーースタメン出場は久しぶりでしたが、どのようなことを考えて試合に入りましたか
 自分が活躍するというよりかは前節負けてたところもあったので、とにかくチームが勝つために守備のところでハードワークするっていうところは意識してました。それが結果、得点に繋がったかなと思います。

ーー先週初黒星でしたけが、チームとしては1週間どういうことに取り組んできましたか
 まずは球際・切り替え・運動量の3原則を振り返るところをしましたし、ビルドアップのところで自分たちのやりたいことが先週はできてなかったので、そこを練習通して振り返った感じですかね。

ーー立ち上がりに失点がありましたが、前半を振り返っていかがでしたか
 立ち上がり、みんなで前から行こうって感じだった中で、一つのミスで簡単に失点してしまいましたけど、そこで落ちずに、流れ持っていかせずに逆転できたってのは大きいかなと思います。

ーー後半はどういう意識で入りましたか
 前半のところで入りができなかったので、まず入りで相手の勢いを飲むところは意識しててました。その中でビルドアップで前進するとかっていうところはみんなで話合って意識してました。

ーー前半戦残り2試合ですが継続していきたいところ、修正したいところを教えてください
 今日の試合は特に全員がハードワークして勝ち切れたと思うので、そこのところは今後も継続していきたいです。ただ、立ち上がりのところと最後のところで失点してしまったので、優勝してるチームは絶対そこでは失点しないで勝ち切ると思うので、そこは修正していきたいなと思います。

 

MF久米遥太(政経2=東京・早実)
ーー試合振り返っていかがでしたか
 入りから圧倒しようと思っていた中で、ミス絡みの失点を最初にしてしまって、チーム全体を見ていて自分としては、いい雰囲気で入れたかなと思ったんですけど、それでもコミュニケーションが足りなかった部分がチーム全体であったと思うので、そこは修正していきたいです。あと、最後の失点のところは、自分はベンチに下がった後だったんですけどベンチメンバーでちょっと油断が出ちゃってたのでそこは課題です。ただそういう課題もありつつも勝って調整できてるっていうのはチームとしていい傾向だなと思うので、修正しつつまずは前半戦残り2試合勝つことだけ考えていきたいです。

ーー1点目と2点目を振り返って
 1点目は多分公式記録だとオウンゴールだと思うんですけど、大翔(鈴木)くんが左サイドで抜けて逆サイドから自分が中入る形はプレシーズンから点を取れている形だったので決めれて良かったです。2点目も、相手のクロス対応がウィークみたいな話が分析であった中で、そこに対して峻(谷村)くんと大翔(鈴木)くんが、しっかり入るべきとこ入ってくれて自分のところがうまく空いたので、そこでしっかり決めきれたのはよかったです。

ーー前半戦残り2試合への意気込みをお願いします
 産能大とか駒大もしっかり勝ってきてるので一個も落とせないです。法大に追いつくためにも2戦2勝はもうマストだと思うので、内容にもしっかりこだわりつつ、まずはもう目の前に、次の1試合に勝つことに向けて最高の準備していきたいです。