今シーズン、主力として活躍した3人。厳しい戦いを強いられた前期を終え、思うこととは。早慶戦に向け、闘志をみなぎらせる3人に迫った。
※この取材は8月24日に行われたものです。
「あの景色を見てやはり勝ちたいという気持ちが強まった」(奥田)
関東リーグ順大戦でゴールを決めた平松に駆け寄る奥田
――関東大学リーグ戦(リーグ戦)を振り返っていかがでしたか
平松 上のレベルでやっている人が多いので、自分も含めてこんな勝てないというサッカー人生を歩んでないと思います。別に練習の雰囲気が悪いとか人がいないではなくて「なんで勝てないのか」というわだかまりがある感じです。そこが厳しかったですね。「どうしたら勝てるんだろう」じゃなくて「なんで勝てないんだろう」という方が雰囲気的にありました。その「何で」という感情が前期ずっとあってしんどかったです。
森 チームとしては、平松も言っていたように勝てない時期が長かったです。なぜ勝てないのかはずっと課題としてあった中で、それがアミノでも改善されなくて、そのままずるずる前期のシーズンが終わってしまったという印象です。個人としては、ポジションがちょっと変わったり、試合に出れない時期があったりなどいろいろな経験をしました。ポジションの変更であったり、チーム状況も含めてそれまでにないようなサッカー人生を経験した前期だったかな。
奥田 2人が言ったようにチームとしては勝てない日々が続きました。3バックに挑戦するなどもしました。みんなが何かに挑戦したり、何かを変えなくてはいけないと感じていました。少しずつよくなっていく中で、引き分けの試合があり、そこで露呈してしまったのは得点力不足だと思います。そこに関しては、自分も含め攻撃陣の選手がもっと何かをやらないといけないと思いますし、責任を感じています。
――最も印象に残った試合はどの試合ですか
平松 自分は前期の0−3で負けた東京国際大戦です。1分も出ていなかったのですが、外から見ていてどのチームとやったよりも何もできていなかったという印象が強いです。攻めてもいなかったし、しっかり守れる雰囲気でもなかったです。全ての場面で圧倒されていました。差を見せつけられましたね。
森 自分は流通経大の試合です。自分が初めて1個前のポジションでやったというのもありますし、この試合でチームとして戦い方がはっきりしました。次の試合の順大も勝ちました。チームとしては戦い方がはっきりしましたし、個人としても自分のプレーに素直になれたという意味で流通経大戦を選びました。
奥田 自分は明治です。自分が最後(得点を)とったというのもあります。あの日は部員の観戦もありましたし、点をとった瞬間のスタンドの雰囲気、部員の雰囲気を見て「うぁ、これが見れるんだ」というのを改めて感じました。あの景色を見てやはり勝ちたいという気持ちが強まりました。明治に勝ったというイメージが自分にはあまりなかったです。いつものように負けるのかと思ったところから、引き分けに持ち込めたのは、進歩でありプラスだったかなと感じます。
――先ほど、「なんで勝てないのか」という言葉もありましたがリーグ戦11位という位置については
平松 やばいというのはあります。来年は自分たちの代です。2部で戦いたいと思っている人は誰もいません。その中で4年生がどうにかやってくれていますけど、もっと3年生がやらないと今年もこのまま…。一昨日(8月20日関東リーグ東京国際大戦)も引き分けて今も11位です。3年生がなんとかしなくてはという気持ちはすごい強いです。
森 最初の方はなかなか勝てませんでした。チーム全体としていつか勝てるだろうという雰囲気があった中で、前期は1勝しかできなかったです。チームとして危機感を感じています。特に3年生以下は来年のことを考えると、後期で勝つしかないです。危機感をどうプレーに生かせるかが大きな課題かなと思います。
奥田 自分としては学年にこだわりたくないなというのはあります。でも、大学サッカーにおいて4年生が大事と言われています。その中で4年生はやっています。それでもできないなら、俺ら3年がもっと4年の力になれるようにやっていかなくてはいけません。11位で流石にまずいなというのはあります。ただ、まだ半分です。中断期間で積み上げられたものがあるので、上がっていくのは可能だと思います。本当は結果を受けてでは遅いのですが、その結果を受けてみんながスイッチを入れられればと。良かったとは言えませんけど、現在の結果であるからこそやらなくてはいけないという気持ちがあると思います。それに関しては、逆に強くなれたかなと思います。
――順大戦での勝利というのは、チームが変化した結果でしたか、それとも積み上げていった結果でしたか
平松 それこそ璃太も言ってましたけど、流経の時にもう1度ベースに立ち帰ろうとなりました。ランニングを起こすだったり、球際に強く行くだったりなどを監督から「そういうところをしっかりやろうよ」と強く言われました。しっかり自分たちを見つめ直して、きれいなサッカーではなくて、サッカーの本質的な部分をもう1度見つめ直そうとなりました。詳しい時期は覚えていないんですけど、その辺りから簡単に負けなくなりましたね。1人1人が頑張ることでチームとしての粘り強さがついてきたのかなと思います。
森 具体的な時期とかはちょっとわからないですけど、新しいコーチが来てくださったのもあります。今年の4年生を見ても上手い人が多いですが、戦う姿勢やサッカーの本質的な部分に関して弱かったところが前期の中盤までありました。流経戦、順天戦辺りで4年生中心にサッカーの本質の部分を明確にすることができたことが、勝ちや引き分けにつながったのかなと思います。
奥田 ベースに立ち返るというのは東京国際に0−3で負けてからくらいですかね。圧倒的差を見せつけられて、フィジカル的にも何もできなかったことを突きつけられました。ベースに戻ろうというところと人間性の部分。ピッチ外の性格の部分はピッチ内に出ます。そう言った部分もサッカー部だけどサッカーだけじゃないよというのはその時期くらいから大事にし始めました。
――4年生を中心にチームを再び立て直す中で話し合いの場が設けられたのでしょうか。それとも、グラウンドの中でチームを再構築していったのでしょうか
平松 外池さんはずっと大学サッカーは4年生だよと言われています。自分たちもそうなんだと思っています。4年生の中でいろいろ話し合いはあったと思います。それを自分たちに言葉で伝えるのではなく、話し合ったことをグラウンドの中で体現して見せるという感じですね。
――前期リーグは得点数7点とリーグ最下位となっていますが攻撃の課題は
平松 自分は一応中盤の選手なので、ミドルシュートが少ないと思います。やはりミドルは打てば入っちゃうかもしれないし、その後のプレーでも相手のラインが少し上がることもあります。後期はミドルシュートをたくさん狙いたいと思います。
森 自分もDFから前の選手にコンバートしました。前期は得点数に比例してシュート数も少なかったと思います。自分自身もクロスだけでなくてシュートの質であったり、決める選手でないと目立ちもしません。後期はシュートという部分を意識していきたいです。
奥田 璃太も言ったようにチャンスの量が少ないのかなと思います。10回に1回くらいはチャンスがあります。決めるのに決定力をつけるというのも大事ですが、強いチームというのは何回もチャンスが来ます。強いチームのストライカーは何回外しても1点、2点は取ります。そのチャンスの量を作るために今やっているランニングだったり、クロスだったり、やり切るというところ、ゴールに向かうという部分を全員で意識しなくてはいけないと思います。
――チームとしてチャンスを作れなかったのでしょうか、それとも相手が作らせてくれなかったのですか。また、試合を経るごとにチャンスが増えた理由はどこにあったのでしょうか
平松 単純に自分たちが下手でした。特に前期の初めは俊也(鈴木俊也副将、商4=東京・早実)とか平瀬(大、スポ4=サガン鳥栖U18)監物(拓歩、スポ4=清水エスパルスユース)とかいろいろいなくて。ビルドアップも安定しない中で、いろいろやりたいことはあるんですけど、個人個人がごちゃごちゃになってしまっていました。そこに統率力がある人が入ってきてくれたので「こういう時はこうしよう」とチームとして「この時はこうだよね」とはっきりしました。そこから少しずつチャンスが増えるようになったかなという印象です。そこは前期の中で1つ成長できたいうか、4年生たちがチームを成長させてくれた部分かなと思います。
森 ランニングを起こしている選手を使ってクロスから得点のように、サッカーがよりシンプルになった。そもそものゴールに向かう回数というのは増えたかなと思います。ゴール前のアイディアであったり、きれいにやろうとか上手くやろうというよりもゴールに迫る回数が増えたからこそ、シュート数や得点が増え始めているのかな。
奥田 前期はビルドアップに手間をかけていました。ビルドアップにかなり人数をかけて、そこでスピードダウンのままゴール前に行ってやりきれないなどがありました。相手に押し込まれて、カウンター行ってこいというのが多かったです。3バックにしたことでスムーズなビルドアップにすることができました。前にかなり人がいるので、その点は3バックにして良かったかなと思っています。もっともっとやっていかなくてはと思います。
「璃太が上げて、陽琉がくれて、俺がゴラッソ!」(平松)
インタビュー中に満面の笑みを見せる平松
――厳しい戦いが続いた中で前期リーグ戦のMVPを挙げるとしたら
平松 俺は袈依廉(ヒル、スポ2=鹿児島城西)で。助けられすぎたというか、あいつがいなかったら本当に本当に引き分けじゃなくて負けていた試合がもっとあったと思います。失点ももっと多かったはずです。袈依廉も自身自分で課題を感じているとは思いますけど、毎試合助けられているなと感じております。
森 洋斗(植村、スポ3=神奈川・日大藤沢)。ちょっとアミノの後ケガしましたけど、前期からずっとスタメンで出ていましたし、ずっとチームの中心でやってくれていました。なので、洋斗です。
奥田 自分も袈依廉が(MVPと)思ったんですけど…大(平瀬)。前期、守備陣は頑張ってくれました。点が取れない中で、引き分けで終われるというのは守備陣のおかげです。守備陣が安定して3人とかで守っているんです。大、監物、袈依廉とかだけで守ってくれたりします。そこは頼もしいです。
――厳しい戦いの中でも奥田選手は明大戦のアディショナルタイムで劇的同点ゴールを、平松選手は順天堂戦前半9分に先制ゴールを決められ…
森 僕だけ…。
平松 璃太(笑)。
一同 (笑)。
森 3人!
――ここぞという場面で底力を見せているように思いますが
平松 自分は1度(シュートを)外してしまっていたので。あと、母数が増えたので。
――(早スポの独自記録によると)平松選手は前期リーグ戦はシュート数1位でした
平松 本当ですか。
森 まじで。
――すみません…駒沢選手(直哉、スポ2=ツエーゲン金沢U18)に続いて2位でした
奥田・森(笑)
平松 まぁ、確かに。だいぶ上がるようになって、ちょっとチャンス数が増えたので、ラッキーな1点でしたね。執念というか、まぁ、ボールがあったというか。
奥田 お前のって…。
平松 璃太が上げて、陽琉がくれて、俺がゴラッソ!
一同 (笑)
――順大戦、森選手のプレーに覇気を感じました
森 あ、あれはそうっすね。
平松 俺は感じなかった(笑)。
一同 (笑)
奥田 順大戦は覇気すごかった(笑)。
平松 順大戦は璃太、目パキッてた(笑)。
一同 (笑)
森 僕、クロス数1位じゃないですか!?
平松 関係ねぇだろう。
森 クロス数1位だと思うので!
――はい!すみません(笑)
森 そこは結構…、ね。
――すみません(笑)。これからはクロス数も記録させていただきます。奥田選手はいかがですか
奥田 前期後半からは、途中出場が多かったです。「なんとかしてくれ」と監督に送り出されることが多かったので、チャンスだけに集中しました。東洋戦とかは外してしまっていますし、他にも(シュートを)外す試合がありました。少ない時間の中でゴールに向かえるか、どれだけ強くいけるかが重要だと思います。その辺は日々の練習から取り組んでいきたいです。
――森選手は、前期途中からポジションが1つ前、サイドハーフになりましたが変更はいつ伝えられたのですか
森 伝えられてないですけど、前期中断した期間くらいに1個前をやり始めました。流経戦からいきなり1個前をやって、そこからずっと前でやっているかな。
――感触としてはどうですか
森 1列…。
平松 もうサイドバックできないだろ。
森 1列前なので、よりゴールに迫る回数が増えました。最初は自分の中で「なんでサイドバックをやらせてくれないんだ」という思いがありました。徐々にやっていく中で、前で自分の良さを引き出すにはどうすれば良いのかという思考になれたので、今はポジティブに捉えています。
「速さを生かす機会が増えた」(森)
インタビューに答える森
――御三方とも前期は背番号1桁をつけていましたが、そこに対する思いなどはありますか。平松選手は6番でしたが
平松 まぁ、びっくりでしたね。今年も13番だと思っていたので、「俺でいいんか」と思いながら「ラッキー!」と思っています。
――森選手はいかがですか
森 僕、2番なんですけど。おばあちゃんから連絡が来て。
奥田 マジでおもろい(笑)。
――おばあさまからですか
森 はい。おばあちゃん、僕がサッカーを始めた頃からサッカーが大好きなんです。それで、背番号はサッカーのうまい順だと思っていて…。
一同(笑)
森 去年の12番から今年は2番になったので、おばあちゃんからは2番目にサッカー上手いって思われています。
一同 (笑)
森 だから、おばあちゃん的にはよかった。
――自分的には
平松 自分的には(笑)?
森 自分的にはポジションが変わっちゃったんで、1個前で背番号2番というのはちょっと…何か…いいのかな…。あんまりイメージが…、はい。
平松 良かったね。おばあちゃんに勘違いしてもらってて。実際、上手さだったら90何番よ。
森 おばあちゃん全部メモってる。スタメンとか。
――おばあさま、そんなにサッカー好きなんですか!
森 はい!
奥田 こいつがフロンターレとかの試合見たいはずなのに、おばあちゃんが家で見てるからこいつ見れないんですよ(笑)。
一同 (笑)
森 DAZN、10分前に入っても見れないんですよ。
奥田 おばあちゃんに見られてて(笑)。だから、いつもこいつ試合見れてないんですよ。
――お茶目なおばあさまですね。奥田選手は9番でしたが
奥田 去年から9番いただいてています。ずっと9番は好きです。高1、2は19だったんですけど、小5からずっと9をつけています。9は1番好きな数字なので、嬉しいです。ずっと変わらないようにしたいです。
――昨シーズンと比べ、個人的に最も変わった部分、成長した部分はどこですか
平松 毎回これを聞かれると言っているのですが、サッカーが上手くなりました!
一同 (笑)
平松 やはり今までサッカーのテクニックなどを教えていただいたことがなかったので。サッカーの本質的な部分しかやってこなかった人間なのでね。まぁ、サッカーのボールフィーリングとかがだいぶ上手くなったかなと自分で感じております。
――森選手はいかがですか
森 速くなりました。
――さらにですか
平松 サッカーじゃあねぇじゃん(笑)。サッカーのこと言えよ。
森 はい、さらに。速さを生かす機会が増えましたね。スプリントの回数だとか。より走れるようになりました。
――より走れるようになったというのは距離など体力的にですか
森 距離というか、スプリントの回数とか。最高速をいつ出せるかみたいな。
――なるほど。奥田選手はいかがですか
奥田 足が太くなりました。
――足ですか。筋トレに励まれたということですか
奥田 そうですね。今年の1月くらいからいき始めたところがあって下半身…。
――下半身専用のジムがあるんですか
奥田 専用…重点的にですね。そこで乳酸をためたりとかして、足が太くなりました。ちょっと食事も変えて、体を絞りました。
――食事を変えられたということで、筋肉に良い食事を教えてください
奥田 タンパク質多めとか(笑)。油物をあんまり摂らないとか。
――節制されているんですね
奥田 お酒は元々飲まないですけど、お酒を飲まないとか。あとは、人工甘味料のジュースを飲まないとかですね。
――徹底的にやられているんですね
「共に頑張ろうよ」(奥田)
平松と森の会話に笑顔を見せる奥田
――前期、アミノバイタルカップまでのお互いのプレーの印象についてお聞きします。平松選手、森選手のプレーはいかがでしたか。点数をつけるとしたら100点満点で何点になるでしょうか
森 (笑)。
平松 う〜ん、25点とかですかね。
森 低っっく。
――その訳は
平松 だいぶ走れるようになったので。
奥田 (笑)。
森 言ってんな(笑)。
――そこを評価しての25点ですか
平松 自分の方がまだ速いので。
――そうなんですか(笑)
森 完全におかしい。
平松 サイドの選手だったら、もうちょい速くなってほしいですね。特に前期の後半は璃太がスイッチ、攻撃は璃太スタートみたいな感じでした。まぁ、自分もボランチの右側でやることが多いので、璃太がサイドハーフだと、横ぽーんって蹴ったら全部追いついてくれるのでだいぶ助けられてます。まぁ、25…70点にしておきます。
奥田 急に高っ(笑)。
森 おぉ〜。
平松 後期はもう少し頑張ってほしいなと思っております。
――奥田選手の評価はいかがですか
平松 何点かな。同じ70点で。
奥田 おぉ〜。
平松 まぁ、明治の得点がデカかったですね。あれでだいぶ引き上げてます。チーム的にも明治と引き分け、負けなかったというのは大きいですね。AGFの明治なんて、ぼこぼこにされるイメージしかなかったので、我々。本当にあの試合はチームにとってデカかったので、70点です。後期はもっと得点をとってほしいですね。6点くらいはとっていただいて、お願いしたいです。
――森選手は、平松選手のプレーはいかがでしたか
森 真面目にいくと…。
平松 95!
森 85点ですね。
――かなり高いですね
森 出場機会が増えたので。去年の前期とかは平松は出ていなかったので、出場機会が増えたというのは平松自身の成長だと思います。その中でもプレーの強度であったり、1つ1つのプレーに関して期待を込めての85点。
平松 なんだよ、期待込めるなよ。
――奥田選手のプレーはいかがですか
森 陽琉は…。陽琉はね、70。去年から途中から出ることとかが陽琉は多い中です。同じ部屋だからわかるのですが、途中から試合に入っていく集中力の作り方など試合前日のモチベーションの作り方がうまいです。自分は、そういうの下手なので。
――森選手はスタメンでない試合はモチベーション作りは特に何もしないということですか
森 何もしないというか、「途中からかよ」みたいな(笑)。
奥田 思ってるけどね(笑)。
森 サッカー選手は出れない時期があります。陽琉は、そこの作り方が上手いのでスタメンで出た時と変わらないです。なので、ピッチ外の部分も評価しての高評価です。
一同 (笑)
森 陽琉が得点とってくれることに期待して。
――奥田選手は平松選手のプレーいかがですか
奥田 平松は90点で。
森 高っ。
――高評価ですね
奥田 見たらわかるじゃないですか。常に全力でやってるから。
平松 (森を見て)お前とは違うな。
奥田 常に全力でできるという部分に関しては、才能だと思います。残りの10点は結構、(平松の)決定機がイメージに残っているのでそれを取れればと。ボランチで得点が取れたら満点かな。
――森選手のプレーはいかがですか
奥田 森選手はまぁ、森選手か。厳しめに60点くらいで。共に頑張ろうよって。この前もベンチ外になってしまったので、共に頑張ろうよと。でも、良いものを持っているし、走りが速いのは武器です。少しムラがあるので、メンタルの部分の作り方を教えていければと思います。
「可愛いけどプレーは男」(森)
順大戦で覇気あるプレーを見せた森
――アンケートにて仲の良い選手としてそれぞれのお名前を挙げられましたが、まずはプレーの面から他己紹介をお願いします
奥田 早慶戦のプログラムでも書いたんですけど、(森は)とにかく走りが早くて休日も自分を高めています。トレーニング中毒なので「トレ中」と呼んでるんですけど(笑)。本当にトレーニングが好きで、自分が良くなるためだったら何でもやるみたいなとこはありますね。
――一緒にトレーニングはされますか
奥田 一緒にはやらないですね、違うところに行ってるので。基本二人とも部屋にいないです。どっちかが筋トレしてたりだとか、走りに行ったりだとかしてますね。
――森選手から平松選手の他己紹介をお願いします
森 平松はまあ、可愛い。
平松 プレーやぞ、お前(笑)。なんやプレーが可愛いって、全然褒め言葉じゃないやん!
森 見た目可愛いけど、プレーとのギャップですね。
平松 あー、ギャップ萌えか。
森 ギャップはあるかな、最近マッシュだし、髪型。可愛いけどプレーは男、みたいな。ギャップに結構弱いじゃないですか。
平松 誰に対して(笑)。プレー言えや(笑)。
――プレーはどこにかっこよさを感じますか
森 常に全力というか。そこは陽琉も言ってたんですけど、90分間通して抜けてるとこがないっていうのは平松の武器だと思います。最近一緒にトレーニングするようになって、足も速くなりましたし…。
平松 お前が俺に追いついてきたんだよ。俺の方が速いから。
森 まあ、脚見てもらえれば分かると思うんですけど。 結構良い脚してるんですよ、期待してます。
――平松選手から奥田選手の他己紹介をお願いします
平松 陽琉は「THEストライカー」ですね。最近はそれが振えてないですけど、最近ゲバ(対内練習試合)でいっぱい決めてるんで。まあ公式戦でそろそろ見たいなっていう。クロスの入り方がめちゃくちゃ上手いんで、ちょっとそこは見習ってます。見習おうとして一緒に試合出てると陽琉と一緒に行っちゃうんで、やべって思って戻ってるんですけど(笑)。俺も陽琉もサッカースタイル的にニヤの方が好きなんで。あとこの前ゲバで思ったんですけど、陽琉は最近、足速くなったんですよ。
奥田 え、まじ?
平松 うん、速くなったなあって。
――みなさん足が速くなられたということですね
平松 自分は元々速いんですけど、さらにですね。監督にウィングバッカー直訴してるんで。
一同 (笑)
プライベートではいかがですか
平松 璃太は気持ち悪いですね。めっちゃ触ってくるんですよ、身体を。
――どこをですか
奥田 どこをって(笑)。
平松 全身です。舐め回すように。結構二人で遊びに行ったりもするんですけど。
――どこに行かれるんですか
平松 買い物とか、原宿とか行ったり、前は遠くに行ったよね。
森 秩父の方に行きましたね。川の方に。
平松 あ、あとヒップホップ好きなんで、最近は一緒にサイファーしてます。
森 はい、結構マイメンなんで。
平松 最近は自分一人でやってるんですよね、あんまり付き合ってくれなくて。そろそろサイファーしたいなと思ってます。
――森選手から奥田選手お願いします
森 陽琉は結構アクティブなんで、一人でサウナとか行っちゃったりとか…。
奥田 行っちゃったり(笑)。
森 マジでアクティブで基本どっかにいます。
奥田 「寮にいるのは寝るときだけで良いや」って思ってるタイプです。
森 最近は一緒に遊びに行ってないですけど、ずっと一緒に居るんで。試合前にサウナ行ったりしてます。
――お二人はルームメイトとして話す機会が多いと思いますが、どんなお話をされますか
奥田 いや、もう話すとかじゃないっすよ(笑)。「今日何やった?」とかですね。「オフ何してた?」とか、話すことマジでないっす(笑)。
――奥田選手から平松選手の他己紹介お願いします
奥田 それこそ松はあんまり遊びに行ったりしないんですけど、服が好きなイメージがあります。買い物とか、お洒落なんで。みんなと仲良くて、いろんな人と遊んでるイメージあります。料理も出来ます。
平松 振る舞いましょうか?
奥田 料理も出来るので、まあ良い旦那さんになるんじゃないかなと。
森 ママでしょ。
一同 (笑)
平松 良いママか(笑)。
――料理は趣味で始められたのですか
平松 自粛期間あったじゃないですか。あの時に実家に帰ってたんですけど、自分以外家に居なくて。みんな仕事だったので、自分が夜飯作ってました。そのときは調べて色々作ってたんですけど、そのあと一人暮らしになったので、まあチャチャっと作っちゃいますね。ね?
森 知らない、食ったことないし。
――平松選手の手料理を食べたことはないんですか
森 ないですね、自分で全部食べちゃうんですよ。
奥田 (平松は)寮に最初はいたんですけど、作り置きとかしてるイメージですね。自分で実家で作り置きした物を冷蔵庫に保存とかしてたんで、すごって思って。
平松 女の子以外には食べさせません。
奥田 そういうスタンスで行くの(笑)。大丈夫?
――夏休みの印象に残っている思い出はありますか
奥田 印象に残っている思い出…。俺、毎日大体誰かと会ってるからなあ。
平松 やりたいことはバーベキューしたいですね。本当に。
奥田 学年でバーベキューしたいですね。やる予定はあったんですけど、コロナとかでなくなっちゃって…。
平松 この間、筋トレしてたの、着替えてたら小松が来て、そのままドライブ行った。
森 する予定無かったの?
平松 一切無かったよ。
奥田 すごいね。
平松 そっから江ノ島行って、飯食って遊んで、小金井湯行って、 1、2時くらいに帰ってきた。
奥田 小金井湯良いんだよなあ。
――森選手はいかがですか
平松 この人あんまり友達居ないんで、聞くのやめてあげてください。
一同 (笑)
森 花火大会行きたいですね。 夏祭りとか。
平松 花火したい!
森 海とかそっち系は行こうと思えば行けるんですけど。
奥田 花火も行こうと思えば行けるだろ(笑)。
平松 まあ、場所とか決まってないからね。
森 花火大会とか夏祭りとかそういう系がしたいです。
奥田 確かに、花火したいなー。
「早稲田大学という誇りを持って戦いたい」(平松)
アミノバイタルカップ専修大戦で前線に指示を出す平松
――では、ここから早慶戦についてお尋ねします。早慶戦はどのような舞台ですか
奥田 入学前にゴリ(加藤拓巳、令4スポ卒=現SC相模原)君が(2019年の早慶戦で)決勝ゴールを決めてるのを見た、っていうのが俺の中の最初の早慶戦です。あのロスタイムで決めて早稲田側全員が喜び、試合後にみんなで歌う感じを思い出すと、改めて、すごい舞台だなと感じます。この舞台でMVPになりたいっていう思いで、早稲田に来たというのもあります。本当に特別な舞台です。1年目はスタメン出させてもらって、2年目はベンチ外で。1年の時は嬉しい思いをし、逆に去年はめちゃくちゃ悔しい、人生で1番くらいの悔しい思いをしました。本当に特別ですね、早慶戦は。簡単には出られませんし。
――普段のリーグ戦とはまた違った特別な思いがあると言うことですか
奥田 違いますね。
――森選手はいかがですか
森 去年スタメンで出させてもらって、設営とか準備とかいろんな・・・。
平松 どんな舞台ですかって聞かれてるんだから、まず一言で表さないとだろ。
一同 (笑)
森 特別な舞台です。
――どういったところが特別だと感じますか
森 やはり試合に関わる人が多いというのは一つあります。観客数もそうですし、1試合運営するために早稲田と慶応の支えてくれる人たちの人数も多いです。90分だけではない、試合以外の時間を多くの人が費やしてくれています。そういった意味では、ピッチの中で活躍したいという思いが一番表れるのが早慶戦かなと思います。
――今年、出場されると昨年につづき連続出場となりますが、緊張はされていますか
森 緊張は別にないです。むしろ楽しみの方が強いです。
――平松選手はいかがですか
平松 私は伝統の一戦だと思っております。やはり多くの方々が出資して、OBの方々がおられる上で成り立っています。早稲田大学という誇りを持って戦いたいなと思っております。まあ、いわば祭りですね。何しても許されるので。敵は慶応ですが、早稲田のための祭って感じですかね。慶応には祭にさせない、あいつらはもう泣いて帰ってくるので。
一同 (笑)
――昨年は、10年ぶりに敗北しましたが
奥田 俺らが入学してから(早慶戦は)勝ってないです。それこそ昨年は負けたので、それを俺はピッチ外から、目の前で見ることしか出来ませんでした。やるせない気持ちというか、何も出来ない、自分が不甲斐ないというか。みんなが(ピッチに)ぶっ倒れてるあの光景を今でも覚えてます。今年はなんとしても勝ちたいです。勝つことは、後期リーグにもつながってきます。そこに勝つというのはめちゃめちゃ大事なことかなと思います。
森 去年、試合終わった後にいろんな人に「試合お疲れ様」と声かけてもらった中で、やはり勝てなかったことに申し訳なさを感じました。今年こそはという気持ちは去年に比べて、より大きくなっているかなと思います。
平松 去年俺は90分間、ベンチにいました。交代枠が1枚余っていました。ベンチにゆう君(田部井悠、令4スポ卒=現ザスパクサツ群馬)とまさ君(杉田将宏、令4スポ卒=現アルビレックス新潟シンガポール)っていう4年生がいて、どちらかに出て欲しいっていう思いがありました。結局どちらも使われないまま、交代枠を1枚残したまま終わってしまいました。あのときのあの二人のなんとも言えない顔をまだ鮮明に覚えています。横を見たら幹君(浦田、令4スポ卒)が立ったまま泣いてて、慶応に負けたっていうよりも、あの3人の顔が自分の脳裏に焼き付いています。去年、ああいう悲しい思いをした人たちのためにも。(今年勝つことが)あの人たちにとって報われる訳ではないですけど、あの人たちの分までという目標を持ってやりたいと思っています。
――ア式蹴球部として3年目の早慶戦ですが、同期や4年生にどんな思いがありますか
奥田 学年を問わず勝たなきゃいけません。とにかく勝たなきゃいけない舞台です。今年3年として、4年を絶対に勝たせて卒業させてあげたいっていう思いはもちろんあります。本当に特別な試合なので、そこで負けて卒業するっていうのは多分すごい悔しいもので一生心に残るものだと思います。自分たちも、もちろん勝ちたいですし、今年の4年生も勝たせてあげたいです。
森 今年は去年、一昨年と違って定期戦でないので、順位とかリーグ戦に影響ないという状況です。やはり勝たなきゃいけない。勝ちだけを求めると言ったら言い方が悪いですけど、内容はどうであれ、勝って4年生を送り届けたいです。チーム全員で喜びたいっていうのが一番ですね。
平松 4年生は気合い入っていると思うのでそこに遅れをとらないように4年生について行く、それ以上の気持ちを持ってやりたいなと思ってます。
――今年の慶応の印象や手強いなと思う選手を教えてください
森 (川崎)フロンターレの中学の同期が2人と1個下に1人います。3人とも試合にちょこちょこ出ています。去年1人も慶応に知り合いはいなかったんですけど、今年は3人とも一緒にやってた仲なので、彼らとの対戦は楽しみですね。
平松 大変申し訳ありませんが、誰1人知っておりません。申し訳ございません。
奥田 俺も2部なんであんまり知らないですけど、あえてそういう情報をとってないのかもしれないです。
――早大の中で意識されている選手はいらっしゃいますか
奥田同じポジションの駒沢だったり。でも、それは登録関係ないので、全カテゴリーのFWがライバルです。今から1番ポジションを掴めるように頑張りたいです。
森 ライバルというか自分自身との戦いなので。
平松・奥田 きっつ〜い(笑)。
森 そこの殻を破れるように頑張りたいです。
平松 璃太は自分と言っていましたが、自分はライバルは璃太だと思っています。一緒に早慶戦に出て自分の方がスプリント回数を稼ぎたいと思います。
森 おい。
――期待しております。早慶戦の注目選手は誰ですか
奥田 大。やはり苦しんでいる姿を3年間見てきたので、絶対に出ると本人も思っていますし、俺も一緒に試合に出たいです。大は、明治戦で得点をとった時に1番喜んでくれました。大が戦う姿や喜ぶ姿に期待しています。
森 早実ということもあって、俊也かな。外池さんから早実が早慶戦に出れるということはかなり大きい意味があるということを、早実の人たちは言われています。今年、副将ですけど徹君(柴田徹主将、スポ4=湘南ベルマーレU18)の影響でずっとキャプテンマークを巻いてチームの先頭でやってきてくれました。早慶戦で勝たせてあげたいなと思いますね。
平松 てつですね。あぁ、徹君ですね。やはりケガで出場はできないと思います。その中でも裏でいろいろ動いてくれたり、試合前に声をかけてくれたりしています。ピッチで、彼の姿を観客の方々は見れないと思います。なので、チームにどういう働きかけをしているのかを見てほしいです。
――スコアの目標は何対何ですか
奥田 何対何!
森 3ー0で。3人でそれぞれ1点ずつ決めて。
平松 璃太は無理だよ。
森 じゃあ、アシスト3で。
平松 いやいや、スコアだから(笑)。
奥田 苦しい戦いにはなると思うので2ー1で。
平松 1ー0で。ロスタイムに自分が決めて、服を脱いでユニフォームを回すんで。
――ゴールパフォーマンスも既に決まっているんですね
平松 はい、もう!(ゴールパフォーマンスのフリをする)
一同 (笑)
平松 やりますので。
――楽しみにしています(笑)。最後に早慶戦への意気込みを教えてください
奥田 MVPになるために早稲田に来たようなものなので、早慶戦でMVPになります。点をとってチームを勝たせたいと思います。
森 アシストと得点で結果を出したいです。あと、見ている人に「こいつ、やべぇ」と思わせるプレーをしたいです。
平松 自分は自分自身の結果には興味がないので、ちょっといっぱい走ってチームの少しでも力になれたらなと思っています。
――ありがとうございました!
(取材・編集 水島梨花、宮下幸 写真 前田篤宏、水島梨花、髙田凜太郎)
早慶クラシコに向けた意気込みを書いていただきました!
◆奥田陽琉(おくだ・ひりゅう)(※写真左)
2001(平13)年5月23日生まれ。182センチ。柏レイソルU-18出身。スポーツ科学部3年。基本的に寮にいる時間が少ないという奥田選手。一人でサウナに出向くこともあるそうで、森選手に「マジでアクティブ」と紹介されていました。身体づくりのための食事管理も徹底しているらしく、ストイックさに感動しました!
◆平松柚佑(ひらまつ・ゆう)
2001(平13)年9月16日生まれ。172センチ。山梨学院高出身。社会科学部3年。料理が得意で、寮生時代はよく作り置きをしていたという平松選手。対談では、平松選手のツッコミに何度も笑顔になる場面があり、料理のスキルに加え、ユーモアのセンスも磨きがかかっていました!
◆森璃太(もり・りいた)(※写真右)
2001(平13)年8月19日生まれ。171センチ。川崎フロンターレU-18出身。スポーツ科学部3年。森選手がサッカーを始めた時からずっとサッカーが大好きだという森選手のおばあさま。ア式の試合は森選手の出場に関わらず全試合チェックされているそうです。森選手のおばあさまのサッカー愛に敬服いたしました!