J加入内定の7選手が合同記者会見を実施

ア式蹴球男子

  7日、大隈会館にて、Jリーグへの加入内定を決めた7選手の合同記者会見を行った。DF柴田徹主将(スポ4=湘南ベルマーレU18)がJ1・湘南ベルマーレ、DF鈴木俊也副将(商4=東京・早実)がJ2・大宮アルディージャ、DF監物拓歩(スポ4=清水エスパルスユース)がJ2・清水エスパルス、DF平瀬大(スポ4=サガン鳥栖U18)がJ1・サガン鳥栖、MF西堂久俊(スポ4=千葉・市立船橋)がJ1・FC東京、MF丹羽匠(スポ4=ガンバ大阪ユース)がJ3・AC長野パルセイロ、MF山下雄大(スポ4=柏レイソルU18)がJ2・徳島ヴォルティスへの加入を報告。おのおのがプロへの意気込みを語った。

ア女の2選手を含め、現時点で9名がア式蹴球部からプロへの内定を決めた

  ア式蹴球部での4年間では、関東大学リーグ2位やアミノバイタルカップ準優勝などのタイトル争い、最終年での2部降格とさまざまな経験を味わった7選手。そんな7選手と4年間をともに過ごした外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)からは「4年間を通じて学べたこと、気づけたことをJリーグの舞台で発揮し、日本を代表する選手に、日本をリードする存在になってほしい」と言葉が送られた。大卒選手が9名含まれたW杯でのメンバー構成をふまえても、「世界で戦う可能性を秘めている」と柴田主将も話すように、日本だけでなく世界を舞台に戦う選手の誕生にも期待がかかる。ア式蹴球部での4年間を経て成長した7選手が、次なるプロのステージへと羽ばたいていく。

(記事 栗田優大、写真 前田篤宏、髙田凜太郎)

コメント

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

――最初に監督から挨拶をお願いします

先日、日本代表は(W杯で)ベスト16で負けてしまいました。ただ、選ばれた日本代表の選手が前回の2018年は大卒選手が2名だったにもかかわらず、今回は9名ということで、大学を経由した選手が力をつけてW杯に出られるという一つの流れがあるのかなと思っています。また、日本代表選手は平均年齢が27.5歳であったと思いますが、この27歳、28歳のところに円熟味をもって選手として迎える中で、この大学という4年間が選手として大きく成長したり、そこに何か気づきがあるということが一つかたちとなって証明されていることだと思います。今回は男子部から7名がJリーグに参戦していくわけですが、そういった中でこのメンバーは4年生という時間の中で非常に難しい時間、厳しい時間もあったかと思います。そういうことを通じて逆に学べたこと、そこにあるプロセスの中で気づけたことっていうのをJリーグの舞台で逞しく、しなやかに発揮して日本を代表する選手に、日本をリードする存在になってほしいと強く願っております。

柴田徹主将(スポ4=湘南ベルマーレU18)

――プロへの意気込みをお願いします

今年自分は大きいケガをして、正直内心プロ入りを諦めていた部分は少なからずありました。そんな中でも湘南ベルマーレという自分が育ったクラブ、育ててくれたクラブが自分の可能性を信じて拾ってくれたというところに対して、ほんとに感謝の気持ちしかないですし、その思いに、自分への期待に応えられるように自分の全てをかけて来シーズン戦っていきたいと思っています。先日、日本代表が悔しいかたちで負けてしまいましたが、湘南ベルマーレ出身の遠藤航選手や町野修斗選手が世界に出て戦っているのを見て、Jリーグで優勝争いをするクラブではないかもしれないですけど、世界で戦う可能性を秘めている素晴らしいクラブだと自分は思っているので、そういった選手に、湘南から世界に旅立っていけるような選手になりたいので、来シーズンから自分の全てをかけて大好きなクラブで戦っていきたいと思っています。

――改めて今年1年を振り返って、どのような1年間でしたか

ケガもしたり、降格もしたりと思うようにいかなかったシーズンでしたし、チームとしても個人としても苦しいシーズンだったという感想は正直なところあります。ただ、ただ苦しかった、ただ難しかったというだけではなくて、ケガしたからこそ見えた景色もありましたし、降格というものにここにいる4年生含めてチーム全員で向き合ったからこそ見えた光景もあったので、そういった意味では、結果としては残念でしたし難しいシーズンではありましたけど、チームとしても個人としても次につながるというか自分の人生の中でほんとに成長できた1年になったと思っています。

――プロ入りを諦めようかという言葉もありましたが、それはサッカーも含めてですか

サッカーをやめるという選択肢はなかったですが、今年ケガをしてなかなかどのクラブからも声がかからない状況ではあったので、自分の中で持ってた選択肢としては、もう一年留年して大学でサッカーをするか、トライアウトを受けに行くか、海外に挑戦するかといういろいろな選択肢があった中で湘南ベルマーレからオファーをいただけました。復帰はしてない状態でのオファーだったので、来シーズンからの不安などもありましたが、声をかけていただいたことに応えるためにも自分の精一杯を尽くそうという思いで、オファーに答えました。

――現在のケガの回復具合は

ほぼほぼ回復はしていて、チームに合流するときには万全の状態で入れる予定です。

鈴木俊也副将(商4=東京・早実)

――プロへの意気込みをお願いします

この4年間でさまざまな経験をさせていただいて、その中から学んだことや得たものを自分の力に変えて、大宮アルディージャの勝利のために精一杯頑張りたいと思います。

――3年時にプロ入りを決めていた中で、この一年を経て心境の変化があれば教えてください

内定が決まってからすぐに特別指定という形でJリーグの方に出させていただいて、あの時は少し実感がなかったというか、自分が早稲田の中でも確固たる地位を確保していない中での内定だったので、すごく自分の中で不思議な感覚はありました。ただ、3年、4年となって試合を重ね、早稲田大学でア式蹴球部で副将として戦う中で、これから始まる挑戦に対する覚悟がだんだん固まっていったりとか、逆に内定のリリースがあってからさまざまな方にコメントをいただいたりとか、いろんな取材を受けたりとか、そういったことを重ねる中で、これから自分が進む道への責任や重圧を感じるようにはなりました。

監物拓歩(スポ4=清水エスパルスユース)

――プロへの意気込みをお願いします

ケガを通して多くの人に支えられ、サッカーができている喜びを強く感じたので、自分のプレーを通して多くの人に感謝の気持ちを届けられるよう、声を自分の強みとしてチャレンジしていきます。

西堂久俊(スポ4=千葉・市立船橋)

――プロへの意気込みをお願いします

来シーズンからは僕の強みである前への推進力やゴールへ向かうプレーという特徴を前面に出して、FC東京という日本の首都を代表するクラブで、その一員としてクラブの勝利のために全力で取り組んでいきたいと思います。

――3年時にプロ入りを決めていた中で、この一年を経て心境の変化があれば教えてください

僕は昨年の10月に内定をいただいて、3年生の間は試合で内定者として見られることにもちろんプレッシャーとかがなかったわけではないですが、その時はいい意味で気負わずにやれていました。ただ、4年目を迎えた中で半分以上をケガなどで離脱し、チームの結果も出ていなくて、そこに対する不甲斐なさや、3年から内定していて選手として箔がつくのは間違いない中で4年目を迎えて、他の選手よりも大きな期待や「3年から内定しているような選手なんだからこれからやらなきゃいけない」という基準のようなものと向き合いながら4年目を過ごす中で個人としては脳震盪やケガでピッチに立てない時間が長く、悔しい思いで過ごす時間は長かったです。3年で内定した時は、自分の将来に対して期待も大きく楽しみな気持ちの方が大きかったですが、この一年を過ごす中でケガなどもあり、将来に対する不安について考える時間を経て、来年からより厳しい環境に行くし、その中でこれまでの取り組み含め、これからの自分の可能性を信じたいと強く思わされた期間ではありました。

丹羽匠(スポ4=ガンバ大阪ユース)

――プロへの意気込みをお願いします

プロサッカー選手の自覚と責任を持って、少しでもチームの力になれるように頑張っていきたいと思います。

――内定後、長い期間練習参加していましたが、そこで改めて感じたチームの印象と自分のプレーに対する手応え、そしてチームにどう貢献できるか、今の気持ちがあれば教えてください

チームが降格してしまったという中で自分は長野パルセイロの方に練習参加させていただいて、個人的にはJ3のレベルの中でもしっかり自分のプレーができると感じましたし、チームの印象として、監督がすごく熱心で戦術を突き詰めてやっている中で、プレー中の基準を言葉でしっかり定義して理解するというところがすごくいいなと思いました。練習参加の期間で自分の得意なポジションや挑戦したいポジションではないところでのプレーが多かったのですが、そういった中でいろいろなポジションからの見え方や、求められる強度、プレーは新たな視点で見えたので、それはすごく良かったと思いますし、来年から自分も開幕から出られるように頑張っていきたいと思いました。

――Uスタジアムで試合を観戦したと思いますが、サポーターの印象や見てもらいたいプレーがあれば教えてください

長野UスタジアムはJユースの決勝やインターナショナルユースで自分は試合をさせてもらっていたので、自分はスタジアムのことを知っていた中で、サポーターのいる試合を見て、改めてすごくいい雰囲気で試合をできているところに憧れや、自分も来年からそこで挑戦できることへのうれしさを感じて、練習参加で感じた自分のできることを、攻撃の選手なので得点などに絡んでいくところをサポーターのみなさんに見てもらえたらいいなと思います。

――今年出場機会を減らす期間があった中で、サッカーに対する向き合い方の変化などはありましたか

試合に出る機会は減った中で、Bチームの試合や公式戦で自分のできること、練習での妥協はしていないつもりだったので、そこを評価してもらってプロになれたことは、自分の今年1年の取り組みは間違ってなかったのかなと思っています。

平瀬大(スポ4=サガン鳥栖U18)

――プロへの意気込みをお願いします

リリースが出てから、たくさんの方からメッセージをいただいて、中には「自分も同じケガをしているけど、復帰できるように頑張ります」という言葉もありました。そういうものも含めて自分のしたケガは無駄なものではなかったんだなと感じさせられましたし、僕が試合に出て活躍することでそういう人たちの希望となれると思うので、試合に出ることは大前提としてまずは鳥栖が獲ったことのないタイトルを本気で獲りにいきたいと思います。

――ここまでの過程は思い描いていたビジョン通りでしたか? また、Jリーグの試合に出場した際の手応えはいかがでしたか

ケガをしている時は内定をもらえると思っていなかったので鳥栖は考えていなかったですが、リハビリ期間はプロサッカー選手になるという夢のために、なれるという自分への期待だったり、楽しみながらやっていたので、プロが決まって特別指定もさせてもらったことで実感はすぐにわきました。フロンターレ戦に出て、すぐに決められてはしまいましたが、十分戦えるなというのは個人的に思っているので、来年開幕戦から出られるよう頑張ります。

山下雄大(スポ4=柏レイソルU18)

――プロへの意気込みをお願いします

まずは、プロという舞台で戦えることをうれしく思います。ただ、目標はプロになることではないので1年目から活躍できるよう頑張りたいと思います。

――今年出場機会を減らす期間があった中で、サッカーに対する向き合い方の変化などはありましたか

特に自分の中でサッカーに対する変化はなくて、ひたすら自分の目標に向かって取り組んでいました。