【連載】ア式蹴球部学生スタッフ対談『INSⅠDE:WASEDAーAFC』【第3回】新3年生マネジャー対談 大笘綾夏×中山夏妃

ア式蹴球男子

 第3回には新3年生マネジャー、大笘綾夏(文構3=東京・国学院久我山)と中山夏妃(スポ3=神奈川・桐光学園)のお二人が登場。中学、高校ではサッカーのマネジャーをしていなかったお二人がア式でマネジャーを始めたわけとは。マネジャーとして心掛けていることやマネジャーのやりがいなども語っていただきました!
※この取材は1月11日に行われたものです。
※原則として新学年表記にしてあります。

互いに頼れるマネジャーになりたい

コート設営を行う中山

――まずは他己紹介をお願いします

大笘 マネジャーの仕事の面でいくと、仕事を完璧にこなすタイプ。情を含まず淡々と仕事をこなすイメージでそこはすごく信頼しています。プライベートだと、更衣室とかでよく女子トークみたいな感じで話すことがあって、そこで自分からはあまり話さないんですけど、つつけばつつくほど面白い毒舌な夏妃が出てきてどんどん夏妃ワールドが広がっていきます(笑)。そこは選手もまだ見てない一面だと思うので今年は見ていってほしいなって思います。

中山 仕事の面で言ったら「気づける人」っていうのが入部当初からあって、どこでも見えているんじゃないかってくらい視野が広いところは自分も見習わなきゃなって思いながら一緒にやっています。仕事の面では、いい感じに補えているというか2人でバランスが取れるようになって、すごいやりやすくなってきていて、これから上級生になっていくにあたって一緒に同期として頑張っていきたいなと思うようなマネジャーです。綾夏自身のことを言うと、結構秘密主義なのかなって(笑)。ミステリアスな感じをよく出しているなって思ってたんですけど、最近はだんだん互いに分かってきて、「あ、面白いなって」思ってきているところです。

――他己紹介を聞いた感想をはいかがですか

大笘 やっと仲良くなったなって(笑)。これから多分仕事も経てお互いを理解して、夏妃もさっき言ってましたけど補い合えているので、いい距離感を保って、同期としても、同じ女性マネジャーという立場としてもお互いに高め合っていける存在になってくのかなというふうにはすごく感じました。

中山 いやぁ、見られてるなって(笑)。見られてるんだなっていうのと、本当に分かり合えるようになったというか2年間経って自分達のいろんな面を見ることで分かってきた部分があるんだなって感じました。

――オフの日にしていることや趣味は何かありますか

大笘 時間あると料理することが多くて、リフレッシュ方法でもあるんですけど、野菜切るのがすごくストレス発散で。オフの日とかは、ご飯作ったり、映画見るのもすごく好きなので映画見たり。あと読書も好きなので、ジャンルにこだわらず本は読むようにはしてます。

中山 私は、シーズン中の1週間に1回のオフは、授業受けてバイトしたらその1日自体は終わっちゃうんですけど、普段好きなこととしては、スポーツ観戦が好きで、そもそもサッカーだけじゃなくても家でテレビとかでスポーツ中継がやってたら見ます。いろんなスポーツ見てると自分の気持ちも上がるし、ア式のマネジャーとすごくつながっているからこそ、大学生になってからもっといろんなスポーツ見るようになって、それが楽しみにもなっているかなって思います。

――部員さんの中で特に仲の良い選手はいらっしゃいますか

大笘 1個上の洋斗君(植村洋斗、スポ4=神奈川・日大藤沢)、右京君(平野右京、人4=兵庫・滝川)、颯辰君(中谷颯辰、基理4=静岡学園)の3人がすごく仲が良くて、学校が休みの時とかは午前練になるんですけど、去年の春休みかな、もう毎日のようにお昼ご飯連れて行ってもらって、東伏見でなんですけど。その3人にはすごく良くしてもらってるなっていうのと、同期は、あっちがどう思っているのか分からないですけど、廉(東廉、スポ3=清水エスパルスユース)とはグラウンドでよく話してて、お互いいじりあってるだけなんですけど(笑)。廉はすごく優しいので、部活休んだ時とかも声かけてくれたり、そういう優しさにはすごく救われています。

中山 今シーズンは実際に自分が学連に入っていたわけではなかったんですけど、ア式蹴球部学連組は長い時間一緒にいたし、一緒にいて話してっていうのは、小林朋睦君(人4=群馬・前橋)、吉岡直輝君(令5商卒=東京・早実)と菊地彩花さん(令5政経卒=千葉・渋谷教育幕張)。リーグ戦の運営とかは、茨城とかも多くて、3時間くらい電車でかかっていました。それも電車で一緒に行ったり、リーグ戦の準備も結構一緒にやって、部活の行き帰りもってなると、シーズン終わりの方は学連組の頼りになる先輩方と一緒に居させてもらっていたなというのが今シーズンです。同期だと、公平(北村公平、文構2=神奈川・桐光学園)は高校一緒で、普段ちょっとした高校の友達の話とか共通の話題で盛り上がったりすることもあって、他愛ない話、部活に関係ない良くわかんない話とかもすることが多いのが公平です。あとスポーツ科学部のメンバーは、結構私的に親近感を感じてて、1年生の時とかも授業一緒なのが多かったりしたなってイメージがありますね。東廉、光田脩人(スポ3=名古屋グランパスU18)、神橋良汰(スポ3=川崎フロンターレU18)は、私が勝手に親近感を感じています。(笑)

――マネジャーやスタッフ同士の関係性はいかがですか

大笘 私的な印象だと3年生(新4年生)はそれぞれ自分ができることがすごく優れていて、マネジャーとしてすごく尊敬できる感じなので、仲の良さというよりは、一先輩として関わっているっていう感じです。3年生(新4年生)がそういう距離感で関わってくれてすごくやりやすさを感じているので、1個下ともそういうふうに、馴れっこにならず、マネジャー同士の厳しさもある仲の良さを築いていきたいなというスタンスでやっています。1年生がどう感じているかは分からないですけど、仲良しこよしではないですけど、お互い刺激を与え合える仲間っていう感じは強いかなって思っています。

中山 シーズン変わるごとにこんなにマネジャーって変化するんだっていうので、そもそも1年生がたくさん入ってきてくれたっていうのもあって、自分が1年生の時とも全然違うなって思っています。私が、距離をどう調整すれば良いのかというか、自分から1回行ってみようと思って、自分がそこまで自分のことを話す感じではないので、自分から他のマネジャーを理解するっていう意味で、今年は入り込もうっていうので、1個下とも1個上とも私は「近さ」を意識していたなっていうのがあります。けど、来シーズンは1個上とは、今回はしっかり部を支えるマネジャーとして、自分達がア式蹴球部を良くできるようにっていうので厳しく向き合っていくというふうには言われているので、近さだけではなくしっかりとした、支えられるマネジャーっていうのを意識しながら1個上とは仕事していくと思っています。1個下とは、自分が1個上という意識は持つようにはしているんですけど、一人一人が強みを持って、対等に付き合っていけるような、互いに頼れるマネジャーになりたいなと思っています。

――部員の中で、自分が生まれ変わるとしたら、誰になりたいですか

大笘 雄大さん(山下雄大、令5スポ卒=現徳島ヴォルティス)。本当に誰にも邪魔されない自分の意思をすごく強く持っていて、彼の意思の強さにすごく憧れます。批判されるようなことも、自分の強い考えを持って発言していると思うし、部員ブログとか読んでいても、何かを「好き」って人をこんなに強くさせられるんだなと感じました。サッカーが好きという軸がブレなかったからこそしっかり自分の目標を1つ叶えて次のステージに進んでいる姿を見てすごくかっこいいなと思います。怖いので(笑)、全然近づけないんですけど、でもそれも自分の世界を持っているからこその雰囲気なのですごいなと思います。

中山 パッと思いついたのは真生也(成定真生也、スポ3=神奈川・日大藤沢)。真生也の天才さというか、なんか伝わるか分からないですけど、あの感じなんですよ。普段人の話を聞くとか、自分の意見を言うとかでも、私はどちらかと言うとざっくざっく、大胆なところがあるなと良くも悪くも自分では思ってるんですけど、真生也は誰も傷つけないし、だからって遠慮しているとか、自分の意思がないとかではないのに、こんなに考えてるし思っているっていうのがすごく伝わるというか。ふわふわで繊細なのに伝わってくる言葉とか、自分も生まれ変わったらそういう人になりたいなと思います。なりたいから、今からなれるって感じじゃない、日々の行動ひとつひとつでも、真生也っていう感じです。芯があるのに柔らかいというか。

――お二人ともプレー面ではなく、人間性の部分で選ばれるんですね

大笘 あ、でも久君(西堂久俊、令5スポ卒=現FC東京)のドリブルはやってみたいなと思います!!

――サッカーは普段ア式以外でも見たりされるんですか

大笘・中山 見ます。

――具体的にはどういう試合を見ますか

大笘 日本代表かな。Jリーグはあんまり見なくて、でも兄がサッカーをやっていて、今もサッカーに関わる仕事をしているので、代表戦は小さい頃から必ず家族で見ています。あと姉が大学サッカーのマネジャーをしているので、関東1部だけに限らず、見に行ったり、結果を見ていたりはしています。

中山 代表戦はもちろんこの前のW杯も含め全部見ていたなっていうのと、高校サッカーを高校生の時よりちゃんと見るようになったなって思ってます。今まではただ見るだけだったんですけど、マネジャーになってサッカー部の中にいるってなったからか、関心が高まっているなというふうに思っていて、他のカテゴリーは結果チェックばっかりで、実際の試合を見ているかって言われると、結果チェッカーみたいになってるんですけど。(笑)でも私、一時期DAZNで夜海外サッカー見まくってました。(笑)サッカーの戦術とか詳しくないし、なんとなくあーこっちかー、って思ってるくらいなんですけど、海外サッカーがまたJリーグと違うのが、そんなにサッカーを理解しているわけではなくても、楽しくなっちゃって。夜中とか見てます。

――W杯を実際にご覧になってどう感じましたか

大笘 シンプルにサッカーに関われているのがすごく誇らしい時間だったなというふうに思いました。選手たちもきっとあの場を目指していて、そういう選手を支えられているのをより実感したというか、いろんなものがより具体的に見えたなと思います。

中山 サッカーってチームスポーツなんだなって。ありきたりな答えかもしれないんですけど、やっぱり、チーム作りとか日本代表のYouTubeとかを見ていて、競技だけじゃないというか。自分達もア式蹴球部内でそういうことについて考えたりするんですけど、なんかそういうのの頂点というか、日本を代表する人ってこういう姿なんだなと思いました。人を感動させる力は勝利だけじゃないんだなというのは感じました。

「自分のいる場所はここだ」と思ってしまった

質問に答える大笘

――サッカーに初めて出会ったのはいつですか

大笘 6個上に兄がいるのですが、小さい頃からサッカーをやっているので、物心ついた時から土日は兄のサッカーを二子緑地に見に行っていました。兄のコーチの方々に相手をしてもらっていました(笑)。

中山 私は7月生まれなのですが、母が6月くらいに絶対安静になったそうなんです。だから、寝ながらずっと2002年のワールドカップを見ていたそうで、極論そこが出会いだったと思います(笑)。自分の周りはみんな野球が好きだったので、家族もなんで自分がサッカー好きに育ったのか分からないと言われます(笑)。だからもう一番最初は胎教で日韓ワールドカップを聞いていたことだと思っています。

――物心ついてからはいかがですか

中山 物心ついてからもサッカーがテレビでやっていたらチャンネルを自然と変えていました。家族では多数派じゃなかったのでよく怒られていました(笑)。

――今までのマネジャー経験やなぜア式でマネジャーになろうと思ったのかを教えてください

大笘 マネジャー経験はありませんでした。中高6年間ダンスをやっていたのですが、目立つのがすごく嫌いでした。自分が主役になるということが向いていないんだと思います(笑)。私は(国学院)久我山出身なのですが、平田周(令5スポ卒=東京・国学院久我山)君の代で(全国高校選手権で)準優勝した時に全試合見に行ったんです。そこから本格的にサッカーを見るのが好きになりました。いざ早稲田大学に入った時、(自分が)サークルは向いていないというのはすごいわかっていました。でもア式に行ったらア式一色の生活になるし、体育会に入ったら、私は完璧主義なので、また中高の時のように自分を失ってしまうだろうなという思いがあったのでア式には行かないと決めていました。見にも行かないつもりでした(笑)。けど、入学したての時にア式のマネジャー募集動画を同期の頌英(梅林頌英、文3=東京・国学院久我山)に「これ見てみなよ」と見せられて、すごく感動してしまいました(笑) 。これで見にも行かないでア式に行かなかったら後悔するかなと思って、グラウンドに行くことにしたのですが、そうしたら「自分のいる場所はここだ」と思ってしまって(笑)。見学に行った次の日に「明日から行きます」と伝えてマネジャーになることに決めました。

中山 私もマネジャー経験はありませんでした。高校3年生に上がる直前までアーティスティックスイミングをやっていて、中高の部活動で弓道をしていました。スポーツ観戦はずっと好きで、出身が桐光学園だったので、中1の頃から全校応援にも行っていました。サッカーや野球、バスケのようなスポーツでたくさんの観客がいて、勝敗がついて、盛り上がるという空間に見る側としていました。大学に入って、自分がこのままでいるのかと考えた時に、自分の新しい一面というか、新しい自分を探してみたいなと思い、(ア式の)マネジャーにたどり着きました。

――今まで部活動としてサッカーに関わっていなかった中で、大学サッカーの世界に足を踏み入れるというのは勇気ある決断だったと思うのですが、後押ししてくれたものはありますか

大笘  2個上の姉が大学のサッカー部のマネジャーをしていたので、それはすごく後押しになりました。厳しい世界で姉が揉まれて、着実に成長していく姿を見て、「自分も」という気持ちが少なからずありました。

中山 私も見学した時に「ここだ」とア式の場所、空間に惹かれた部分がありました。そうなると良くも悪くもブレーキがないんです(笑)。自分でも向こう見ずなところだなと思うんですけど、見学しに行って入りたいと思った心のままでした。大学で体育会に入るというのは自分とは違う世界だと思っていたのですが、自分がやりたいという気持ちの方が強かったです。

――マネジャーの仕事はどのようなものがありますか

大笘 ピッチ内だと練習のコート作りや水汲みです。

中山 たまにボール出しとかもします。あらゆる練習のサポートです。

大笘 ピッチ外でいくと私は主に広報担当なのでインスタグラムやツイッターの運営があります。noteもそうですね。(中山は)学連だから……

中山 私は画像制作もしています。綾夏もだけどリーグ運営に関わっていたりもします。いろんなリーグがあるので、そこで試合運営にも関わっています。(大笘の方を見て)言う?

大笘 なにを?

中山 続き(笑)。

大笘 なにか言っちゃいけないことを言おうとしているのかと思った(笑)。

中山 あとは早慶戦の運営はマネージャーが絶対全員関わるものです。

大笘 今でいうと100周年プロジェクトもマネジャーの仕事です。私たちはその代のマネジャーになるので。今は1個上の平山怜央君(スポ4=愛知・刈谷)がリーダーでやってくれていて、選手とも協力しながらやっています。

――マネジャーの仕事は分業制なのでしょうか

中山 一応私がツイッター長、(大笘は)インスタ長となっています。

大笘 その辺は広報をやりたい人で分かれています。平川功君(文構4=岡山・作陽)だったらYouTube、早慶戦といったら(佐藤)慧一君(政経4=東京・早実)とチームの試合の雑務は(藤間)英吉君(スポ4=神奈川・鎌倉)と思い浮かぶ人はだいたいみんな一致すると思います。それぞれ手伝っていたりはするので、完全に分業ではないですが、責任を持ってやっている仕事はバラバラなのかなと思います。

――一番気をつけていることや注意していることは何かありますか

大笘 選手との距離感はすごく気にしています。ア式はマネジャーも一部員として扱ってもらえて、選手が偉いとか、選手のサポート係だけにとどまらないのがア式のマネジャーの良さだと思うんですけど、私はピッチ内では選手のサポートに徹することを意識していて、とにかく選手がやりやすい環境をと思って、(私の存在が)いないくらいに…。  

中山 なんか分かる。  

大笘 例えばですけど、ビブスを配った時に選手は「ありがとう」と言ってくれるんですよ。でもそれに対してやり取りがあると選手にとって邪魔な人もいるのかなと思ってしまって、だから無駄なやり取りとか選手に気を使わせることのないような距離感はすごく意識しています。  

中山 たまにコーチとのコミュニケーション不足でコート作りとかの変更とかがあると申し訳ないなと思っていて、ピッチ内では練習がスムーズにというのが第一だと自分では思っています。けど綾夏も言っていたように一部員、そこに上下関係は特にないというのがア式蹴球部の特徴だと思うので、ピッチ内では選手のサポートをして試合とか頑張ってもらう分、SNSの広報をはじめピッチ外の部分は自分たちが引っ張れるような存在になりたいなと思ってやっています。  

――2年間で一番きつかった経験はありますか

中山 仮入部期間。自分がサッカー部の人たちであったりマネジャーというのが初めての中、入部するまで仕事の面もマネジャーとしてどうあるべきかという考えの面も、まだグラグラな部分が多くて、先輩マネジャーだったり同期の選手だったりに結構相談することが多かったので、辛かった時期は仮入部期間かなと思います。   

大笘 今年の部員ブログにも書いたのですが、(ア式には)サッカー選手になるという明確な夢を持っている選手が一定数います。その夢のために一直線になっている選手たちを見ると、夢も持たず支えている自分に満足している自分が嫌になるというか、考え始めるとすごくネガティブな方向に行ってしまって、それが自分にとってはすごく辛いことかなと。マネジャーをやっていてア式蹴球部にいてしか味わえない感情だと思うので、それはすごく辛いなと思うことです。  

――逆にやっていて良かったなと思うことや印象深かった出来事はありますか

大笘 天皇杯予選から初めてチーム付きに入って、その時に陽琉君(奥田陽琉、スポ4=柏レイソルU18)がスタメンじゃなくてサブスタートでした。それで私はビデオをやることになっていて、その日はすごく寒かったのですが、ベンチコートは選手のためにあるものなのでベンチコートを取ろうか迷っていました。そうしたら陽琉君がベンチコートを持ってきて渡してくれて、しかもベンチコートはフードの中にきれいにたたまれて入っているんですけど、私は両手に物を持っていたんですよ。そうしたら広げて渡してくれて、その時に陽琉君がそれを考えてやってくれたのかは分からないのですが、チーム付きであっても一緒に戦っている仲間なんだなというふうにすごく実感できた出来事で、うれしかったです。こういった一面を見れるのはマネジャーしかないと思うので、その一面を見れたのはやっていて良かったなと思えた瞬間だったし、応援したいなと心の底から思いました。  

中山 私はチーム付きに入る時はいつも自分にとって良い思い出です。いつも一緒にいるし、練習だって一緒に中にいるけど、チームというかたちでベンチにマネジャーとして入った時に、勝ったからうれしいという直接的な関係ではないのですが、自分も試合の時はすごく気持ちを入れてやるというか、スイッチを入れれるようになった瞬間がこのシーズン中にありました。初めはチーム付きもいつものマネジャーと同じで、ただ試合なだけってわけじゃないですけど、(そのため)自分でもちょっとうまくいかないなと思う時があって、そこをシーズン途中にどう気持ちを高めていくかというのが分かって、自分がチームの中に入りこめたという時が今シーズンうれしかった時かなと思います。 

選手に何か一つでも自分から与えられるような存在になりたい

質問に答える中山

――選手たちに対して逆に要望はありますか

大笘 これってウケ取る場所ですか?(笑)  

一同 (笑)  

大笘 難しいな…。  

中山 うーん、なんかめっちゃ関係性とかをさ。  

大笘 あ、いいかも。  

中山 女子マネ同士の関係性を面白がって。  

大笘 いじってくるんですよ。なんか「上辺でしょ」みたいな(笑)。上辺じゃないです。  

――結構いじられるのですか

大笘 ここ(2人)もそうですし、彩花さん(菊地彩花、令5政経卒=千葉・渋谷教育幕張)とかも「良い先輩ぶってんね」みたいな。でも本当に良い先輩なので、そこは上辺じゃないですって、夏妃から言っときます(笑)。  

一同 (笑)  

――他に何かありますか

大笘 ボトルに名前書いてください。  

中山 確かに、シンプルにね。  

大笘 めっちゃちっちゃく書く人とか、主張大きい人とか、名前書いてない人とかに限ってボトル探してって言ってくるので、ボトルにはしっかり大きく名前を書いてください(笑)。  

――今も少しお話にでてきた菊地彩花さんはお2人とってどういった存在でしたか

中山 本当に今年は彩花さんから直接学ぶことが自分は多かったです。今年初めて関東リーグの運営に入るようになって、本当に何も知らない状況からいろんな役割に就かせてもらいました。記録だったり競技進行だったり、有観客の時はチケット販売であったり、そこを鍛えてもらったところとか、Photoshopであったりの画像制作とかも、今年学んだことは彩花さんからが一番多いんじゃないかというくらい学ばせていただいたところがたくさんありました。今言ったのは仕事面になっちゃったのですが、先輩マネジャーとしてこんなに親しくなれたというか、彩花さんとの関係性というのは自分の中で初めての関係性だったなと思って、すごく大きい存在でした。  

大笘 自分の頑張りを前に出さないのが印象的でした。バズったnoteとか目に見える結果がすごく多くて、でもその理由がすごく納得できるというか、近くにいればいるほど彩花さんの人柄だったり惹かれるものがありました。本当に何でもできるんですよ。女性としても人としても、人が欲しいと思う才能をすべて持っていて、でもそれを自慢してくるとかではなくて自然に振る舞っていて。それこそ教える時もやりたいようにやらせてくれてからこうした方が良いよとアドバイスをくれたり、人として学んだことも多いけど人に教える先輩マネジャーとしての立場をこの一年間は学んだ気がします。  

――マネジャーとして今年心掛けていきたいことは何かありますか

中山 今までは学年が1、2年だったこともあって、ついていく立場だったなと思っています。仕事も教えてもらうとかインプットが多くて、自分たちは組織としてもついていく側だったんでした。でも今年からは女子マネジャーとしては私たちが最上級生になるわけですし、来年は自分たちとしては仕事としても精神的にも頼りにしていて4人もいる一個上のマネジャーがいなくなってしまうので、上級生になっていくということに向けて、自分たちもしっかりしていかなければならない、マネジャーとして自立するというのは心掛けていきたいなと思います。

大笘 選手たちが早稲田に来た理由とか、大学までサッカーを続けていて良かったという理由を自分が一つでもつくっていきたいなと思っています。今までは支えるというか、日々グラウンドに行くということしかできていなかったのですが、3年生になる中で、少し余裕も出てきてやりたいこともできるようになって、選手に何か一つでも自分から与えられるような存在になりたいなと思います。  

中山 同じくです。  

――今年の注目選手を教えてください

大笘 私は颯辰君です。今日の部員ブログが颯辰君なんですけど、独特な感覚を持っていて、そのサッカーの見方はすごくこのチームに良い影響を与えるんじゃないかなと思うし、颯辰君のままでいて欲しいなと素直に思います。ちょっと人と違うからこそ、嫌な思いや才能がつぶされることがなくはないと思うのですが、きっと大事な視点だし、颯辰君の発言ってすごく深いなとマネジャー目線で思うことが多くて、颯辰君のまま颯辰君らしく頑張ってほしいなと陰ながら思っています。でも本人に伝えると無視されます(笑)。なので早スポを通して伝えます。 

中山 神橋良汰選手。本当にサッカーの面でのこだわりとか自分に対してのプロになるという目標に向けて頑張っている姿とか、実際に試合でのチームでの立ち位置とかも変わってきているように1、2年生と経過してきて感じていて、今シーズン絶対カギとなる選手だなと思います。チームをプレーで支えるというのもそうだし、チームビルディングの精神的な支柱としても守備の面でも輝く姿を今年もっと見たいなと思います。  

――今年のチームそして個人としての目標を教えてください

大笘 トップチームを目指したいと選手全員が思うようなチームになっていって欲しいなとは思います。去年FCをやって、下カテゴリーの選手と関わることが多くて、やっぱりトップチームが目指したいと思われるようなチームが良いチームなんじゃないかなと実感したので、そういうチームになっていって欲しいなと思うし、その環境づくりに関わっていけたらなと思います。個人的にはア式に来て良かったと思える瞬間を自分で生み出していければなとすごく思っています。割とネガティブなので、こうじゃなかったらとか考えてしまいがちなんですけど、でもア式に来ると決めたのは自分自身なので、ア式に来た理由を自分で生み出していける1年にしたいなと思います。  

中山 チームとしては1部昇格というところを掲げて、トップチームを目指したいというチーム全体の組織だったり、チームとしてカテゴリーとかはシーズン中生まれるかもしれないけど、一つの目標に全体で向かっていけるようなチームとなれるようにというのは、一人一人の意識するところもだし、マネジャーとして選手が活躍している舞台をもっと良くしたいという気持ちからもそこは今シーズン志すところです。私個人としては、練習とかは存在が消えるくらいにスムーズに進んでほしいと言った部分もあるんですけど、少しでもポジティブなエネルギーを与えられる存在でありたいなと思っていて、勝負とか少し厳しい世界だからこそ少しでも日々のモチベーションにつながるような自分の行動としてもマネジャーとしても目指していきたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材、編集 髙田凜太郎、星野有哉、熊谷桃花)

◆大笘綾夏(おおとま・あやか)(※写真左)

東京・国学院久我山高出身。文化構想学部3年。本を読むのが好きという大笘さん。最近読んだ本は「天才読書」という、ビル・ゲイツやイーロン・マスクがどんな本を読んで過ごしてきたのかを記したものだそう。本屋に行き自分の直感で読みたい本を選んでいるそうです!

◆中山夏妃(なかやま・なつき)

神奈川・桐光学園高出身。スポーツ科学部3年。マネジャーになってからサッカーを見る機会は増えたという中山さん。最近では谷口彰悟選手(アル・ラーヤンSC)の試合を見るためにカタール1部リーグの試合も見たそうです!