第96回関東大学サッカーリーグ戦 1部 第11節 | ||||
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早大 | 0 | 0-1 0-1 |
2 | 法大 |
【得点】 (法大)04’吉尾虹樹、90+1’髙橋馨希 |
前期最終節を迎えた関東大学リーグ戦(リーグ戦)。未だ1勝のみと苦戦を強いられている早大は2勝目を懸けて法大戦に臨んだ。開始早々コーナーキックから先制点を奪われ出ばなをくじかれてしまうもその後は落ち着いて試合を進め、1点ビハインドで前半を折り返す。後半は相手陣内に果敢に攻め入り、自分たちの時間を多くつくった早大。68分、MF西堂久俊(スポ4=千葉・市船橋)のパスに反応したFW駒沢直哉(スポ2=ツエーゲン金沢U18)がクロスを供給するも飛び込んだMF安斎颯馬(社2=青森山田)にはわずかに合わない。そのままチャンスを決めきれずに迎えた試合終盤。DF鈴木俊也副将(商4=東京・早実)のペナルティエリア内でのファウルにより相手にPKを与えてしまう。それを冷静に決められ0-2のまま試合終了。2勝目を挙げることはできずに前期を終えた。
クールながら闘志溢れるプレーで攻守ともにチームを支える小倉。特に守備では、要所要所で鍵となるようなプレーを見せる。1年生時からコンスタントにスタメン出場していた経験からの落ち着きと安定したプレーでアミノバイタルカップ以降もチームを引っ張っていく
「3連戦の3試合目ということで、非常に厳しい環境」(外池大亮監督(平9社卒=東京・早実))で迎えた法大との一戦。前節の桐蔭横浜大戦は終了間際に失点を喫したものの「かなり良いゲームができた」(外池監督)と評価し、ひたむきさを出すべく前期最終節に臨んだ。しかし、序盤から相手にボールを握られる展開が続く。4分、コーナーキックからのこぼれ球を押し込まれ、先制を許す。「駒大戦でもこのような失点があった」(DF平瀬大(スポ4=サガン鳥栖U18))と振り返るように、マイナスのボールに対応できていない課題が目立った。その後も法大にボールを保持される時間が続く。32分、フリーキックにMF平松柚佑(社3=山梨学院)がヘディングで合わせるも、ボールは枠の外へ。互いに決定機をつくり出せないまま前半を0―1で終えた。
「スピードがあるし、そういうスピードを生かした推進力もある」と外池監督が語る森。昨シーズンはサイドバックでプレイをしていたが、今シーズンは流経大戦からサイドハーフでの起用が続く。これから続く戦いで持ち前のスピードと推進力でチームの起爆剤となるか
何とか追いつきたい早大。後半は敵陣へと攻め込む時間が続くも、ネットを揺らすまでには至らない。53分、平瀬のインターセプトを受けた平松がDF森璃太(スポ3=川崎フロンターレU18)にスルーパスを供給。相手ディフェンスに阻まれながらも森がシュートを放つがこれはバーの上へ。68分には西堂がアウトにかけたパスを供給し、オフサイドラインをかいくぐった駒沢が受けて中に折り返す。しかし、ゴール前に飛び込んだ安斎にはわずかに合わない。続く69分、MF小倉陽太(スポ3=横浜FCユース)のロングパスに反応したのは駒沢。ボールを受けると1人でエリア内まで侵入してシュートを放つが、これはGKに止められる。その後も攻守ともに好プレーを見せ、チャンスも作ったもののゴールまでが遠かった早大。そしてアディショナルタイム、ペナルティエリア内での鈴木のファウルにより、相手にPKを献上してしまう。ボールはGKヒル袈依廉(スポ2=鹿児島城西)の読んだコースとは反対のネットに吸い込まれる。追加点を許した早大は0-2で試合を終えた。
桐蔭横浜戦に続き、部員が応援に。鳴り響くメガホンと太鼓の音は選手を鼓舞したことだろう。「応援に来てくれた選手が来てよかったと思えるような試合にしたい」と監物は語る。アミノバイタルカップ、後期リーグと勝利を積み立てることができるか次の戦いまでの調整が重要になる
「この順位にいて、後期はもっと変えていかなくてはいけない」とDF監物拓歩(スポ4=清水エスパルスユース)。前々節の順大戦では快勝を挙げたものの、その勢いを持続させることはできなかった。ここまでの成績は1勝4分6敗の11位。優勝を狙っていたシーズンであったが、現状はあまりにもかけ離れてしまっている。一番の課題となるのは、ここまで7得点とリーグ最少の「得点力」。ここ2試合も、自分たちは決定機をものにできず相手に少ないチャンスを決められてしまうという展開が続いている。しかし、シーズン序盤に比べると、明らかにチャンスの構築回数は増えており、ゴール前までボールは運べている。後はいかにして点を取るか。サッカーの本質ともいえるところを、ここからの試合に向けてさらに突き詰めていきたい。
(記事 池上楓佳、髙田凜太郎、写真 水島梨花、宮島真白)
早大メンバー | ||||
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ポジション | 背番号 | 名前 | 学部学年 | 前所属 |
GK | 1 | ヒル 袈依廉 | スポ2 | 鹿児島城西 |
DF | 22 | 平瀬 大 | スポ4 | サガン鳥栖U18 |
DF | 24 | 西尾 颯大 | スポ4 | 千葉・流通経大柏 |
DF | 40 | 監物 拓歩 | スポ4 | 清水エスパルスユース |
DF | 42 | ◎鈴木 俊也 | 商4 | 東京・早実 |
→90+4分 | 27 | 神橋 良汰 | スポ2 | 川崎フロンターレU18 |
MF | 2 | 森 璃太 | スポ3 | 川崎フロンターレU18 |
→53分 | 11 | 西堂 久俊 | スポ4 | 千葉・市船橋 |
MF | 4 | 小倉 陽太 | スポ3 | 横浜FCユース |
MF | 6 | 平松 柚佑 | 社3 | 山梨学院 |
→84分 | 9 | 奥田 陽琉 | スポ3 | 柏レイソルU18 |
MF | 7 | 安斎 颯馬 | 社2 | 青森山田 |
MF | 10 | 植村 洋斗 | スポ3 | 神奈川・日大藤沢 |
FW | 38 | 松尾 倫太郎 | 人科2 | 千葉・八千代 |
→53分 | 17 | 駒沢 直哉 | スポ2 | ツエーゲン金沢U18 |
◎=キャプテン 監督:外池大亮(平9社卒=東京・早実) |
関東大学リーグ戦1部 順位表 | |||||||||
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順位 | 大学名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失差 |
1 | 明大 | 25 | 11 | 8 | 1 | 2 | 20 | 8 | 12 |
2 | 東京国際大 | 21 | 10 | 6 | 3 | 1 | 23 | 8 | 15 |
3 | 東洋大 | 17 | 11 | 5 | 2 | 4 | 19 | 12 | 7 |
4 | 国士舘大 | 16 | 11 | 5 | 1 | 5 | 16 | 10 | 6 |
5 | 桐蔭横浜大 | 16 | 9 | 5 | 1 | 3 | 16 | 12 | 4 |
6 | 拓大 | 16 | 11 | 4 | 4 | 3 | 19 | 16 | 3 |
7 | 法大 | 16 | 9 | 5 | 1 | 3 | 12 | 12 | 0 |
8 | 筑波大 | 15 | 10 | 4 | 3 | 3 | 12 | 10 | 2 |
9 | 駒大 | 11 | 11 | 3 | 2 | 6 | 10 | 22 | −12 |
10 | 順大 | 8 | 11 | 2 | 2 | 7 | 8 | 18 | −10 |
11 | 早大 | 7 | 11 | 1 | 4 | 6 | 7 | 15 | −8 |
12 | 流通経大 | 7 | 11 | 1 | 4 | 6 | 10 | 29 | −19 |
第11節終了時点 |
コメント
外池大亮監督(平9社卒=東京・早実)
――今日の試合はどのようなテーマで臨まれましたか
3連戦の3試合目ということで、非常に厳しい環境でした。この間、週中に桐蔭横浜戦でかなり良いゲームはできたのですが、終了間際にセットプレーで入れられて敗戦となってしまいました。非常に精神的にも難しい状況かなと思っていたので、中2日でしたが、何とかもう一度自分たちのひたむきさなどで挑戦できるような試合にしたいなと思って、準備してきました。
――今日の結果を率直にどのように受け止められますか
もちろん、本当に法政さんの力というのは尊重しています。簡単ではない中で、90分間ひたむきにプレーを最初から最後までできるかどうかというのがポイントでした。そういう意味では、最後の失点、自分たちの中で試合の入り方とか終わり方などいろいろな意味で弱さというのが出てしまったなと。みんなよく頑張ってくれたと思うのですが、自分たちに足りないところがそのまま結果に現れたと思います。
――松尾選手(倫太郎、人科2=千葉・八千代)を1トップに起用された意図は何ですか
法政は3バック気味で、その脇のところが空いてくるという分析はできていました。駒沢も前回良かったのですが、とにかくそこにランニングできる選手、そういうかたちでチームにリズム、ひたむきさなど新しいエネルギーを与え、何とかチームのパワーに変え、ゲームのリズムを作りたいなと思い起用しました。
――リーグ戦中盤以降は先発メンバーがほとんど固定されるようになってきましたが
守備の方は、ビルドアップとかチームのゲームの進め方というのが非常に4年生を中心に整理して、しっかり向き合ってるなという状況です。そこにおいては一定の成果が出ているかなと思います。やはり攻撃は、まだまだパワー不足だったり、本当の意味での泥臭さだったり、ゴールしてやろうというところに関して、早稲田として出せてないなと思います。
――シーズン中盤から森選手(璃太、スポ3=川崎フロンターレU18)を継続的に1列前で使っている意図はどこにありますか
彼はもちろんスピードがありますし、そういうスピードを生かした推進力もあります。我々としては両ワイドの選手がゴールに向かえるかとか、相手陣地に対して侵入していけるかというのがポイントなので、そういった意味では彼の良さに期待しています。今日も後半の開始直後のところで、平松(柚佑、社3=山梨学院)からすごくよいボールが出たのですがゴールに向かいきれなかったという部分では、まだまだやらなきゃいけないなと思っています。
――前期リーグ戦が終了して得られた収穫はありましたか
この悔しさだったり、自分たちがこの状況というものを現実として目の当たりするという経験をすることになったことが収穫だと思いたいです。ここから少し時間が空く中で、チームをどう成長していけるかやどうそこに向き合うかというのは4年生中心に整理する、この後も後期だったりアミノバイタルを含めた部分に対して、どう設定というか再定義していくかちゃんと向き合えるかというところが、この後ポイントになってくると思います。そういったところがこの期間でどこまで深められるか、そういう意味ではこの経験というか悔しさは大きな意味を持つかなと思います。
――今後はどのようなサッカーを目指していきたいですか
それも今の現状の受け止め方捉え方次第です。シンプルに勝ち点を積み上げていかないと見える景色は何も変わってこないと思うので、その前にアミノバイタルカップという試合もあるし、リーグ戦というところに向けてどう力をつけていくか、当然そこが最優先事項になってきます。そのようなところをチームでしっかり共有して確認して、選手個人全員がそこに対して意識がそろうように向かっていきたいと思います。
監物拓歩(スポ4=清水エスパルスユース)
――中2日の3連戦と過密日程でした。調整など難しい部分はありましたか
いや……きつかったですね。自分がまだ復帰明けということもありますし、やっぱりちょっときつかったです。一応、乗り切ることができたのでよかったです。
――後半は、ボールを早稲田が保持する時間が長かったように感じますが、その中でなかなか決定機に結ぶことができなかったということに対してはいかがお考えですか
やはり、そこは前期を通してずっと課題です。チームとして向き合わなくてはいけないと強く感じます。この順位にいて、後期はもっと変えていかなくてはいけないチームであるので、少し練習の部分から意識を変えて取り組む必要があるかなとは思いますね。
――前線へのフィードが目立ちましたが、そこは意識してのものでしたか
自分のストロングでもありますし、そういう狙いもあったので大きめに蹴りました。しかし、通すであったり、精度の部分が欠けていたなと感じます。前が点が取れないという原因もありますが、自分たちの組み立てが悪いであったり、パスが悪いというところも大きく影響していると思います。そこは、意識してやっていきたいです。
――ディフェンスラインは今のメンバーになってかなり安定していますが、前期を終えてどう感じていますか
チームとして安定はしてきましたが失点はしています。そういうところは無くさないといけません。守備が安定してきたなら、どうより攻撃に関われるかは自分たちの課題になってくるかなと思います。守備ができているから良いとはならず、チームとしてどうしたら得点が取れるか、どう守るかをもっと意識してやっていかなくてはいけないと感じます。
――先ほど、「きつかった」という言葉も出てきましたが、チームメンバーがかなり固定されるという状態になってきています。そこに関してはいかがですか
負けている状況で固定されるというのは、チームとしては良くないと思います。もっと下からだったり、ベンチの選手がもっと輝かなくてはいけないと思いますし、それをより自分たちが中から引っ張っていけるようにならなくてはいけません。
――前期を終えての課題は何ですか
やはり1つは得点という部分です。点が取れていないので、そこは大きな課題になってくると思います。自分たちが点数を取れない中で、どれだけ勝ち点1を取れるか。失点をしなければ勝ち点1が取れます。チームを支えることは必要になるのかなと感じますね。
――収穫はありましたか
収穫…チームとして前期に比べて勝たなくてはいけないという雰囲気は出ています。そういうふうに前向きに向かえているというのは収穫かなと思います。選手間のチャレンジはより増えてきているので、そういうところを尊重して前の選手がもっともっとゴールに向かえるような環境を作っていけたらと思いますね。
――これからアミノバイタルカップ、後期と続いていきますが、それまでの期間どのように向き合っていきたいですか
応援に来てくれた選手が来てよかったと思えるような試合にしたいです。より下級生や同期がチャレンジできる環境を作るところが自分の仕事だと思うので、そこはより意識して取り組んでいきたいと思います。
平瀬大(スポ4=サガン鳥栖U18)
――今日の試合を振り返っていかがですか
前期最終節ということで、なんとか勝ち切って順位を一つでも上げたかったです。こんな遠いところにまで応援に来てくれている部員のみんなに申し訳ないという気持ちがあります。
――前期を通して、これまでとあと一歩という試合が多くありましたが
「惜しかった」でいつも終わっています。その都度反省して改善しようとはしているのですが、それでも勝ちにもってこられていません。そこは自分たちの弱さですし、練習からも変えていかないといけないなと思います。
――今日は後半に入ってから早大がボールを保持する時間が増えました。ハーフタイムでどのような話がありましたか
チャンスは絶対にあるから決め切るところはちゃんと決めようという話はハーフタイムでありました。しかし、最後のクロスの質であったり、シュートを打ち切るところで相手にブロックされることがあったので、シュート本数をもっと増やしていかないといけません。シュート本数がちょっと少なかったなというのがあります。
――右サイドを積極的に使う場面が見られましたが、西尾選手(颯大、スポ4=千葉・流通経大柏)と何か話していたことはありましたか
相手のシャドーが出てきて西尾が外に張った時にうまく西尾を使って、そこから平松(柚佑、社3=山梨学院)を使って相手を剥がして、最後に特徴のある西堂(久俊、スポ4=千葉・市船橋)だったりを使っていくという話はしていました。
――セットプレーからの失点が前期何度か見られました。今日の試合でも1点はセットプレーからの失点でしたが、この部分に関してはどう捉えられていますか
今日に関しては、弾いた後にゴール前に(法大が)たくさん固まっていたのですが、駒大戦でもそのような失点がありました。やはり弾いた後に出ていくという意識をしっかり一人一人が持っていたらマイナスに対するボールに反応できるはずです。そこがボケてしまっていたと思います。
――ご自身については復帰してからフル出場ですが、コンディションはいかがですか
コンディションは・・・ばっちりです! ただ勝利にもっていけてないというのが個人として反省すべきところですね。