強豪筑波大を撃破! 全国大会出場と関東大会決勝進出を決める!

ア式蹴球男子
関東大学サッカーリーグ新人戦 準決勝
早大 0-0
2-0
筑波大
【得点】
(早大)72’佐久間真寛 86’鈴木大翔
(筑波大)なし

 関東大学サッカーリーグ新人戦の決勝トーナメント1回戦にて、法大相手に4ー1の快勝で準決勝進出を決めたア式蹴球部(ア式)。勝てば全日本大学サッカー新人戦の出場が決まる重要な準決勝の相手は関東屈指の強豪・筑波大。試合は長い時間筑波大にボールを握られる展開となった。それでも守備陣がなんとか粘り前半を0ー0で折り返す。後半も立ち上がりから筑波大に押される展開が続いたが、GK海本慶太朗(スポ1=大宮アルディージャU18)の好セーブなどでしのぐ。すると72分に左からのクロスボールをMF高橋作和(法1=東京・国学院久我山)が頭で折り返すと、中で待っていたMF佐久間真寛(商2=静岡・藤枝東)がボレーで合わせて待望の先制点を奪う。さらに86分、FW鈴木大翔(スポ1=ガンバ大阪ユース)がペナルティーエリアの外から強烈なミドルシュートを決めて追加点。内容的には苦しい試合だったが終わってみれば2ー0の快勝で関東大学サッカーリーグ新人戦の決勝進出、そして全日本大学サッカー新人戦の出場を決めた。

 

先制点を決め吠える佐久間

 早い時間から筑波大ペースで試合が進む。7分、相手のコーナーキックからピンチを迎えたが、ここは海本がしっかりキャッチ。続く9分、相手の素早いドリブルで突破を許しピンチをつくられるも守備陣が粘り、シュートを打たせず。16分には相手の右サイドからのクロスを頭で合わせられたがこれは海本の正面だった。ここまではなかなかチャンスがつくれないア式だったが19分、DF佐橋杜真(スポ2=名古屋グランパスU18)がドリブルで前線にボールを運ぶと左サイドのタッチライン近くで待っていたMF今西正之輔(社1=神奈川・日大藤沢)にパス。今西は右足でゴールに向かっていくクロスを上げるも中で待つ選手には合わない。続く20分、佐久間から右サイドへのロングフィードにDF佐々木奈琉(社2=新潟・帝京長岡)が反応しクロスまで持っていったがここもシュートには結びつかなかった。さらに28分、鈴木と今西の左サイドでの連携から最後は佐橋がクロスを上げるが惜しくも相手GKに弾かれてしまう。45分にはハーフウェイライン付近からMF森田大智(スポ2=熊本・大津)がドリブルでゴール前まで運びシュートを放つも相手にブロックされてしまった。チャンスはいくつかつくったものの前半のうちに得点を奪うことはできず。一方、ア式守備陣は粘り強い守りを見せ無失点のまま前半を0ー0で折り返した。

 

ドリブルをする鈴木

  後半の立ち上がり、積極的に裏を狙いハイプレスをかけて試合のペースを握ろうとしたア式。53分には右サイドMF西凜誓(社1=名古屋グランパスU18)のクロスに鈴木が頭で合わせたが惜しくも枠を捉えることができず。56分にも鈴木がハイプレスから相手GKのパスをブロックしたが、これはシュートには至らなかった。しかし60分あたりからパスがなかなか前線に通らなくなると、試合は再び筑波大ペースとなる。連続でピンチを迎えたア式だったが守備陣の粘りで相手の得点を許さず。70分には相手がコースを狙った強烈なミドルシュートを放たれたが、海本が好セーブを見せる。すると72分、ついに試合が動く。左サイドでボールを持った今西がドリブルで前に運びそのままクロスを上げると、ファーサイドで待っていた途中出場の高橋が頭で折り返す。そのボールはフリーで待つ佐久間の元へ。佐久間の右足から放たれたボレーシュートはそのままゴールに突き刺さり、ア式は苦しい時間が続いた中で貴重な先制点を獲得した。その後は一進一退の攻防が続くが両チームなかなかゴールに迫ることができない。迎えた86分、ペナルティーエリアの外で縦パスを受けた鈴木。すぐさまトラップで前を向くと「ゴールが見えたので自分で仕掛けてやろうと思った」(鈴木)という言葉通りそのまま中にドリブルで切り込んでシュートを選択。シュートは相手GKの頭を超えてそのままゴールネットを揺らした。試合終盤に勝利を決定づける追加点を奪ったア式は、最後まで全員が集中を切らさずこのまま2ー0で試合を締めて決勝進出、そして全国大会の切符を掴み取った。

 

戦況をうかがう海本。間違いなく勝利の立役者の一人となった

 キックオフ前の円陣は「戦うぞ」という声で溢れていた。筑波大は今季の関東王者であり、新人戦の前回王者という全国有数の強豪校。そのような相手に対してやや劣勢に立たされた局面はあったものの声を掛け合い、チーム全員が90分間戦い続けた。チームを声と好セーブで鼓舞し続けた海本、長い時間ボールを持たれ攻め込まれながらも相手にシュートを2本しか打たせなかった守備、少ないチャンスを確実にモノにした攻撃、そしてピッチの内外から明るく前向きな声を出し続けた部員たち。まさに総力でつかんだ勝利と言えるだろう。激戦をチームで制して全国大会の出場権を手に入れたが、来週には新人戦の関東王者を決める戦いが控えている。相手はこちらも全国屈指の強豪明大。日本一という目標を成し遂げるために必ず倒さなければいけない相手の一つだ。チーム一丸となり積極的にチャレンジを続け、彼らが関東王者として全国大会に臨むことを期待したい。

(記事 和田昇也 写真 髙田凜太郎、永田怜、西村侑也)

 

早大スターティングイレブン

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 海本 慶太朗 スポ1 大宮アルディージャU18
DF 佐々木 奈琉 社2 新潟・帝京長岡
→65分 19 高橋 作和 法1 東京・国学院久我山
DF ◎増田 健昇 スポ2 横浜FCユース
DF 石井 玲於奈 スポ2 FC東京U18
→79分 22 笹木 大史 商2 東京・早大学院
DF 佐橋 杜真 スポ2 名古屋グランパスU18
MF 佐久間 真寛 商2 静岡・藤枝東
MF 谷村  峻 スポ2 FC東京U18
→88分 17 柏木 陽良 スポ1 鹿島アントラーズユース
MF 西  凜誓 社1 名古屋グランパスU18
MF 10 森田 大智 スポ2 熊本・大津
→79分 18 青柳 龍次郎 スポ1 群馬・前橋育英
MF 11 今西 正之輔 社1 神奈川・日大藤沢
FW 鈴木 大翔 スポ1 ガンバ大阪ユース
→90+2分 20 伊藤 猛志 スポ1 ジュビロ磐田U18
◎=キャプテン
監督:兵藤慎剛(平20スポ卒=長崎・国見)
コメント

MF佐久間真寛(商2=静岡・藤枝東)

――昨年の日本一の大学を倒して全国出場を決めた、率直な気持ちをお願いします

 新人戦は1、2年生でやるということもあり、全員がモチベーションを高く練習に取り組めていて、それが全国出場というかたちで結果として出たのはすごくうれしいですし、次の決勝も勝ちたいと思います。

――値千金のゴールでしたが、ゴールシーンを振り返っていかがでしたか

 自分は今までセンターバックだったのですが、ここ2週間でボランチをやり始めて攻撃的なポジションということで、兵藤さん(兵藤慎剛監督、平20スポ卒=長崎・国見)からはボールが前に入った時にゴールに関われるポジショニングをしっかり取れと言われていました。そうした結果、作和(高橋作和、法1=東京・国学院久我山)がいいボールを渡してくれて、あとはあまり感覚は覚えていないですが、思い切り振ったら入っていました。

――蹴った瞬間に入ったなという感覚はありましたか

 はい、ありました。

――ボランチにコンバートされた経緯は何かあったのですか

 今シーズンの初めから兵藤さんから、ボランチをやるのもセンターバックの勉強にもなるし、やってみるのもありなんじゃないかと言われました。ちょうどボランチの青柳(龍次郎、スポ1=群馬・前橋育英)がケガをしていた時期があって、そのタイミングでやってみようと法政戦からやっています。

――実際にやってみての手応えはいかがですか

 センターバックよりも攻撃になると難しいので、だいぶプレッシャーは感じやすいですが、センターバックの時とは違う発見がいつもあって、向上心を高くできているのはボランチをやっているからだと思います。

――今日は相手のメンバーもそろっていて、球際の強度も激しい中で勝ち切れたことは大きいと思うのですが、いかがですか

 名の知れた相手で、どの選手を見ても有名な選手ばかりでしたが、チーム全体としてそれほど臆することなく普段通りに、最初は少し硬さがありましたが、すぐに戻せたということが勝ちにつながったかなと思います。

――全国出場が決まり、まずは関東一を目指すというところで、来週の明大戦への意気込みをお願いします

 明治は筑波と同じで日本一を目指す上ではどのカテゴリーにいても倒さないといけない相手ですし、球際の強度は今日よりも高くなると思うので、そこをもう一度自分たちで確認して練習で積み上げて、また決勝で勝てるように頑張っていきたいと思います。

FW鈴木大翔(スポ1=ガンバ大阪ユース)

――試合全体を振り返っていかがでしたか

 今日は筑波が本気のメンバーで、僕からしたらそっちの方がいいと思っています。どうせやるなら強い方がいいので。ただやっぱりなかなかうまいことできなかったので、そこは反省したいところです。最後点を取って勝ったところは次につながったので良かったと思います。

――この試合に向けてどのような準備をしてきましたか

 特に変わった準備はしてないのですが、誰が出てきてもやってやるという心の準備は常にしていました。そこはいい準備ができたかなと思います。

――前半の感触と後半どのような狙いでピッチに入ったか教えてください

 前半は割と左サイドで優位性をつくれていたので、できれば後半もそのまま行きたかったところだったのですが、後半は(相手の)メンバーが変わっちゃったので、そこはうまくいかなかったです。でも、自分たちでうまく声を出しながら修正できたかなと思います。

――得点シーン直前がつらい時間帯だったと思いますが、その時間帯はいかがでしたか

 自分自身今日あまり何もできていなかったので、この一発で変えてやろうという思いで(足を)振って、そこがゴールにつながって良かったです。

――得点シーンについて振り返ってください

 最初トラップをした時に(ボールを)いい位置におけて、ゴールが見えたので自分で仕掛けてやろうと思いました。スムーズにうまいこといけたのでよかったかなと思います。

――次の試合への意気込みをお願いします

 次の試合への準備はもう始まっているので、しっかり関東一をとってから全国に出て、日本一をとっていけるように頑張って行きたいと思います。

GK海本慶太朗(スポ1=大宮アルディージャU18)

――試合全体を振り返っての感想お願いします

 みんながよくやってくれたっていうのが第一印象です。相手もすごくレベルが高いですし、(トップチームは)1部を優勝していますし、その中でもフィールドのみんなが自信持ってプレーしてくれて、なおかつ点も取ってくれたので、自分は守備で守ることに集中できました。すごくみんなが頑張ってくれてると思いました。

――今日筑波大戦を迎えるにあたって何か準備したことありましたか

 特に変わったことは本当にしなくて、いつも通りやってることをちゃんと淡々とやっていくということを意識してました。

――前半を振り返ってどうですか

 前半はよく耐えたなと思います。もういつ失点してもおかしくないんじゃないかというぐらい本当に攻められたという印象です。

――ハーフタイムで何か修正したことはありますか

 自分たちの守備のところと攻撃のところと、言ってしまえば全部です。だけど、修正とは言っても自分たちが今までやってたことの引き出しから修正してたという感じなので、特にそんな変わったことはしていなかったです。

――後半に先制点が入るまでの直前の時間結構苦しい時間が続いた中で、好セーブもたくさんありました。あの時間を振り返っていかがですか

 多分あそこで失点してたら負けていたと思うので、本当に自分を褒めたいと思います。よく止めたなって。

――海本選手の声が試合開始前の円陣からずっと印象的でした。声については何か自分で意識してることはありますか

 自分の中でそういったコーチングとか声が本当に一番大事だと感じています。特にキーパーをやっていて全体をまとめ上げるというのは大事だなと思っていて、キーパーが元気がなくてしょぼんとしていたらチームの士気もだんだん下がってきてしまうので、特に今日とかは強い相手ですし、みんなが自信を持ってやれるようにも自分はなるべく声を出していったという感じですね。

――次は決勝戦になりますが意気込みをお願いします

 明治大学は自分の高校時代のチームメイトもすごくたくさんいるので、本当に強いチームでいい相手ですし、本当に楽しみです。