【連載】ア式蹴球部学生スタッフ対談『INSⅠDE:WASEDAーAFC』【第4回】新4年生マネジャー対談 佐藤慧一×藤間英吉×平川功×平山怜央

ア式蹴球男子

 第4回には新4年生マネジャー、佐藤慧一(政経4=東京・早実)、藤間英吉(スポ4=神奈川・鎌倉)、平川功(文構4=岡山・作陽)、平山怜央(スポ4=愛知・刈谷)、の4名が登場。早慶クラシコやYouTube企画、寮の管理や部員ブログの運営などそれぞれが多方面に活躍されている4名。マネジャーとして考えていることや、最終学年となる今年にかける思いを伺った。
※この取材は2月4日に行われたものです。
※原則として新学年表記にしてあります。

なんだかんだサッカーが好き

選手とコミュニケーションを取る佐藤

――他己紹介をお願いします

藤間 平川功は大人ですね。誰よりも大人ですね。年齢的にも、2個上なんで。一応同期ですけど、上ですね。なので考え方も、いろいろな面で大人です。ちょっと合わなかったりするときもたまにあるんですけど(笑)。良くも悪くも。良い視点で俺らに意見を投げかけてくれるので、それは助かっています。後、背が高くて誰よりもクリエイティブ性が高いですね。Youtubeの企画もバズってるやつは大体、功が編集してくれたり、考えて企画してくれるので。クリエイティブ性はYoutubeの中では、今一番必要な存在だと思っています。

平川 慧一、そうですね。根が曲がってますね(笑)。でも、誰よりも選手のことを思って行動している節はあるなと思っていて。一個一個の気遣いが細かいし、僕はメディアの方からアプローチしていますけど、彼はア式のことを企業を巻き込んでそういうことをやったりということで、ア式には欠かせない存在ですね。

佐藤 平山怜央は、すごく面倒見がいいですね。ここの4人の中で、一番後輩に対しての面倒見が良くて、いつも周りを見てコミュニケーションをとっているところは自分にはなかなかできない部分もあるので、後輩のところに関しては頼りきりになっちゃっていますね。noteっていう部員ブログを2個上の林君(林隆生、令4スポ卒=東京・小石川中教校)から引き継いで運用していて、選手の本音を引き出すという部分においても、やっぱりコミュニケーション能力に長けているなと思っています。

平山 英吉は、マネジャーもやっているのですが、合わせて審判もやっているということで、まずそれがすごいなと思っていて。たたでさえ、マネジャーとして選手のサポートだったりとかで仕事が多いと思うのですが、それに加えて審判やっていると、結構選手から判定に対しての文句とか言われるのですが、ずっと続けているということが自分にはちょっと理解できない(笑)。言われるのが好きなのか分からないんですけど。でも、そこはすごいと思っていて。結構、広報とかクリエイティブな方面とかではなく、目には見えないけど、確実に選手の力になるっていう、陰で動くというところに本人はやりがいとかを感じてやっているので、そこをやり続けられるところはすごいなっていう風に思います。

――審判の何級を持っていますか

藤間 3級です。

平山 審判合宿とかにも行っていて。

藤間 大学から1人行かなくちゃいけなくて行かされました。

――仲の良い選手は

藤間 俺は植村洋斗(スポ4=日大藤沢)ですね。寮で同部屋なので。あと昼ご飯食べにいったりとかも結構ありますね。

平川 たまに大橋(優貴、社4=東京・早実)が家に遊びにきますね。小泉和(スポ4=神奈川・市横浜サイエンスフロンティア)っていう変な子がいるんですけど、その変なやつと真面目に堅いやつがたまに泊まりにきたりとか、一緒に勉強したりとか。去年はその小泉建太(令4文構卒=茨城・水戸桜ノ牧)っていうやつがいたんですけど、おらなったので。あとは、平山(怜央)と連絡取り合うし、どこいるのかとか把握してます。

佐藤 かぶっちゃってるんですけど、自分も大橋優貴と一番仲が良いです。早実から一緒なので、腐れ縁ってわけではないのですが、良くも悪くも色々なことを大橋とは話してますね。最近は真生也(成定真生也、スポ3=神奈川・日大藤沢)と、トレーナーの浅木(柊人、スポ4=広島)とドライブに行ったりしてますね。なのでペーパーは卒業しました。

――結構頻繁に行かれるのですか

佐藤 頻繁に行っていたのですが、結構お金がなくなっちゃうので。おさえようぜって、いまはおさえてます。

平山 俺はプライベートで遊びに行く人は全くいなくて(笑)。基本家にいるので、誰かと遊ぶってことはないです。でも、練習後によくボール蹴るっていうのでいくと、小林朋睦(人4=群馬・前橋育英)とか、大橋とかとはよくボール蹴ったりしますね。あと主務の山田怜於(社4=鎌倉・神奈川)からはいらない仕事とかよくもらうので、文句言いながらやってます(笑)。あと、平川功とはバディっていって起床しているかを確認して遅刻していないかを確認するっていう。今日も朝、自撮り写真が送られてきて生存確認するっていう(笑)。

一同 (笑)

――みなさんの趣味は

藤間 夜、走ってますね。一日の溜まったストレスを夜走って、発散するっていう。伏見公園で、夜誰もいないので、一人でうんていしたりとか。

平山 最近、(藤間の)サッカーやりたい欲がすごいんですよ。

藤間 1月のオフの中旬くらいから伏見公園いくことが習慣になってますね。

平山 サッカー復帰しようとしてるでしょ。

藤間 4年早慶戦に向けてさ。(笑)

平川 僕は釣り、服、映画、昭和の定食めぐりとか、料理とか。お笑いライブとか見に行きます。

佐藤 自分は韓国ですね。K-POPか韓ドラ。もともと、中3で、BIG BANGがめっちゃきてたときに、好きになって、ファンクラブ入って、大橋とライブに行ったりして。そっからK-POPはまってて、色々なところに派生してたら、大学3年生が始まる時に2個上の高原歩希(令4文講卒)が「愛の不時着」が面白いから見ろって言われて、見たら韓ドラにはまってしまって、そこから色々なもの見てますね。

平山 自分は趣味はないですね。

平川 読書ちゃうん。

平山 基本的に外出しないので、本とか読みますね。割と、心理学が好きなので心理の本とか読みますね。

――部員の中で、この人のここがすごいという所は

佐藤 伊勢航(社3=ガンバ大阪)ですね。自分が2年の時の1年生なので、それこそ入部に関してとか仕事に関してとか結構喋ってて。部に関しても、学年に対しても一番向き合ってるのが伊勢航かなと喋っていて感じます。それでいて、試合にも出ていて活躍しているし、すごい視野が広いなと感じるところですね。

藤間 高見真史(人2=埼玉・栄東)っていう小っちゃい子なんですけど。あの子はすごいですね。ホペイロになりたいっていう。寮に住んでるんですけど、高見が入ってきてスパイク部屋っていうめちゃめちゃスパイクが散乱してる部屋があったんですけど、入寮1週間以内にめっちゃきれいにして、自分のスパイク磨き部屋みたいなのつくって。あともう1個面白い話があって。大浴場なんですよ、寮って。みんな裸で入るんですよ。でも、高見は1人で服着て、スパイク磨いてるんですよ(笑)。すごいっすね。

平山 俺は、大橋優貴ですね。今年から新人監督やってて。彼ほどチームのことを本気で考えてる、チームのために自分を犠牲にできる人はいないと思います。そこは彼がずば抜けて、常にチームのために自分が何ができるのか考えてそのためなら時間を惜しまずやるっていうのが彼の凄いところだなと思います。でも基本真面目なんですけど、意外と色々多趣味で楽しんでるので、よくその切り替えができるなっていうところも尊敬してます。

平川 挙げたくないんですけど、小泉和。めっちゃ変なやつで。何が変かっていうと、会話してるじゃないですか、その時に噛み合わないんですよ。それでもサッカーは無名の超進学校出身なのに、ここまでやってこれたっていうのは個人的にめちゃくちゃすごいなって思っています。僕自身も作陽高校行って、中学は中体連とか全国とかいきましたけど、すごい挫かれたんですよね。で、その辛さを自分は知ってるので。自分も逃げたくなるほど辛かったんですけど、それを知っているからこそ彼の挫けない心。次の日も練習来て頑張ろうって思いたいとか、それだけじゃなくて仕事もね色々ミスあったり。サッカーもしんどかったり、それ以外もしんどかったりっていう日がめちゃくちゃあって。それでも辞めずにここまできて、なんだかんだ和かわいいなってなるのはあいつのキャラクターの良いところだなって思いますね。

――普段からサッカーって観ますか

藤間 めちゃめちゃ観てます。好きですね。冷めた時もあったのですが、最近になってまたサッカーの愛が深まってきて、Jリーグが好きだったんですけど、それ以外でもプレミアとかリーガとか、日本人が出てる試合とかをめっちゃ見ますね。

佐藤 自分は選手みたいに夜起きて、プレミアの試合観るとかは高校以来してないですね。起きるの面倒くさすぎて、そこまでじゃないかなと思ってたんですけど、どちらかというスタジアムで観に行く方が好きで、味スタとかは行ってました。最近はコロナとかで行けてないですけど。現場に行って観る方が好きですね。

平山 俺は全く観ないですね。そこまでサッカーに興味がないって言ったら語弊がありますけど、自分が試合に関わるっていうところには興味が無くなりましたね。ハイライトとかは見たりするんですけど。去年まではスカウティング班だったので、(ア式の)試合は観てました。

平川 僕は進んでは観に行かないですね。目に入ってきたら見てしまうみたいな。結局、俺サッカー好きやねんなってのは思うんですけど、自らサッカーを求めて見ようとは思わないですね。なんか好きですけど、自分からあえて観ようとは思わないですね。

佐藤 W杯はみんな見たでしょ?

一同 そりゃあね。

平山 なんだかんだサッカーが好きなんで。

平川 そうそうそう。

平山 だからやってたら見ちゃう。

(ア式の)マネジャーは変人が多い(笑)

質問に答える平川

――みなさんのサッカー遍歴を教えてください

藤間 俺は普通に幼稚園の年長の時からお兄ちゃんが小1からサッカー始めたので気づいたら一緒にやっているっていうありきたりパターンでそのままやっていました。それで中高もサッカー部に入っていて、試合に出ることはなかったですけど、山田怜於という今の主務と同じ高校で。一緒に試合出ることはなかったけど、彼がうまかったので。大学に行く時に山田からマネジャーに誘われたのでそのまま入ったという感じです。ずっとサッカーやってきて、途中で大学からはマネジャーをやっているっていう。これからはまたサッカーやりたいなって思ってます。

平川 僕は兄の影響ですね。父親はめっちゃうまかったらしくて、地域で有名で。マリノスの波戸康広さんを波戸君って呼ぶくらい親しくて。あと加地亮さんとかも知り合いで。淡路島出身のサッカー選手はもうつながりがあって。兄も神戸弘陵行ったんで。僕は中学校1年生の時はめっちゃ釣りが好きだったんで、フィッシングカレッジに行こうとしたんですよ。釣りのルアーとかつくってみたいなと思って。それで親に相談したら、そんなんに入学金払いたくないって親に言われて。専門学校みたいな感じだったんです。サッカーは小学校の時に、僕らの町クラブがヴィッセルに勝ったんですよ。関西大会の決勝トーナメントでセレッソに負けたんですけど、そこで初めて自分ら強いんやって知って。中学校で県新人優勝、県大会優勝、近畿優勝、全国ベスト16やったんですよ。あ、俺サッカー突き詰められるやんって思いで作陽高校行って、くじかれて。で、トップ選手なれないなってところで、でも関わりたいってところで今こんな感じです。

佐藤 自分は入りが友達から誘われたフットサルだったんですよ。最初はフットサルをやってて、小2くらいの時にコーチの人にサッカーやってみないって言われて、鷺宮SCっていう、寺川さん(寺川俊平、平22人卒=東京・暁星)と一緒だったらしくて。小4くらいまではちゃんとやってたんですけど、中学受験の勉強で土日行けないってなって幽霊部員になって。結局は中高早実、大学早稲田みたいな感じで、選手・選手・マネジャーみたいな感じです。

平山 サッカーを始めたのは完全に父親の影響で。父親が昔サッカー選手で、仕事をしてたってことがあったので、完全にその影響でサッカー始めました。小さい頃に1個下の石川真丸(スポ3=名古屋グランパスU18)がいるんですけど、住んでいるところが近くて幼なじみで、真丸の方がうまかったのでリフティング教えてもらったりとかして遊んでました。僕は小中は地元のサッカークラブで全然強いことはなかったんですけど、父親が高校の時に高校サッカー選手権で優勝しててメダルとかとったりしてて、やっぱり選手権というのには自分には思いがありました。ただ自分には飛び抜けた成績とかはなかったからこそ、勉強とかもやりながら文武両道できるところで全国目指したいっていう思いがあって、そのとき地元で1番それを実践していたのが、自分が通っていた刈谷高校っていうところでした。県1部で全国にもたまに出たりしながらっていうことだったので、周りがクラブ(出身)ばかりで最初はめちゃくちゃ下手な部類だったんですけど、3年になって出られるようになって、結局最後は県ベスト8とかで終わっちゃったんですけど、それでサッカーへの未練を残したまま部活をやめたくないなっていう思いがあって、ア式蹴球部のマネジャーっていうかたちで関わるようになりました。

平川 泣いてたもんな。怜央。

平山 入って2日目ぐらい。自己紹介ミーティングのときに。自分の中ではあんまりサッカーでやりきれなかったっていう思いが結構最初の時はあって。不完全燃焼で。マネジャーとか劣等感があって。そういうのもあったのかな。当時は。

――なぜ早稲田ア式蹴球部に入られたのですか

藤間 早稲田にこだわりと言うよりも進学先だったのと、そこに山田怜於がいたことが重なったからです。

平川 早稲田のサッカー部をかっこいいと思って、最初選手として入ろうとしたんですけど「これはやっぱり無理だな」と思ってマネジャーになったという感じですね。早慶戦見る前は慶応に行こうとしてて。周りからは早稲田みたいな感じだけどなと言われていて。正直それがわからなくて、慶応に行った時に早稲田かもと直感的に思って、受からなくて。仮面浪人して、日大の法学部から早稲田に来ました。

佐藤 大きく分けると3つあります。直接的なきっかけは自分が中学の時から「すごいな」と思っている同期の子がいて。その人が高校3年の夏で選手を引退してその部活のマネジャーをやり始めて、全国で戦っているのを見てマネジャーってカッコいいなと思ったのが直接的なきっかけです。後押しするかたちで残りの2つがあるんですけど、一つは俊也君(鈴木俊也、令5商卒=現大宮アルディージャ)がいたことが大きくて。早実の時から一緒で、自分はBチームで一緒にプレーしたことはないんですけど、公式戦で副審をやることが多くて誤審とかもして、選手から色々言われて辛かった時期に俊也君が引退した試合の時に「お疲れ様、今までありがとな」と言ってくれて。普段ツンとしてるんですけど優しさを感じて、尊敬してる俊也君がいることも一つ後押しになりました。もう一つは早慶戦も感動した思い出があって。高校1年生の時から3年間招待していただいて、見に行っていたんですけど全部早稲田が勝っていたし、大学生と歌う紺碧の空がとても胸が熱くて、この景色をつくれるのはすごいなと思ってマネジャーになろうと決断しました。

平山 最後の選手権予選が中途半端なかたちで11月ぐらいに終わって、そこから本格的に受験勉強を開始しました。早稲田に行くことになった時に部活が強いことは元々知っていたのでやめようかなと思ってたんですけど、一般生もランテストで受けれることを調べたら分かってしまってそこからだいぶ悩みました。結局コロナが入ったので決断が先延ばしになって選手は無理だと思っていた時に、ア式がコロナ禍の中でも色々と発信していてそれがすごいと思っていました。マネジャーが主体的に動かしていることが魅力的でしたし、自分も部活でやり切れなかった思いがあったので、部活でそれを最後大学でやりきりたいと思ってサッカー部に入ることを選びました。

――実際に入って違ったと思う部分はありましたか

藤間 意外と雰囲気が固くなく楽しい感じでした。みんなが笑いながら楽しんでサッカーしていたことがいい意味で違ったのかなと思います。自分が楽しくサッカーをできなくて、やめた理由もそれがあったのでそこが違いました。

平川 僕もいい意味で、高校時代の感じでうまい人がオラついてて心構えをしていたのですがみんなが積極的にコミュニケーションをとってくれる所があって、人間性ができていてレベルが高いと思いました。

佐藤 自分も思ったより、サッカーって楽しんでやるんだなと感じて。プロが出たりプロ志望で入ったりするのでもっとピリピリしているのかと思ったら、サッカーを楽しむところはしっかり分かれていてうまい人の特徴だと思いました。もう一つはマネジャーについて触れると変人が多かったです(笑)。というのも高校ではマネジャー職が学年から3人選ばれてやっていました。主務と会計と本部という役職の一つをやっていて、真面目で仕事ができるメンバーが選ばれていたので、マネジャーはそういう人が多いと思っていました。ところがほんとに変人ばかりだった所がすごくギャップですね(笑)。ここ(にいるメンバー)もそうだし、上(の学年)も変人でしたね。

平山 強豪校だから周りを蹴落としてでも自分が出てやる個人主義なところがあると思ってたんですけど、すごく周りにいい意味で干渉しあってみんなで高めていく姿勢が感じられました。マネジャーである自分にもそこを担う一員として選手とマネジャーの立場は関係ないことを4年生が示してくれたことは自分の中である意味驚いた部分です。後はさっきも名前に出てきた小泉和 のように高校時代は強くないところでやっていた選手も同じところに入って、揉まれて頑張っている姿を見て自分はシンプルにすごいと思ったし、自分にはできなかったので、大学で戦ってる選手達はみんなメンタルが強いと感じました。自分はそこに負けずにマネジャーを続けていきたい気持ちになりました。

勝敗だけじゃない大事な要素を選手達に気づかせるような取り組みをしたい

GKの練習を手伝う藤間

――マネジャーの具体的な仕事内容は

藤間 統括すると、ボール拾い、コート作りやボトル作り、ボールを出したり、選手が脱いだ服を回収したり雑用みたいな感じですね。ビブスを配ったり、意外といなきゃ成り立たないものです。サポートしながらやっています。ピッチ外はOBと年会費やメールのやり取りをやっているのと、早慶戦はマネジャー中心にやっています。またSNSでは女子マネジャーがスターティングメンバー画像を作ったり、YouTubeやノートなどは平川や平山あたりがやってくれています。協賛企業などの外部とのやりとりは慧一がやってくれています。

平山 補足すると彼(藤間)は寮に住んでいるので寮内の仕事などもやっています。

――そうしたマネジャーの仕事は柔軟なものですか

平山 これをやらないといけないというのは特になくて週6でピッチ内の業務をやるのは絶対でそれ以外は自分の興味を持ったことをやる感じで、ここにいる4人も全く違うことをしています。

――平川さんはYouTubeに取り組まれていると聞きますがYouTubeに興味を持ったきっかけは

 

平川 興味を持ったきっかけは、単純にYouTubeが1番影響力があったと思ったからです。広報でYouTubeを活用するという所と、やっぱり大学サッカーこんなに人が来ないんだという所があって、高校時代のリーグ戦の方が観客が見に来ていたのでもっと見に来てほしかった。あとは外池さん(外池大亮監督、平9社卒=東京・早実) はサッカー以外のところで自分たちで発信して早稲田のサッカーを発展させる考えがあったので、自分たちで魅力を発信して社会との接点をつくろうと思いました。そこで色んな選手を知ってもらって、モチベーションになればいいなという思いと、有名選手だけ出すのではなくて小泉和みたいな選手にファンがつけば良い組織になるなと思いました。

――佐藤さんは早慶戦に力を入れられていますが

佐藤 その印象は何でですかね(笑)。全員でやっているんですよ。早慶戦のまとめ役という訳でも正直ないので。去年の始まる段階から絶対に新国立でやりたいという思いがあって。それこそ自分や功(平川)が見てきた早慶戦は等々力(陸上競技場)でやっていた。あの規模感を見てすごいと思ってここに来たので。コロナになってどんどん規模が小さくなっている中で入ったからには戻したいと思っています。去年の早慶戦が始まる段階から携わらせてよと平田陸人(令5商卒=埼玉・早大本庄)に言って、全体のオーガナイズを把握したりとか、こういう風なコンセプトを持ってやりたいというところをこのメンツや下の学年と話して積極的にやっていただけですね。

――今年は去年にましてやりたい事はありますか

佐藤 去年の早慶戦はコロナからの復活を意識していて、声出し応援も3年ぶりに復活したりアーティストライブとかもコロナの影響で無くなってしまっていたんですけど復活できて。そういう意味では自分が見てきた早慶戦の姿が徐々に戻ってきていたので、今年の一番の目標は集客人数を増やすことだと自分は思っています。どうしても制限があって3600人までしか入らなかったので、西が丘(サッカー場)だと入っているように見えますが、自分が高校生に体験した場所はもっと熱狂的だった実感があるのでその景色を戻したい意味でも満席にして全員で声出して熱い早慶戦を作りたいです。

――寮では何をしていますか

藤間 トロフィーをたくさん置いてある部屋や余ってる練習着置いてある部屋が汚いんですよ。自分が寮でやることとしては備品管理を徹底してます。

――平山さんはなぜ部員ブログに関わっているのですか

平山 ア式の部員はマネジャーも例外なく存在意義を1年生の頃から求められています。この組織で何ができるのか何に貢献できるのかという所をずっと言われ続けていたし、そこを追求していく中で自分もいろいろなことに最初は挑戦していました。最初まだnoteは全くやっていなくて、色々つまみ食いをしてたんですけど、結構自分を見失ってしまって。自分のやりたいこととか途中でなくなってしまったんですけど、それで自分がここに入った理由を考えた時に部活への未練や悔しい感情が原点にあったので、マネジャーという立ち位置からでもチームを勝たせられるような価値を発揮できるマネジャーでありたいという思いがありました。そこからはnoteだったら選手の本音を引き出すことを通して、外部に対してもア式がどのような組織なのかを発信して、内部の人たちにとっても選手一人一人がどのような考え方を持ってやっているのかを伝えられたらいいなと思っています。今年は2部からスタートで、兵藤新監督(兵藤慎剛氏、平20スポ卒=長崎・国見)も結果にこだわることを強調していて、自分はマネジャーとしてできるサポートはしますが、一方でサッカーが本当に全てなのかといった問いかけや問題提起はマネジャーの自分だからこそできることであるし、そこは選手やチームに対してずっと投げかけられるようなマネジャーになりたいのでそういった発信や取り組みをしていきたいです。

――理想のマネジャー像は

佐藤 前提としてここを見てわかるようにマネジャーとはどんな人だという定義づけが難しいことは感じているので、自分にしかなれないマネジャーを目指した時に、今年のブログにも書いたんですけど「早稲田を勝たせるマネジャーになりたい」と思っています。もちろん結果にこだわるところもそうですが、練習やサッカーの質は自分たちよりも選手たちが変えていくところが大きいので、そこに干渉したい訳ではなくて選手が自信を持って戦える舞台を用意したいと思っています。戦う時に応援してくれる人がいたらうれしいと思うんですよ。去年の早慶戦も声が復活しただけで迫力のある試合になりましたし、選手もすごい走っていたと見てて思ったので、応援してくれる人を増やすことが自分の目標です。早実出身なので10年目になりますし、早稲祭やいろいろな早稲田を見てきたつもりなので、そう言った部分からアプローチしてア式蹴球部をもっと知ってもらう取り組みを自分から起こしたい。それこそ自分たちが知ってもらうだけじゃなくて自分たちも早稲田にどんな人がいるのか知ってお互いに影響を与えあえるように、ア式の部員に向けて早稲田生はこんなことしてるよとか早稲田祭に何人か連れて行ってみたり。そのような機会を通して早稲田を誇りに思って戦えるような機会をつくりたいです。

平山 マネジャーという定義も曖昧で、組織のマネジャーと選手が平等な関係性でやっている中で、自分はゲームに関わらなくても結果を左右できるような価値を創造することを目標としてます。結果が全てであることは去年を通じて感じさせられましたが、それでもサッカー以外の活動を通して自分が勝利の確率をあげたり、勝敗だけじゃない大事な要素を選手達に気づかせるような取り組みをマネジャーとしてしていきたいです。自分はサポートがすごくできる人間という訳ではなく慧一みたいに気は利かないですけど、

平川 気しか利かない(笑)。(平山は)ご飯絶対待つんですよ。

平山 だからこそ不器用ながらにもある意味そこに鈍感であるからマネジャーという呼ばれ方をされなくなるぐらい1人の平山怜央という人間としての関わり方を追求していきたいです。マネジャーという肩書を取っ払うような人になっていきたいという思いです。

藤間 自分の理想のマネジャー像は選手と一緒に結果を求めていきたいと思っています。マネジャーでひとくくりにされたくないので、マネジャーでも結果を左右するという意識を持って、本当に結果を左右できるぐらいの活躍ができればいいと思っています。大事にしてるのは、支えるけど支えすぎないことを意識していて。みんな大学生なのでプロに行った後も自立して色々できるようにするために何でもやりすぎることなく、自分でできることはやらせてます。僕たちもマネジャーは何でもやってくれるという目で見られてしまうので、いろいろなことをできるようにするために選手も自立させる。それを意識して、そうすれば同じ立場で戦って結果も出せると思うので、それは大事にしていきたいと思っています。

平川 マネジャーという肩書よりも平川功という人間が先に出てくるように。あの人はマネジャーだなではなくて、あの人はやっぱりチームに必要だなみたいな。そんな存在になれたらなと思います。

全員が同じ方向を向けるようにしたい

質問に答える平山(左)と佐藤

――選手に物申したいことは何かありますか

佐藤 選手に物申す!?(笑)   

平川 めっちゃあるけどな俺(笑)。  

藤間 ボール拾えとか?  

平川 それはすごく思う。すぐそこにあるボールはそれぐらいは自分で行ってくれと。それぐらいやってほしいなという気持ちはちょっとあります。

平山 僕が難しいなと思うのは、やはりマネジャーの数が多くて、昔に比べてかなり増えているところです。マネジャーとして行っていたこと以上のことをそれぞれ(のマネジャー)がやるようになっているので、選手たちにとっては今までがマネジャーがやらなくて良かった範囲もやってもらっているから、それがスタンダードになっているという現状かなと思います。さっき藤間も言っていたように、支えすぎるというのは良くないのかなと思っていて、そこを選手にも気づけるようになってもらいたいというのはあります。もちろん自分たちがやるところはやりますし、そこに嫌悪感とかは抱かないですけど、ピッチ内に関してはマネジャーにできて選手にできないことは基本的にないので、そこは一緒につくっていくというのを大事にしたいなと思います。  

藤間 慧一はないの?  

佐藤 いや、マジで思いつかないんだよね。考えているんだけど。  

平山 すごいね。でも、慧一はそこに対しては愚直だよね。サポートというところで。  

平川 確かにね。  

平山 そこはすごいなって思う。  

平川 選手がやらなかったら全然自分がやるって感じだもんね。  

佐藤 割とそうだね。どっちが良い悪いはあまり分からないですね。選手じゃなくてマネジャーに物申したいことならいっぱいあるんですけどね(笑)。  

一同 (笑)  

佐藤 言えないですよ、言えないですけどね(笑)。  

平山 自分が後でフォローしときます(笑)。  

佐藤 でも選手には特にないです。勝ってくれって感じです。  

――今季からア式は2部での戦いとなりますが、昨季のア式に足りなかったところはどういったところだと感じましたか

藤間 俺はマネジャーの一体感です。  

一同 おー。  

藤間 これが一番大事です。みんなが違うことをやりつつも、同じ方向を向くっていうのが去年はうーんという時期もあって。俺らの関係も少なからず選手に影響してしまうので、それがないように、みんなが同じ方向を向いて良いマネジャーチームをつくれれば、良い組織がつくれると思います。

平山 それぞれが成長意欲が高いというか。1、2年生含めて「これやりたい」と言うことがすごく多くて、それは率直にすごいことだなと思ったりもします。でもそれによってお互いぶつかってしまうこともあって、そこがすごく難しかったなと去年は感じました。今年はお互いが自分のなりたい姿を目指しつつも、隣にいるマネジャーなどに対しても気遣いをしながら、藤間も言ってたように同じ方向を向いて一緒にやっていけたらなと思います。  

――新体制の雰囲気はいかがですか

藤間 良いですよ。今年は4年生に明るい人が多いので、良い雰囲気でやっています。  

佐藤 そうですね。去年の最初と比べると、この言い方はあまり選手が好きではないのですが、覚悟が決まっている姿が見て取れます。去年ちょっとふてくされていたような人でもやるしかないというところで、しっかり弱点とかやらなきゃいけないところに目を向けてやっているのは、始まって4日ですけど見て取れるので、本当に期待できるのではないかと自分は思います。  

――今季の注目選手は

平川 やっぱり小泉和ですかね。彼は4年目で今年しかない中で、めっちゃうまくなっていると思うし、彼が点を決めて勝利に貢献できたら誰よりもうれしいし、涙は流せないですけどめちゃくちゃ喜びます。  

藤間 やっぱり山田怜於です。高校が一緒で応援したい気持ちはありますし、去年関東リーグに初めて出ていて、今年も早慶戦とかに出てほしいなと思います。出れる実力は間違いなくあると思うので、主務と両立しながら頑張ってほしいなと思います。  

佐藤 自分は同期には全員期待をしているので同期は外すと、山市(山市秀翔、スポ2=神奈川・桐光学園)ですかね。去年から雰囲気を良くするという面では山市がずば抜けていて、新体制になってからももちろんそうですけど、彼がいるとサッカーが熱くなりますし、強度ももちろん出ます。後は去年の早慶戦にちょうどメンバーに入れるかどうかのところで山市は外れていて、そういう意味でも悔しい思いは絶対にしていると思うので、それをバネにしてほしいなと自分は思っています。  

平山 自分も同期にはみんなに期待をしている中で、成定真生也です。彼はサッカーの技術はもちろんあるのですが、ピッチ外においてもすごくチームに対して貢献している選手の一人です。彼のブログに「二兎追う」という言葉があったのですが、ピッチ外のことにも全力で取り組みながらピッチ内でも活躍しているところにすごく尊敬していて、去年は最後(リーグ戦に)出ていましたけど今年もピッチ外と両立しながら活躍してほしいなと思います。  

――最後に今年の抱負をお願いします

藤間 ブログにも書いたのですが、強いマネジャーをつくりたい。さっき話した通り、去年バラバラになった部分があったので、いろいろトラブルや価値観が合わないということがあると思うのですが、4年のマネジャーが中心となって、みんなが同じ方向を向いて取り組めるようにうまくまとめて、良いマネジャーの組織をつくっていきたいなと思います。  

佐藤 個人的なところになると、自分もブログに書いた通り早稲田を勝たせるマネジャーになりたいです。それはピッチ内では大前提ですけど、ピッチ外の部分で早稲田を勝たせられるようなアクションを起こせれば良いかなというのはあります。後は早慶戦の話にかぶるのですが、ア式に来て良かったなと全員が思えるような時間をつくりたいです。その中にはもちろん自分も含まれていて、ずっとコロナ期間でしたけどそれでもア式に来て良かったなとみんなが思えるよう、最後早慶戦を中心につくっていきたいなと思います。  

平川 怜央が最後閉めてくれるので、そんな真面目な答えはなくて、個人的にはやせるところ(笑)。動ける体になるというところと、もっとア式を面白くしていきたいなと、抽象的ですけどあらゆる角度から面白いことをやっていきたいなと思います。  

平山 個人の目標としては、自分のブログにも書いたのですが他人にしっかり寄り添える人になる。組織って人が集まって成り立っているからこそ、人と人との関係性やコミュニケーションというところは絶対に大事にしていかないとなって自分の中では思っていて、そこをしっかり自分が他人のことを他人事にせず、自分がしっかりそこに関わってコミュニケーションを取っていくという姿勢、人に寄り添うというところは最後の一年で大事にしていきたいなと思います。4年生、マネジャーというところにおいては、さっき藤間の方からあったと思うのですが、全員が同じ方向を向けるようにしたいです。まだ全然この4人は完璧じゃないですし、至らないところもあると思うのですが、それでもみんなにとってア式を誇れる組織にしたり、みんなの居心地が良いようにできたらと思うので、マネジャーもそうですけど4年としてそこは覚悟を持って向き合っていきたいなと思います。その先に強い早稲田というのを取り戻せるかなと思うので、全員で力を合わせて頑張っていきたいと思います。 

――ありがとうございました!

(取材、編集 髙田凜太郎、長野雪華、渡辺詩乃)

◆佐藤慧一(さとう・けいいち)(※写真左)

東京・早実高出身。政治経済学部4年。KーPOPや韓流ドラマといった韓国のサブカルチャーが好きだという佐藤さん。最近の韓流ドラマのおすすめを伺うと「シュルプ」とい時代劇に近いドラマを教えてくれました。韓国ドラマ特有のギスギスした感じが良いとのことです!

◆平山怜央(ひらやま・れお)(※写真中央左)

愛知・刈谷高出身。スポーツ科学部4年。本を読む機会が多いという平山さん。本を読むことで、少しでも自分が実践できることがあればいいなと思ってヒントを探したりしているそうです!

◆藤間英吉(とうま・えいきち)(※写真中央右)

神奈川・鎌倉高出身。スポーツ科学部4年。植村選手と寮が同じ部屋だという藤間さん。昨年は試合前にゲン担ぎでマリオカートを一緒にやっていたとのこと。しかしマリオカートをやる試合は毎回負けてしまうので、今年はやるかどうか迷っているそうです!

◆平川功(ひらかわ・こう)(※写真右)

岡山・作陽高出身。文化構想学部4年。お笑いを見るのが好きだという平川さん。好きな芸人はダウンタウンさんとのこと。また親友が芸人をやられていて、その同期のハイツ友の会という芸人さんも好きだそうです!