早大勢対決はヒル、山市擁するU20全日本大学選抜に軍配! デンソーカップ・グループステージ

ア式蹴球男子

 2月28日、全国の大学からの選抜メンバーが集まる大会デンソーカップが開幕した。この大会では参加する8チームを2グループ4チームずつに分け、最初の3日間で総当りのグループステージを行う。その後休息日を1日挟み、最終日に各グループの同順位同士による順位決定戦が行われる。今回はグループAにU20全日本大学選抜、東北選抜、関東選抜B、関西選抜の4チーム、グループBが関東選抜A、東海選抜、プレーオフ選抜、日本高校選抜の4チームが参加した。早大からはGKヒル袈依廉(スポ3=鹿児島城西)とMF山市秀翔(スポ2=神奈川・桐光学園)の2人がU20全日本大学選抜に、DF森璃太(スポ4=川崎フロンターレU18)とDF神橋良汰(スポ3=川崎フロンターレU18)が関東選抜に選出。また浅木柊人(スポ4=広島)がトレーナーとして関東選抜Bに帯同した。

 グループステージ1日目。森と神橋が所属する関東選抜Bは東北選抜と対戦。森がサイドバックでスタメン出場を果たすが、チームは決定機を生かせず0-2で敗戦。U20全日本大学選抜もヒルが先発メンバーに名を連ねるが、関西選抜に4失点とまさかの大敗を喫する。共に苦いスタートとなった。2日目、関東選抜Bは関西選抜と対戦する。神橋がスタメンに名を連ね、森も途中から左サイドバックで出場するが、0-1で敗れた。一方で山市が先発したU20全日本大学選抜は、東北選抜相手に2-0で勝利。前日大敗のショックを払拭した。

右サイドでドリブルする森

 迎えた3日目、グループステージ最終戦で、関東選抜BとU20全日本大学選抜が激突。森と山市がそれぞれスタメン出場となり、早大対決が実現した。試合は序盤から膠(こう)着状態が続く。普段より一列高い右ウイングでの起用となった森だったが、良いかたちでボールを持つことがなかなかできず。対する山市は、持ち前の運動量と強度の高いプレーを発揮し中盤で存在感を示した。試合が動いたのは63分。コーナーキックからU20全日本大学選抜が先制点を決めた。勢いに乗るU20全日本大学選抜はアディショナルタイムに追加点を挙げ、そのまま2-0で勝利。山市は89分まで出場し、チームの勝利に貢献した。

中盤で強度の高いプレーを見せた山市

 グループステージの結果、U20全日本大学選抜がグループA3位、関東選抜BがグループA4位と、共に思ったような結果を残すことができなかった。それでも2日後の順位決定戦がまだ控えている。「目に見える結果でチームを勝たせられるようにしたい」と森。「チームとしてしっかり切りかえて最後の試合勝てるようにやっていきたい」と山市。明後日の順位決定戦に勝利し、少しでも上の順位でこの大会を締めくくりたい。

(記事・写真 髙田凜太郎 写真 長野雪華)

※学年は来年度のものです。

コメント

森璃太(スポ4=川崎フロンターレU18)

――3日間続けての出場となりましたが、ここまでを振り返っていかがですか

初戦はチームとしても決定機を多くつくった中、なかなか決め切れずに負けて、2戦目は途中からというかたちで自分が入ってから失点してしまったという中で、3戦目絶対に勝とうという中でスタメンで出場させてもらって、いつもとはポジションが違いましたがそこで結果を残せなかったということを含めて、勝つことの難しさとか、自分がチームを勝たせられるような選手にならないとなとこの予選3日間で改めて痛感しました。

――サイドバックやウイングなどいろんなポジションで出場されていますが、それぞれのポジションでの手応えはいかがですか

初戦サイドバックで出場して、前への推進力とかの部分で手応えを感じて、2戦目左サイドバックでいつもと逆だったのですが、なかなか押し込まれる時間が続いて自分の良さを発揮できずという感じでした。最後の試合はウイングで。自分の良さであるスピードとかはポジションが違っても発揮することには変わらない中、サイドバックをやった時の方がより手応えを感じました。

――他大学の選手も集まっている環境で刺激を受ける部分はありますか

普段と違ったメンバーでよりコミュニケーションの質とか、そこの部分に対してよりサッカーを合わせる部分での楽しさは感じますし、より高いレベルでやることによって自分の成長や今後のサッカー人生に生きてくると思います。

――残り1試合に向けての意気込みをお願いします

勝ち点ゼロで得点もゼロというところで、絶対に勝たなければいけないですし、自分が得点だったりアシストっていう目に見える結果でチームを勝たせられるようにしたいです。

山市秀翔(スポ2=神奈川・桐光学園)

――デンソーカップが始まってから3日が経ちましたが、ここまで振り返ってみていかがですか

追加招集だったので最初は馴染めるか不安でしたけど、自分の持ち味を試合に出させてもらった時にしっかり出せたので、良かったと思います。

――プレー面では手応えを感じていますか

いやまだまだですね。もう一個奪い切るところ。ファーストディフェンダーとしての強度は良くなってきていますが、そこから奪い切るところが自分の課題だと思うので、もっと守備の部分で貢献したいです。さらに攻撃の部分でも効果的なパスであったり、ゴールへの脅威になるようなプレーヤーになっていきたいと思います。

――他大学のレベルの高い選手の中でプレーすることで受けた刺激みたいなものはありますか

本当に周りはうまい人ばかりで、自分は着いていくのが精一杯です。ピッチ外の部分で先輩が多いのですが、コミュニケーションを取ってくれるのでそういった部分ではすごく助かっています。

――試合中から声を出すシーンが多くありました。チーム全体で声を出す選手が多いなと感じたのですが、どのように意識されていますか

1戦目で0-4と大敗して、自分たちはどういうところが足りないのかをチーム全員で見直した時に、ベースの球際、切り替え、強度、ハードワークや声とか雰囲気づくり、関係づくりが足りてないよねという話が出ました。2、3試合目でそれは変えられたので、チームとしての成長だなと思います。

――まだ1日残っていますが、ここでの経験をどうア式に還元していきたいですか

デンチャレのメンバーもア式のメンバーも自分は良い選手がたくさんいると思います。自分はこのデンソーに選んでいただいたので、ここで得た経験を成長につなげてチームに還元していきたいです。

――後1試合に向けての意気込みをお願いします

3位通過になって自分としてもチームとしても不甲斐ないというか、全日本選抜としてあってならないことだと思います。それでも明後日順位決定戦はやってくるので、チームとしてしっかり切りかえて最後の試合勝てるようにやっていきたいと思います。