【連載】ア式蹴球部新体制特集『PURSUIT』【第2回】奥田陽琉×森璃太

ア式蹴球男子

 第2回には新4年生のFW奥田陽琉(スポ4=柏レイソルU18)とDF森璃太(スポ4=川崎フロンターレU18)が登場。同じ学年で寮でも同部屋と日頃から関わりの深いお二人に、大学ラストイヤーにかける思いを中心に伺いました。
※この対談は3月24日に行われたものです。

本当に何をしたらいいかわからない状況が個人的には続いていた(奥田)

 味方にパスを出す奥田

――昨年を振り返ってみてどうですか

奥田 個人的にもチームとしても、苦しい一年だったかなと思っています。チームとしてはリーグ降格を味わって、自分たち4年生の代で2部で戦うとは想像もしてなかったというか。個人としても、降格というのを救えなかったなというのが正直な感想です。なかなか試合に出られない日々、メンバーにも入れない日々も続いて、本当に何をしたらいいかわからない状況が個人的には続いていたかなと感じてます。

 自分も陽琉と一緒で個人としてもチームとしても、思い描いていたシーズンじゃなかったかなと思っています。個人としては、2年生の時にコンスタントに試合に出ていた中で、3年になってなかなか出場機会が得られなかったり途中交代とかが多くて、結果という部分で自分の思い描いていたようなプレーだったりというのはなかったです。チームとしても降格というかたちで終わってしまって、なかなか充実したシーズンではなかったかなと思います。ざっくりですけど振り返って、悔いが残るというシーズンだったかなと思います。

――チームとしてもっとこうすれば良かったみたいな改善点はありましたか

奥田 難しいんですけど、大学サッカーは4年生が大切というのは自分たちが1年生のときから口酸っぱく言われていて。1・2年では4年生についていくみたいなかたちでしたけど、去年は自分たち3年が(4年生を)支えられなかったというか、チームとして同じ方向に向けなかったなというのが大きくあるかなと思ってます。

 個人としては目に見える結果を残せなかったというのが、チームを良い方向にもっていけなかった要因の一つです。チームとしては一体感がなかったというか、まとまり切れなかったがゆえに、そういったかたちの結果になってしまったので、今年はよりその一体感や、チームとして戦うというところに力を入れています。個人よりもチームとして日本一を目指すということを、去年の反省から今年は生かしていきたいなと思います。

――逆に成長できた部分は

 自分はポジションが一列前という普段と違うところをやる機会が多くて、それでやっぱ新たな視点だったりとか、視野が広がったりした部分がありました。そういった部分では、試合に出られない時のメンタルのもっていき方とか、そういった部分は成長できたかなと思います。

奥田 やっぱり苦しい期間が長かったので、立ち振る舞いが成長したかなと思います。去年は来年4年になるという中で、そこで試合に出られないっていうのは自分としてはとても悔しいものがありました。だけどその中で自分としてチームが勝つためにできることというのは、心がけてやっていたかなと思います。そこの人間的な部分というか、逆境の中で、出られない人たちの気持ちもわかったというのが個人として成長できた部分かなと思っています。

――昨シーズンで印象的な試合は

奥田 (前期)明治戦です。明治戦まで、あんまり勝ちもなくて、明治なので、今まで勝った覚えもないですし、(あの試合も)0ー1でいつも通り負けてしまうだろうと思っていたところで、自分が点を取って、チーム全員で喜んだのをみて、俺らいけるわというのは感じました。あと早慶戦も、「俺らなら勝てたしいけるな」という感覚はありました。なので明大戦と早慶戦が結構、印象に残っています。

 自分は前期の流経戦かなと思っています。個人的なことになるんですけど、そこではじめてサイドハーフとしてスタメンとして出ました。そこからずっとサイドハーフとしてスタメンで出ることが何試合も続きました。その試合は自分がサイドハーフで強みを出すとか、チームにどう貢献するかというなかでのターニングポイントというか。その試合で良かったからこそ、次があったのかなと思ったので、流経戦が1番かなと思ってます。

――森選手は色々なポジションで起用されていましたが、1番やりたいのはどこですか

 右サイドバックです。今後の人生を勝負していきたいなと思っていて。もちろんこれからいろいろなポジションをやる機会があると思うんですけど、自分はサイドバックで勝負したいと思っています。

(奥田は)ピッチの中で自分が表現できない時の振る舞いがすごい(森)

 質問に答える森

――同部屋ということで、直してほしいところは

奥田 一個あります。自分はよく言うんですけど、TikTokを結構な音量で見ながら寝るっていう。24時くらい超えて、静かになったな、でも携帯は見てるから起きてるのかなと思って、それでそのまま寝てるというのを直してほしい。しかもTikTokって永遠じゃないですか止まらずに。でも下に行くのもめんどくさくて、一回airdropとかを送ると、止まるんで。で、一回止まって、また流れたりするんですけど、その流れた音でコイツびっくりして起きて、で消して寝るという(笑)。これ結構恥ずかしいですよ。

――結構寝落ちしちゃうことってあるのですか

 そうですね。

奥田 でも、昔よりは減ったよね。昔、毎日そうでしたもん。

 (奥田の直してほしいところは)なんだろうな。4年間過ごしていると、気にならないんですよね。まあ強いて言うなら、テレビつけっぱなしで出るとか。結構自分はマメなんですよ。使ったら片づけるとか。割と陽琉はそのままで。陽琉が出掛けていて、俺も出掛けていて、帰ったらテレビそのまま流れているみたいな。

奥田 たしかに。俺が帰ったら消えてるとかありますね。消してくれてます。

 普通に習慣なんで。苦じゃないというか。消すだけなんで。

奥田 つけっぱですね。つけたままどっか行って、つけたまま帰ってきて、そのまま見てみたいな。聞いている感じなんですよね。ひまつぶしというか。なんかやりながら聞いているというか。別に巻き戻したりとかはしないんですけど。Youtubeとか流しっぱですね。恥ずかしい。

――先ほど4年目で、気にならなくなったとおっしゃっていましたが、1年目と比較してというところではどうですか

奥田 いやー、ないかも。

 大学ではじめましてだったら、まだちょっと気を遣うかもしれないんですけど、もとから知っていたのでそこの部分である程度、気を遣わないというか。

奥田 他のメンツだったら気を遣うでしょ。

 他のメンツだったらあるかも。

――逆にお互いに尊敬する部分は

 やっぱりモチベーションのつくり方とか。そこはマジですごいなあと。試合に出られない時とか、ケガした時とか、ピッチの中で自分が表現できない時の振る舞いというか。それがマジですごいですね。俺が出られないってなったら「はあ」ってためいきついちゃうんですよ。でもチームプレーじゃないですけど、そういった部分に長けているとずっと思いますね。

――意識しているのですか

奥田 いや、意外と素なんですよね。やろうとしてやってないっていうか。チームが勝てばいいでしょって。まあ、そこがちょっとFWっぽくないなって思います。そこは自分的には課題かなと思いますね。自分的には直したいなとかは思いますけど、悪いことじゃないんで。そこプラスエゴを出していけばいいかなと。璃太の尊敬するところは、ストイックですね。これエグいです。いやもうなんかおかしいです。ハイアルチ(標高2500メートルの高地環境で細胞からきたえる低酸素トレーニングジム)ってあるじゃないですか。オフに低酸素で走るって、ありえないというか。なんか、オフにトレーニングって自分もしてますけど、その中でも1番やりたくないことなんで、低酸素で走るって。ストイックですね。自分を追い込んでる感ありますね。自分の必要なことを必要なだけやっているっていうか。

――結構、身体のこととか意識されているんですか

 そうですね。好きですね、カラダが。

奥田 気持ち悪いわ。(笑)カラダ好きは気持ち悪い。わかんなくはないけど。

 サッカーっていうより、アスリートとしての身体の人の構造というか。そういうところのびるんだっていう。

奥田 引いてるよ。(笑)あ、エグいのあった。4年生なんで、今入部とかもあるんで、基本グラウンドにいるんですよ。特にやることないっていうか、座っていないといけない時があって、このへんなんかほぐしてて。耳たぶのとこ。即答骨。なんかずっとここやってるから、「何してんの」って聞いたら、「暇だからここほぐして速くなることぐらいしかない。」って。

――そこほぐすと速くなるんですか

 そうっすね。でも話すと長くなっちゃうんで。

奥田 速くなるために。もう陸上選手みたいな感じですね。エグいっす。これ聞いた瞬間コイツ終わってるって(笑)。びっくりしました。さすがに。でもすごいっす。

――奥田選手も練習前とか早くからピッチにいらっしゃるとか

奥田 そうですね。僕も璃太と同じくらいやってるかもしれないですけど。自分も強くなるためにやることは好きなんで。トレーニングするっていうのはめちゃくちゃ好きなんで。自己肯定感上がりますし。自信もつくっていうか。練習前、1時間前くらいに行くんですけど。ケガしないように。まあいつも通りのルーティーンして、グラウンド出るっていう。そこで音楽とかかけたりして、気持ちもつくっていく、モチベーションとかもつくるっていう時間にはしてます。

――最近ハマっていることは

 ハマってるっていうか、ずっとやってることは朝散歩ですね。朝7時30分に起きて有酸素運動がてらの朝散歩っていうのはずっとやってますね。歩くのが苦じゃなくなりました。前まで歩くのは苦だったんですけど、20分とか30分とかなら歩けちゃうかなみたいな感覚になりました。

――1人でですか

 藤本(隼人、スポ4=柏レイソルU18)と歩いてます。

――奥田さんは映像系見てらっしゃるとか

奥田 そうですね。テラハ(テラスハウス)を見てます。ハワイ編。あ、でも試合とか結構前より見るようになったかも。ハイライトは全部見たりとか。部屋でやってることとしたらYoutube、ネトフリを流し続けるとかかなあ。

――Jリーグ見ますか

奥田 Jリーグ見ますね。面白いんで。知り合いとかもいっぱいいるんで。あ、Youtubeで栗原崇っていうアメフト選手がいるんですけど、その人のYoutube一生見てます。筋トレ系なんですけど。その人がでかくて速いみたいなのをコンセプトにしていて、モチベが上がります。今日はここ筋トレしようかなという感じで。最近はやっぱり上半身の筋トレに改めて力を入れ始めていて。栗原崇さんの影響かな。ちょっとだけ見てみてください。

――プライベートでの目標は

 学生最後なんで、学生のうちにできることをしておきたいなっていうのは1番ですかね。何をしたいかっていうのはまだわからないですけど。社会人とかになったら時間もないですし。やっぱり学生のうちにできることを何か見つけるだったりとか。そこは目標かな。

奥田 学生っぽいことをしたいっていうのはひとつありますね。同期みんなでとか、BBQとか飲み会でもいいし。学生最後ですし僕らコロナ世代なんで、1、2、3年ではほぼ何もできなかったですし。あとは他の競技の人ともうちょいコミュニティ広げたいなと。さっき栗原崇さんのこと言ったんですけど。その競技の特性とかもサッカーに生きてくる部分とかもあると思うんで。正月に早稲田のラグビーの選手権があって、決勝いきましたよね。帝京との。それも見に行ったり。吉村紘君(令5スポ卒=現NECグリーンロケッツ東葛)と知り合いで。そういうのを見て面白いなと思ったし、夏にもバレー早慶戦見に行ってすごい面白いと思ったし、早稲田ってそこの競技のトップレベルの人がいると思うんで。そういう人たちともっと友達になりたいなと思います。けど、授業がほぼないんで、難しいかなと思いますけど。早稲田にかかわらず、他の競技の人たちと関わりたいかなと思ってます。

――早大に名残惜しさとかはありますか

 自分はコロナで入学式をやっていなかったりとか、校歌をまともに歌えなかったりとか、そういった部分もあるので早稲田にめっちゃ思い入れがあるわけではないです。地元の友達に会った時とかに、どこ大学?って聞かれて早稲田って答えると改めて実感するけど、自分が早稲田にいるという実感が4年目にしてあまりないです。キャンパスとかにもあまり行かないですし。だから逆に難しいですね…(笑)。  

奥田 名残惜しさはない?  

 名残惜しさはそんなないですね…。  

奥田 えーどうだろう。ほぼ一緒なんですけど、逆にだからこそもう少し楽しみたかったというのは名残惜しさなのかなと。1年目からもう少し学生っぽい遊びとかしたかったなって思いますけど、卒業してもそこはあまり変わらないのかなって思ったりもしますし、でもちょっと寂しさはありますね。学生が終わっちゃうという。自分で生きていかなきゃいけないし、というのは名残惜しさですけど、早く社会人になりたいという気持ちももちろんあるので、そこは半々くらいです。ちょっとは名残惜しさがあります(笑)。  

自分たちがまずやらないといけないというのは意識している(奥田)

 質問に答える奥田

――ここまでやってきてこの学年はどういった学年だと思いますか

 仲良いというのはどの選手に聞いても一言目に出てくると思います。元々、人数もそこまで多くないですし、スポ推や自己推を合わせても人数が少なかったので。寮生、寮外生の仲も良かったですし、1年目から隔たりなく仲が良かったので。コロナ禍で難しい時期もありましたけど、さらに仲良くなったのかなと思います。  

奥田 僕も仲良いなと思います。寮生と寮外生の壁はなくて。最初はもちろんうまくいかないこともあったんですけど、寮生がもともと少ないというのもあって、今は寮生も少しは増えましたが、学年を追うごとに仲良くなっているなと思います。  

――後輩はどのように映っていますか

奥田 みんな仲良いですね。基本的に。  

 変に上下関係とかもなく、組織として仲良いというのはあります。  

奥田 確かに。  

 変に気を遣うとかもそこまでないですし、早稲田って結構サッカーの実力がはっきりしているじゃないですか。スポーツで入った人と一般で入った人で。でもそこの壁みたいなものもそこまでなく。他大とは違った環境の中で、多様性とか言われていますけど、うまくみんな受け入れてやれてるのかなと思います。  

――森選手はデンソーカップに出場されていましたが、改めて振り返ってみてどのような経験でしたか

 勝つ選手が評価されるというのは一番感じました。関東選抜として出て、4連敗という厳しい現実の中で、選抜の監督や関係者の方から言われたのが勝つ選手が評価されるということ。いくらうまくても、試合で勝たせられない選手だったらチームにいらないし評価されないと、かなり強く言われました。やっぱり自分の武器を出し泥臭く戦った中で、勝つことというのが求められる世界だなというのを改めて痛感しました。去年早稲田はなかなか勝てなかったので、今年は勝つことが当たり前、勝たせられる選手になりたいとデンソーを通じて強く感じました。  

――新シーズンに向けて今重点的にやられていることは何かありますか

奥田 僕は新人監督という役職もやっていて、下に厳しく言わないといけないことも結構あります。でもだからこそ、4年もやらないといけないと思うので、自分たちがまずやらないといけないというのは意識しているところです。監督にもちょくちょく言われますけど、4年ができていなかったら下はついてこないと言われますし、それは本当にその通りで。下に言うってことは、責任が自分たちにも伴うというのは、常に意識して周りを見て行動してるかなと思っています。  

 僕はさっきも言ったようにピッチ内で勝たせる選手、結果という部分にこだわり続けていきたいなと思っています。プレーでの基準を4年生が示すと、陽琉が言ったように下もついてくると思うので、そういったところのクオリティや結果の部分は、最後の年さらにこだわっていきたいなと思います。  

――プロになるという目標に向けて意識していきたいところは何かありますか

奥田 僕は「点」だと思っています。璃太もさっき言ってましたが、勝たせる選手が評価される世界だと思っていますし、監督とも話しましたけど、得点はチームで一番取るし、2部リーグですけどそこでも得点を取るというのは自分がプロになるために必要なことかなと思うので、点にこだわって。口で言うのは簡単なので、そこに対する行動とかも示していけたらなと思います。  

 僕も結果というのは絶対求めていきたい部分です。チームの強さとかはスカウトの方にも見られるし、強いチームにいると見られ方とかも変わってくると思います。なので、結果プラス自分の良さのスピードや運動量を発揮して、プロになってからもそこの部分で活躍できるように、この1年間やり続けていきたいと思います。  

チームのために戦える強い選手になりたい(森)

 デンソーカップでは両サイドバックにサイドハーフとさまざまなポジションで出場した森

――新体制の雰囲気はどのように感じていますか

奥田 すごいいいかなと思っています。監督が代わって、練習内容ややり方などすべてが変わって。最初はもちろんうまくいかないことも多くありましたけど、難しい練習でもうまくこなせるようになったというか、前だったらミスが多く出る練習でも成功する場面が見られるようになってきていますし、新しいことに挑戦するのは人間としてやりやすいと思うので、良いマインドで挑めているのかなと思います。ただ、そこでうまくいったからといって、慣れでこなすようになったらその先はないですし、常に自分たちに何が足りないのか何が必要なのかを疑いながら、過ごしていくことが必要なのかなと思います。  

 陽琉も言っていたように、監督が代わったりとかいろいろなことがあった中で、去年からの全体的な基準が上がったのかなと思います。練習の強度、今年は2部練で走りが多くなるなど、フィジカル面の強度だったり対人が多くなったり、そういった面で選手が求めている一個上の基準が当たり前となっていっています。今年は2部ですけど、日本一というところを目指すには2部で常に勝たなきゃいけないですし、2部で飛びぬけなければ日本一というのはないと思います。その基準をもう一、二個上げるような練習だったりピッチ外の部分というのを求めていって、その上で自分たちが目指しているプロであったり将来というのも見えてくると思います。新体制になってからは雰囲気は良いですし、そこの部分で自分たちが何ができるかというのは常に模索しながらシーズンを迎えたいなと思います。  

――練習の強度はかなり上がったとお聞きしましたが

奥田 結構上がりました。去年までが優しめだったというのもありますけど。1年間戦うためにはそこのベースの部分は絶対に大事だと思います。  

――強度が上がるとは具体的にどういう感じなのですか

奥田 まず走りが多くなりました。きつい走りになったりとかもしますし、1対1を何回もやる練習も増えました。  

 球際とかの強度が上がったというよりは、メニューとしての強度が上がったという感じです。  

――兵藤監督はどのような監督ですか

 話しやすいですね。最初思っていたイメージとは違いました。去年の秋から少し来られていた時のイメージとは直接話すと違って、かなり選手目線でいろいろ話したり、コミュニケーションを取られる監督だなと思います。それに加えて兵藤さん自身のプロでの経験を伝えてくれるので、選手と監督との距離が近いというのは良いことですし、選手としてもありがたいです。  

奥田 璃太も言っていましたけど、監督っぽいというよりは選手よりなところがあると思います。兵藤さんはマインド的な言葉やプレーに対するアプローチとかが多いかなと思っているので、そこはすごく変わったしこっちとしても楽しいなサッカーがまたうまくなっているなというやりがいを感じています。  

――1部昇格に向けて必要になってくることとは

 強いチームになるというのは必要かなと思っています。うまいだけじゃ勝てないと思いますし、球際や切り替えとか、サッカーのベースの部分で圧倒していかないと1部昇格はできないと思います。それに日本一となると2部に比べて強度が上がってきます。2部の強度に慣れていると1部と戦った時に勝てなかったり面食らったりしてしまうので、サッカー以前のベースの部分を突き詰めることで強いチームになるのかなと思います。  

奥田 僕はみんなが同じ方向を向くことだと思っています。FCのカテゴリーの勝利が関東リーグを戦う選手たちの気持ちにつながると思っていますし、逆に関東リーグが勝ったからFCのカテゴリーでも勝とうという良いサイクルを回すためにも、選手一人一人の気持ちを一つにして、目標に向かってやるというのが一つかなと思っています。後は本当に今年が勝負かなと思っています。Jリーグでも2部に降格して何年も2部にいると、そこに慣れてしまって上がるのが大変になってしまうと思うので、1部を知っている自分たち、1年生の時にはリーグ2位も経験しましたし、強い早稲田を知っている代は自分たちが最後だと思っているので、そこの段階で本気で1部に戻るというのは後輩たちのためにも必要なのかなと思います。  

――大学最後の年になりますが、今シーズンここに力を入れたい。ここに注目してほしいというところはありますか

奥田 点です。点と前線からのプレスは見てほしいです。  

 僕はアシスト二桁と誰よりも速いんだというところです。  

一同 (笑)  

奥田 写真を全部ブレてるように撮れたらいいんじゃない?(笑) 璃太の写真がないみたいな(笑)。  

――今年の注目選手は誰ですか

 俺は平松(平松柚佑、社4=山梨学院)です。平松とは仲が良くて、2人でサウナとか行くんですけど、平松自身もキャプテンをやっていたりとか、プロ志望でまだ決まっていなくてというプレッシャーがある難しい状況の中で、本当に全力で戦える選手です。1年生の頃から頑張ってきている姿を隣で見てきたし、サッカーの話やプライベートの話もいろいろするので、一緒にプロの世界で戦いたいなと。大学で終わりじゃなくて、またプロの世界でも戦いたいなと思うので、平松に注目してほしいです。  

奥田 僕は何人か挙げさせてもらいます。もちろん4年には注目してほしいです。それと一個下は神橋(神橋良汰、スポ3=川崎フロンターレU18)。二個下は山市(山市秀翔、スポ2=神奈川・桐光学園)。カミは、去年4年生にDFが多くいて、出番はちょくちょくありましたけど定着して出るということはなくて、今年はあいつが後ろから支えてくれるのかなって期待もこめて。あいつならやってくれるかなというので、神橋です。それとこの質問で一番最初に浮かんだのが山市でした。なんでかと言われたら難しいのですが、あいつの出す雰囲気やプレー強度とか、チームを元気にさせるというかあいつがいなければ(いけない)と思う。あいつがいたら安心するというチームの中心として、2年生ですけど頼れるなと思っているので、カミと山市と4年生全員を挙げさせてもらいます。  

――最後に今シーズンに向けての抱負をお願いします

奥田 まず関東1部に昇格するというのは絶対条件だと思うので、関東1部に昇格するために自分にやれることをやります。それは点を取ることも守備をすることもそうですし、チームが勝つためにやれることを全てやっていきたいと思っています。  

 僕も1部昇格と日本一というのは掲げています。個人としてはチームを勝たせる選手に。アシスト、得点と目に見えるかたちで勝利に貢献できる選手になりたいと、チームのために戦える強い選手になりたいと思います。  

――ありがとうございました!

(取材、編集 髙田凜太郎、長野雪華 写真 前田篤宏)

◆奥田陽琉(おくだ・ひりゅう)(※写真左)

2001(平13)年5月23日生まれ。181センチ80キロ。柏レイソルU18出身。スポーツ科学部4年。トレーニングが好きという奥田選手。今年は強くて、速い。ゴツいけど、動けるラグビー選手みたいになりたいですね。と答えてくれました。よりパワーアップした奥田選手が得点を量産する姿に期待したいです!

◆森璃太(もり・りいた)

2001(平13)年8月19日生まれ。170センチ65キロ。川崎フロンターレU18出身。スポーツ科学部4年。奥田選手と同様、自分の身体を鍛えることが好きな森選手。今年の目標として、黒人選手みたいな体格になりたいと答えてくれました。サイドを誰よりも速く駆け上がる森選手の姿に注目です!