新体制特集 第7回 柴田徹×鈴木俊也

ア式蹴球男子

 今シーズンは主将、副将という新たな視点からチームを牽引する両選手。自身にとって悲願となるタイトル獲得へ向け思うこととはーー。

※この取材は3月22日に行われたものです。

「目に見えない何かと戦っている」(柴田)

インタビューに答える新主将柴田

――お互いの他己紹介をお願いします

柴田 難しいですね。(笑) 俊也は一言で言うと、凄いなって思っていますね。基本的に学年やチームのミーティングとかを、俺とか俊也は運営側に立ってやっているんですけど、そういうところで頭の切れる意見を言ってくれたり、俺の思いつかないような一歩二歩先のことを言ってくれます。プレイヤーとしてもJ(リーグ)内定しているということもあって影響力が強い選手だなと思っています。なので個人的には頼りにしていますし、尊敬しています。

鈴木 そうですね、徹はなかなか言葉にするのは難しいですけど、俺らの学年のリーダーという感じですね。ミーテイングとかを重ねる中でいろんな意見を出して「みんなでこうしていこう」というような話をしますけど、結局それって行動に移せないと意味がないので、そういう意味で1年生の最初の頃から今まで一度もぶれずに常に先頭で行動してきたのが徹だと思います。まさしくキャプテンだなという印象です。

――お互いのプレーの魅力は

柴田 やっぱり左足かな。左足のキックの精度とか縦パスの精度とか目を見張るものがあるし、左利きでセンターバックだったりサイドバックだったりから質の高いパスを出せるというところが、去年のチームを最終ラインから支えていた一つの要因だと思うので、そこが一つ起点になれるという点で左足のキックは魅力的なものだなと思います。

鈴木 二つあって、一つは攻守において90分間走り切る走力ですね。サイドバックをやるにあたってかなり運動量が求められますが、そこを徹は攻撃も守備も顔を出せる走力があるのが魅力ですね。あとは両足蹴れるということで、どちらか切られてもサイドチェンジできるというところが相手にとっては嫌なポイントだと思います。

――お互いの性格については

鈴木 徹は後輩から見てしゃべりやすい存在だなと思いますね。コミュニケーション能力が高いですし、4年生でキャプテンというのは距離を感じる立場ではあるけど、それを感じさせないくらい距離を縮めていて、そういった部分はすごく上手だなと思います。

柴田 俊也って、めっちゃクールに見えるじゃないですか(笑)。初見だったらビビることもあると思うんですけど、いざ話したら全然ふざけるしめっちゃ笑うので、見た目と中身でギャップがあるなという感じですね。

鈴木 全然隠してないけどね(笑)。

――主将・副将になって変わったことは

柴田 なんですかね。目に見えない何かとは戦っている感じはします。1週間が終わったときの疲労感が去年よりは各段にありますね。でも、だからこそこのチームで成果が出たときの喜びは計り知れないものがあるなというのは公式戦が始まっていない現段階でも感じているので、そういう未来に向かって一日一日頑張らなきゃなと感じています。

鈴木 副将って主務とかと違って何か具体的なタスクがあるわけではないんですが、副将としてチームに何ができるかというのは常に考えていかないといけないと思います。逆にどのような形でもチームに関われるというのが副将というポジションだと思うので、そこは幅広く顔を出しつつ精一杯やりたいと思います。

――お互いにどのような主将・副将だと思われますか

柴田 俺はチームマネジメントとか言葉で人を動かすというのがあまり得意ではないので、サッカーをしてなんぼという選手だと思います。なので、それ以外のチームマネジメントとか言葉という部分で副将に俊也がいてくれて凄い助かりますし、頼りになりますね。

鈴木 徹が言った通り、やっぱり徹は背中で魅せる男という感じがします。誰よりも先頭で走って戦ってという姿を見て下がついてくるというのを、シーズン通してやってくれるのではないかなと思います。

――柴田さんの理想のキャプテン像

柴田 距離感が生まれないようにしたいというのはありますね。いろいろな人とコミュニケーションをとるようにしていますし、プレ―では誰よりも声を出して戦うということで、チームメートからの印象もよくなると思います。俺のプレーを見てついていきたいと思う後輩が一人でも増えてくれたらいいなと思います。

――鈴木選手は

鈴木 お互いができないところをお互いが補いあってという感じで、支えあえたらいいと思います。別に徹が引っ張ってみんながついていくというだけではなく、僕も先頭に立ってチームを引っ張らなけらばいけないという意識はあるので、二人で助けあいながらチームを引っ張れたらと思います。

――昨シーズンの主将であった田中さん(田中雄大、スポ=神奈川・桐光学園)、副将であった田部井さん(田部井悠、スポ=群馬・前橋育英)、須藤さん(須藤友介、スポ=FC町田ゼルビアユース)の偉大さを感じることはありますか

柴田 偉大だったなというのももちろんあるんですが、昨年がどうだった、一昨年がどうだったというのはあまり考えていないですね。今年自分がやって何ができるかというのが一番大事だと思います。なので偉大な人だったなとは毎年思いますが、だからと言ってそれにならってこうしようというのはないですね。

鈴木 去年は、副将の二人に関しては凄くバランスをとるのが大変そうだなという印象を抱いていて、シーズンを戦っていく中でチームの運営のところだったり、自分のサッカーのパフォーマンスのところだったりでバランスをとるのが難しそうだと思っていました。でも僕も去年どうこうというよりは自分のスタイルを貫きたいなと思っていて、せっかく僕たちの代なので、自分の価値観とかスタイルを大事にしていきたいと思っています。

「見ているだけというのは悔しかった」(鈴木)

最終ラインから声を出す鈴木

――昨シーズンの反省

柴田 毎年なんですけど、結果が出ていないというのは反省というか悔しい点ではありますね。早稲田という名の知れた大学だし、関東リーグも一番優勝している回数が多い中で、自分が入ってきて3年間何もタイトルが取れていないので、そこの反省はあります。自分がいる4年間で1回はタイトルを取りたい思いはあるので、今年にかける思いは強いものがあります。

鈴木 かなりサッカー的な要素になってくるですが、試合を通して自分たちがやりたいことやその状況に合わせたプレーというのが出来ずに勝ち点を積み重ねられなかったというのがシーズンを通してありました。特に最後のインカレ(全日本大学選手権)もそういう形で負けてしまったので、そこを反省として、今年は自分たちがどのようなプレーをしてどのように試合を組み立てていくかというところは、スタッフや学生コーチを中心にしっかり話あっています。

――インカレでは鈴木選手はケガをされていて外から見ていたと思いますが、もどかしい思いはありましたか

鈴木 そうですね。去年、日本一を目標に掲げて4年生と日本一を取りたいという思いで1年間プレーしている中で、シーズンの最後の方はケガや疲労から練習に参加できなくなって。ずっとインカレになんとか間に合わせてチームのために戦いたいと思っていましたが、トレーナーとも相談して初戦は外から応援するという形をとりました。自分は何も出来ずに、去年のシーズンが終わるのを見ているだけというのはすごい悔しかったですし、なんとも言えないもどかしさがありました。

――反対に昨年ここは良かったという点はありましたか

柴田 正直去年はできなかったことの方が多いですね。2年生の時はほぼ全試合出たんですけど、去年は半分も出れてないので、コンディションやケガの管理というのは一昨年に比べて去年は上手くできなかったと思います。

鈴木 できたこととは違うかもしれませんが、1・2年生の頃とは違うポジションにチャレンジしたというか、チーム事情もあっていつもと違うポジションでスタートして、結果的にほぼ全試合でセンターバックでプレーできたというところですかね。最初の頃は景色も違いますし、求められるプレーも違うので苦戦しましたけど、結果的にシーズンを通して戦うことが出来たのは一選手として成長できたかなと思います。

――今年のチームの雰囲気はどうですか

柴田 去年に比べると今年のチームはサッカーの色が強いなと思いますね。自分の代の特徴としてピッチ外よりもまずはピッチ内で結果を残したいという人が多いので、そういうのがチームの雰囲気として表れているなと思いますし、サッカーの戦術や技術の部分への追及というのはかなりいい雰囲気でできていると感じています。

鈴木 スタッフも体制が変わって、新たなコーチを迎えて新しい風を吹き込んでもらうことで、それを通じて今までとは違う戦術へのチャレンジだったり、自分たちがやりたいプレーの細かいところをしっかり共有できているので、そこはポジティブに捉えています。ただ課題はもちろんありますが、チームとしてはいい雰囲気で開幕に向けて着実に準備できていると思います。

――4年生はどんな学年だと思われますか

柴田 サッカーが大好きな学年なんじゃないですかね。結果以上に純粋にサッカーを楽しんでいるというか、「サッカーが好きだから負けたくない」というようなシンプルな感情というのが表に出ている学年だと思います。だからこそ、この学年でタイトルを取りたいと思います。

鈴木 1年生の頃のミーティングから日本一になりたいとかリーグ戦で優勝したいというのは常に言ってきているので、そこに対する熱い思いをみんなが持っている学年だと思います。あとはピッチ内でどう表現するか凄い楽しみです。

――4年生になって変わったことは

柴田 組織の一番上に立つうえで、自分のことよりもチームのことを考えないといけないなというのは今年になって変わりましたね。去年までも試合に出ていたということもあってチームのことも考えていたのですが、キャプテンになってより一層強くなったというか、そこをないがしろにしてはプレーできないという風になりました。個人のことも大事なんですが、優先順位が個人からチームになりましたね。

鈴木 なんかちょっと心配性になりました(笑)。やっぱり最後のシーズンで勝ちたいですし、満足して終わりたいという思いがすごい強くなっているので、「あそこ大丈夫かな」とか「みんなはどう感じてるかな」というのを考えるようになりました。

柴田 ああ、それはあるね(笑)。

――お二人から見て2.3年生は

鈴木 3年生に関しては僕たちの学年とすごい距離が近くて、比較的学年間を感じさせないようなコミュニケーションができているかなと思います。

――3年生の方からもくる感じでしょうか

鈴木 んー(笑)。そうですね。

――昨シーズンのインカレ前の対談で山下選手(山下雄大、スポ4=柏レイソルU18)も同じようなことを「なめられている」とおしゃっていました

鈴木 (笑)。なめられているというか、僕たちも壁ができないように接してきたので…(笑)。なめられているというかいい距離感でいられているなと思います。

柴田 3年生はバランスが取れた学年だなと思いますね。寮生が少なくて5人くらいしかいなくて、マネージャーの人数は自分たちの代よりは全然多くて、ピッチ内で頑張るやつは頑張って、YouTubeとかで頑張るやつはピッチ外で頑張ってという感じで、いろんなところでチームを支えている代なんじゃないかと思います。

――ア式の一押し選手は

柴田 俺は平瀬大(スポ4=サガン鳥栖U18)かな。平瀬は寮生の中でも仲良くて、ケガで全然プレーできてないんですけど、ところどころ復帰したときにプレーは見ていて、万全な状態だったらとてつもないんじゃないかなと思わせてくれるようなプレイヤーです。ポジションもセンターバックなので一緒に組むことも多いので、すごい楽しみにしています。ピッチ外では凄い面白くてずっとふざけているので、そういうところも含めて一押しです(笑)。

鈴木 僕は植村(植村洋斗、スポ3=神奈川・日大藤沢)が一押しですね。1年の時から少しずつ試合に絡み始めて、去年もある程度試合数をこなしていく中で進化のスピードというか成長の度合いが早くて、ほんとにいろいろなものを吸収しながらどんどん進化し続けているので、今シーズンの活躍に期待したいです。あとはシンプルにプレーが好きです。

――駒沢選手(駒沢直哉、スポ2=ツエーゲン金沢U18)も植村さんのプレーを見て思わず「上手っ」と声が出てしまうとおっしゃっていました

鈴木 そうですね。上手いというのは1年生で入ってきたときから上手かったんですが、そこに守備の強度とか走力とか体つきも変わったりして、成長が凄いなと思います。

――ここからはプライベートな質問に移らせていただきます。まず趣味は

柴田 僕は自然が好きなのでオフの日は山に走りにいったり海に行ったりしますね。

鈴木 僕は最近運転するのが好きなので、よく運転しますね。ちょっと出かけるときとかに電車でもいいけど車で行ったりしますね。

――仲のいい選手は

柴田 やっぱり平瀬ですかね。一緒にいる時間はア式の中では多いですね。僕は一人が好きなのでプライベートで誰か一緒にいるっているのはあんまりないんですけど、大は寮で一緒に生活しているので一緒にご飯を食べたり買い物したりっていうのは多いですね。

鈴木 平田周(スポ4=東京・國學院久我山)と西堂(西堂久俊、スポ4=千葉・市立船橋)ですかね。伏見であった時に一緒にいる時間が長かったり、何か相談事があるとよく相談したりされたりしますね。

――オフの日は何をされていますか

柴田 そうですね。山に行くか映画を見たり本を読んだりしますね。映画は部屋でアマゾンプライムで見たり、気になった映画を見に行ったりしています。でも最近は本がブームなので本を読みまくっていますね。

――おすすめの本は

柴田 なんだろうな(笑)。最近ビジネス系というかリーダーに関する本とか、なりたい自分になるためにはというような本を読んでいますね。

鈴木 ええ(笑)。

柴田 最近読んだ本だと『無』という本を読んだんですけど、その本は面白かったですね。無という状態が人にとって一番良いということが書かれているんですけど、その本は結構好きですね。

鈴木 アニメが好きですね。最近はキングダムと進撃の巨人をよく見ています。

柴田 進撃やばいよね。

――最近まで長期のオフだった思いますが、何かいつもと違うことをされたりしましたか

鈴木 全然いつも通りじゃなかったです(笑)。手術で入院したのとコロナになりました(笑)。

柴田 おばあちゃん家に家族みんなで集まっていましたね。年末年始しか集まれないので、のんびりゆっくりしていました。

――選手によっては1日オフにすると、罪悪感があるという人もいるようですが

柴田 僕は何もしない日は本当に何もしないですね。

鈴木 全然もう。サッカーはどうでもいいです(笑)。

――お二人は4年生ですが大学生でやり残したことは

柴田 旅行に行きたいですね。日本のいろいろなところを巡ってみたいです。

鈴木 どこか地方に行くにしてもサッカーが付きまとってくるので…(笑)。去年キャンプで沖縄に行ったんですけど、沖縄とかは一週間くらいサッカーのことを考えずに普通に行きたいですね。ただ遊びに行きたいです。

「競争が生まれるのはチームにとってプラスでしかない」(柴田)

左サイドを突破する柴田

――少しずつまたサッカーの話に戻っていきたいと思います。柴田さんは関東A選抜としてデンソーチャレンジカップに参加されましたが、そこで得られたものは

柴田 レベルの高い環境だからこそ、できることとできないことが明確にわかりました。関東A選抜として行って結果は4位でしたが、個人の中でクロスの部分などは通用することがわかったのでそこは今シーズン武器にして勝負していけたらいいなと思います。

――今回が2度目の選出となりました。最終学年として参加するにあたり、意気込みなどに変化はありましたか

柴田 そうですね。去年は選ばれてラッキーみたいな感じで行って、ついていくので精一杯でした。ただ、今年は勝負の年になりますし、まだ(プロ)内定も出てないので。デンソーは自分の力を試せるいい機会ですし、そこは結構去年と違って、チャレンジ精神というか、挑戦する思いは今年は強かったですね。

――お二人はチーム事情に合わせて複数ポジションをこなされますが、勝負したいポジションは

柴田 サイドバックで勝負したいですね。右(サイドバック)を主戦場にしてますけど左(サイドバック)をできるに越したことはないですし、チームの戦術の幅をサイドバックとして広げていきたいです。

鈴木 もちろんチームと監督の要求に応えるということを前提においた上で、サイドバックをやりたいなと思いますね。(サイドバックと比べて)センターバックあまり好きじゃないので(笑)。

――センターバックを好まない理由は

鈴木 基本的に攻撃したいんですよね。サッカーをやってて点を取ったりアシストしたりするのが1番うれしい瞬間で、もちろんセンターバックにもやりがいを感じますけど、直接的にチームの勝ちに関わりたいなとずっと思ってました。

――昨シーズンはディフェンスラインにケガ人が多く、チーム事情としても苦しい部分があったと思います。その中で今シーズンは選手たちも徐々にケガから復帰してきました

鈴木 去年のもともとのスタートはチーム事情でセンターバックをやらざるを得ないというところではありました。(ケガ人が復帰して)それがなくなってフラットに見た時に監督が僕をセンターバックとして使うのか、サイドバックとして使うのかっていうのはありますけど、やらざるを得ない(という状況)よりは、やっぱりフラットに見た上で最適なポジションを選んでほしいなと思ってます。

柴田 層が厚くなるのはうれしいですね。競争が生まれるのはチームにとってプラスなことでしかないので、そこで競い合うことができればより自分自身の成長につながると思いますし、チームとしても固いディフェンスラインになると思うのでメンバーが増えるというのはいいですね。

「すごくいい循環が出てきた」(鈴木)

得意の左足で前線にロングフィードを送る鈴木

――シーズンの開幕に向けてお話を聞いていきたいと思います。今シーズン注目してほしい自分のプレーは

鈴木 僕はストロングがハッキリしてるので。左足のキックは見て欲しいというか、それで勝負したいですね。左足のキック一つで、観てる人に周りの選手との違いを見せつけられるようなプレーをしたいなとは思ってます。

柴田 走力のところは見てもらいたいですね。自分の良さでもあるし、誰かが頑張ってるところを見て他の人も頑張るという、そういうところのきっかけに自分がなれればいいなと思います。また、キャプテンとして誰よりも走る、ストロングを出すということがチームとして良くなっていくというところにつながっていくと思うので、走力の部分と駆け上がってからのクロスは今シーズン武器として勝負していきたいのでそこは注目してもらいたいです。

――チームが今シーズン目指すサッカーは

柴田 ゲームを支配するということはチームの方針として掲げられています。ボールを保持してゲームを支配して、自分たちの力で勝利をつかみ取るというのは目標としています。

――現状のチームのサッカーに感じるものは

鈴木 新しいことにチャレンジするということをチームとして取り入れていて、そこに対して選手一人一人がシーズン開始からすごく向き合ってくれています。練習の中でチャレンジが見えて、それと同時にいろいろなエラーが出て、またそれを改善してチャレンジしてという、すごくいい循環が出てきたなというのがスタートの時の印象ですね。今実際にシーズンが近づいてきた中で思うのは、チャレンジをチームとして後押ししている分、たくさんエラーが出てきて、そこはもっともっとこだわって修正していかないと怪しい部分が多く見えてくるので、チャレンジをポジティブに捉える分、そこに対するカバーというのはチームとして意識していかないといけないと思います。

柴田 俊也が言った通りかなと思いますね。チームがやろうとしていることが結構難しいことなので、そこに対するトライというのは欠かしてはいけないと思いますけど、トライした分エラーが発生するし、そのエラーっていうのをいかに早く修正して次のトライにつなげていくかっていうところはスタッフや学生コーチ中心にやってくれている部分ではあるので、今のところはいい循環が生まれているのかなと思います。

――リーグ戦で意識する対戦相手は

鈴木 明治…。明治ですかね。僕が1年の頃の明治が印象に強すぎて、ほんとに最強だなと思って。自分たちが日本をリードすると掲げていますけど、1年、2年の時に大学サッカーを牽引していたのは間違いなく明治だったので、彼らを超えて自分たちが優勝したいというのは常に思ってます。

柴田 明治、法政、駒沢ですかね。常に優勝争いをしているし、そこに勝っていかないとタイトルは見えてこないと思うので。どの大学との試合も欠かせない大事な試合ですけど、自分が入学してからずっと上位にいる大学との試合というのは楽しみですね。

――選手では意識している人はいますか

柴田 意識する選手か…。あんまりいないですね、正直(笑)。対戦相手によって特徴も違いますし、それに対応していかないといけないので、目の前の相手に負けないというところは何より大事かなと思っているので、この選手だけには絶対負けない、みたいなのはないですね。全員に負けないつもりで戦いたいです。

鈴木 いないな…(笑)。

「タイトルを獲りたいという強い思いがある」(柴田)

早慶戦で雄叫びをあげる柴田

――今シーズンのチームとしての目標、個人としての目標は

柴田 チームとしては日本一とリーグ制覇。タイトルは全て獲りたいですね。個人としては全試合出続けるというのが一つ目標としてあって、試合に出続ける中で自分の価値を高めていくっていうのは大切になってくると思います。その中で結果を残すプレー、アシストだったり、サイドバックで点を取れたらすごくいい選手だと思うので結果の部分にはこだわっていきたいです。

鈴木 チームとしての目標はもちろん日本一とリーグ制覇。個人としては、ピッチ外では、チーム全体を俯瞰して見ながらチームの状況や足りない部分にいち早く反応できるようになるというのと、ピッチ内では、来年からプロの世界で戦うにあたって今の自分の現状には全然満足できてませんし、チームの勝利に必要となれる選手になるために、まずは早稲田でシーズン通してコンスタントに出続けること、そして機会があればJの方でも試合に出ながら活動していきたいなとは思ってます。

――今年はインカレの決勝が元日に国立で行われますが

柴田 そこは意識してますけど、意識しすぎず、一戦一戦がほんとに勝負になってくるので国立決勝(の舞台)に立って優勝するというのが最終的なゴールになると思います。ただリーグ戦で勝たなければインカレにも出場できないので、一戦一戦を大事にやっていきたいです。

鈴木 高校サッカーに比べて知名度や注目度が低い大学サッカーですので、元日国立ということでその舞台に立って早稲田がチャンピオンになることができれば今後のア式の注目度が上がると思います。今広報などいろいろな取り組みをしてますけど、これでア式の活動を知って応援してくれる人が増えて、どんどん早稲田が前に進んでいくというのをそういった舞台で体現できるのはいい機会だなと思うのでそこはすごくモチベーションになります。

――最後に今シーズンに向けた意気込みをお願いします

柴田 今シーズンは大学サッカー最後の年ですし、タイトルを獲れていないということを踏まえて今年はタイトルを獲りたいというのは本当に強い思いがあるので、そこにチーム全員で向かっていきたいと思います。

鈴木 去年とかはほんとに悔しい思いをして、タイトルを獲れずにインカレもすぐ負けてしまって強い早稲田をみなさんにお届けすることができなかったので、今年こそOBの方々、早スポの方々、ULTRASやそれぞれの保護者といった応援してくれる方々に自分たちのサッカーで活力を届けるとともに、タイトルという形で目に見える結果でみなさんに恩返しできればなと思っています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 栗田優大、玉置理沙子 写真 水島梨花、内海日和氏、橋口遼太郎氏)

※学年は来年度のものを使用しています。

新シーズンへの意気込みを書いていただきました!

◆柴田徹(しばた・とおる)(※写真左)

2001(平13)年2月18日生まれ。172センチ。湘南ベルマーレU18出身。スポーツ科学部4年。試合前には「湘南の風の『STAY GOLD』は絶対に聞く」という柴田選手。ここでも湘南愛が感じられます!

◆鈴木俊也(すずき・しゅんや)(※写真右)

2000(平12)年11月24日生まれ。178センチ。東京・早実出身。商学部4年。移動のバス中ではBLACKPINKのライブ映像を見るという鈴木選手。推しは「ジェニ」だそうです!