新体制特集 第2回 丹羽匠×水野雄太

ア式蹴球男子

 新体制が始まり、最高学年となった両選手。大学での集大成となる今シーズン、何を見つめているのかーー。

※この取材は3月19日に行われたものです。

「どんな試合にも一緒に出たい存在」(水野)

ゴール際でパスを送る水野

――まずは、お互いの紹介をお願いします

丹羽 難しいですね。寮でも仲の良いメンバーなので、基本ご飯とかお風呂とかも一緒ですね。割と休みの日も一緒に遊びにいく感じで。めっちゃ仲良いかな。むずいな(笑)。

――水野選手はどんな性格をされているんですか

丹羽 優しいし。割となんでも信じるやつですね。

水野 あぁ、そうですね(笑)。

丹羽 すぐハマるし。色々なことに。

――今までにどんなことにハマられましたか

水野 色々なことにハマります(笑)。ハマりやすいです(笑)。

――では、水野選手から丹羽選手の紹介をお願いします

水野 そうですね。匠の言った通り、結構、一緒に行動します。色々なことを話すし、話しやすい関係にはあるかなと思います。サッカー中も見ている人が楽しめるようなプレーをする選手です。自分も一緒にやっていると楽しいし、プレイヤーとしてすごく尊敬するところがあるので、良いなと思っています。性格は、人になんでも通せる感じで、自分の軸っていうのはしっかり持っている人間なのかなとは思います。

――丹羽選手の軸を通す性格が現れているエピソードなどはありますか

丹羽 あんま言えへんよな(笑)。やりすぎてるもんな、色々な(笑)。本当に色々やりすぎているんで。

――言える範囲でありますか

丹羽 言えるやつか…。無いんだよな。よく考えてみたら、全部やばいんですよね(笑)。

――そんなにすごいエピソードなんですか

水野 書いたら止められる位な感じですね(笑)。本当に軸が本当にブレないんで(笑)。

――軸がブレない性格というのは幼少期からですか

丹羽 わかんないですね(笑)。

――気づいたらという感じですか

丹羽 そうですね。爆発したのが大学かな。限界を超えたって感じで(笑)そうですね…爆発したのは大学ですね(笑)。

――先程の質問と被る部分もあるとは思いますが、お二人にとって、お互いはどんな存在ですか

丹羽 チームメイトというよりも友達という感じですね。寮もずっと同じですし、仲良いんで、しっかり友達という感じですね。

――寮が同室なんですか

丹羽 いや、違います。ただ、雄太の部屋がたまり場みたいな感じなので。

水野 部屋がちょっと広いから。

――みなさん集まられると何をされるんですか

丹羽 スイッチとかしてるかな。俺はあんまりゲームとかには、最近参戦していないんです。寝転んでるだけとか(笑)。とりあえず部屋に行ってという感じですね。

――お互いにとっては友達だとおしゃられていましたが、チームにとってはどのような役割を果たしていると思いますか

丹羽 雄太はやっぱり速いし、最近点もめっちゃ取ってるし、一番チームでも調子が良いと思います。なので、攻撃のキーマンというか、得点に直結するところの要なのかなと思っています。

水野 匠はそうですね。中盤でボールをさばいて、自分でも攻撃に転じられるような選手なので。ボールを配給できる選手なので、自分としてはすごくやりやすい選手というか。自分は使われる側なので、パスを出してくれるタイミングとかもすごく合うので、やりやすい選手だなと思いますね。自分的にはどんな試合にも一緒に出たい存在ですね。

――自己分析では、チームにとって自分がどのような役割を果たしていると思いますか

丹羽 ビルドアップはそんなにうまい感じでは無いので、そこをやることが多いです。前にボール運ぶみたいなことが役割かなと思います。

水野 自分は圧倒的な攻撃的選手なので、攻撃を引っ張るという部分が求められているのかなとは思いますね。

「4年生はプレーや姿勢で引っ張っていくようなタイプ」(水野)

インタビューに答える水野

――昨シーズンの振り返りをお願いします

丹羽 前期頑張ったという感じですかね。最後の方はあんまり出てないんで。軸がブレなかったから(笑)。という感じです。

水野 自分は昨年はそこまで試合に出ていないなという印象があって。最後のインカレはスタートから出ることができたんですけど、昨年は思うような結果が出せなかったというような1年だったというふうには思います。

――今季のア式の雰囲気はいかがですか

丹羽 4年の雰囲気が多分、今までとは違うので、個性的というか。割と個が強い感じなので、割とのびのびやれているのではないかなとは思います。

水野 これまでの4年生よりかは 堅苦しくないというか、ある程度自由が許されている感じはしますね。後輩たちも気を使わずにぐいぐい来てほしいなというのはありますね。4年生がそこまで引っ張るというタイプではないので、出ている4年生はプレーや姿勢で引っ張っていくようなタイプだと思います。それを見て後輩たちが真面目にプレーをやろうとして、良いチームを作っていけたらと思っています。

――お二人から見て、2、3年生はいかがですか

丹羽 コロナだったので、僕らが1年生の時にやっていた仕事とかからはガラッと変わっていたので、僕達よりも自由にやっているイメージはありますね。

水野 どうなのかはわからないですけど、あまりきつそうでは無いなと(笑)。

丹羽 ほわんとした感じがしますね。

――今シーズン注目の選手を教えてください

丹羽 最近だったら、インタビューとかなしで、雄太かな。ケガしたんですけど。

水野 自分は藤本(藤本隼斗、スポ3=柏レイソルU18)にします。インカレで初めて公式戦に出て一緒にやったんですけど。あいつも公式戦に出る経験がそんなにないので、非常にやりやすかったし、攻撃の起点も作れていました。あいつも頑張っているし、スタートから出れる選手だと思うので、個人的には注目したいです。

――最上級生になったことで、意識に変化はありましたか

丹羽 特に学年が変わったからといって何かが変わったということはないですかね。全員、後輩になるので、自分から話す機会は増やしているつもりです。

水野 自分も学年が変わったから何か変わったということはありませんが、大学生活で4年目は大事になってくるとは思います。その辺の自覚は多少は持ちつつプレーはしていきたいですね。

「自分がいないと勝てないという存在に」(丹羽)

前線へとボールを運ぶ丹羽

――プライベートについて聞かせていただきます。お互い以外に仲の良いメンバーはいらっしゃいますか

丹羽 雄大(山下雄大、スポ4=柏レイソルU18)とかひさ(西堂久俊、スポ4=千葉・市立船橋)、隼斗(藤本隼斗、スポ3=柏レイソルU18)、琳平(大場琳平、スポ4=柏レイソルU18)とか。寮生はかなり仲が良いので。みんな基本的に仲良いですね。

――オフの日はみなさんで遊びに行かれるのですか

丹羽 最近は就活とかしているんで、みんなで出かけたりはしないですけど、前はよく行っていましたね。寮生で豊洲にバーベキューをしに行ったり。

――趣味は何ですか

丹羽 サウナとかですね。やることがなさすぎて(笑)。おふろの王様とかは結構行きますね。

――好きなワセメシとかはありますか

水野 ワセメシ…。

丹羽 キャンパスに行ってないんで。本キャンには近づかないようにしているので(笑)。 水野1年の時とかは…。

――東伏見の近くにおすすめのお店はありますか

丹羽 東伏見の近くなら、サウスのパスタですね。アイススケートリンクの近くのカフェなんですけど。

水野 皮膚科の横にあるんですけど。エビトマトクリームパスタが美味しくて。

――部員のみなさんでよく行きますか

水野 はい、後輩と鉢合わせると結構気まずいです。

丹羽 奢らなきゃいけなくなるので、秘密にしといてください(笑)。

「人として大事な部分を突き詰めていきたい」(丹羽)

インタビューに答える丹羽

――ここからはお二人それぞれにフォーカスした質問をさせていただきます。水野選手のnoteより、ア式蹴球部に入部してから様々な挫折や辛い経験をされたとのことですがそれらを乗り越えるために何をされましたか

水野 自分はそんな悩むタイプじゃなかったんですがその時は色々考えてしまって落ち込んじゃって、練習に参加できなかったんですよね。でも、「人生なんとかなるっしょ!」と思うようにしました。それからは調子が良く、最近はあまり悩むことなくサッカーに励むことが出来ています。

――丹羽選手は悩んだり、落ち込んだりした際にどうやって立ち直りますか

丹羽 僕は基本的に反骨心を持っているというか、どちらかと言うとイライラした気持ちに頑張って打ち勝とうとする感じです。

――選手権で水野選手の母校である大津高校が準優勝されましたが、それについてどう思われますか

水野 自分達の代がベスト16で青森山田高校に負けていたんですが、去年の代は大津高校で初めて選手権決勝まで進んで、調子が良かったので優勝してくれるかなと期待していました。でも、相手はさすが高校サッカー最高峰のチームということもあり、手も足も出ていない状況でしたね。見ていて自分達を思い出して懐かしい気持ちになりましたね。彼らを見て、自分も頑張ろうと刺激を受けました。

――「日本をリードする存在になる」というスローガンはサッカー以外のことについても表現しているような印象を受けました。このスローガンについてはいかがでしょうか

丹羽 自分の解釈としては、サッカーで1番をとった先に他のこともリード出来る存在になると思っています。だからまずはサッカーで1番をとりに行く姿勢を見せなければいけないと思っています。その上で応援される存在になるために、人として大事な部分を突き詰めていきたいです。

――丹羽選手は、今後、チームの中ではどんな存在になっていきたいですか

丹羽 チームにおいては、自分がいないと勝てないという存在になっていきたいですし、後輩たちに面白い先輩と思ってもらえて親しみやすい存在になりたいですね。

――水野選手は長期怪我に悩まされていたとのことですが、怪我と向き合っていく中で辛いと感じることはありましたか

水野 怪我もそうですが、昨年は精神的にも辛い時期がありました。そのあと次第にサッカーしたいという気持ちを抱き始めるまでなるべくサッカーのことを考えないように意識していて。またサッカーがやりたいと言う気持ちになったらサッカーにフォーカスを当てました。悩んでた当時は、自分自身初めての経験で誰にも相談することが出来なくて思い詰めていたんですけど、去年の4年生の先輩方に助けてもらいました。そのおかげで思っていたより早く復帰することが出来ましたね。怪我については、小さい怪我を短いスパンでしていました。僕はあまりストイックな方ではないので、何かをして治すというよりも、何もしないで治していました。リハビリなどは特に考えて、やったことはないです。トレーナーのメニューを指示通りにやっていました。

――水野選手のnoteより、発言力を高めるために語彙力や感受性を身に付けたいとのことですがそのプロセスとしてどんなことをしましたか

水野 一時期、本を読んでいたんですが三日坊主ですぐ読まなくなってしまって(笑)。それから、多くの人とコミュニケーションを取るようにして、話すのに慣れるということにシフトチェンジしました。人前で話すことが得意になるように、より多くの人と関わることを意識しましたね。今年は最上級生として、後輩たちと積極的に話す機会を作れたら良いなと思います。

――ちなみに三日坊主で終わる前は何の本を読んでいましたか

水野 母校の監督である平岡先生の本を読んでいました。その時は語彙力というよりも、考え方の幅を広げるつもりで読んでいました。もっと言葉や知識を身につけたいですね。自分は漫画とかも読めなくて(笑)。文字が嫌いなんですよね。ゲームしちゃいますね(笑)。

「焦りは正直ある」(水野)

ドリブルで攻め上がる水野

――4月3日に関東リーグが開幕しますが、意識するチームや選手はいらっしゃいますか

丹羽 関東にあんまり知り合いはいないんですけど、唯一、岩本翔(筑波大)がガンバ(ガンバ大阪ユース)の時のチームメイトで、意識する人かなと思います。

水野 自分も地方から出てきてあんまり知り合いとかはいないんですけど、同じ高校出身の松原亘紀(明大)は良いライバルです。なので、負けないように強い気持ちでやっていきたいですね。

――絶対に負けたくない一戦はありますか

水野 関東リーグじゃないですけど、早慶戦かな。

丹羽 関東の中だったら、駒澤とかっすかね。タイプというか、やりたいことが全く違うので、どっちが良いのかという競い合いになると思うので、駒澤戦ですかね。

――チームの完成度はいかがですか

丹羽 正直、ちょっと俺はやばいなと思っています。コロナでちょっと止まったりだとか、デンソーで抜けちゃってあんまり一緒にできていないというのもあるんですけど。見れてないからこそ完成度は低いのかなというのはあります。あと、練習試合もうまく言ってるかというと微妙なんですけど、勝ててはいます。リーグが始まるまでに完成させるというのと、完成しなくても勝ちながらチームを作っていくということができればなんとかなるかなとは思っています。

水野 完成度は高くないけど、今季の練習試合は負けていないので、そこは唯一良いところかなという感じですね。ただ、焦りは正直ありますね。

――ご自身のコンディションはいかがですか

丹羽 あんまり良くないですね。

水野 自分は割と良い方ですけど、ケガがついてきちゃったので、まずは早く治したいですね。チームに迷惑かけてしまっているので、完治したら、しっかりチームの役に立てるように頑張りたいなとは思いますね。

――今シーズンの目標をお願いします

丹羽 個人はとりあえずレギュラーで試合をしたいです。点とアシストなど結果にこだわるのは意識していきたいなとは思います。チームとしてはリーグ、天皇杯、インカレ優勝ですね。元日に国立なので、結構いいなとは思っていて、そこでやりたいですね。

水野 個人的な目標としては試合に関わるということです。最終的な目標としてはプロサッカー選手になれたらとは思います。チームの目標としては日本一を取りたいというのと、取れるタイトルは全て取っていきたいというところですね。

「勝負には負けたくない」(丹羽)

相手と競り合う丹羽

――初戦となる筑波戦への意気込みをお願いします

丹羽 勝負には負けたくないです。試合に出れるかはわからないですけど、まずはレギュラーになって勝ちたいなと思います。

水野 リーグ戦において、初戦というのはとても重要になってくると思います。そこで勢いをつけるか殺すかになってくると思います。初戦はなかなか難しい戦いにはなると思いますが、勢いをつけていけるように勝ちたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 水島梨花、宮下幸 写真 前田篤宏、水島梨花、宮下幸、内海日和氏、橋口遼太郎氏、横澤輝氏)

※学年は来年度のものを使用しています。

今シーズンの意気込みを書いていただきました!

◆丹羽匠(にわ・たくみ)(※写真左)

2000(平12)年4月15日生まれ。172センチ。ガンバ大阪ユース出身。スポーツ科学部4年。暇な時は、テレビを見たり、ゲームをするそうです。特にゲームにはこだわりがあるようで、『荒野行動』は絶対にやらないというポリシーの下、広告などに出てくるゲームを極めていると語ってくれました!

◆水野雄太(みずの・ゆうた)(※写真右)

2000(平12)年4月15日生まれ。168センチ。熊本・大津出身。スポーツ科学部4年。試合前にはヒップホップを聞かれるようで、「イエローバックスとか、治安悪めの曲を聴いてテンションを上げています(笑)。」とのこと。ご自身もギターを弾かれるとのことで、最近はマカロニえんぴつの曲を弾いたそうです!