【連載】早慶クラシコ特集 第9回 4年生対談 平瀬大×西尾颯大×監物拓歩

ア式蹴球男子

 今シーズンチームを支えてきた4年DF陣の3選手。前期の振り返りから最初で最後となる早慶クラシコにかける思いまで熱く語っていただいた。

※この取材は8月24日に行われたものです。

「毎回いい試合をしても勝たなくては意味がない」(西尾)

関東リーグ順大戦で握手する西尾と監物

ーーまず始めに他己紹介をお願いします

監物 颯大は明るくて人付き合いが良いタイプの人間ですね。あとは、みんなから慕われるタイプかなと思います。プレーでもそれが出てて、みんなとのつながりみたいなところが上手な選手ですね。大は・・・何て言えばいいんだろうな(笑)。

平瀬 ありのままに言ってください! 

監物 ありのままに言ったらひどくなっちゃうよ(笑)。大は自分の持ってない明るさだったり、遊び心みたいなものを持つタイプで、それが魅力でもあります。プレーでは、それとは違う力強いところが彼の特徴であり魅力だと思います。

平瀬 颯大は同部屋で、甘えん坊ですね(笑)。全然俺に甘えたりとかそういうのじゃないですけど、結構かまってちゃんですね。

西尾 恥ずかしい・・・。

平瀬 結構颯大の方から「今日何があった」って話を振ってくることが多い感じですね。たまに男とも同じベッドで寝てるんで、それはキモいなって思います。大場琳平(スポ4=柏レイソルU18)とたまに寝てますね。監物は部屋が1階で自分らが3階なのであんまり関わることはないんですけど、結構自分のペースで生活してるって感じですね。ありた整骨院っていう整骨院に彼はよく通ってて、自分でうまく時間を使ってケアしたり、自分でコンデションを調整して、練習を抜けたり。それは早稲田だからできることなんですけど。

監物 プロでもできるだろ!

平瀬 でも彼は抜けすぎなので、ちょっとやばいですね。

監物 お前の方が休んでるだろ、トータルで言えば。

平瀬 お前紹介することあんまりないわ! 特にないっす、こいつは(笑)。

西尾 監物は丸くなりましたね。1年の時とかは王様みたいな感じで、マジで人の話も聞かないし自分が全てみたいな感じだったんですけど、丸くなったな(笑)。あとは1年からずっとストイックで、食生活も練習もそうだったし、そこは自分にはないし尊敬する部分ですね。大は部屋が一緒で、サッカーだけじゃなくていろいろな話もしてます。大もストイックで、ケガをして何回も手術して、すごい折れそうになるけど今は(試合に)出てたりプロに決まっていたりして、すごいなと思います。あとは、不器用そうに見えて器用なところがギャップですね(笑)。

平瀬 いいところも言ってくれんじゃん(笑)。

ーー前期チームとしてうまくいかなかった原因は

監物 確実につながりみたいなところはまだまだ薄いなと感じますし、チームとして動けてないところが主な勝ててない原因かなと感じます。それは自分たちの力不足だったり、4年の力不足というところが一番大きいと思うんですけど、そういうところが足りてないというのは今でも思います。

平瀬 今監物がつながりがないと言ってたんですけど、ほんとにまとまれてなかったのは一つありました。まとまれてなかったというのはプレーもそうだし、気持ちの面でもそうで。最初の方は日本一を取るっていう明確な目標に向かっていたんですけど、負けだったり引き分けだったりが続いて、それでも「まだ大丈夫」という気持ちがあってズルズルと、危機感などがなく勝てた試合を落としてきたりしたので、そういう心の緩みがあってうまくいってなかったと思います。

西尾 2人が気持ちのことを言ってくれたので、具体的にはセットプレーとかがうまくいってなかったなと思いますね。失点もほとんどがセットプレーからで、得点も順大戦の平松(平松柚佑、社3=山梨学院)のゴールくらいしか(セットプレーから)決めるシーンがなくて、うまくいってない時はセットプレーが一番大事になってくると思うので、そういうところは今も課題ですけどこれからもっと考えていかなきゃなと思ってます。

ーー先日の東京国際大との試合結果だけ見るとチーム状況も上向きなのかなと感じますが、今後チームが良くなるための具体的なイメージなどはありますか

平瀬 前期の試合で出た課題が明らかに強度の部分で、球際だったり切替の速さだったり、そういうところが顕著に出た試合でした。もちろん東国戦は勝ちたかったですけど、前期の試合と比べて、後期のこの前の試合で改善できていたというか、空いた期間でチーム全員でやってきたことが出た試合だったので、(結果は)引き分けでしたけど自分はそんなに悲観的には捉えていなくて、良かったなと思います。しかし、大事な試合を勝ててないというところで、勝負強さだったり後半残り5分もないところで失点することが前期も多かったので、最後まで集中するっていうところが課題かなと思います。

監物 個人としてもっと自分のレベルを上げて、もっと圧倒的な存在になれればと思いますし、そこは自分たち3枚がやるべき仕事というか、そういう立場にいるので、そこに尽きるかなと思います。

西尾 毎回いい試合をしても勝たなくては意味がないと思うので、勝ちにこだわるというところを練習からもっとやっていかなくてはいけないと思います。

ーー成績が奮わない中でも、守備面では失点が減って改善されているように感じましたが

平瀬 監物とか俊也が(ケガから)帰ってきてバックラインが安定したというのは自分も感じてて。2人はよく声も出してくれてチームをプレーでも声でも支えてくれたというのは一つあって、俊也はサッカーの頭もいいので守備でこうしようというのをバックラインで全て話し合って統一できたので、それが失点の少なさにつながったんじゃないかなと思います。2人が帰ってきてくれたのは結構デカかったですね。

ーー監物さんがピッチ外で感じていたこととピッチ内で感じたことのギャップはありましたか

監物 いや、そんなに違いはなかったですね。最初の方は雰囲気が悪くてチームとしてはまとまってなかったので、自分の立場としてやるべきこととして、そういうところをまとめる、支えるということが自分の役割だと思っていたのでそこに尽くしてやっていました。

「幅広いエリアを一人で守ることは意識している」(平瀬)

インタビューを受ける平瀬

ーー前期終了後にフォーメーションが3バックになりましたが、そこへの手応えは

西尾 この間の東京国際大との試合はうまくいったなと思うんですけど、個人的にはポジションの変化などもあって考えることが多いので難しいなという印象ですね。

平瀬 3(バック)に変えたことで出られなくなった人とかもいて、逆に新しく出られるようになった人もいて、そこの競争っていう部分では変えて良かったんじゃないかなと思います。最初のアミノバイタルカップのところではみんなマイナスに捉えていたんですけど、この前の試合もそうですし徐々に3(バック)に慣れてきましたし、(3バックも4バックも)どっちもできたらいいと個人的には思っています。相手によって変えられることで幅が広がると思うので、前向きに捉えてはいますね。

監物 いきなりやり始めたのでうまくいかないのは当たり前ですし、個人として見た時にやるべきことが増えるので、そういったところは守備で自分たちの存在を示せるかなと思います。時間はかかりますけど。

ーー3バックにはいつごろから取り組んでいましたか

平瀬 いきなりだよね? 

西尾 法政戦の後だよね? 

平瀬 法政戦の後からくらいですね。

ーー自身で考えるプレーの強みはどこですか

監物 自分は左足のキックは得意ですし、身長もあるのでヘディングは負けたくないです。あとは声の部分でも自分の存在感を示せると思うので、そういうところが自分の強みかなと思います。

平瀬 自分は幅広いエリアを一人で守ることは意識してますし、監物ほど身長がないのでクロスの対応だったりで不利になる分、準備が必要になってくるので、より人より準備をするよう心がけてます。

西尾 いろいろ気を利かせられるところですかね。めっちゃずば抜けたところがあるわけではなくて、守備も攻撃もまあまあで、スピードもまあまあっていう中で周りの人がもっとうまくいくようにっていうところに気を利かせられるのが強みかなと思います。

「今度は自分たちが支える立場になった」(監物)

順大戦でパスをする監物

ーーこれは3人全員にお聞きしたいのですが、早稲田に来た理由はきっかけはなんですか

平瀬 僕はトップに上がれないってなってスカウトコーチの玉井さんが声をかけてくれて、玉井さんの熱に惹かれたって感じですね。特別に早稲田のサッカーが強いからとか、関東のサッカーのレベルが強いからとか、早慶戦に出たいとかじゃなくて、そんなのは全くなかったんですけど、ほんとに玉井さんに惹かれてこの人とサッカーがしたいという思いがありました。

西尾 高校の時のコーチに早稲田を勧められて、実際に玉井さんとしゃべって、すごいサポートしてくれたので、大と一緒で(玉井さんの)熱に惹かれたというのが一番ですね。

監物 自分も一緒で早稲田から声をもらっていて、トップに上がれないってなった時に、自分のクラブはOBに早稲田の方が多いのでそういった方の声を聞いて、素晴らしい場所でサッカーができるということで選びました。

ーー西尾さんは「日本一を獲るために早稲田に来た」とnoteでおっしゃっていましたが、なかなか厳しい状況が続いています。どのような気持ちで活動していたか

西尾 恥ずかしいな(笑)。日本一を獲りたいという気持ちは変わってなくて、総理大臣杯に出れなかったしリーグ戦も厳しいですけど、インカレがまだチャンスとしてあるので、日本一を獲りたい気持ちは変わってないです。

ーー次の年のnoteでは「結果を出す必要がある」とおっしゃっていましたが、覚えてますか

西尾 そんなこと言ってたっけ(笑)。なんも覚えてないや(笑)。2年の時ですか?

ーーそうです(笑)

西尾 あ、思い出しました(笑)。

ーーその時を振り返ってどういう結果を残せてきたと思いますか

西尾 目に見える結果を出せるわけではないんですけど、FWと比べて。そういうところは難しいですけど、例えば自分が出た試合は勝つとかは、こだわってきたじゃないですけど、考えてきたなと思っています。ただ、今はチーム的にも勝てていないですし、もっと結果にこだわっていかないとなと思ってます。

ーー最上級生となった今、昨年までの活動を振り返っていかがですか

西尾 1、2年の時はサッカーを全くやっていなくて。やばかったよね? 

平瀬 問題視されてたんですよ。こいつ(西尾)と、丹羽(匠、スポ4=ガンバ大阪ユース)がやる気がない、みたいな感じで問題視されてて。

西尾 匠はまだAにいたんですけど、自分はサッカーもダメだったなと。ずっとBにいて、まじで楽しくなくて。3年になった時にAに入って、実際にやってみて例えば雄大(山下雄大、スポ4=柏レイソルU18)とかすごいうまくて楽しいなって思って、それからちゃんとやるようになったっていうか、頑張らなきゃなと思いました。

平瀬 俺は特に1、2、3年の頃は(ケガで)サッカーしてないんですけど、外から見てて緩いなっていうのは感じてて。それを復帰したら変えたいなというのは思ってて、今も頑張ってるんですけど、球際の部分だったり一つ一つの強度を高くいくように厳しく言ったりはしてるんですけど、時々あんまり変わってないなってところが練習中にあって、だからどうすればいいんだろうっていうその答えは出てないんですけど、その最中って感じですね。

監物 素晴らしい先輩たちのもとで楽しくサッカーをやらせてもらったので、そういう人たちの存在が消えて、果たして自分はそういう存在になれているのかってところが一番疑問に感じてるところで。2個上の人たちが自分の中で素晴らしい存在だったので、そういう人たちに支えられていたのが今度は自分たちが支える立場になったというのが、自分の中の大きな変化かなと思います。

ーー昨年までと比べてプレー面や精神面で成長したと感じるところは

監物 昨年自分はケガしてたので、そういうところを通してサッカーへの意識はだいぶ成長したかなと思います。何かあっても動じなかったり、よりサッカーが楽しめたりってところは精神面では大きく変わったかなと思います。プレー面ではより迫力が出てきたなという感じはしますけど、まだまだなのでもっと頑張らなきゃなという感じです。

平瀬 精神面ねえ・・・なんかあるかいな(笑)。

西尾 プレーもムズイけどな(笑)。

平瀬 プレーはな、高3の頃と比べちゃうんですけど。あんまり大学でやれていないので。高3の頃と比べると、それなりに筋力も上がってますし体つきも違うので、センターバックとして相手に負けない体っていうのはできてきているなというのは思います。これはプロで通用するかって言われたらそんなのは分かんないんですけど、体づくりの部分に関しては個人的には一番成長したところかなと思ってます。あとは大学3年、4年になって結構Jリーグなど見るようにしています。大学サッカーとは全然違うんですけど、センターバック中心に見て自分のプレーと照らし合わせて、「こういうプレーすればいいんだ」っていう勉強もして実際に練習で挑戦してみたり、時間の使い方っていうのが明らかに大学1年、2年の頃と比べると変わったかなと思います。中学生の頃とかもグラウンドに練習の1時間前くらいに行って自主練して、中3の頃にはスタメンを勝ち取っていたのもあって、努力の意味を知ってるので、自分は。努力する意味を知っているので、努力した先に何があるかは自分は知っているので、努力するようには心がけてます。

西尾 プレー面では自分も高校の時と比べちゃうんですけど、考えるようになったのが一番ですね。サッカーの違いもあるんですけど、蹴って、走ってっていう脳筋みたいなチームだったので(笑)。大学に入って守備も攻撃も考えることが増えたなと思います。精神的にはどう? 落ち着いたよね。

平瀬 どうなんですかね、バイトもちゃんとするようになったので(笑)、落ち着いたんじゃないですかね。やっぱり3、4年になったらみんな焦りも出てきてしっかりするようになるんじゃないかなって勝手に思ってます。就活とかも入ってきてみんな真面目になるので、1、2年の時と比べて。今は1、2年はたくさん遊んでますし、(それを見て)こういう時もあったなって思いますね。

監物 今でも遊んでんじゃん(笑)。

平瀬 遊んでねえよ(笑)。

「陰で支えるみたいなところは、期待されているのかな」(西尾)

関東リーグ法大戦にて指示を出す西尾

――監督から自身に期待されていると感じることは何ですか

平瀬 自分は「お前が引っ張っていけ。」っていうのは試合前もすごく言われるんで、最初に監物が言いましたけど、明るさだったり、そういうのをプレーでどんどん出していけっていうことはよく言われてて、やっぱり後ろからしか支えれない、声かけ出来ないだろうし、だからそういうところに失点しても良いから、お前が上手くいってる時はチームが上手くいってる時ってのは、よく言われるんで。お前が落ちたらもう終わっちゃうから、ってことを意識してやってます。

西尾 何期待されてんだろうな、、、。

監物 真面目にサッカーやることじゃない?

西尾 なんだろうな。自分はめっちゃ目立つタイプではないので。ただ目立たないからこそ出来ることもあって。例えば使うこともそうですし、走ることもそうですし、陰で支えるみたいなところは、期待されているのかってところはちょっと・・・。自分で勝手に思ってます(笑)。

――監督から直接何かを言われたりはしないですか

西尾 しないですね。

平瀬 仲悪いもんな(笑)。

西尾 いや(笑)。でも、あんまないっすね。

――リーグ開幕前の対談で外池監督から期待している選手として名前が挙げられていましたが、その点についてはいかがですか

西尾 えー、そうだったんだ。知らなかったです(笑)。

監物 一番期待されてんじゃん(笑)。

西尾 期待されてんだね(笑)。

平瀬 お前(監物)もあるよ(笑)! 大丈夫大丈夫。

監物 お前(平瀬)はねえよ(笑)。

――監物さんの名前は挙げられていなかったですね

一同 (笑)

平瀬 他は誰がいたんですか。

――丹羽さんと山下さん、生方さんと西尾さんの4人です。

平瀬 社不の4人だな。

一同 (笑)

平瀬 社不の4人組ですね。期待というよりかは更生して欲しいって感じだと思います(笑)。願いを込めて(笑)。

――山下さんもそういう感じなんですか

平瀬 そういう感じっすね、正直(笑)。まあ今ちょっと試合に絡んできてはいますけど、ここ最近。

――期待されていると知って、いかがですか

西尾 びっくりしましたね。本当に期待なんすかね(笑)。

――他のメンバーを聞いてそう感じられましたか

西尾 はい(笑)。

――次回の監督との対談で真偽を問いますね(笑)。監物さんはいかがですか

監物 やっぱり自分は2年くらいから出ていたので、チームの中での存在感みたいなのは期待されていると思いますし、個人としてはボールを奪いに行くみたいなところは、結構自分の調子の良さの指標になっていると言われているので、そういうとこかなと思います。

――外池監督の試合後のインタビューでは4年生に対する思いから涙ぐむ場面もありましたが、監督のそういった熱い思いなどは伝わっていますか

平瀬 伝わってますね。俺は。

西尾 「4年生」ってよく言うもんな。

監物 僕はちょっとよくわかんないっす。

――練習中とか練習後の監督のお話では「4年生」という言葉はよく使われているんですか

平瀬 そうっすね、個人的にも4年生が全てだと思っているんで、大学サッカーは。4年生が中心となって、勝っていかないと行けないと思っているんで。そこを外池さんも期待していると思うので、4年生がうまかくまとまることができれば、これから勝っていけると思うんですけど。あと、前期に負け続けていたのも4年生のまとまりっていうところがなかったのかもしれないなと思います。

「プレースタイル的にも考えて、気遣って、チームの足りないところを見ていきたい」(西尾)

インタビューに答える西尾

――監物さんは前期にキャプテンマークをつける機会がありましたが、チームをまとめる立場としてどんな思いがありましたか

監物 別に巻いてる巻いてない関係なく、やるべきことは変わらないと思いますし、巻いてるからどうこうみたいなのは考えてなかったですね。やるべきことをやる、今までやってきたことをやるぐらいですかね。あとはみんながおのおのしっかりやってくれてると思うので、そこを助けながらって感じですかね。

――西尾さんは最高学年のレギュラーメンバーとして試合に出るに当たって、チームを引っ張っていきたい、こうしていきたいといった思いはありましたか

西尾 引っ張っていきたいとか、思ってないっていったらだめかもしれないですけど・・・。

平瀬 思ってないんだろ(笑)。

西尾 思ってないです、タイプ的にもちょっと違うので。まあキャプテンマークは巻いてみたいですけど。

監物 じゃあ、次キャプテンな(笑)。

平瀬 矛盾してね、お前(笑)。

西尾 いやでも、引っ張るっていうよりかは、さっき言ったみたいにプレースタイル的にも考えて、気遣って、チームの足りないところを見ていきたいなと思ってます。

――監物さんはプロ内定が決まりましたが、自分のどういうところが認められたと感じていますか

監物 そうですね、今まで3年間で積み上げてきた課程みたいなのが一個評価されたかなとは思っていますし、サッカーだけじゃない部分は大きくあるかなという感じはしますね。どうなんですかね、自分的にはまだまだなのでどうかなって思いますけどやっぱり、4年間積み上げてきた、サッカーも含め積み上げてきたことが多分一番評価されたんじゃないかなと思います。

――平瀬さんは以前、1年時に監物さんとセンターバックを組んだことに対し「こいつとは合わないな」とお話ししていましたが、監物さんはその当時のことは覚えていますか

西尾 懐かし。

監物 いや、まあタイプが全然違うので、自分より気遣って、こまめにやるタイプでそういったところは自分にないところですし、自分がそうするのは難しいなと感じてました。今でもまあ、難しさは感じますけどそれは彼の武器であり、魅力だと思うので、そういうとこは自分にも身につけば良いかなって思って、やってますね。

西尾 そうなの? 難しさあるの?

平瀬 今は、そんな前ほどはないかな。

監物 俺がさ、こまめにライン上げたり、ポジションとったりはしないから。

西尾 そういうことね。

平瀬 1年生、2年生の頃は自分はこまめに相手がライン下げたら上げて、下げる準備して本当にこまめにやりたいタイプなんですけど、監物は体力が無いんで(笑)。ドシッと構えて、こう見えてライン上げたら疲れちゃうんですよ。だから、そこで意見の食い違いというか、したいことの違いみたいなのがあって、こいつとはマジで合わねーなって(笑)。どうすれば良いんだってなって、でもまあお互いのやりたいことをお互いが理解して、3、4年になってから合わせていくしかないんだなって思うようになって、今はうまくいってますね。お互いのプレースタイルみたいなのを十分理解できてるんで。

――4年生で組んでるときの方がやりやすいということはありますか

平瀬 えー、どうだろう。他誰と組んだことあるっけ、颯辰(中谷、基理3=静岡学園)?

監物 うーん、俺は。

平瀬 どうなんだろうね。いや、俺はあんま年齢はそんな気にしないです。年齢に関しては。

西尾 僕はやりづらい訳じゃないですけど、安心するっていうか頼もしいなって、気持ち的に感じますね。

監物 自分も誰と組んでもやりづらさは感じないですけど、4年、俊也(鈴木、商4=早実)とか特に、自分の意見をはっきり伝えてくれるのでそういったとこは自分のためにもなるし、チームのためにもなるし、やりやすさというか、チーム向上にはつながっているのかなと感じはしますね。

「目先の一試合一試合を勝っていきたい」(平瀬)

高い対人能力を持つ平瀬

――試合前ルーティンを教えてください

平瀬 俺はたくさんある方かな?

西尾 俺も意外と気にするかも。

平瀬 結構たくさんあるけど、良いかな・・・。

監物 嘘つくなよ。

平瀬 つきません!

監物 意識高くいくなよ(笑)。

平瀬 いかねーよ。自分でモチベーション動画を作って、自分で編集して、ユースの頃からのゴールシーンだったりとか、そういうのを編集して、自分で勝手に作ってるだけなんですけど、それをバズの中では絶対見て、初心に戻ることもできるし、気持ち高めることもできるし。まずそれがバスの中では一つと、あとはレッドブルを試合前に飲むこと。あとは、いつもテーピング巻いてるんですよ自分。手首が弱いからとかそんなんじゃなくて、高校の頃から。

西尾 イキリっしょ(笑)?

一同 (笑)

平瀬 言い言葉を見つけてくれました。あれはイキリです。あれはイキリで、高校の頃から巻いてたんでそれを通そうかなと思って今も巻いてます。お前(監物)ないの?

監物 バスとかで? ないよ(笑)。基本的にバスは寝ちゃってますし、本当は多分起きてなきゃいけないんでしょうけど寝ちゃってますし、別に試合前の食事だったり、何時に起きてとかも別にないですね。グランド入ってからはやるべきトレーニングはやってますけど、そんなルーティンとかは持ってないですね。気分ですね。

西尾 自分はちょこちょこあって、例えば勝負パンツとか、自分ソックスの中に普通の靴下を履くんですけど、試合の日はこの靴下みたいなのが決まってたり、あとは入場するときの順番が6番目とか、写真撮影のポジションも決めてます。

監物 何で6番目なの?

西尾 真ん中だから。

平瀬 じゃあ、どうしてもさお前と同じ6番目のルーティンの人が居たらどうする? 先輩で。

西尾 じゃんけん。

平瀬 負けたら?

西尾 どっか行く(笑)。

――平瀬さんにお聞きします。今シーズン、印象に残っている試合と理由をお願いします

平瀬 明治戦ですかね。

監物 PK与えちゃったもんね(笑)。

平瀬 (笑)。そうですね、PK与えちゃって・・・。いやそんなんどうでも良いけど、どの試合も思いは強かったんですけど、特にじゃないですけど、負けたくなくて明治には。そのとき、明治は上の方にいましたし、本当に試合前から、前日から気合い入ってて。かなり気合い入ってたのは一つありますね。

――昨年の部員noteに自分には日本一に対する使命のようなものを感じると書かれていましたが、現在はその使命に変化はありますか

平瀬 シーズン始まる前は、ある程度復帰して自分のプレーがみんな分からない状態で、スポ推で期待されている中で、チームを日本一に導くって言うのが自分の使命だという風に思って書いたと思うんですけど、今は思った以上に前期うまくいかなくて、で、その使命っていうか責任みたいなのは変わらないんですけど、目標の部分で、もちろん日本一を目指してはいるんですけど目先の一試合一試合を勝っていきたいなっていうとろにフォーカスしてて、まずは残留っていう、日本一よりもまずは残留に個人的には変えました。

――その目標に向けて自分が果たしたい役割はありますか

平瀬  どんな役割・・・。まあ失点しなければ勝つ、っていうか負けないので、ほんと後ろからバックラインからリーダーシップ持って、失点しないようにチームを鼓舞していきたいですし、前期は失点が多かったので、失点しないように心掛けています。

――早慶戦の注目選手として平瀬さんの名前が挙げられる場面がありましたが、お気持ちはいかがですか

平瀬 注目してもらえることは有り難いですし、プロも決まって、観客もたくさん入る中で期待されているというか、そういう見られ方が今までというか、プロ決まる前よりかは違うと思うのでピッチ内、ピッチ外での立ち振る舞いだったり、変に意識しないで良いと思っているんですけど、まあやっぱり他の選手とは違うなって思わせられるようなプレーをしたいなって思います。

「ミスや失敗を恐れずにチャレンジし続けてほしい」(監物)

インタビューを受ける監物

ーーそれぞれ背番号についてのこだわりは

西尾 いや・・・変な番号になるくらいだったら24がいいかなと(笑)。

ーー西尾の「ニシ」ですか

西尾 そうですね。

平瀬 何も指定していません、僕は。勝手に選ばれました(笑)。

監物 いや全く・・・勝手に、はい(笑)。3番でした。

ーー自分で番号を希望することもできるのですか

平瀬 意外といけたりしますね。いけるよね?

監物 うん。

ーー4年生ということで、4年間を一緒に過ごした同期に対して聞いていきたいと思います。誰と仲が良いといったことはありますか

平瀬 俺はあんまり常に一緒にいる人というのはいません。同期とどこかに遊びに行ったりとかもあんまりなくて・・・寮生だったら本当にみんな同じくらい仲良いです! 

ーー平瀬さんは寮長をやっていると思うのですが、どのような経緯でなったのですか

平瀬 やりたいというよりは、最初キャプテンや学連からいろいろ埋めていって、やっぱり寮長が残るじゃないですか。寮長はまずチームとしての役職にするのかというところからあったのですが、何にも役職なかったんですよね(笑)。寮長・・・やりますって言ってなりました。

ーー誰とよく一緒にいるとかはありますか

監物 基本的に1人が多いですけど・・・

西尾 友達いないもんな(笑)。

平瀬 言うなって! 

西尾 ごめん監物! 嘘だよ監物! (握手を交わす)

監物 まあ1人でいることが多いです。基本的に誰かと行動することを嫌うというか好まないタイプなので、人といる時間は確実にここ2人よりは少ないですね。誰と仲良いと言われたら、最近はドゥー(西堂久俊、スポ4=千葉・市船橋)と雄太(水野雄太、スポ4=熊本・大津)とよくいる時間は増えましたし、江田(祐基トレーナー、スポ4=東京・日大鶴ケ丘)が多分一緒にいる時間は一番多いかなという気がします。あとはまあ西田(翔央、商4=東福岡)がいれば、くらいですね。

ーー1人でいる時は何をしているのですか

監物 自分でやるべきことがあったらそれをやったり、あとは自分はアニメを見るのが好きなので部屋でずっとのんびりしていたりすることが多いです。

ーー何のアニメですか

西尾 めっちゃ聞かれる(笑)。

平瀬 めっちゃアニメ見るよな、お前。

監物 いやまあでも・・・そんなすごいマニアとかではないので。そういう人たちに比べると大したことないです。

平瀬 何って聞いてるの! アニメの名前言えよ(笑)。

監物 最近はワンピースをまた一から見始めて、それが長いのでそれにちょっと時間を食われています。その前とかだと何かな・・・

平瀬 フェアリーテイルとか見てなかった?

監物 フェアリーテイルはもうとっくに見終わったし・・・好きなアニメだとヴァイオレット・エヴァーガーデン、あとは(コードギアス 反逆の)ルルーシュとかですね。

ーーアニメを見て泣いたりしますか

監物 泣きますね(笑)。

平瀬 え! 監物泣くの! 

監物 アニメこそ泣くだろ! 

平瀬 なんでや(笑)。

西尾 めっちゃおもろいやん(笑)。

ーーお二人は1人でいる時は何していますか

平瀬 こいつ(西尾)は1人でいない(笑)。1人でいる時は寝る時くらい。

西尾 1人でいる時もあるんですけど、ご飯食べる時とかは(誰かといます)。昼ご飯とかは人と行っています。寮のご飯とかもそうです。

監物 1人で食べることある?

西尾 寮のご飯? あるよ(笑)。

監物 見たことないよ(笑)。

ーー普段誰かといることが多いとのことですが、西尾さんは特に誰と仲が良いですか

平瀬 いっぱいいるよな。

西尾 (大場)琳平、丹羽・・・中津留(正大、教4=大分上野丘)とか。雄太とかも。

平瀬 水野が、あいつもう、人といないとだめなやつなんですよ、本当に。

監物 それは颯大も一緒だろ(笑)。

西尾 俺よりひどいよ! 

平瀬 颯大よりひどい! 本当にずっと誰かと一緒にいないと・・・。

西尾 用事ないのに部屋来るもんな(笑)。

平瀬 そう。部屋開けて入ってくるんですよ。颯大も俺もYouTube見てて。入って、ちょっと部屋の中歩いて、何も言わずに出ていくんですよ。で、あいつ何しに来たんって(笑)。

ーーでは、後輩との仲はどうですか

平瀬 いや、でも基本的に舐めてますね、後輩は(笑)。多分怖くもないんで、俺らは。仲良い後輩は誰だろうな・・・寮だったら陽琉(奥田陽琉、スポ3=柏レイソルU18)が仲良いですね。陽琉、璃太(森璃太、スポ3=川崎フロンターレU18)、植村(洋斗、スポ3=神奈川・日大藤沢)、山市(秀翔、スポ1=神奈川・桐光学園)とか。

監物 あんまり特にないですね。袈依廉(ヒル袈依廉、スポ2=鹿児島城西)とか山市は舐めてるなって思いますね(笑)。まあでも誰と一緒にいるとかはないです。

西尾 仲良い人は仲良いです。フジモン(藤本隼斗、スポ3=柏レイソルU18)とか、平松(柚佑、社3=山梨学院)、安斎(颯馬、社2=青森山田)くらい。

ーー後輩に対してのメッセージはありますか

平瀬 オンとオフはしっかり分けて、遊ぶときは遊んで、楽しんだ方がいいよって伝えたいです。

西尾 大と同じ感じです。遊ぶときは遊んで、やることはちゃんとやって・・・。

平瀬 全く一緒やん(笑)。

西尾 うん。お前に先言われた(笑)。

監物 大学の時間は人生のうちで自由度が一番高いと思うので、自分がやりたいことやチャレンジしたいことは迷わずチャレンジしてほしいです。それはプレー面でもどんどん自分の可能性を広げるために、ミスや失敗を恐れずにチャレンジし続けてほしいなと思います。

「勝って全員で紺碧の空を歌いましょう! 」(平瀬)

インタビュー後、談笑する西尾と平瀬

ーーでは、最後に早慶戦への思いを聞いて終わりたいと思います。

平瀬 昨年、一昨年は公式戦だったので絶対に勝ちに行かないといけませんでした。今年ももちろん伝統の一戦なのでそうなのですが、それよりもやはり学生主体で全部作り上げていく舞台ということで、普通の大学リーグやプロでは味わえない雰囲気だと思うので、勝ちたいもそうですが、なによりその場を楽しみたいという思いが強いです。

監物 ああやって人がいる中でサッカーができるのは幸せなことではありますし、憧れっちゃ憧れです。ただ早慶戦に対してどういう意気込みがあるとか慶應だからどうっていうことはあまり自分はありません。それよりもやっぱり見に来てくれる人がいっぱいいるので、そういう人たちに自分のプレーで何か少しでも示せたり伝えられていたりしたいいかなというくらいですね。

西尾 難しいですね(笑)。まあでも人が入るので楽しみたいし、かっこいいところ見せたいですね! 

ーー具体的にはどこを

西尾 プレー全部見てください! 試合以外も(笑)。

ーー早慶戦のキーマンは

平瀬 監督です! 公式戦じゃないですけどやっぱり勝ちたいと思っているでしょうし、もちろん勝った経験は等々力とかでありますけど、昨年一昨年勝ってないし、もう一回その景色を見せてあげたいなという思いはあります。

西尾 4年生じゃないですかね。2年連続で勝ててなくて悔しい思いをしてますし、運営も試合も主役なのが4年なので、気持ちとか意地とかを見せるところなのかなと思います。

監物 注目選手は個人的に森ですかね。彼は自分はとても期待しているので、そういった選手が何か一つ試合で自信をつけて魅力的な選手になってくれればうれしいなと感じています。

平瀬 璃太?

監物 うん。

平瀬 へー。意外じゃね? 

西尾 意外! 

ーー早慶戦に対する意気込みと足を運んでくださる観客へのメッセージをお願いします

平瀬 本当にたくさんの人に応援に来てもらえるし、声出しもありなので・・・どうまとめるか・・・。

西尾 勝ちたいよね。

平瀬 勝って全員で紺碧の空を歌いましょうということで! 

――ありがとうございました!

(取材・編集 栗田優大、宮下幸、宮島真白 写真 前田篤宏、水島梨花、大幡拓登、宮下幸、宮島真白)

早慶クラシコに向けて意気込みを書いていただきました!

◆西尾颯大(にしお・はやた)(※写真左)

2000(平12)年7月21日生まれ。174センチ。流通経大柏出身。スポーツ科学部4年。寮の同部屋である平瀬選手からは「甘えん坊」と称されていましたが、対談でも非常にフレンドリーで、その人懐っこさがうかがえました!

◆平瀬大(ひらせ・だい)(※写真右下)

2001(平13)年3月28日生まれ。181センチ。鳥栖U18出身。スポーツ科学部4年。試合中の手首のテーピングは高校生の頃から続けているそうですが、西尾選手に「イキリ」と言われて思わず納得してしまった平瀬選手。他にも自作のモチベーション動画を試合前に必ず見るそうです。プレースタイルだけじゃなく、こだわりもかっこいいです!

◆監物拓歩(けんもつ・たくむ)(※写真右上)

2000(平12)年6月2日生まれ。188センチ。清水エスパルスユース出身。スポーツ科学部4年。基本的に一人でいることが多いという監物選手。中でもアニメを見ることが好きだそうで、「アニメこそ泣くだろ!」とサッカーにも負けないアニメへの熱が感じられました!