DF森璃太のJ1・アルビレックス新潟への2024シーズン加入が内定!

ア式蹴球男子

 10日、J1・アルビレックス新潟はDF森璃太(スポ4=川崎フロンターレU18)の2024シーズン加入が内定したことを発表した。早大の4年生ではMF小倉陽太(スポ4=横浜FCユース)、MF植村洋斗(スポ4=神奈川・日大藤沢)に次ぐ3人目のプロ内定。今年に限れば4月にJ1・FC東京に内定したMF安斎颯馬(社3=青森山田)以来となった。

 両サイドバックや両ウイングというサイドを主戦場としている森。爆発的なスピードと豊富な運動量でサイドを駆け上がり、正確なクロスでチャンスを演出するなど、攻撃的なプレーが持ち味だ。またチームではセットプレーのキッカーも務めるなど、高いキック精度も誇っている。そして4年生となった今季はそういったオーバーラップに加え、内側でのプレーにも挑戦。外に張るだけでなく、積極的にビルドアップに関わり、またゴール前に入っていくシーンも多くつくっている。

 そんな今季の森はここまで絶好調だ。リーグの開幕戦となった立大戦では、今シーズンのチーム第1号となるゴールを決めると、その後もリーグ戦全試合でスタメン出場し3アシストを記録。また6月末から行われたアミノバイタルカップでは、5試合4アシストでアシストランキングトップに輝いた。加えて、7月の早慶クラシコでも決勝点を自らの足でお膳立てしており、今シーズンは通算8アシスト。森からのクロスがチームの強力な武器となっている。開幕直後は右サイドバック、5月からは左サイドバックで起用される中、両サイドを高い水準でこなし、チームに欠かせない存在へとなっているのだ。

 

 第1節立大戦(◯3-1)でゴールを決める森

 森が内定したアルビレックス新潟は現在J1で14位(第22節現在)。1試合あたりの平均パス数はリーグ1位の数字と、松橋力蔵監督を中心に培ってきたボールをつなぐスタイルを、6シーズンぶりに戦うJ1の舞台でも存分に発揮している。新潟のポゼッションを志向するスタイルにおいて、サイドバックはとても重要なポジション。ビルドアップ時の立ち位置はもちろん、時には中盤と思われるほど内側まで絞り、ゴール前まで入っていくことが求められる。実際に練習参加をした際にも、森自身「ポゼッションの練習とかも独特だった」と難しさは感じたという。その一方で、「下部組織でフロンターレでやっていたこともかなり大きくて、戸惑うことなくプレーできた」、「早稲田で内側をとることが大きかった」と高校まで、そして大学で新たに挑戦してきたことが生きたそうだ。また、森が評価された点というのが、スピードなどのフィジカルの部分。ビルドアップ能力に優れている選手が多い今の新潟において、いないタイプのサイドバックである点も評価されたのだ。実際に松橋力蔵監督からも「フィジカルの部分で優れているという評価をいただいた」という。

 今回の決断をするにあたって「かなり迷った」と正直に語る森。新潟以外にも複数クラブから熱意のある姿勢を見せられたこともあり、「自分がどういったチーム行って、何を大事にしてサッカーしていけばいいのか」を悩み続けたそうだ。それでも、「J1でチャレンジしたいという気持ちが大きかったことと、新潟の環境や選手の主体的な姿勢や雰囲気を見て、より高いレベルでチャレンジしたいという思いが一番強くなった」。実際に新潟の練習参加に行った際に肌で感じたJ1の雰囲気、そして連敗中でもブレずに自分たちのサッカーを信じ貫き続けるアルビレックス新潟というクラブの姿勢、そして何より「何もできなかったというよりは、できたことの方が多かったという感覚だった」と森自身が大きな手応えを得たことが、今回の決断を後押しした。

 

第8節駒大戦(●2-4)で相手と対峙する森

 森の目下の目標は今年中にJリーグデビューをすること。そのためにも「常に練習からJリーグでやれる高い基準というのを求めていきたい」と語る。勝負はここからプロになるまでの半年。今年中、そして来季の開幕からレギュラー争いに絡んでいくためにも、さらなるレベルアップし、満員の「ビッグスワン」のピッチを疾走する森璃太の姿が一日も早く見られることに期待したい。

(記事 髙田凜太郎、写真 大幡拓登)

◆森璃太(もり・りいた)

2001(平13)年8月19日生まれ。170センチ65キロ。川崎フロンターレU18出身。スポーツ科学部4年。関東大学サッカーリーグ1部通算28試合出場。2部通算12試合出場、1ゴール。

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