【連載】早慶クラシコ特集 第3回 1年生対談 佐々木奈琉×山市秀翔×本保奏希

ア式蹴球男子

 今季、ア式入部した3人。前期にはそれぞれ関東リーグでデビューを飾った。半年間で積み上げてきた経験は彼らにどのような変化を及ぼしたのか。

※この取材は8月18日に行われたものです。

「プロに行けなかったら絶対に早稲田」(山市)

関東大学リーグで4試合に出場している山市

――早稲田大学に入学されてから4ヶ月が経ちましたがここまで振り返ってみていかがですか

山市 高校サッカーから大学サッカーにいって、やっぱりピッチ内外のところで大きな変化があって、ピッチ内は大学サッカーの方が高校サッカーよりプレースピードも速くてそこに今やっと少し慣れてきたなという感じで、入った当初はプレースピードとか速くて慣れるの大変だったという印象で、ピッチ外のところは学年でミーティングを開いたりとかそういうのが活発に行われていて、横のつながりとか高体連の時も話し合いとかはありましたけど、早稲田よりかはなかったのでそこが早稲田に入って変わったなという印象です。

佐々木 高校よりサッカーというものを中心にカリキュラムなどを組めるようになって、よりサッカーに集中できる環境になったなというのは一つあって、後は早稲田大学は特にそうなんですけど主体性という部分で入部基準も設けられていますし、そこでピッチ内で自分を表現することもそうですけど、ピッチ外でも自分をどう相手に伝えるかというのを考えながらきて今に至るという感じです。

本保 自分はサッカー面で、大学になってプレー強度とかスピード感とかが全然高校とは違うので、そこが少し慣れるのに苦労したところで、後はやっぱり自分はクラブチームだったんですけど、そんな人数が多かったわけではないので競争というところで、上手い人たちがたくさんいてなかなか試合にも出れないし、競争が激しくなったなというのがあって、後は主体性という部分で今まではお互いが要求しあうところが少なかったので、主体性でチームが動いているところは大学に来て驚いてもっとやっていかないといけないと思っています。

――早稲田大学に進学した理由は何ですか

山市 自分はプロに行けなかったら絶対に早稲田というのを持っていて、98年の歴史の中でずっと早稲田は大学サッカーをリードしていて、関東1部で強さがずっとあって、そういったところに自分の身を置きたいなと思ったのと、後は練習参加とかにも何度も来ていて、大学サッカーは高校よりは(周りから)言われず、自分で考えてアクションしないと何も起きないので、そういうところに身を置きたいなと思いました。後はシンプルに田中雄大選手(令4スポ卒=神奈川・桐光学園)とか公平君(北村、文構2=神奈川・桐光学園)とか倉持快君(令4スポ卒=神奈川・桐光学園)とか宍戸凛君(商4=神奈川・桐光学園)とか先輩も行っていたので、それで選びました。公平君に話を聞いて、雄大君とか快君にも飯とか連れていってもらいました。

――具体的にどんなアドバイスをもらいましたか

山市 本当にここは主体性とかサッカー以外のところでも人間として成長できるよとアドバイスをもらって、そういうところが高校とは違うなと思い、早稲田は大学の中でも特にそういったところが優れているので、身を置きたいなと思って早稲田に来ました。

――佐々木選手はいかがですか

佐々木 僕はほかの選手と違って練習参加とかをして選んだというわけではなくて、結構遅くに監督の勧めで「早稲田に行ってみないか」と言われて、自分は最初から大学というふうには思っていたのですが、関東1部というところと学業の面でも優れているところと伝統があるというところで、ここに来れば間違いないというわけじゃないですけど自分の選択肢を広げるという上でも、これまでの人生は安パイの道できていたので、ここで一歩踏み出して挑戦しようという気持ちも込めて早稲田大学に来たというのと、早稲田らしさア式らしさというのがあると思うのでそこに魅力を感じて来ました。

――本保選手はいかがですか

本保 僕は高校の時にプロが無理だった場合どこの大学が良いか考えていた時に、先輩が(早稲田を)受けようとしていたのを聞いたりして早稲田が良いなと思ったのと、練習参加とかした時に本当にレベルの高い選手たちが集まって大学サッカーをリードする大学なので、そういった環境に身を置きたいなと率直に思ったので早稲田大学を選びました。

――高校と大学の違いで一番印象的なものは何ですか

山市 プレスが速い。もう前向いたらここに(相手が)いる。本当に速い。びっくりするよな。

佐々木 初めはね。デンソーの時にびっくりした。

山市 あれやばかったよね。

本保 初めはB(チーム)からスタートするんですけど、Bでも大学生ということでプレスとかが速くて、本当に慣れるのに時間がかかったのは今でも印象に残っています。

――山市選手と佐々木選手は3月のデンソーチャレンジカップで大学のトップレベルの選手と戦う機会もありましたが、あの時の経験はいかがでしたか

山市 大学生はやっぱり一回り大きかったです。すごい大きくてびっくりしました。

佐々木 絶望だった。何もできなかった。  

山市 何もできねえって感じでした。もうなんか高校選抜だからさ。

佐々木 ちょっとはできるかなと調子乗っていったら

山市 いけるっしょ1勝くらいという感じでいったら全く。何も通用せん。

佐々木 唯一山市君くらいですかね互角にやりあえたのは。

山市 まあそうっすね。

一同 (笑)。

山市 噓噓噓。

――みなさんは既にリーグ戦やアミノ杯で大学サッカーデビューをしていますが、ここまでの手ごたえはいかがですか

佐々木 自分は良いかたちでアミノ杯でデビューすることができたので、良い感じでスタートは切れたと思うんですけど、どっちも2部以下の相手でまだ1部の相手とはやっていなくて、そこは何とも言えないんですけど、大学サッカーの感じというか大まかな感触はつかめたのかなと思います。

本保 僕は1年で初めてデビューして、逆に初めで1試合出た分そこからの出場試合というのが1回もなくて、自分的には1回出れてこれからも出れるんじゃないかという甘い考えがあったのですが、そんなに甘くなくて上手い人はいっぱいいるので、試合に出続けれる選手にならないとなと前期を振り返って思います。  

山市 リーグ戦途中出場とかも含めて6試合、アミノ杯含めたら7試合くらい出て、植村君(洋斗、スポ3=神奈川・日大藤沢)とかはその試合の中でもずば抜けてるなと自分は見ていて思っているんですけど、やっぱり自分もずば抜けていかないと出続けることは難しいなと思っていて、そういう波をつくらないとか良い時もあれば悪い時もあるというのをなくしていきたいなと思っています。

――ア式に来てみて印象的だった選手はいますか

本保 自分は圧倒的に植村洋斗君で、ポジションが近いというのもありますけど見ていて本当に上手すぎるというか学ぶことが多いし、全てにおいて自分の能力より上回っているのですごいなと思います。

佐々木 藤本君(隼人、スポ3=柏レイソルU18)とかは(自分とは)違うタイプですけど紅白戦とかで敵対した時は、ボールを失わないし前にもこれるし運動量もあって結構嫌なタイプなので、プレーを見るようにしています。

山市 自分も植村君です。やっぱりあの人すごいです。時操っているみたいな、イメージはそんな感じです。なんかあの人の時空があります。プレーが嫌らしいし。自分はそんな上手い選手でもないし、でもちょっとは植村君からプレーを盗んでいきたいとは思っていて、自分も台頭していってこの(ポジション)競争に勝っていきたいと思います。

――ア式は今季なかなか結果が出ていませんが、考えられる原因などはありますか

佐々木 技術ベースというところはどの大学も関東1部は一緒だと思いますので、些細なところというかこの球際に負けない気持ちとか、最後顔でも押し込んでやるという気持ちとかそういう少しの繊細さというか、勝負の中でも大胆にやるところがある中でも、その少しのこだわりというのが大事になると思います。

本保 選手のレベルとかで言ったら別に他の大学から劣るということはないと思うし、プロに出てる人とかも結構いるので、やっぱり攻撃だった決定力の部分だったり、守備で最初前半は良かったけど最後の最後でやられてしまうとか、これ決めれば勝敗が変わるというところでもっとこだわっていかないといけないのかなと思って、後期やっぱりそういうところで決められるか最後守れるかというところで勝ち点を積み上げられるかが変わってくるところは、チームとしてもっと突き詰めていかないとなと思います。

山市 自分もメンバーとか見たら日本一取れるくらいの面子はそろっていると思うので、やっぱり奏希と奈琉が言ったように、これ落としたら負けちゃうなとかこれ決めたら勝つなという要所要所のところを取りこぼしているなというイメージがあるので、センサー働かして察知して、練習するしかないですけど、そういうところをしっかり取っていければ問題ないと思います。

――チームとして改善していかなければならない中でチームにどういうふうにチームに貢献していきたいですか

山市 自分はやっぱり(チームを)盛り上げていってチームを向上させていって、尚かつハードワークするところとかを全面に出して早稲田の勝利のために全身全霊で戦っていきたいと思います。

本保 自分は1年の熱量と言いますか走るところとかを徹底してやって、スタメンで出れるような選手じゃなかったので下からどんどん突き上げていって、チームとして競争の面で厳しくなるような選手になったり、後は自分は結構点を決めないといけない選手だと思っているので、そういった結果の部分でもこだわっていきたいなと思います。

佐々木 自分はそんなに先頭に立って引っ張ったりするタイプでもないですし、試合中にゲームコントロールするような役割ではないと思うので、そのゲーム中でとりあえず俺に(ボールを)つけとけば何とかなるくらいのそういう選手になっていかないといけないと思っていますし、チームが良くない時に良い方向に一人でも多くの人が前向きにプレーできるような環境というのを、1年生からつくっていかないとなと思います。

「意識高くやっているところは見習わないといけない」(本保)

関東大学リーグ第2節東洋大戦でデビューを果たした本保

――ここから少しプライベート面での話をお聞きしたいと思います

本保 山市大丈夫か?

山市 奏希大丈夫?

本保 俺は全然大丈夫だよ(笑)。

――まずはお互いの紹介を山市選手からお願いします

山市 奈琉は高校選抜の時からずっとやっていたんですけど、もう私生活の時に(そこに)いるか?みたいな感じで、プレー中はバーンとなっているんですけど、めっちゃ静かでクソ陰キャしてて、でも早稲田に来て一皮むけたのか分からないんですけど、ちょっとね大学デビューしてました。  

佐々木 してねえよ(笑)。

山市 彼は大学デビューしてました。なんかむちゃぶりみたいなのを言ってくるんですよ。自分は絶対やらないのに。ボケないんですよ。

本保 酷いんですよこいつ。マジですごいパス飛んできます。

山市 雑なパスがバーンって飛んできてな。人任せなんだよな。それで自分は絶対にやらないです。

本保 絶対に自分ではボケないのに人にばかり振って。

山市 でもボトル係で一緒なんですけど、本当に助かっています。本保選手は…社会不適合者です(笑)。

一同 (笑)

本保 おいおい。良いこと言え良いこと。

山市 奏希は初期メンバーみたいな感じでア式に入ってきて、仮入部が俺と奏希と増田健章(スポ1=横浜FCユース)と川辺(球尊、スポ1=大宮アルディージャU18)の4人が一番早くて、フィールドプレイヤーで寮生ということもあって、その4人で一緒に過ごすことが多かったんですけど、最初の方はこういうきのこヘアーの髪形ですし本当に真面目君かなと思っていて、段々慣れてきたのか分からないですけど、そこからがしんどいです(笑)。寮が隣の部屋なんですけどいっつも歌ってくるし、自分が一回コロナになった時も電話かけてきて意味わからないボケとかしてきたりして、ちょっと嬉しかったんですけど(笑)。

本保 お前がかけてきたんだろ。

山市 そういう面白くて優しい。まあ奈琉も優しくて奏希も根は良いやつ。だけどちょっと強がっちゃてるみたいな。彼も大学デビューです(笑)。

――お二方とも山市選手の紹介を聞いていかがですか

佐々木 まあ大体当たってます。大学デビューは違いますよ。慣れれば喋るんで。結構ガード堅いんですよ。

本保 結構酷い言われ方しましたけど、全然俺のこと見れてないなって。

山市 おい、噓つけ。

本保 もっと良いところあるのになと思います。

――続いて佐々木選手お願いします

佐々木 まず山市はマジでマイペースで何事もやるのが遅くて。ボトル係で一緒なんですけど、大体俺が仕事できちゃうので一人で終わらせて後から飯奢ってチャラねっていうそういう関係で、後はすぐキレそうです。

山市 おい、キレそうって言うな(笑)。

佐々木 奏希は笑いの波長が結構合って、お笑いのYoutubeチャンネルの人のボケとかして。ホントにお笑いが好きで、夜、奏希の部屋に行ったりして。

本保 よく来るんですよ、大好きなんですよ。(自分が)来るの遅いと、来るの遅いよって言われて求めてきてるんで。

佐々木 後は元気ですね。あんまり怒っているところとか見たことないです。

山市 いや、彼はキレ性です。

――どちらが本当ですか

本保 優しいっすよ俺。

佐々木 山市はちょっと自分のゾーンに入るときがあるので。

――続いて本保選手お願いします

本保 奈琉は最初は不思議で。一人で行動してるんですよいつも。でも仲良くなったり慣れてくれば、さっきも言ったようにえげつないふりをしてきたり、めっちゃ面白いです。だけど、最初とか一人で買い物行ったり、みんなで飯行こうって言ってるのに一人で違うとこ行ってたり、不思議だなという感じです。

――えげつないふりってどういったものがくるんですか

山市 とんでもないパス来ますよ。

本保 自分で会話始めて、奈琉が喋っているのに話が終わりそうな時に何て言うんだろう。

山市 「これどう思う?」みたいな。

本保 感想みたいなのを急にふってくるみたいな。

佐々木 (2人)がボケるので引き出そうっていう。良さを引き出すために盛り上げるためにやってるんですよ(笑)。

本保 それで山市は悪いところの方が多いんですけど(笑)

山市 おーい(笑)。

本保 良いところを言うとするなら、コミュ力化けなんですよ。自分がすごいなと思うのはマジで誰とでも話すので、先輩に限らずそこら辺に歩いている人とか、寮で知らない違うスポーツの人とかとも急に喋ったりするんで、そこは本当にすごいなと思う。後は意識高いです。サッカーのところとかで色々意識高くやっているところは見習わないといけないなと思います。

――具体的にどういったところの意識が高いですか

本保 食事のところもそうですし、トレーニング後とかも一人でやっている姿を見るとすごいなと思います。

――オフの日や休みの日はどういうふうに過ごされていますか

本保 僕は同期と遊ぶことも多いですし、この前奈琉君とかと映画を一緒に見に行ったり、後は高校の同期で結構関東にいる人も多かったのでそういう人たちと遊びに行ったりはします。

佐々木 週に1回月曜がオフで週6日間ア式の人と過ごしているので、その日は1人になるか高校の友達と遊んだりして、できるだけア式から離れるようにしています。嫌いとかではなくて。ア式から離れるようにして…。

山市 他の世界を知見を広げるみたいな感じ?

佐々木 うん。1人で買い物行ったりとか。高校の友達とどこかに遊びに行ったり、寮でアニメとか映画とかが好きなのでゆっくりそういうのを見て過ごしてます。

――一人で買い物する時はどういったところに行きますか

佐々木 新宿まで一本なので新宿に行くか。自分は中学・高校とアスレタを使っていて、アスレタが好きなので、原宿にあるアスレタ専門店に買い物行ったりします。

――山市選手はいかがですか

山市 ほとんど何もしないですね。

本保 休みの日にヤマと遊ぶってことが本当になくて、寮にいないんで。

山市 実家が近いので、実家に帰って。ア式の人たちとも遊びたいですけど、彼女がいるので…。

本保 ずっと彼女と遊んでるんですよ。

山市 後、月曜はパーソナルジムに行って、彼女と一緒に夜ご飯食べたりして帰ってくるみたいな感じです。

――実家にはよく帰られるのですか

山市 実家は毎週帰っています。パーソナル(ジム)がそっちの方なので帰って。なんで帰るんですかね、実家が近いというのはあると思いますけど、奏希とかは群馬の方で、奈琉も新潟だよな。

佐々木 石川ね。

山市 あ、石川だ。石川なんで簡単に帰省できないと思うんですけど、自分は運良く(実家が)近くて1時間くらいで行けるので、帰ってお母さんとお父さんの手料理食べて、寮の飯もすごく美味しいんですけどやっぱり家の味ってすごく良いじゃないですか。お母さんの作る豚汁・肉じゃが、お父さんの作るステーキを食べたくなって。ママの肉じゃがは美味しいです。

「自分が核となって試合をつくり上げるようになる」(佐々木)

デビュー戦では2得点に絡む活躍を見せた佐々木

――1年生はどのような学年ですか

山市 マジで仲良いです。

佐々木 仲良いです。

山市 同期会とかもやったりして、バーベキューとかも行ったんですよ。

本保 あ、山市君来てないです。

山市 その時ちょうどコロナで行けてなかったので、呼ばれてないとかじゃないです。

本保 え、そうだっけ(笑)。

山市 やめろ。マジみたいになるだろ(笑)。

本保 そうですね。夏休みに同期でバーベキューやったりね。

山市 寮生、寮外生って話す機会も少なくて、仲悪いわけじゃないですけどあまり話さないみたいな学年とかもあったりして、でも俺らの学年はみんなと話すよな。全員で本当に話します。

――最高学年の4年生ってどう映っていますか

佐々木 もう大人に見えます。

山市 確かにそれはありますね。シンプルに年齢が離れているというのもあるけど、大人っぽいっていうのと、後は自分たちはまだガキなので、ちょっとまだガキっぽいところも大人に対応してくれるというか、自分もふざけたこと言ってる時もあると思うんですけど、しっかり大人に対応してくれて本当に頼もしい4年生だなと思います。

本保 後、最高学年なのでチームを引っ張る意識というのはすごいあって、チームが良くなるために4年生が先頭でやってくれているなというのはありがたいです。

――特に仲良くしてくれる先輩とかいますか

山市 マジでみんな仲良くしてくれますね。

本保 そんな喋れない人とかいないです。

山市 (1人あげるなら)自分は徹君(柴田、スポ4=湘南ベルマーレU18)。高校の時から面識があったので。後は寮生とは結構話します全員と。誰かいる?

佐々木 自分は颯大君(スポ4=千葉・流通経大柏)で。颯大君はポジションも被っていて、そこで結構話すのもありますし、時々ご飯行ったりします。

本保 僕は俊也君(鈴木、商4=東京・早実)とかで。ご飯連れて行ってくれたりというのが多くて、可愛がってもらっています。

――外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)はどのような監督ですか

佐々木 高校と監督像が違いすぎて、高校の監督が怖くて威厳ある感じの監督だったので。良い意味で距離が近いという感じです。

本保 奈琉も今言いましたけど、監督と選手の壁があまりないというか、一緒になってふざけられたりみたいなそういうところは良いなと思います。

山市 自分は高校と似てるなという印象で。高校の頃も距離が近いって言ったら怒られるのかもしれないですけど、副担任だったので距離を近くしてくれたりして、俺は外池さんはすごく熱い男だなと思っています。 

――後期リーグや早慶戦に向けて今の自分が足りないと感じている部分は

山市 自分は中盤をやっていてもう少し上手くなって、ゲームをつくるとまではいかないかもですけど最低限ボールを失わないだったりとか、ボールを繋ぐ良いパス出すというのを最低限までもっていかないといけないと思っているのと後はフィジカルベースをもう一段階上げるというところは課題かなと思っています。後はもう少し喋れるようになりたいと思っています。

佐々木 これ以上に?

山市 なんかちょっと頭悪そうだなって思うでしょ俺、喋ってて。あんまり思わない?

本保 4年生がすごいからね。

山市 そうそう。あのくらいになりたいです。

佐々木 自分は試合によって結構波が激しいところがあるので、その波があるにしても高い基準であまり波がないようにしていくためにもですけど、ピッチ外での過ごし方だったり練習への取り組み方というのをもっと試合を意識して、取り組んでいくというところと、自分が核となって試合をつくり上げるようにならないとなと思います。

本保 そうですね。試合に出るためには一段階二段階と全てにおいて成長しなきゃいけないと感じていますけど、具体的に言うなら自分は攻撃の時にもっとボールを失わない選手にならないといけないなというのが課題であって、もっと少ないタッチでプレーするところだったり余裕を持ってプレーして、失う回数を減らすというのが課題で、後はもっと得点に絡めるとか結果のところでチームに貢献できればなと意識していきたいと思います。

「慶応を倒して勝ちたい」(山市)

1年生は仲が良い学年というのを示してくれた3人だった

――後期リーグ、早慶戦のキーマンになる選手は誰だと思いますか

佐々木 やっぱり点が取れていないので、直哉君(駒沢、スポ2=ツエーゲン金沢U18)で。同郷で結構近いのもあって。

山市 俺はピッチ外の選手。11人はやるのが当たり前だと思うので、ピッチ外の選手がいかにそのピッチ内の選手に対して、「あいつらの分までやらないといけないぞ」と思わせられるかが大事だと思うので、突き上げが一番大切だと思っています。

本保 僕はバック陣の監物君(拓歩、スポ4=清水エスパルスユース)だったり、大君(平瀬、スポ4=サガン鳥栖U  18)だったり、俊也君だったり颯大君。やっぱりバックが安定していれば点を決められることがなかったりするので、そしたら負けることはないと思うので、やっぱりプロ内定者も多いのでそこに期待して前は点を取れるようにというのがあるので、バック陣に期待したいと思います。

――各ポジションに技術の高い選手がいるア式でポジション争いに勝ち抜くために必要なことは何だと思いますか

本保 自分が思うのは、上手い人はいっぱいいると思うんですけど、上手い人たちとは違った自分の武器というのがないとこの先出場はできないなと思っていて、人それぞれタイプがあるので劣っている部分とかはたくさんあると思うんですけど、上手い選手よりも優れた部分を伸ばしていけば出場機会はあるのかなと思います。

佐々木 自分の中でしっかりとした芯を持つこというか、自分がこうしたいという意志があればプレーも自然と定まっていくと思いますし、何も考えない中でプレーをしてるだけだとやっぱり壁にぶち当たってしまうと思うので、自分がこうしたい、こうありたいという姿を常に自問しながらプレーしていくことで、自分が出る意味というのも出てくると思いますし、チームでの自分の存在価値というものがどんどん出てくると思うので、意志というのは大事にしていきたいです。

山市 奏希と奈琉も言っていたこともすごく大事だし、やっぱりベースは最低限やっていかないといけないと思っていて、ハードワークするところとか、そういうところはどこのチームもやっぱりそこがベースになってきて、自分はそこで勝負していかないといけない選手だと思うので、そういうところをやっていてそれにプラスして自分の何か強烈な武器を考えてやっているんですけど、そういうのを出していければスタメンとか試合数も多くなるんじゃないかなと思っています。

――最後に早慶戦、後期リーグ戦に向けての目標を教えてください

佐々木 早慶戦は勝利というところが一番だと思いますし、公式戦じゃないですけど早稲田にとってもすごい重要な一戦だと思うので、勝ちを持って帰ることと、後期リーグに向けては自分がしっかりと試合に出続ける、高いパフォーマンスを維持し続けるというところと、アシストだったり結果というところを求めてやっていきたいです。

本保 チームとしては勝ち点を積み上げていく、今も試合数は少ないですけど一番下にいるので、前期積み上げられなかった勝ち点というのを勝ちにこだわってやっていくというところで、個人としては前期は1試合しか出場できなかったので、出場をさらに増やすところを目標にしてやっていきたいなと思います。

山市 自分は早慶戦は去年2-3で負けちゃった試合を見に行って、あの試合で観客席から惜しいシーンにはため息とか「うわぁ」みたいなのがあって、そういうのを引き出せる早慶戦って素晴らしいなと思ったので、ああいう試合で勝てたら気持ちいいなと思うので、慶応を倒して勝ちたいです。リーグ戦はチームとしては勝つしかないので、もうさすがに日本一という目標を掲げて4年生中心になってやってくれているので、しっかりそれを突き上げていって勝ち続けて、残留、インカレ、日本一というところを目指してやっていきたいです。個人としては前期は試合に出場しましたけど、その試合の中で違いというものをあまり見せられていないので、「あいついて良かったな」と違いを見せられたらと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 髙田凜太郎 写真 栗田優大、水島梨花、野中美結、平山瑞姫)

早慶クラシコに向けた意気込みを書いていただきました!

◆山市秀翔(やまいち・しゅうと)(※写真左)

2004(平16)年1月20日生まれ。170センチ。神奈川・桐光学園出身。スポーツ科学部1年。佐々木選手が進撃の巨人を見始めたことを喜んでいた山市選手。進撃の巨人のボケが通用するととてもうれしそうでした!

◆佐々木奈琉(ささき・なる)

2003(平15)年7月13日生まれ。172センチ。新潟・帝京長岡出身。社会科学部1年。アニメが好きな佐々木選手。特に好きなのはキングダム、「めっちゃおすすめです!」とにこやかに語ってくれました!

◆本保奏希(ほんぼ・かなき)(※写真右)

2003(平15)年10月28日生まれ。173センチ。JFAアカデミー福島出身。スポーツ科学部1年。最近ワンピースの最新映画を見に行ったという本保選手。まだ映画を見ていない山市選手にネタバレしそうになり怒られてしまったそうです!