終了間際に西が値千金の勝ち越し弾! 自動昇格圏内との勝ち点差は「2」まで接近

ア式蹴球男子
試合結果

関東大学サッカーリーグ戦 2部第18節

2024年10月20日(日)14:00 Kickoff

@早稲田大学東伏見サッカー場

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早稲田大学 1 1 2
拓殖大学 0 1 1

得点者

前半

31分 神橋良汰

後半

86分 拓殖大学

87分 西凜誓

 関東大学サッカーリーグ戦は第18節。前節、数的不利の苦しい状況ながらも神大から勝ち点3を奪い、今季2度目の3連勝を果たしたア式蹴球部(ア式)。残り5試合、昇格に向けて厳しい戦いが続く。今節はホームに拓大を迎えての一戦となった。

キレのあるドリブルを見せた光田

 立ち上がりから相手がボールを握る展開が続く。細かいパスやドリブルで中央を崩される場面もあったが、最終局面では身体を張った守備で得点を許さない。一方のア式も16分にチャンスを迎える。MF本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18)がサイドでボールを受け、カットインからシュートを放つがキーパーの正面へ。こぼれ球を拾ったMF松尾倫太郎(人4=千葉・八千代)もシュートを放つが枠を捉えることはできない。その後もピンチが続くも、GKヒル袈依廉(スポ4=鹿児島城西)の冷静なパンチングでゴールを守り、0ー0で試合が進む。迎えた31分、セットプレーのこぼれ球を本保が拾いクロスを上げると、DF神橋良汰(スポ4=川崎フロンターレU18)が頭で合わせたが、シュートはクロスバーに直撃。それでもFW駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)がこぼれ球を拾い、最後は神橋が駒沢の折り返しに合わせてゴールイン。苦しい流れの中でセットプレーから先制に成功する。得点後も相手に攻め込まれる時間が続き、36分には相手の決定機があったが、シュートは枠を外れ、ア式は相手のミスに助けられながらも前半を1ー0で折り返す。

攻守に渡って存在感を見せた神橋

 後半、立ち上がりにMF光田脩人(スポ4=名古屋グランパスU18)のドリブル突破や駒沢のシュートでチャンスを作るも、その後は長い守備の時間が続く。64分にはヒルの好セーブでしのぎ、65分にも相手のサイド突破から決定機を作られるが、ここも相手が仕留め切れず。粘り強く守っていたア式だったが、86分に直接フリーキックから同点に追い付かれる。ホームゲーム終盤のフリーキックによる失点で、昨年の関東大戦(2ー2)を思い出させる嫌な流れが漂った。それでも87分、キックオフ直後に左サイド高い位置からDF石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18)がクロスを上げると、駒沢が頭で逸らし、最後は途中出場のDF西凜誓(社2=名古屋グランパスU18)が高い打点からのヘディングシュートをゴールに沈めて見事に逆転に成功。その後も相手に攻め込まれる苦しい展開が続いたが、全員が身体を張り集中して守り抜き、2ー1の勝利で今季初の4連勝を達成した。

勝ち越し点を決めて喜ぶ西たち

 全勝が求められる8連戦の中、ア式はまず4連勝を達成し、順位も1部参入プレーオフ圏内の3位に浮上した。しかし、ア式が勝ち続けなければならない状況は変わらない。次節の相手は首位・慶大。早慶クラシコ、総理大臣杯で2連勝した相手だが、4月末のリーグ戦では大敗を喫している。リーグ戦のリベンジを果たし、昇格へ向けて突き進んでほしい。

(記事 和田昇也、写真 熊谷桃花、取材 荒川聡吾)

メンバー情報

早稲田大学 メンバー

スタメン

ポジション 選手名 背番号
GK ヒル袈依廉(スポ4=鹿児島城西) 1
DF 佐々木奈琉(社3=新潟・帝京長岡) 2
DF 増田健昇(スポ3=横浜FCユース) 3
DF 神橋良汰(スポ4=川崎フロンターレU18) 4
DF 石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18) 5
MF 谷村峻(スポ3=FC東京U18) 6
MF 本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18) 11
MF 松尾倫太郎(人4=千葉・八千代) 15
MF 光田脩人(スポ4=名古屋グランパスU18) 17
MF 柏木陽良(スポ2=鹿島アントラーズユース) 28
FW 駒沢直哉(スポ4=ツエーゲン金沢U18) 9

【監督】兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)

サブ

ポジション 選手名 背番号
GK 北村公平(文構4=神奈川・桐光学園) 16
DF 西凜誓(社2=名古屋グランパスU18) 12
DF 笹木大史(商3=東京・早大学院) 13
MF 東廉(スポ4=清水エスパルスユース) 8
MF 森田大智(スポ3=熊本・大津) 14
MF 高橋作和(法2=東京・国学院久我山) 24
MF 佐久間真寛(商3=静岡・藤枝東) 26
FW 鈴木大翔(スポ2=ガンバ大阪ユース) 18
FW 瀧澤暖(スポ3=北海道コンサドーレ札幌U18) 23

交代出場

時間 In Out
69分 西凜誓 佐々木奈琉
76分 笹木大史 松尾倫太郎
80分 鈴木大翔 本保奏希
90分 森山絢太 光田脩人
90+4分 瀧澤暖 駒沢直哉

試合後インタビュー

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー試合振り返っていかがでしたか
相手の立ち上がりが緩いところ、流れに乗せると強いっていうのはわかってたので、そういう部分では前半しっかりと1点取れたのは大きかったかなと思います。ただ、やっぱりいいビルドアップからスピードアップして、もう1点、2点取れるシーンを作り出せたし、取らないといけなかったと思うので、前半に関してはやっぱりそこかなと思います。途中から相手の前線の選手が最初裏抜けメインから、途中くさびのパスをちゃんと受けるような形になって、最初裏に引っ張られてた分、センターバックの二人が後ろに重くなって、前にチャレンジにいける量が減ってしまったというところがありました。その分収められて押し込まれる展開が増えた中で、そこにサイドの選手がしっかりと絡んでくるっていうところ、内側の管理の仕方とかブロックの守備の仕方は、改めてもう一回チームとしてやらないといけないなっていうとこです。それでもゴール前の守備のところだったり、攻守にトレーニングしてるところで、最後の最後で体張ってシュートコースに入れてる、足を合わせてシュートブロックできてるところは、去年よりかなり大きく前進したところかなと思います。去年だとあそこ誰にも当たらずに枠内に飛んでたのが、今日はしっかりと体張って、まず枠内に飛ばさせないっていうことができてたと思うので、そこのブロックに関しては良かったのかなと思います。ただそこまでの過程がまだまだ改善できるところがあるので、それはまた来週この課題をしっかりと改善できるように、しっかりと次に繋げたいなと思います。去年から僕が率いて初めての4連勝だと思うので、そういう部分ではすごく良かったかなと思います。勝たないとわからないことはたくさんあって、勝ち癖ってほんとにあるんだよという部分。だからこそ、この勝ち癖を、今年しっかりと残り4試合、8連勝して終わるというみんなの目標と一致させながら、この勝ち癖を来年にも継承するっていうところで今日はすごく大事な1勝になったと思いますし、自分たちの流れじゃないなくても勝てるのは大事なことだと思います。上に上がるためには、間違いなく全部が全部自分たちのゲームにはできないので。そういう部分ではすごく良かったです。ただ内容含めて改善点が多いんで、満足されちゃ困るっていうところではより厳しく、またトレーニングから1週間いいものを積み上げて早慶戦に臨みたいです。

ーー今後に向けてのコメントお願いします
次の慶応戦だけにまた力を注いでいきたいです。そこで終わるともう何も次にも繋がんないので、次の目の前の相手に対して全員で熱量、覚悟を持って準備したいなと思います。

 

神橋良汰(スポ4=川崎フロンターレU18)
ーー相手の攻撃が中央でのショートパスで崩しにかかるという特徴のあるスタイルでした、試合前にはどのような対策をしていましたか
トレーニングでサブチームのところで仮装をやってもらいましたけど、その時にチームとし

て特に守備でうまくいかない部分が結構出たので。ただ、それをシステム含めて選手の中で変えて決めてできたというのは、1つ自分たちの成長かなと感じます。ただ、試合中予想してた部分とそうでない部分が、 相手の選手のところで変更があったり、自分たちももう1個対応しなきゃいけない部分もありました。内側でシュートブロックのとこだったりは、自分含めてすごい意識してた部分だったので。特に前半の部分は自分含めてシュートブロックはできてたので、 最後の最後はやらせないというところは、自分たちの中で良さを出せたかなと思います。

ーー前半は押し込まれながらも先制点を奪いました。実際に相手選手と対戦する中、どのようなことを気を付けましたか
もちろん足元のある選手や速い選手が多かったですけど、テクニックで手前でやられる分に

はいいというある程度やらせる部分と、やらせちゃいけない部分のところは全員で統一してやれました。内側を閉めながらどんどん外に持っていくところの対応に関しては、自分たちもクロス対応から失点は多いですけど、 逆にそこが自分たちを意識してる部分だったので、今日はクロス対応のところはすごい良かったかなと思います。

ーー後半相手にテンポを握られる中、守り切るのか、追加点を取りに行くのか、チームでやり取りがあったと思います。実際はどのようなことを意識していましたか
前半で1点取れたのは良かったですけど、 後半受け身にならずにもう2点目、3点目取り行こうというのは自分たちの中で話してたので、 なるべく奪いにいく守備を最初はもちろん、後半の入りも前から4-4-2ではめるところはすごい意識しました。相手のサイドアタッカーの能力だったり、テクニックのところでかなり苦戦した部分はありましたけど、キーパー含めてコミュニケーションで協力することで抑える部分もできたと思います。そういう戦い方のところは、チーム全員で統一して声かけてやろうっていう姿勢は見せたと思うんで、 そこは1個良かった部分ではあります。ただ、失点してしまったところは来週に向けて修正しなきゃいけないなと思います。

ーー失点シーンはフリーキックから直接という形でしたが、そこは実際どういった修正点がありましたか
壁の部分で2枚設定はしてたと思いますが、 相手がレフティーのところで2を抜かれるというのはあってはならないことですし、そこは多分キーパー含めて監督だったりでもう1個話し合いは必要です。ただ、中の部分も失点はしなかったですけど、危うい場面が1回あったので、そういうところを含めてセットプレーの守備は集中してやらなければならないと思います。

ーーこれで4連勝となりました。昨年は惜しくも昇格に届かないという結果でしたが、2季連続で昇格を争う中、昨季と比べてチームの雰囲気はどうですか
去年は同点に追いつくことができるチームにはなりましたけど、今年は日体大戦含めて追いつかれても勝ちに持っていけるチームにはなったなと実際に結果を見ても感じ取れてるので、1個成長というか、自分たちの今年の強みではあります。ただ、前線は本当に点取ってくれてるので山梨学院大戦のように複数得点無失点で抑えるところは後ろのセンターバックとして自分も責任感持ってやっていきたいなと思います。

ーー次節は首位慶大との一戦になります。今季4回目の対戦ですが、意気込みをお願いします
今季3回やって、早慶クラシコと総理大臣杯では勝ってますが、リーグ戦だけで見れば1試合大敗を喫しているので。自分が出られなかったという悔しさもありますし、そこの悔しい気持ちを人一倍出して、今日みたいに得点でチームの勝利に貢献できればいいと思いますが、やっぱり無失点でやりきるところを来週は意識してやっていきたいなと思います。

 

西凜誓(社2=名古屋グランパスU18)
ーー外から見ていた前半をどう振り返りますか
ずっと支配されて、本当に苦しい状況が続いてたと思いますし、常に相手が押し込んだ状態でも耐える時間がずっと続いてました。今日は試合前から拓大がうまいチームで、難しい展開になるのはわかってたんですけど、思っていた以上に難しいゲームになったのかなと思います。

ーーハーフタイムはどういう指示がありましたか
守備の確認のところと、内側だけを通させないように外側に外側に追い込んで、しっかりクロス対応して焦れずに守ることは中で話してました。あとは決め切るところですね。

ーー後半の出来はどう振り返りますか
焦れずに守り切った場面もありましたし、最後セットプレーから失点してしまいましたけど、それ以外の流れの中での失点がなかったのは、チームとして良かったのかなっていう風に思います。

ーーご自身のゴールシーンはどう振り返りますか
クロスが上がってきたタイミングで信じて飛び込むってところは意識してましたし、ボールが上に上がったところで、キーパーだったりディフェンダーとかだったり、ちょっと目線に入って多少の怖さもありましたけど、ここはほんとに思い切って突っ込むしかないと思ってヘディングでいった結果、うまく競り勝つことができて、押し込むことができました。

ーー次の試合へ向けてのコメントをお願いします
慶応という相手ですけど、やることは変わんないですし、慶応もすごいうまくボールを動かしながら攻めてくるチームであるので、難しい時間帯とかもあると思いますけど、そこを今日のようにしっかり耐えて、自分たちのチャンスをより増やして、決めきるところを決めればずと勝利に繋げることができると思いますし、自分たちが自信持ってやるべきことをやれば必ず勝てる相手だと思うので、また1週間いい準備していきたいなという風に思います。