関東大学サッカーリーグ戦
2024年11月16日(土) 14:00 Kickoff
vs 順天堂大学 @早稲田大学東伏見サッカー場
試合結果
チーム | 前半 | 後半 | 合計 |
---|---|---|---|
早稲田大学 | 1 | 0 | 1 |
順天堂大学 | 1 | 0 | 1 |
得点者
6分 順天堂大学
30分 成定真生也
関東大学サッカーリーグ戦(リーグ)も最終節を迎えた。ア式蹴球部(ア式)は3位での昇格プレーオフ進出を目指して順大との直接対決に臨んだ。立ち上がりにセットプレーから先制点を許すも、30分にMF成定真生也副将(スポ4=神奈川・日大藤沢)の同点ゴールが生まれて前半を1ー1で折り返す。昇格プレーオフ進出のためには勝利が絶対条件のア式は後半追加点を狙ったが相手の堅守を最後までこじ開けることができず、1ー1のまま試合が終了。昇格には届かなかった。
同点弾を決めた成定
今季の前半戦の課題として上がっていた立ち上がりとセットプレーの守備。終盤戦では立ち上がり良い試合が多かったが、この試合は早い時間に失点してしまう。6分に相手のコーナーキックをヘディングで合わせられて先制を許す。勝利が絶対条件のア式は2点が必要になった。両サイドバックのDF石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18)、DF佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡)の積極的な攻撃参加でゴールを目指したア式。15分、20分と佐々木のパスからチャンスを迎えるもゴールは奪えず。それでも30分、成定とFW鈴木大翔(スポ2=ガンバ大阪ユース)の連携から最後は成定が抜けだして同点に追い付くことに成功する。さらにここから32分、38分と効果的な動き出しを見せた成定にチャンスが訪れるがいずれも決め切ることはできず。前半を1ー1で折り返す。
後半は立ち上がりから硬い展開が続く。なかなかゴール前に迫れない中で60分に負傷で戦線を離脱していたエース・FW駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)、さらには76分に前節負傷で途中交代となってしまったFW松尾倫太郎(人4=千葉・八千代)を投入して得点を狙う。70分には鈴木がシュートを打つも枠を捉えることはできず。その後のピンチはGKヒル袈依廉(スポ4=鹿児島城西)の好セーブで防ぐ。終盤にはFW網代陽勇(スポ1=福島・尚志)を投入、DF神橋良汰(スポ4=川崎フロンターレU18)を前線にあげて勝ち越し点を取りに行ったがここでタイムアップの笛。2024シーズンア式のリーグ戦が終わった。
試合終了後肩を落とす神橋
昨年に続きまたしても昇格(プレーオフ)圏との勝ち点差2、1点に1試合に泣いた。落とせない8連線と銘打って臨んだ終盤戦、5勝3分と好ペースで勝ち点を積み上げたが序盤のスタートダッシュの出遅れが最後の最後まで響き1部リーグ昇格を逃した。それでも一時期10位まで順位が落ちたア式が、4年生を中心にピッチ内外で意地を見せて昇格戦線に最終節まで残ったことは評価できる。名実ともにチームを引っ張ってきた最上級生には、この経験を活かして次なるステージでの輝きに期待したい。来季以降ア式を背負う下級生は試合後の東伏見を包んだ沈黙を、悔しさを次への原動力に変えてほしい。来年は創部101年目となるア式蹴球部。次の100年につなぐ最初の年、ア式の熱量あふれる伝統と新たな基準を示す一年になることを期待したい。
(記事 和田昇也 写真 熊谷桃花、西本和宏)
早稲田大学 メンバー
スタメン
ポジション | 選手名 | 背番号 |
---|---|---|
GK | ヒル袈依廉(スポ4=鹿児島城西) | 1 |
DF | 佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡) | 2 |
DF | 増田健昇(スポ3=横浜FCユース) | 3 |
DF | 神橋良汰(スポ4=川崎フロンターレU18) | 4 |
DF | 石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18) | 5 |
MF | 谷村峻(スポ3=FC東京U18) | 6 |
MF | 山市秀翔(スポ3=神奈川・桐光学園) | 10 |
MF | 本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18) | 11 |
MF | 光田脩人(スポ4=名古屋グランパスU18) | 17 |
MF | 成定真生也(スポ4=神奈川・日大藤沢) | 20 |
FW | 鈴木大翔(スポ2=ガンバ大阪ユース) | 18 |
【監督】兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
サブ
ポジション | 選手名 | 背番号 |
---|---|---|
GK | 北村公平(文構4=神奈川・桐光学園) | 16 |
DF | 西凜誓(社2=名古屋グランパスU18) | 12 |
DF | 笹木大史(商3=東京・早大学院) | 13 |
MF | 東廉(スポ4=清水エスパルスユース) | 8 |
MF | 松尾倫太郎(人4=千葉・八千代) | 15 |
MF | 柏木陽良(スポ2=鹿島アントラーズユース) | 28 |
MF | 森山絢太(スポ4=兵庫・三田学園) | 30 |
FW | 駒沢直哉(スポ4=ツエーゲン金沢U18) | 9 |
FW | 網代陽勇(スポ1=福島・尚志) | 27 |
交代出場
時間 | In | Out |
---|---|---|
71分 | 西凜誓 | 光田脩人 |
71分 | 駒沢直哉 | 成定真生也 |
76分 | 松尾倫太郎 | 本保奏希 |
81分 | 網代陽勇 | 鈴木大翔 |
88分 | 柏木陽良 | 石川真丸 |
試合後インタビュー
兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー試合を振り返っていかがでしたか
セットプレーが相手のストロングというところで、しっかりと分析してきた中でやられたというところは、今年1年間を通じてのセットプレーに対する脆さがでてしまったなというのはあります。それでもその後のプレーは慌てずに自分たちがしっかりと準備してきたものは出せたのかなと思います。前半のところでしっかりと自分たちの狙い通りの形から得点もあげることができて、その流れのまま2点目を取れなかったところが、まだまだ勝負強さがないなというのと、後半相手が蹴って自分たちにもリズムを作らせないっていうサッカーをした中で、落ち着ける場所を作れなかったのは、前半と同じサッカーができなかった要因ですね。そこの違いをどうやって作るのかは、個の質も上げることと、チームとしてもこういう状況でこうなったらこうしようねというところの徹底をした方が良かったのかなと改めて感じます。ただ前半が良かった分、交代のタイミングもどのタイミングかなっていうのを結構考えてて、交代することで良くなることもあれば悪くなることもあるので、ちょうどどちらの流れでもない状態だったので、そこのジャッジがもうちょっと早くできたのかもなとも思いながら、そこは自分の経験不足が出たのかなという部分なので、ここはしっかりと経験にして来年戦術面では活かしていきたいです。
今日とか終盤戦は全員が全員、ほんとにいい準備をしてくれたと思うので、やっぱりこれをシーズンの最初からやっていきたいですね。去年も今年もスタートダッシュでつまずいてることがここまで響いてきてるのは改めてみんなも感じてると思いますし、今年はプレシーズンうまくいってた分、ちょっと僕にも緩みがあったのかなとも思ってるので、そういう経験をしっかりと活かすことが今年結果が出なかったことに対しての報いにはなると思ってるので、しっかりとア式に残る学生はそこを踏まえた中で、この悔しさを忘れないで、今日からの取り組みをどうするのっていうのを整理しながら戦術面含めたところだったり、日常のところのこうアプローチっていうのも、僕らもしっかりと整理して、決まり事だったりア式としての基準はやっぱりここだよね、やらないといけないことはこうだよねというのをもっとわかりやすく設定していこうかなと思ってます。
ーーこのチームはどういうチームでしたか
昨年から監督やらせてもらった中では、去年より多分個の特性だったり、個の質は、もしかしたら去年の方があるのかなとも思います。だけど、チームとしての総合力、チームとして戦う姿勢は、このチームの方が、今年のチームの方がそこに向き合えてたのかなと思います。ある意味、チームスポーツの本質に、最後の後期の8試合、9試合は近づけた瞬間が多かったんじゃないかなと思います。もちろん個の能力が大事っていうところもありながらも、チームスポーツなので、全員の目線の合わせ方とか、試合に対するメンタリティとか、戦術も大事だし、戦術だけじゃどうにもならない元々の土台のメンタルも大事だなという色々なことに気づけた良いチームだったのかなっていう風には思います。
伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)
ーー今日の試合は外から見ていてどう振り返りますか
自分たちの力不足だったなっていうのは思いました。後期になって課題だったセットプレーの守備でやられたのもそうですし、最後点欲しい時に決めきれないというそこの2点が浮き彫りになった原因なのかなっていうのは思ってます。
ーー22試合の積み重ねがこういう結果になりましたけど、昇格圏との差はどういうところにありましたか
ゴール前の質ですかね。いいとこまでは行けるけど、決めきれないという課題は去年からずっとありましたし、今年はいいところまでいけるけど、最後もう1点取るというところのパワーの出し方だったり、そこで決めきれる選手がいなかったのは、このリーグ戦であったり、カップ戦とかで出た課題なのかなと感じます。
ーー大怪我もありすごく難しいシーズンだったと思うんですけど、改めて外からチームのサッカーを見てる期間はどうでしたか
プレーヤーとして、サッカーのできない悔しさであったり、もどかしさとか、自分だったらこういうプレーできるのになというムズムズを感じながらやってましたけど、そういうのは絶対に選手には伝わんないようにしてましたし、自分が怪我してもポジティブに振る舞って、チームに活力だったり良い影響を与えられたらいいなよいう風に思いでやってましたし、チームが頼もしく映ってましたし、仲間なら絶対勝ってくれるだろうという思いでずっと見てました。
ーーア式での4年間はどういった期間でしたか
ほんとにここに来て良かったなと思いますし、ほんとに一度たりとも嫌だなとかア式をやめたいなと思わなかったことは、すごい自分の中で誇りに思ってます。高3の時に練習参加来て、そこでここで入りたいって思ってから純粋な思いでやってきて、すごいサッカー選手としても人としても成長できましたし、自分が自分なりにサッカーをやりきって、将来についての自分なりにけじめつけられたのはほんとにア式に来たからこそだと思うので、悔いは一切ないです。
ーーOBとしてこれからのア式に期待したいことはありますか
言い出せばほんとにキリがないですけど、お互いに本気になってほしいなというのは強くあります。これは今年の4年の課題でもありましたけど、お互いに厳しさだったり干渉が少なかったなというのは今振り返って思うので、特に次期4年生はチームの先頭に立つものとして、仲間に対して本気の要求であったり、求める姿勢を持ってほしいし、それは本当に下級生に対しても示し続けてほしいなっていうのは思ってます。そういう姿勢が継続することでそれがチームの結果に繋がると思うので、来年こそは去年の代だったり、自分たちの代が成し遂げられなかった1部昇格を果たしてほしいなと思います。
駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)
ーーこの試合をどう捉えていましたか
お互い勝てば3位以上が決まる中で、自分たちしてはそうやって自力で昇格のチャンスを手にできるのはほんとに最高の舞台だと思ってましたし、相手は引き分け以上でこっちは勝つしかないという状況でしたけど、それに対してむしろポジティブというか、自分たちはチャレンジャーとして戦える一戦だと思ってました。
ーー試合途中で出てきた時はどのようなことを考えてましたか
引き分けのままだったらダメでしたし、あの状況で絶対に点が欲しい中で自分がやっぱりできることはゴールなので、絶対決めてやろうという思いで出場しました。
ーー22試合の積み重ねがこういう結果になりましたけど、昇格圏との差はどういうところにありましたか
届かなかった要因を自分個人で言えば、自分のフォワードとしての得点能力がまだまだ足りなかったことですね。今日だけじゃなくて今日の試合以外でも勝ち点やっぱ拾えた試合はありましたし、今季開幕前に20得点以上取って得点ランク1位で終わりたいと言っていた中で、そこを達成することはできませんでしたし、そういったところがまだまだ自分のが実力不足だなと思います。
ーーア式での4年間はどういった期間でしたか
振り返ると本当に色々なことがあって難しいですけど、ただ一つ言えるのは、本当に自分は早稲田で成長できたなと思ってます。そう言えるのは日々を100パーセントで取り組むことができたからだと思ってます。もちろん楽しいことだけじゃなくて、色々な悔しい思いも経験しましたけど、そういった悔しさは必ずこれからのバネになると思いますし、こうやって終わってしまいましたけど、前を向いてポジティブに捉えて、この経験をどう生かすか、これからの活躍の中でこの経験を正解にしていきたいなと思います。
ーーOBとしてこれからのア式に期待したいことはありますか
この4年間、自分が改めて感じたのは、大学サッカーは4年生が1番大事というのをすごい身に染みて感じました。でも次の4年生には気負いすぎることなく、ただその責任をしっかり感じながら、今年だったり去年感じた悔しさっていうのを次こそ、三度目の正直じゃないですけど、必ず昇格や日本一みたいなところにつなげてほしいなと思います。
ーー駒沢選手はこれからプロサッカー選手としてのキャリアがスタートします。これからに向けての意気込みをお願いします
部員ブログとかにも書かせていただきましたけど、日本一のストライカーだったり、日本を代表するような選手になりたいです。そういった選手になったり活躍していくことが、このア式蹴球部への恩返しにもなっていくと思うので、これからはOBとして胸張ってア式を誇っていけるような選手になりたいと思ってます。
山市秀翔(スポ3=神奈川・桐光学園)
ーー前半の内容を振り返っていかがですか
相手のセットプレーが脅威っていうのは分かってる中でセットプレーで、しかも前半の入りの部分で失点してしまったので、非常にもったいないというか、自分たちの緩さが出てしまったなっていうのはすごい思ってます。ただそれ以降は自分たちのペースで試合できてましたし、それでもああいう1本で試合は崩れてしまうし、そういうところチーム全体で引き締めないといけないなっていうのはすごく強く感じました。
ーー後半少しゴールが遠ざかってしまいましたが要因はどこにありましたか
1ー1で焦りは感じてないわけではないと思いますし、そういうものが徐々に出てきてしまっていたのかなっていうのは印象としてありました。
ーー22試合の積み重ねがこういう結果になりましたけど、昇格圏との差はどういうところにありましたか
自分が試合を決定づけられるような選手になれなかったというのが一番ですね。背番号10番いただいて、怪我の多い年でしたけど、自分が活かせなかったというところが、今回の1部昇格を逃してしまったっていう原因だと思います。チーム全体で言うなら、あのシーズン当初の前期のところで勝てなかったところが大きかったですね。
ーー伊勢選手の最後の挨拶で山市選手の名前も上がりましたが、あの言葉を聞いて率直な思いを教えてください
伊勢さんは今シーズンすごいチームに対しても非常にポジティブに向き合ってくれましたし、その中で怪我してしまって自分がピッチに出れない悔しさだったりとか、プレーできない悔しさっていうのを押し殺して、チームのためにやってくれていたのにもかかわらず、自分が昇格という形で恩返しすることができなくて、非常に悔しいですし、それは自分だけじゃなくてみんな思ってることだと思います。そういう弱い自分を乗り越えるためにも、もう明日から、今から切り替えてしっかり勝つ。常に勝てる集団っていうものを、強い集団っていうのを目指してやっていきたいなと思ってます。
ーー山市選手もここからラストイヤーが始まります。最後1年間どういうところを目指していきたいですか
1部昇格は絶対しないといけないですし、日本一取らないといけないですし、そういうものは目標に持つのはいいですけど、林総監督からおっしゃっていただいてるように、今この瞬間にこだわることが、その目標に対して近づく第一歩だと思うので、ほんとに次の練習だったりとか、次の行動だったりとか、睡眠、食事だったりリカバリー、すべてのものをサッカーに捧げたいなと思ってます。