後期開幕!MF藤本が関東リーグ初得点を決めるもドロースタート

ア式蹴球男子
第96回関東大学サッカーリーグ戦 1部 第12節
早大 1-0
0-1
東京国際大
【得点】
(早大)40’藤本隼斗
(東京国際大)78’八木橋俊介

 前期リーグ戦はわずか1勝しかあげられず11位に終わった早大。今季はアミノバイタルカップ(アミノ杯)でも2回戦敗退と、苦しい戦いが続いている。前回の公式戦から1ヶ月以上のブランクの中、浮上のきっかけをつかむべく東京国際大との後期リーグ開幕戦に臨んだ。

 

関東リーグ初得点を決めた藤本

 序盤は相手に主導権を握られる時間が続くが、GKヒル袈依廉(スポ2=鹿児島城西)の好セーブもあり失点を許さない。早大は徐々に自分たちの時間をつくれるようになると、MF藤本隼斗(スポ3=柏レイソルU18)が決定機を迎えるがこれはクロスバーに阻まれる。それでも40分、FW駒沢直哉(スポ2=ツエーゲン金沢U18)のクロスを藤本が押し込み先制に成功する。「2点目のチャンスがこぼれて来たら絶対に入れるという意識があった」とチームに勢いをつける先制点となった。後半に入ってもMF安斎颯馬(社2=青森山田)を中心に相手ゴールへと迫るが、追加点は奪えず。一進一退の攻防が続く中、迎えた78分、相手に同点弾を許してしまう。その後はMF山下雄大(スポ4=柏レイソルU18)、MF水野雄太(スポ4=熊本・大津)、FW奥田陽琉(スポ3=柏レイソルU18)といった交代カードを切りながら再び勝ち越しを狙う早大。しかし、最後までゴールネットは揺らせず、1-1のまま後期リーグ初戦を終えた。

久しぶりの出場となった山下

 「本当に何もできずに、ゲーム運びも含めて完敗だった相手」と前期リーグの東京国際大戦を振り返った外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)。そんなJリーグ内定者も多く所属する難敵相手に「前期よりもワンランク上がった状態を示せた」(外池監督)と希望を持てる試合内容となった。3バックを採用し、普段より一列高いポジションでプレーする藤本が得点するという今チームの意図するかたちが体現できた一方で、1点リードを守り切れず同点に追いつかれてしまったことはまだまだ課題として残る。「ゲーム自体をどういうふうに進めていくかといったところに対してもう一回意識を持って、次のゲームにいきたい」と外池監督。それでもここからの戦いに向け手応えを得れた試合になったことは間違いない。3年ぶりの早慶戦の舞台での勝利、残留、そこからのインカレ出場、日本一へと向けた早大の新たな戦いが始まった。

(記事 髙田凜太郎 写真 藤田珠江、水島梨花)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません。

 

早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK ヒル 袈依廉 スポ2 鹿児島城西
DF 平瀬 大 スポ4 サガン鳥栖U18
DF 監物 拓歩 スポ4 清水エスパルスユース
DF ◎鈴木 俊也 商4 東京・早実
MF 24 西尾 颯大 スポ4 千葉・流通経大柏
MF 小倉 陽太 スポ3 横浜FCユース
MF 10 植村 洋斗 スポ3 神奈川・日大藤沢
MF 12 藤本 隼斗 スポ3 柏レイソルU18
→83分 31 山下 雄大 スポ4 柏レイソルU18
MF 平松 柚佑 社3 山梨学院
→83分 14 水野 雄太 スポ4 熊本・大津
MF 安斎 颯馬 社2 青森山田
FW 18 駒沢 直哉 スポ2 ツエーゲン金沢U18
→86分 奥田 陽琉 スポ3 柏レイソルU18
◎=キャプテン
監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦1部 順位表
順位 大学名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
明大 31 13 10 25 10 15
桐蔭横浜大 25 13 25 15 10
東京国際大 22 12 25 12 13
東洋大 20 13 23 14
法大 20 12 14 14
筑波大 19 13 14 12
国士舘大 16 11 16 10
拓大 16 12 19 19
駒大 11 11 10 22 −12
10 流通経大 10 13 15 34 −19
11 早大 12 16 −8
12 順大 13 25 −16
第12節終了時点
コメント

外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)

※囲み取材から一部抜粋

――1ヶ月の期間が空いての公式戦でしたが、どのような準備をしてきましたか

 チームとしての可能というか、チームにある前向きなパワーを起こすために、スリーバックにもチャレンジしました。それに対してみんなが前期の反省、自分達の足りないところと向き合って、選手同士がぶつかり合うとか、自分達から何かを起こそうというそういう部分にしっかり向き合って来れました。チームとしては、前期よりもワンランク上がった状態を今日示せたと思います。東国さんとの試合は、前期0-3だったので、本当に何もできずに、ゲーム運びも含めて完敗だった相手でした。勝ちたかったですが、そういうことを我々はやるしかないです。その先にしか見えてこないと思うので、非常に希望が持てる試合でした。

――今日の試合の評価はいかがですか

 色々コンディションの面はありましたが、たくましくというか、しっかりゲームを自分達から作りにいきました。ランニングを起こしたり、声を出したり、そういった瞬間を常に作り続けるというところに関しては、チームの力強さを感じるゲームだったと思います。

――前半はいかがでしたか

 駒沢(直哉、スポ2=ツエーゲン金沢U18)のゴールに向かう姿勢も良く、あれも一つのランニングから生まれましたし、ランニングに対して藤本(隼斗、スポ3=柏レイソルU18)が、本当にチームとして目指していたものが形になったと思います。藤本は器用な選手ではあります。しかし、ゴールとか本当の意味でチームに貢献していくというか、彼自身皮を破り、乗り越えていくというところでは、今日のゴールは彼自身にとっても自信になったと思います。そのこと自体がチームの成長を実感できる一つのシーンだったかなと思います。

――藤本選手の元々のポジションは

 サイドバックだったりが基本ベースです。ポジティブな声がけだったり、みんながやらないことだったり、良い意味での隙間を探して存在感を出してきた選手です。ほんとにそういう選手がゴールをするというところまでいったのは初めてでした。一つ外した中でもやり続けたというのは、とても評価しています。

――後半の失点で追いつかれる展開になりましたが

 非常に良い時間の進め方ができていましたし、自分たちの形でゲームが動いていたと思います。やはり相手の東国さんが持つパワー、前にカードを切る中で、そこで多少前がかりになったところをやられたなというところがありました。改めてですけど、そういうゲーム自体をどういうふうに進めていくか、たぶんあそこが一番苦しい時間でした。そういったところに対してもう一回意識を持って、次のゲーム行きたいと思います。

藤本隼斗(スポ3=柏レイソルU18)

――コンディションが良いように見えましたが試合を振り返って

 中断期間で結構早稲田としてはみんなで走るというところを意識しました。その成果が戦う姿勢や走るという部分に出せたのかなと思っています。

――安斎選手(颯馬、社2=青森山田)のこぼれ球をポストに当てた後、2度目のチャンスで得点を決めましたが

 あの場面で入れらればよかったんですけど、外してしまってだいぶショックを受けました。そこで2点目チャンスがこぼれて来たら絶対に入れるという意識がありました。決めきれてよかったです。

――試合中、藤本選手の声が多く聞こえました。声の部分を意識されていましたか

 監督からも声を出すようにと言われいて、自分のキャラ的にも意識しています。そこで声でまず自分たちを鼓舞してというのは意識している部分ですね。

――アミノバイタルカップの2戦でスタメン出場したことによる収穫はありましたか

 その前まで出てはいたのですが、アミノでスリーバックというものに挑戦して、ウィングバックとして出場しました。自分としては初戦は良くありませんでした。2戦目は負けてしまいましたが、自分の中ではポジティブな試合でした。そこから今日の試合まで公式戦がなかった中で良い準備ができたかなと思っています。

――早慶戦、後期と続きますが今後の意気込みをお願いします

 後期初戦は勝ちたかったのですが、最低限引き分けという形で入れました。絶対に降格はしてはいけないと思いますし、後期はしっかり勝ち点を積んで絶対に降格圏内から脱して残留を決めたいです。早慶戦に関しては、伝統ある一戦で絶対に勝たなくてはいけない試合なのでそこには気合いを入れたいと思います。

以下、囲み取材から一部抜粋

――右利きですが、左で使われるのに理由や狙いは何かありますか

 結構自分はサイド縦突破というより中盤に関わってというのだったり、カットインというのが求まられているます。右利きらしい左サイドバックをやっている感じですね。

――今日の得点シーンも入っていくのは意識していましたか

 いつも監督が逆サイド突破した時に絶対に逆サイド遅れるなと言われているのでそれが体に染み付いていて出た得点かなと思っています。

――大学リーグでは、初得点ですか

 はい、初ですね。今日は本当に決められてよかったかなと思っています(笑)。